ダーク・ファンタジー小説

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アシナクシ。
日時: 2016/07/02 16:08
名前: 彩都 (ID: iXLvOGMO)

始めまして、彩都(サイト)と申します。

五作目です。
完全に、グロいです。
中身は、五分で思い付いた五分クオリティです。
読む時は背後に気を付けて下さい。
アシナクシさんが、襲うかもしれませんので……
それでは、どうぞ。

目次

第一部 『アシナクシ』襲来

序章 >>1

第一章 (CHAPTER 1) >>2-3

第二章 (CHAPTER 2) >>4

第三章 (CHAPTER 3) >>5

第四章 (CHAPTER 4) >>6

第五章 (CHAPTER 5) >>7

第六章 (CHAPTER 6) >>8-9

第七章 (CHAPTER 7) >>12 >>15-16 >>23-24

第八章 (CHAPTER 8) >>32-34

第九章 (CHAPTER 9) >>35-36

第十章 (CHAPTER 10) >>37



第二部 『アシナクシ』討伐

第一章 (CHAPTER 1) >>??

後書 第一部完 後書 >>38

Re: アシナクシ。 ( No.51 )
日時: 2017/08/05 21:29
名前: 彩都 (ID: XGjQjN8n)  

 そして昴は今日一日、全ての授業を受けた、何だか今日は一日でも授業に出ておきたかったのだ。
 そうでもしておかないと、『自分が自分でなくなってしまう』気がしたからだ、昴は六時間目の授業を終え、その場で溜息を吐く。
 何だろう、がらにも無い事をしてしまった気分だ、昴はそう思いながら部活に向かおうとする、すると紬が昴の前に現れて、声を掛ける。
「どうしたんだ昴?」
「ん? あぁ、要じゃないのか、んや? 今から部室に向かおうと思っているんだが?」
「あぁ、その事か、実は今日は部活は休みなんだ、異例の出来事で」
 紬の発言を受け、昴は驚愕してしまう、何でだよ!? 何で部活が休みなんだよ!? 少しでも部活に出て、気を紛らわせようとしたのに……! 昴はそう思いながら、その場で深い深い溜息を吐く。
「なんだよ、今日は休みかよ……んで、異例の出来事って何?」
「そんなの簡単だ、要が言っていただろう? 『パンチラメイド喫茶』って、それを通そうと校長先生と言論だよ」
 アイツマジでやる気だったのかよ!? 昴はそう思いながら冷や汗を拭う。
「そう、だから今日は校長先生と言論大会だから部活はなしって事、さっさと帰れ」
「……何とも軽いな、仕方無い、今日は帰らせてもらおうか」
「あぁ、そうしろ」
 紬の発言を受け、仕方なく昴は帰る事にした、すると紬が昴に言う。
「あぁ、一つ言い忘れていたが」
「んぁ? 何なんだよ?」
「『アシナクシ』には気を付けろよ、お前が標的になるかも知れない」
「…………」
 紬の発言で、昴は我慢出来ずに吹いてしまう。
「アハハッ! 何だよそれ! 俺が『アシナクシ』を恐れるってかぁ? いや、標的になる訳無いだろ! 全く面白い冗談を吐くなぁ紬は!」
 昴はそう言って大笑いする、すると紬は真剣な眼差しで昴を見つめながら言う。
「……冗談じゃないさ、俺は『アシナクシ』に関わったお前に少し恐怖しながら、心配しているんだ、『アシナクシ』に関わった存在は皆抹消されている、と言う事はお前も『対象内』なんだよ、だから俺は心配しているんだ」
 紬の発言を聞いて、『えっ?』と驚愕してしまう。
「えっ? 俺、死ぬのか……?」
「まだ死ぬとは限らん、だから少しでも対策は練っておいてくれ」
 紬がそう言った瞬間だった、学校のチャイムが不意に鳴る、このチャイムは……と紬は呟いて、昴に言う。
「すまん、もう時間のようだ、それでは『明日も生きろ』よ?」
「……誰が死ぬかってんだ! 俺は明日も生きるからな!」
 昴はそう言って、振り向いた紬に言う、明日も明後日も、老衰で死ぬ迄生きてやる! 昴はそう思いながら静かに靴箱へと歩き出す──

「はぁ、結構不安になってきたな、明日生きれるかどうか……? いやいや、生きているに決まっているさ、何故なら俺だからだ」
 意味が分からない理論を述べ、昴は自分を落ち着かせる、紬の発言で完全に恐怖に陥っている、そう思っていると、背後から可愛い女の子の声が聞こえる。
「せぇんぱぁい! おっすおっす! 俺だよ! 華憐だよぉ! どうしたんッスかぁ!?」
 いきなりの背後からの抱擁により、昴はその場で前のめりの倒れてしまう。
「ありゃりゃぁ? 何とも耐久力が無いですなぁ」
「うっ……」
 何も言えずに昴はゆっくりと起き上がって、華憐の頭を掴む。
「てめぇ……! 一年の癖に三年にダイブとか……聞いた事がねぇよ」
「貴方の聞いた事が無い事をしたくなる病気なんです、俺は」
「そんな病気聞いた事が無い」
「大丈夫ですよ、調べたら出ます」
「うっそぉ!?」
「嘘に決まっているじゃないですか」
「コイツ、本当に殴りたい」
「殴ればいいじゃないですか、傷害罪で訴えられますから」
「本当、そういう面では強い」
「えへぇ、素晴らしい後輩でしょう?」
「うん、酷い後輩」
「酷いじゃないくて、『素晴らしい』でしょう?」
「何処が?」
「俺の全てが?」
「俺には分からん、だから早くどいてくれ」
 昴はそう言って、自身の太股に座る華憐をどかそうとする。
「あんっ! そんなに激しくしないでぇ! お兄ちゃんの、太いよぉ!」
「ちょっ! その発言は色々危ない気がするのですが華憐さん!?」
 昴は顔を赤らめながら、華憐をどけて、何とか立ち上がる、すると口の端を歪ませた華憐が言う。
「えぇ? 何で『顔を赤らめている』んですか? せんぱぁい? あぁ、そうか、『そう言う事』に慣れていないからですかぁ?」
「お、お前に言う理由は無い!」
「ウフフ、良いんですよ? 俺が『始めて』でも?」
 華憐はそう言って、スカートの端を抓み、ニヤニヤと笑いながら、スカートの端をゆっくりと上に上げていく。
「ちょっ!? せ、先輩をからかうのはいい加減にしろ!」
 昴は少し声を荒げて華憐に怒鳴る、すると華憐は歯を見せて、笑った後に昴に言う。
「大丈夫ッスよぉ? だって、下はスパッツですし」
 そう言って華憐はスカートを一気に捲り上げる、其処には純白のレース生地のショーツが昴の目に映った。
「…………」
「ほぉら? スパッツでしょう?」
「……俺の目の前には白い何かが確認出来るんだが?」
「はぇっ?」
 昴は頬を掻きながら、華憐に言う、華憐は昴の発言を受け、スカートの中を確認する、するとスパッツを穿いていない事を理解する。
「ありゃ、こりゃ私の勝負下着だ」
「勝負する理由も無いのに勝負下着を穿くなよ!?」
「俺にとっては毎日が勝負ですので」
「え、えぇ……女ってそう言うもんかぁ?」
「そう言うもんですよ、それじゃあ先輩、見たから一緒に帰りましょう?」
「見たからって……それはお前が見せたもんじゃないか?」
「それでも先輩は『白い何か』と言った、つまり、私の純白なショーツを見た、と言う事です、見たからには対価を支払ってもらいましょう、その対価は一緒に下校する、ですが」
「何とも簡単な対価だ……まぁ、一緒に帰る人も居ないし、良いぜ? 一緒に帰っても」
「わぁお、何とも嬉しいです、それでは私は校門前で待っているので、さっさと来て下さいね?」
 華憐は可愛い笑顔をして、走り去っていく、昴はその場で深い深い溜息を吐いて、靴を履き替え、校門前へと向かう──全く、面倒な後輩だ、昴はそう思いながらゆっくりと歩を進める──

Re: アシナクシ。 ( No.52 )
日時: 2017/09/02 21:02
名前: 彩都 (ID: Z/MkaSMy)  

 何とも面倒な後輩だ、昴はそう思いながら、靴を履き替え、校門前迄歩く。
 そして校門前に到着し、歩くのを止める。
 確か、『校門前で待っている』と言っていた、だから此処で待機すれば良いか……と思って、校門の壁に凭れて、華憐が来るのを待つ。
 すると走ってこちらに向かってくる華憐を見付けた。
「うぉー! 走れっスぅ!」
「…………」
 走ってきて、華憐は昴の腹部にダイブする、昴は予想もしていない華憐の行動に驚くばかりだった。
「!?」
「へっへー! せんぱぁい? 油断し過ぎですよぉ? 油断大敵って言うッス」
「お、お前なぁ……! こっちは幼馴染みが『アシナクシ』で死んで憂鬱なのにそうやっておちゃらけやがって……!」
「やだなぁ先輩、私はそういう先輩に対し、元気をつけようと……」
「……そんな心配は要らない!」
 いきなりの昴の怒声におちゃらけている華憐が動きを止める。
「こっちは『アシナクシ』で死ぬかもしれないってのに……俺以外の他人はそうやって今を楽しみやがって……!」
「せ、先輩?」
 心配そうに素の可愛い声で昴に話しかける華憐、そんな華憐に昴はまだ怒声を浴びせる。
「黙れ! どうせ幼馴染みが死んだ俺の事を嘲笑う為に一緒に下校しよう? とか提案して、俺をからかうんだろ!? そうだろ!?」
「えっ? ちがっ……私は要先輩に『昴を慰めて来い』って言われただけで……」
「ほらやっぱり! 要も俺を嘲笑う為にお前と言う名のウェポンを用意したんだ! 気が変わった、俺は一人で帰るぞ!」
 昴はそう言って一人で学校の敷地を出る、華憐はその場で座り込んで両手で目を隠す。
「そんな……私はそんな気なんか無いですって……昴先輩……」
 華憐はそう言うが、遠くの昴には聞こえなかった──

 ……、…………、………………、……………………、何度も何度も昴は背後を確認しては息を吐いて、背後を確認しては息を吐いて、を繰り返す。
 それをする理由は主に二つ、『アシナクシ』がストーカーしていないかを確認する為、人気のない道を通って、『アシナクシ』にやられたくはないから、昴は何度も何度も背後を確認していた。
 そして二つ目、二つ目は『華憐が着いて来ていないか』だった。
 あれだけ自分が怖い思いをしているのに、着いてきては恐怖してしまうからな、昴はそう思いながら、華憐が来ていない事に安心する。
 昴は何回も振り返っては背後を確認し、商店街へと足を運ぶ。
 此処なら背後から誰が来ても安心だ、昴はその場で溜息を吐いて、商店街へと入っていく、そして近くのコンビニに向かった。
 コンビニには色々な商品が置いてある、そういえば今日、週刊誌の発売日だっけ? と思いながら財布の中身を確認、財布の中には結構な額が入っていた。
 よし、買えるな、と思いながら包装されている週刊誌を手に取り、ジュースコーナーに向かい、ジュースを手に取り、レジに向かう。
 そして二点を購入し、レシートを貰って、コンビニを出る。
 ふぅ、これで今日の夜も笑って過ごせる……そう思いながら、ふと、空を見上げる。
 空は綺麗な橙色になっており、もう夕方だ、と示していた。
 夕方、か……昴はそう思い、ビニール袋の中に入れたレシートを確認する、購入した時間は『17:03』と表示されていた。
 もう五時か……時間が経つのは早いな、と思いながら昴は帰宅する事を考える。
 大丈夫だよな? 『アシナクシ』がストーカーしていないよな? と思いながら昴は肩身を寄せて、歩き始める。
 不安になっていても仕方が無い、とりあえず、帰宅する事だけを考えよう。
 昴は深呼吸して、自宅迄走って向かう事にした──そして自宅に到着し、鍵を使って開錠する、次に昴は自宅に入る。
 入った後、鍵を閉めて、靴を脱ぎ、二階の自分の部屋に向かってダッシュ。
 自分の部屋のドアを開けて、ベッドの上にコンビニで買った物を投げて、急いで制服を脱ぎ、部屋着に着替えて、制服を洗う分とハンガーにかける分に分け、洗う分を一階の洗濯機の中に放り込み、放っておく。
 よし、これで完璧だ、夜ご飯もどうせ冷蔵庫の中身を確認すれば良いし……昴はそう考えて、自室に戻ってビニール袋の包装された週刊誌を取り、包装を剥がす。
 そして、ジュースも取り出して、本を読み始める──今から自由時間だ。

 週刊誌を半分程読み終えて、ジュースを飲む昴、自分はどれだけ本に時間を費やしたのだろう? と思い、時間を確認する。
 時間は夕方の六時を指していた。
 あぁ、結構時間を消費したな、後は晩御飯の後に回そう、昴はそう思って、一階に移動し、冷蔵庫の中に盛り付けてある皿を手に取り、電子レンジに投入する。
 兎にも角にも、電子レンジに投入して、温めている時間、というのは何気に暇だな……昴はそう思いながら、頭を掻く。
 この一分一秒惜しい世の中で一体どれだけの時間を削る事が出来るだろうか? と考えて、必死に悩む。
 だが、この数分間の中で勉強なんか出来ないので、渋々待機して、時間を潰すしかない。
 あぁ、この数分間を潰す画期的な方法は無いだろうか? ゲームをする、にしても、大体のゲームは結構時間を食うし……どうしようもないなぁ……と、昴は思いながら電子レンジの前の椅子に座り、電子レンジが鳴るのを待つ──

Re: アシナクシ。 ( No.53 )
日時: 2017/10/07 21:33
名前: 彩都 (ID: OZDnPV/M)  

 目を閉じ、考える。
 自分が『アシナクシ』によって殺されたら……遺書も必要だなぁ、昴はそう考えて、静かに溜息を吐く。
 すると電子レンジが鳴る、あぁ、もうそんな時間か、と思い、昴は電子レンジから温めた料理を取り出し、ご飯を茶碗に入れ、箸を用意し、静かな晩御飯が始まる。
「…………」
 あまり美味しく無いな、まぁ、昨日一昨日幼馴染みが死んだんだ、料理が美味しかったら、頭が可笑しい馬鹿だと思う。
 昴はそう思いながら小さな一口でご飯とおかずを食べていく。
 ……飽きてきた、昴はそう思い、ご飯とおかずをゴミ箱に投入し、お茶碗とお皿を泡がついた洗剤で洗う。
 そしてお茶碗とお皿を洗い終わって、自身の部屋に向かう。
 何だろう? 本を読む体力さえなくなってしまったな、昴はそう考え、ベッドに寝転がって寝る事を考える。
 あぁ、もう、さっさと記憶が消えたらなぁ……昴はそう思いながら目を閉じる──

 急に目覚ましが鳴る。
 昴は目が醒め、目覚ましを止める、すると時刻は朝の七時だった。
「えっ? ……何時の間にそんなに寝ていたんだ?」
 無意識に疲れている事に気が付いた自分は『何故無意識に疲れていたんだ?』と思う、そして昴は服を制服に着替え、学校に向かうことを考える。
 学校に行けば少しは気が休まるだろう、そう考えて、急いで家を出る──
 呑気に通学路を歩く、すると背後から新兵が現れて挨拶をする。
「お早う御座います! 先輩!」
「あぁ、お早う……なぁ、新兵」
「ん? 何です先輩?」
 いきなり新兵に話しかける昴を不思議がった新兵は聞き返す。
「あのさ……『Mの手記』を見せて欲しいんだが?」
「え、『Mの手記』ですか? 急にどうしたんです?」
「……別に、最悪雛乃殺しの秘密が載っているかもしれないからな……」
「はぁ……分かりました」
 新兵はポケットの中から『Mの手記』を取り出し、昴に渡す、これでこの手記の内容を全て確認する事が出来る……! 昴はそう思いながら自分の胸ポケットの内側に手記を収納する。
「それにしても最近は厭な事件ばっかですよね、殺人事件に横領事件……本当に厭になってしまいますよ日本は」
 そう言う新兵に対し、軽い返事をする昴。
「……あぁ、そうだな」
 昴の発言を聞いて、不思議がる新兵、新兵は昴を見つめて言う。
「……先輩、アンタ本当に『先輩』っすか? 何だか何時もの先輩じゃないっすよ?」
「……そうか? 俺は何時もこんな感じだがなぁ?」
 新兵の発言に不思議がる昴、昴はそう言って返答する。
「何と言いますか……素っ気無いって感じます……」
「うむ? そ、そうか……えーこほん、まぁ、殺人事件や横領事件は確かに厭になってしまうな」
「えぇ、確かに……でも、特に横領事件が厭ですよね、だって僕達の血税を勝手にねぇ……」
「うーん、確かにそうだな……でも、殺人事件も厭だな、だって『愛している人が死んだら、その悲しさは計り知れない』から……」
 そう言う昴を見て、新兵は目を細めて昴に言う。
「まさか……本当は雛乃先輩の事が好きだったんじゃないんですか? 昴先輩は?」
「はっ!? はぁ!? 何であんないけ好かない幼馴染みの事を……!」
「だって、『殺人事件』に『愛している人が死んだら』って……完全に雛乃先輩じゃないですかぁ?」
「……そんな事は無いさ」
 昴はそう言って首を横に振る、誰があの女の事が好きになる? 全世界で誰もあんないけ好かない女を愛す事は無いだろう。
 ……でも、『悲しい』んだ、『雛乃が死んでから、何時もの日常が無くなった』と感じたら……! 昴はそう思いながら頭を垂れる、すると新兵が昴の名を呼ぶ。
「せ、先輩! もうすぐ学校ですよ!? 気を落とさないで!」
「えっ……? あぁ、本当だ」
 昴は新兵に言われて静かに頷く、目の前には学校の校舎があった──

 そして新兵と離れて、靴を上履きに履き替える、すると要が現れる。
「よぉ? 少年よ」
 昴は要にそう言われ、振り向く、すると其処には女装した要の姿があった、おまけにお姫様のようなドレスの格好だった。
「……どちら様?」
「ハハッ! 私はアルフレッド王国の王女、カナメ・アルジャーニだ!」
「……やぁ、要君? 昨日は華憐の派遣、有難う御座いました!」
「おいおい、そんなに怒るなよ? パンツの件で怒っているのだろう? 大丈夫だ、パンツの件は紬が一枚噛んでいる」
「えぇ……またぁ?」
 昴はそう言って頭を垂れる、まさかあのパンチラは全て紬の手の上だったって事か……昴はそう思い、頭を垂れたのだ。
「まぁ、良いんじゃないか? 思春期の貴様のハートにも響いただろうし?」
「響かねぇよ!? 何で白のパンツ如きでハートに響かなきゃならん!?」
「ん? 可笑しいなぁ? 何で『響いていない』のに『白のパンツ』だと覚えている? 普通ならすぐに忘れる筈なのだが……」
 要がそう言うと、昴も要の発現の中にある可笑しな点を突く。
「おいおい、可笑しいのはこっちの台詞だ、『何で要が昨日の華憐のパンツの色を『白』と知っている』んだ? そっちの方が不思議だが?」
「ん? そんなのは簡単だ、だってあの白のパンツ、生徒会数人が選んだからな、私だって昴の心に来るパンツを探したさ」
「…………」
 そんなんで生徒会数人の力を借りるなよ……そう思いながら昴は溜息を吐く。
「はぁ……」
「まぁ、生徒会の女子メンバーが楽しんでいたからよしとするが」
「…………」
 もう、コメントしないぞ? 昴は頭を掻いて、要の今の格好にツッコミを入れる。
「……んで、要よ、その格好は何なんだ?」
「ん? あぁ、中世のお姫様の格好だ、次の演劇部の演劇で行うんだ、実際はラプンツェルだが、何故かドレスに……」
 要は冷や汗を掻いて、頬を掻く、ふむ、お前も大変なんだな……昴はそう思い、要と離れる──紬と会ったら、少しボコボコにしよう、そう思いながら昴は自分の教室へと向かう──

Re: アシナクシ。 ( No.54 )
日時: 2017/11/04 22:08
名前: 彩都 (ID: vzo8adFf)  

 昴が教室に向かうと、紬が呑気に小説を読んで、溜息を吐いて、栞を挟んでいる所を目撃し、昴は大きな足音を立てて、紬の前に現れる。
「ふぅ……小説とは娯楽だが、文字ばかりで退屈だ……とか、思えば、昴じゃないか、一体どうし──」
「てめぇかぁ? 華憐の下着事件の主犯者はぁ!?」
「おぉおぉ? 話を聞いたのか? 誰から聞いた? 本人か? それとも誰が漏らした? あっ、可能性としては要かなぁ?」
 昴は紬の胸倉を掴んで、苛つきを見せる。
「あぁっ? 今はそんな事聞いていない、『華憐の下着事件の主犯者は貴様か?』と聞いているのだが?」
「……ふっ、それがどうした? 俺は適当に白を選択しただけだ──白だけに洗濯ってか」
「なぁに、寒いボケをしているんだ? ってか、『それがどうしたぁ』? 巫山戯んな! こっちは傷心中なのに!」
「ほう? 『傷心中』なのか? それなのに『何で学校に来ているんだ』貴様は? 傷心中なんだろ? だったら、小動物のようにベッド、布団の中で籠もってろ、籠もっていない、と言う事はそれは『傷心中』ではなく、ただの『思い込み』で『傷心中』と勘違いしているだけではないか? 簡単に言えば『傷付いている私、悲しい!』みたいな妄想戯言(たわごと)──」
「あぁっ!? 俺は学生だから此処に来ているだけだっつーの! てめぇ……幼馴染みが死んでんだよ! お前の幼馴染みが死んだらお前はどうするんだよ!?」
 怒鳴る昴に対し紬は簡単に言う。
「あぁっ? そんなの簡単だろう? 『忘れる』に決まっている、つまりその幼馴染みは生きる事が出来ないってだけじゃないか、極論言ってしまえば『自分の心の中で生かせば良い』のだ、『死ななきゃ忘れない』からな? なのでその質問の極論は、『死んでも忘れない』だ」
「…………」
 昴は静かに溜息を吐いて、昴は『紬の顔面を思いっきりパンチした』、そして紬は後ろの棚に背中をぶつける。
「てめぇ……『お前の中では生きていても、現実では死んでんだ』よ! 『心で生かす』だぁ!? そんなのてめぇの寝言じゃねぇか! そんなんで自身の心が潤うとか思ってんじゃねぇだろうなぁ!?」
「……潤うと思うよ? 思っちゃダメなのかい? 『思い込みの力』って結構凄いんだぜ?」
 棚に背中を凭れさせながら起き上がる紬の話を聞く昴、そして紬は昴に向かって、『昴の自覚したくなかった部分』を言い放つ。
「でも、そうやってイライラしているのも可笑しいよなぁ昴君よぉ? あぁ、そうか、『思い込みの力でも無駄な程、君は精神が憔悴している』のか」
「……うるせぇ、うるせぇうるせぇうるせぇ!」
『自覚したくなかった部分』を言われ、昴は歯を剥き出しにし、イライラする、そんなイライラする昴に対し、紬はやり返そうと起き上がって、下から上へ、昴の顔面を蹴ろうとする、すると『昴、紬の目の前を新兵、要が現れ』て、静止させる。
 そして要は紬の蹴りを止めるべく、足を上に上げて紬の攻撃を回避させる、次に要が足を蹴り上げて紬の攻撃を回避した所為で、ドレスのスカートが捲れ上がり、白のドロワーズが見えてしまう、なので、女子も男子も少しだけ歓喜した。
 新兵は紬の蹴りを昴から避けさせるべく、昴を押して、倒れさせる。
「……てめぇ、どういう事だ? カナメ・アルジャーニ?」
「…………」
 鋭い目つきで睨む紬に対し、要も鋭い目つきで睨み返す、そして新兵が昴の状態を確認する。
「だ、大丈夫っすか、昴先輩……?」
 新兵の問いに、昴は無言だった、あぁ、こりゃ琴線に触れているな、と忍者の勘で新兵は理解する。
「……まぁまぁ、落ち着けって紬よ? お前も遊び過ぎだぜ? 少しは落ち着けって?」
「遊び過ぎだと? おいおい、困るなぁ、これは本心から来る警告だぜ? 『こういう死』ってのは、人生の中で一杯あるから気をつけろ、とな?」
「お前のはやり過ぎなんだよ? 全く……新兵、そっちは?」
 要は急に新兵にバトンを渡したので、新兵は少し戸惑う。
「あっ……えっと、返事は無いです、多分昴先輩の琴線に触れたから、だと……と、とりあえず保健室に運びますね!」
「おぅ、分かった、此方から教師陣に説明しとくわ」
「有難う御座います」
 新兵はそう言って、昴を保健室へと運ぶ、そして要は静かに横目で紬を見る。
「お前は少し、やり過ぎかもなぁ……」
「ふんっ、これが『世のことはり』だぜ?」
「……それを言うなら、『世の理』だぜ……?」
「えっ? 『ことはり』じゃねぇの? っち、しくった」
 紬はそう言って、頭を掻く、そして栞を挟んだ本を要に見せ、プレゼンする。
「なぁ、お前もこの本読まないか?」
「あぁっ? 何それ?」
「ん? 『熟女妻・監禁の極意』っていう官能小説」
「……俺は幼な妻が良いな、熟女はNG」
「えっ? どうして? テクニシャンかもしれねぇだろう?」
「見た目が無理」
「……熟女の皆さん、辛辣ぅ」
 紬はそう言って、急いで本を隠す、何分あんなに暴れたのだ、『官能小説』云々の話をしていたら、教師に奪われてしまう、なので、隠したのだ。
 そして何事もなく、教師が現れ、授業が始まった、ちゃんと要は昴の保健室直行の事を話し、何とか昴の件と紬の件は終了した──

Re: アシナクシ。 ( No.55 )
日時: 2017/12/02 21:46
名前: 彩都 (ID: e/CUjWVK)  

「…………」
 昴は両腕を組んで、後頭部に組んだ腕を乗せて、枕代わりにしていた、実際枕はあるのだが、硬いので、あまり使いたくなかった。
 そして昴はベッドに寝転がりながら、静かに溜息を吐いた、此処は学校の保健室、桃園アリス先生の独壇場である。
 そんな独壇場で静かに昴は溜息を吐いていた、すると保健室の中に一人の少女──華憐だ──が侵入して来る、昴の寝ている場所にはカーテンをしておらず、侵入者も進入者も一見出来る。
「……何だ、お前か」
「何だ、お前か……か、先輩は酷いですねぇ? そんな言い方? 教室でぶっ倒れた存在には見えません」
「色々とあって倒れたんだ、お前は黙ってろよ?」
「黙る訳が無いでしょう? 何故でしょう? 先輩を弄りたくて、口の端が三日月のように歪んでしまいます」
「うっわ、ドSかな?」
 昴は保健室に進入する華憐にそう言って、ベッドから起き上がり、華憐に続けて言う。
「……で、何しに来たんだお前は? 遊びに来た、って訳じゃないよなぁ……?」
「…………」
 華憐は無言で昴に近づいて、上着の制服を脱いだ、そして脱いだ上着の制服を昴に叩きつけた、すると左の胸ポケットに色とりどりのペンがあった、そのポケットから黒のペンを取り出し、椅子を見つけて華憐は座り、スカートのポケットからメモ帳にしては少し分厚い切り取れるメモ帳を取り出した、一体何をするつもりだ? 昴は息を、唾を飲み込んで身構えた。
「それでは……『先輩の好きな性癖を教えて下さい』ッス」
「……はぁ?」
 いきなりの展開に昴は変な声が出た、そして華憐は言葉を続ける。
「いや、心理テストッスよ? どうせ先輩も暇でしょうし、ちょっと遊びません? この心理テストで?」
「…………」
 昴は少し考えて、確かに華憐の言う通り、『暇である』という結論を出した、まぁ、『暇である』と結論が出たので、華憐の話に付き合ってやるか、と昴は思う。
「わぁったよ、心理テストだよな? それじゃあ太股でいいや」
 実際は違うが、適当に答えてみる事にした、すると華憐は黒のペンで呟きながら文字を書く。
「えーと、先輩の好きな性癖は胸っと……」
「ん? 人の話聞いてた? 俺が言ったのは、『太股』だぞ?」
「いえ、知ってますよそれ位? というか、先輩、『嘘』はダメですよぉ? 要先輩、つむぎん先輩、新兵君から話は聞いています、このドスケベ淫乱変態先輩」
「それ、完全に紬だろ!?」
「まぁ、それは置いといて、心理テストの回答です、『上半身を選んだ貴方は変態です』……ですって!」
「うーん、理不尽! ってか、『上半身』って言ったよな? じゃあ下半身は?」
 昴がそう言うと、華憐は口を尖らせながらメモ帳を確認する。
「え、えーと……『下半身を選んだ貴方はスケベです』……だって!」
「両方ほぼ一緒じゃないか!?」
「違いますよ! 変態は東京や東日本、スケベは大阪や西日本の言い方です!」
「嘘吐け! んな情報ねぇよ!」
「バレた!」
「バレたじゃねぇよ! もっと本格的な心理テストにしろよ!? それ、製作者お前だろ!?」
 昴が華憐に指を指して言うと、華憐は驚愕していた。
「せ、正解ッス!」
「だろうなぁ!? お前以外にこんな下世話で下劣な心理テスト思いつかねぇもん!」
「いやぁ、製作者を当てるとは……中々ッスね!」
「そうじゃない! 色々な意味でそうじゃない!」
 昴はそう言いながら静かに溜息を吐く、するとカーテンが掛かっている隣のベッドから、可愛い声が聞こえた。
「お前等、何年だよ? 中一じゃねぇんだから黙れよ?」
「あぁっ? お前が黙れッスよ? 私は中三の変態三年生の下のお世話をしているんッスから?」
「いや、されてねぇよ? 勝手に事実変換辞めてもらえます?」
「辞めないッス! 止めないッス! だって先輩という存在を弄るのは楽しいから!」
「くっそクズじゃねぇか! この小娘ぇ……」
 昴がそう言うと、カーテンが掛かっている隣のベッドの可愛い声の存在が言う。
「人の話を聞いているのか? 此処は静かにする場所なんだよ、言うなりゃ図書室だ、分かるか?」
「分からないッスねぇ……図書室でも図書館でも本屋でも叫ぶんで」
「ん? コイツ、気が狂ってるのか? 迷惑かける奴なのか?」
「そうッスよ? 他人に迷惑を掛けないと自分は生きる事が出来ないんッスよ」
「コイツ……」
 カーテンが掛かっている隣のベッドの可愛い声の存在はそう言って、溜息を吐く、すると華憐が言う。
「そう言うお前は何年ッスか!? ってか、名前を明かせ!」
 華憐はそう言って、カーテンを思いっきり開けた、するとそこには肌が白く、髪が黒髪、長髪の如何にも病弱そうな少女が存在していた、少女は起き上がっており、布団は折り曲がっており、髪は少しボサボサだったので、今さっき起きたと言う事が昴にも理解出来た。
「…………」
 華憐は静かにカーテンを元に戻し、昴に話しかける。
「何だ、ただのトイレの花子さんか、いや、保健室だから、保健室の花子さん?」
「誰が花子さんだこの野郎!?」
 カーテンが掛かっている隣のベッドの可愛いこの存在──基、病弱そうな少女は華憐に向かって叫ぶ、そして病弱そうな少女は言葉を続ける。
「てめぇ……私を虚仮(こけ)にする気か?」
「それがどうしたこの野郎?」
 華憐は病弱そうな少女にそう言われたので、イライラしながら返答する、お、おい? これって『女子同士の喧嘩』っていう、男が入っちゃいけないもんなんじゃぁ……? 昴はそう思いながらカーテン越しの病弱そうな少女と華憐の言い合いを見つめた──否、『見つめる』事しか出来なかった──


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