ダーク・ファンタジー小説

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アシナクシ。
日時: 2016/07/02 16:08
名前: 彩都 (ID: iXLvOGMO)

始めまして、彩都(サイト)と申します。

五作目です。
完全に、グロいです。
中身は、五分で思い付いた五分クオリティです。
読む時は背後に気を付けて下さい。
アシナクシさんが、襲うかもしれませんので……
それでは、どうぞ。

目次

第一部 『アシナクシ』襲来

序章 >>1

第一章 (CHAPTER 1) >>2-3

第二章 (CHAPTER 2) >>4

第三章 (CHAPTER 3) >>5

第四章 (CHAPTER 4) >>6

第五章 (CHAPTER 5) >>7

第六章 (CHAPTER 6) >>8-9

第七章 (CHAPTER 7) >>12 >>15-16 >>23-24

第八章 (CHAPTER 8) >>32-34

第九章 (CHAPTER 9) >>35-36

第十章 (CHAPTER 10) >>37



第二部 『アシナクシ』討伐

第一章 (CHAPTER 1) >>??

後書 第一部完 後書 >>38

Re: アシナクシ。 ( No.40 )
日時: 2016/09/03 16:57
名前: 彩都 (ID: 8topAA5d)  

「そうかそうか、結構売っているものだな、蝋燭は」
 そう呟きながら昴は10本入りの蝋燭を二箱を手に持って、買い物籠に放り込む。
 さて、他の物も買うかもしれない、そう思いながら昴はお店の中をグルグルと周りながら移動する──そしてレジに向かって購入、何とか忘れていた物も買えて安心だ、シャーペンの芯を危うく買い忘れる所だった。
 昴はそのまま帰宅する、そして学校の鞄の中に蝋燭、シャーペンの芯を袋ごと突っ込んでパジャマに着替えてベッドに入って、寝る──

翌日──
「さて、起きて学校へ行くか……怪談、面倒だなぁ」
 そう呟きながら溜息を吐く、だがこんな部活に入ってしまったのだからそれは仕方無い、仕方なく昴は鞄を背中に引っ掛けながら溜息を吐く、矢張り自分は面倒臭がりだな、と思いながら玄関に歩を進める──
学校に着いて、雛乃と出会う、すると進路希望の用紙の話が出てきた。
「昨日何とか進路希望の用紙を出したわね、それで先生が言っていたわ、『遅過ぎます、今度から提出期限三日前迄に出して下さいね、昴君?』ってね」
「……そうか、それはご苦労さん」
 そう言いながら雛乃から離れる、すると漫画の様に『ちょちょちょーい!』と雛乃が止める。
「先生が言いたい事は『スバル、早く出して下さい!』って事よ! 分かってるの!?」
「分かる訳が無い、何故なら面倒だからだ!」
「そう言う問題じゃないわよ! 貴方は何時も何時も『面倒、面倒』って……結婚相手にも『面倒』って言い放つの!?」
 雛乃がそう言うと昴は言い返す。
「そうだけど? 何か悪い? どうせ雛乃が僕と結婚する訳でもないし、あの母親の事だ、どうせお見合いだろう? 何たってあの古臭い人のやる事だ、どこぞの礼儀正しい綺麗な女性、まるで舞妓さんの様な白粉つけた女性とかだなぁ、結婚させるかもしれないよ? オマケに相当金持ちの女の人──とかね」
「……っ!? もう知らない!」
 ぷんすかプンスカと怒る雛乃、僕は悪くない、悪いのは世間だ、そう思いながら昴は自分の教室に入った──

 面倒だ、そう思いながら歴史の授業を受ける、後でバックれるか、そう思いながら眠くなる教科書の文字を読む──
 そして歴史の後の休み時間となる、さて逃げよう、そう思いながら男子トイレ経由で向かう、このまま普通に入ったら雛乃に怪しまれる、なので、急いで男子トイレに駆け込む、それをする事で、『トイレを我慢していたんだな』、と、錯覚させる!そして数分して男子トイレから脱出、そして上へ向かう、これで完全犯罪ならぬ、完全脱出だ! そう思いながら男子トイレに向かう、そして三分を見計らって男子トイレを脱出、そして屋上へ向かう──誰にもバレていない──これで部活迄昼寝でもするか──そう思いながら昴は逃げる高揚感を抑えながら嬉々として、階段を駆け上がるスピードを速める──
 バンッ! と鉄製の扉を開ける、そして大きく息を吸い込む、完全に此処は自分の独壇場だ──そう思いながらジャンプして寝転がる、下はコンクリートなので痛い、少し痛みに悶えていると鉄製のドアを開ける者がいた、昴は何とか痛みを堪えながら陰に隠れる──現れたのは雛乃だった──何この子!? 怖いわ! 昴センサー搭載ってどれだけ最先端な機械なんだよ!? ってか、昴センサーって何だよ!? と、自分で一人ボケツッコミをしていると雛乃が周りを確認しながら歩き始める、ヤバい! 自分がいる場所も何れは確認されそうだ! そう思いながら息を潜める、ドククン、ドククン、と心臓の高鳴りと鼻息だけが自分の周りで聞こえる、後は風の音と雛乃が歩いて、上靴と砂が擦れる音──そして自分の固唾を飲み込む音、自分が隠れているのは巨大なタンクの真裏、鉄製の扉の上にある巨大タンクの真裏、なので、視界が良好である、だが少し風の音が邪魔して雛乃の足音が聞こえない──大丈夫だ、音さえ立てなければバレない、気付かない、逃げ切れる、そう思いながら、聞こえない様に大きな深呼吸をする、さて、今は何処にいるのかな? そう思いながら巨大タンクの陰から確認する、雛乃は一番端っこで立っている、そして首を横に振っている、しめしめ、まだ気付かれていない様だ──その瞬間だった、『はぅむ、ヌチュ……グチュ』と右耳に生暖かいざらざらとした粘液で耳を舐められる感覚が走る、その感覚に自分は驚く。
「ひゃぁあぁぁぁぁ!?」
 謎の感覚で昴は腰を抜かしてしまう、そしてその場で膝をついてしまう、誰だ? 自分の耳を舐めたのは? そう思いながら振り返ると後ろには舌なめずりをしている体操服姿の雛乃がいた。
「美味しい……じゃなくて、スーバールー? どうして次の授業から逃げた?」
 雛乃がそう言うと、雛乃の格好をした人がこっちに向かってくる。
「見付かりましたー?」
 そう言うと、雛乃は頷く。
「えぇ、完全に見つけたわよ」
 そう言いながら雛乃は昴を巨大タンクから降ろす、こんな簡単に見付かるとは……そう思いながら雛乃の格好をした人物を見る。
「この子は誰なんだよ?」
「ん? 『彼』の事? 彼は伊佐海善事(いさかい ぜんじ)君よ、演劇部の子よ」
「成程……だから『演技だけ』していたって事か……」
「そう言う事! だからスバル、午後の授業に行きましょうねぇ!」
 そう言いながら昴の耳を引っ張る雛乃、善事は少し笑いながら言う。
「先輩方も大変だなぁ……」
 そう言いながら善事も次の授業に向かう為に歩を進める。

 その後昴は厭々午後の授業を受けて、放課後迄椅子に座った──
そして放課後──
昴は鞄の中に入った蝋燭を確認しながら部室へ向かう──厭だなぁ、そう思いながら歩を進める──溜息を吐きながら昴は部室の前に着き、ドアノブに手をかけ、少しの間、考えてから捻って部室に入った──

Re: アシナクシ。 ( No.41 )
日時: 2016/10/01 18:32
名前: 彩都 (ID: K3f42Yhd)  

「失礼します」
 スバルはそう言いながら部室に入った、入ったその瞬間、後ろの出入り口の扉が急に閉められる。
「うわっ! 何なんだ?」
 そう思いながら後ろを見る、するとそこには、後輩が立っていた、後輩の名は、伊賀先新兵(いがさき しんぺい)だ、一応忍者の子孫──と言っているが、真相はどうか分からない。
「あら、芥川君じゃない、こんにちわ、貴方も大変ね、幼馴染みに付きまとわれるなんて──」
 そう言いながら本を読むスカートを穿いた男性が言う──勿論メイクも口紅もばっちりしている──この男性は部長の佐鳥要(さとり かなめ)だ──昴の隣のクラスの人間だ──
「今日もお前は女装をしているのか?」
 昴が不思議そうに聞くと、要は言う。
「いや、少しね、色々有っちゃったんだよ、まぁ、『仕方なく』、『仕方なく』ね、引き受けちゃったんだよ──」
 腕を組みながら少しせせら笑う要。
「全く、人の色恋沙汰にはもう関わりたくないんだけどねぇ」
 そう呟きながら昴は呆れる、本当にお人好しだなぁ、昴はそう思いながら椅子に座る。
「なぁ、要、他の部活メンバーは?」
 昴が要に聞くと、要は笑いながら言う。
「まぁまぁ、呑気に待とうよ、流石に一気に集まる部活では無いからねぇ──来ているのは、私、昴、新兵の三人なんだ、落ち着いて、ゆっくり待とうよ、今日は居残りも考えている」
「いや、俺はそれを拒否したいんだが?」
「部長としての命令、『拒否するな』?」
「お前、こういう時に職権乱用するよなぁ?」
「だって、部長だもん」
「ひぃ、最低な言葉だ」
「いや、もっと最低な言葉がある」
「それは何だ要?」
「それは簡単だ──『社長の命令だ』、だろう?」
「何だ、ただのお偉いさんになっただけだ」
「正解、だが正論ではあるかな?」
「いや、もっと上があるけれどね?」
「ほう? それは何だ昴?」
「そんなの簡単だ、『大統領の命令』さ」
「ほう、日本を越えて、外国に進出したか、これは一本取られた」
「此処は日本だがな」
「一本だけに日本、か……中々面白いジョークだねぇ、って捻り潰すぞ、お前は何を言っているんだ? 巫山戯るのも大概にしろやボケ」
「てめぇに言われたかねぇよ、クソ部長の変態女装部長が」
「何だと? 女装はたまたまなんだよ、色恋沙汰の所為でこんな格好をしたんだぞ? 何が『要君は私と同じがたいに感じるんだけど……私の代わりに告白してきた男子をフッてくれない?』だぞ? 誰がお前みたいながたいが良い女を付き合いたいんだよ? 俺には理解も何も出来無いな」
「そうか、もしもそんな女子がお前の近くでハンマーを振っていたらどうする?」
「どうしてそんな話が? そいつはこの部活の人間でもないし、そもそもこの部活には関わりが無いのだが?」
「そう、関わりは無くとも何だかそれを想像すると面白い結果になりそうだ」
「そうか、昴、君は私がハンマーでボコボコになるのを見て、笑っている人種なのかそうなのか」
「そうなのだ、それ以外に面白い事は無いだろう?」
「そうかそうか、やっぱりお前は表に出ろやコラ、喧嘩だ、お前をボコボコにしてやる、さぁ、殴って、殴られて、の応酬騒ぎだ」
「痛いのか? 痛いのなら勘弁させて頂こう、痛覚が目覚める事はしたくないのでねぇ」
「大丈夫さ、痛覚が目覚めない様に殴ってボコボコにするだけだから」
「流石に痛覚目覚めるわ」
「そうか? そこ迄強くはしない、優しくボコボコにするよ、それを物事の最初に決めてやる」
「ボコボコの時点でいてぇよ」
「知ってた」
「もう忘れて下さい、貴方の存在ごと俺は忘れてやるから」
「何で私が消されるんだ?」
「面倒だから」
「何か悲しい」
「昔からだろ、ぼっち部長」
「ぼっちじゃない、一応彼女は居る」
「そうか、どうせブ──」
「それ以上はいけない、因みに昴も知ってると思うよ、この部活の『人達』だから」
「ん? 一寸待て、この部活の『人達』? お前、まさかな?」
「そう、そのまさかさ!!」
「おし、新兵、一緒に学校中に広めるぞ、噂なんてレベルじゃない、完全にこの部活の女子を遊び感覚で遊んでいたってな」
「いや、マジで止めて下さい、ってか、まず、まだ二股しかしてない」
「まず、二股でも三股でも大罪だよ」
「何だと? それは本当か昴? 私はこの日本でどんな罪で裁かれるのだ?」
「どんな罪で裁かれるのか? だって? そんなのは簡単だ、『重婚阻止罪』だ」
「ヤバい、初めて聞きました、それはどんな内容の罪ですかね、昴君よう?」
「何だ、そんな法律も知らないのか、簡単だ、重婚するかもしれない人間に対して強烈な罪が存在するだけだ、女子も男子も例外では無い、だからお前はどんな罪の重さになるか楽しみだな」
「そうか……まず、ネットで調べたがそんな罪は無い、はい論破」
「そう来たか、鬼め、ネットの存在が憎いなぁ、こういう時は」
「どういう時だよ」
「今の時だよ」
「そうかそうか……さぁ、談笑も此処位にして」
「そうだな、さて、結構駄弁らせて頂いた──」
 そう言いながら二人は同時に喋った。
「何でこの会話の中で誰も来ないんだよ、三人しか集まってないんだが?」
「何でこの会話の中で誰も来ないんですかねぇ? 昴の後には誰も来ていないのは何故だろうねぇ?」
 二人はそう言いながら溜息を吐く、全く空気を読んで誰か入ってきても良いのに……昴はそう思いながら欠伸をする、部活のメンバーが集まる迄まだ時間はある、さぁ、今日はどんな部活になるだろう? 昴はそう思いながら他の部活メンバーを待つ──

Re: アシナクシ。 ( No.42 )
日時: 2016/11/05 17:35
名前: 彩都 (ID: 9j9UhkjA)  

 すると部室のドアをノックする者が現れる。
「ウッス、ちッス」
 そう言って現れたのは、見た目ヤンキー、中身八百屋の少年、栗栖詫留(くりす わびる)だ──昴の後輩である。
「先輩方、お早う御座います!」
「あぁ、お早う」
 要がそう言うと、自分も詫留に挨拶する。
「あぁ、お早う、詫留」
「お早うです、詫留君」
 新兵がそう言うと新兵の頭をグリグリする詫留。
「おっす、新兵! ちゃんと俺の家の野菜食ってるか!?」
「もう、詫留君、ちゃんと食べてるよぉ!」
 アハハハハハハ、と後輩二人は笑う、これで四人、確か残り六人程度だったかな?

 次に部室のドアをいきなり開ける者が居た、その者は下着姿だった、そしてその者が言う。
「すまん! 此処で服を着させてくれ! 今追われてんだよ、女共に!」
 そう言いながら、その者は服を着て、スカートを穿く。
「いやー、すまんすまん! 御見苦しい物を見せちまったなぁ! って、あれ? 何で新兵と詫留が鼻血出して倒れているんだ?」
「そりゃそうだろ!? 下着姿の女がこの現在男しかいない部室に入ってみろ!? 鼻血を出す男が多いだろう!? そして私達は思春期だ! 女に興味津々な年代だろうが!? 少しは性別の事を考えろ!」
 要がそう言うとその人物──女性だ──に怒鳴る、するとその女性が反論する。
「仕方ねぇだろ! 更衣室に行くと、俺を追っかける女共が多いんだから! じゃあ俺は何処で着替えたらいい!? そう、此処!」
「んな訳ねぇだろ! 女子トイレや、体育館の袖裏とか、色々場所があるだろ!?」
「そっか! その手があったか!?」
 女性がそう言った瞬間、男子四人はずっこける。
 本当にこの部活の女子は大丈夫か……? 昴はそう思いながら、溜息を吐く。
 彼女の名前は東雲綴喜(しののめ つづき)、れっきとした『女』である。
 だが彼女は髪の毛が、ボサボサで、顔も男っぽいから、女にモテるのだ。
 更に口調も男っぽいので、モテるのが鰻上りになっている。
 ……それに引き換え、胸は普通の学生よりある──何を食べたら大きくなるのか、そこら辺の女子に言えば良いのに──と思うのは自分だけか。
「そういや、今日は百物語か何かだったよな? ちゃんと蝋燭用意したぜ、ほら忘れた奴も含めて百本分用意してきてやったぜ」
「いや、流石に忘れてきた奴は居ないだろ──」
 要がそう言うと、詫留が割って入る。
「有難う御座います! 綴喜先輩! いやー、火遊びするからダメ! って親から言われましてね……俺んち、お小遣いが無いから」
 詫留がそう言うと、綴喜が言う。
「おおー! そうかそうか、たーんと使え、たーんとな!」
 綴喜が詫留の頭をヘッドロックする、詫留の顔が段々と白目になっていく。
「東雲! それ以上やると気を失う!」
「おっと! すっ、すまねぇ!」
 綴喜が謝る、すると何とか息を吹き返した詫留、何とも危ない行動なのだろう。
 それにしても二人の格好は奇抜だなぁ、と昴は思う。
 何故なら、詫留の格好は長い学ランに、金髪、そしてリーゼント──誰が八百屋の息子と見えるだろうか? 次に、綴喜、綴喜は見た目が褐色の巨乳娘、だが胸さえ隠せば男に見える、そして口調も男っぽいので、更に助長する。
 まぁ、女子に襲われる体質は大変だが──
 そう思っていると、部室のドアをノックする者が現れる。
「入るぞ、要」
 そう言いながらスタイリッシュなメガネのイケメンが部室に入ってきた。
「何だ、お前か、綺堂」
 綺堂と呼ばれた男は呑気に綴喜の前に座る。
 この男は、綺堂紬(きどう つむぎ)、成績優秀だが、ちょっと、ほんのちょっとだけ、残念な部分がある、それは──
「おい、東雲、パンツの色は何色だ?」
 残念な部分、それは綺堂が変態だって事だ──紬の言葉に綴喜が呟く。
「何で俺のパンツの色を聞いているんだ? ってか、聞いてどうする?」
「聞いてどうする? だと? そんなの簡単だ、絵にして、興奮するだけだが?」
「なっ、言ったろ? 思春期だから、女に興味津々だってな──コイツが典型的な変態だ」
 要がそう言うと、紬が反論する。
「何だと? 俺が変態だと? 俺の何処が変態だ? 軽く三十文字以内で答えろ」
「煩い、黙れ、変態が、普通、女子にパンツの色を、確認する事自体、間違っている、これでどうだ? まぁ、文字数は越えてしまったが──」
 要が指を折って解答する、だが文字数を越えてしまって、溜息を吐いている。
「まぁ、意味は伝わったから、よしとしよう」
「よしとすんのかよ」
 昴のツッコミに紬は反応する。
「おおっ、何だ、居たのか、影が薄いな、昴は、アッハッハッハッ!」
「てめぇ、ぶっ飛ばすぞ?」
 昴がそう言うと、綴喜が止めに入る。
「おいおい……お前等落ち着けよ、さっさと、他のメンバーを待とうぜ?」
綴喜の言葉に詫留が反応する。
「そッスよ、こんな部室で言い合いしている場合じゃないッスよ、俺達は同じ部活メンバーなんですよ? 喧嘩してたら、仲良くなれないでしょう?」
「それもそうだな……」
 詫留の言葉に紬が言う──そして一気に無言状態になる部室。
 本当、そういう所では、息が合うんだよなぁ、と昴はそう思いながら残りの部活メンバーを待つ──他の四人も自由に自分の事をやっていた──

Re: アシナクシ。 ( No.43 )
日時: 2016/12/03 15:36
名前: 彩都 (ID: NtGSvE4l)  

「なぁなぁ、要ぇ、中々人が集まらないなぁ」
「ふむ、そうだな、とまぁ、ここら辺でいい加減口調を直さないとな……」
 昴の言葉に対し、要が答える、それもそうだ、まだまだ部活メンバーが居るのだ、そのメンバーが早く来ないと部活が始められない。
「全くだ、早く来て欲しいものだな──」
 紬がそう言って、腕を組みながら目を瞑る、全く紬は自由なんだから……
「そうですねぇ、中々来ないですねぇ、もう時間が少なくなってしまいますよ」
 新兵がそう言うと、綴喜が言う。
「うーん、待っていると段々眠くなるな、早く来ねぇかな?」
「そうだな、早く来て欲しい」
 綴喜の言葉に対し、要が言う、すると部室のドアが急に開いた。
「……すいません、遅れました」
 部室に黒い長髪の女性が現れる、猫背の少女だった。
「何だ、御手洗か、部活が遅れている、急いで席に着いてくれ」
 御手洗と呼ばれた少女は『はい、分かりました、要君』と言って、席に座る、彼女の名前は御手洗喜子(みたらい ぜんこ)、長髪のウェーブが掛かった女性だ、だが少し内気な性格である、そして巨乳である。
「あ、あ、紬君、お早う、え、えと、昴君もお早う、新兵君も綴喜ちゃんもお早う」
「あぁ、お早う」
「お早うです!」
「お早うだぜ! 御手洗!」
「お早う」
 善子の言葉に対し、四人が返答する、そして善子が言う。
「うん、有難う!」
 喜子は笑顔になる、その顔に対し、皆がほっこりする、善子の笑顔は可愛い、だが見た目が少し貞子に似ているので、皆から敬遠されがちだが、ただ単に喜子は発言に時間が掛かるだけの一般的な少女なのだ、普通に接すれば優しく対応してくれる。
「ふむ、結構集まってきたなぁ、もうじき開始しようかな?」
 要がそう言うと、昴が言う。
「あぁ、そうだな、皆はどうする?」
「そうですねぇ、自分的には、全員集まってしたいですが、時間も無いので、次に来た人で締め切りましょうか?」
 昴の言葉に対し、新兵が反応する、すると喜子が言う。
「し、し、新兵君の案に賛成ですが、ぜ、ぜ、前者だけですね、やはり部活なんだから全員で集まってしたいです……」
「それだとしてもよぉ、時間が掛かるんじゃないですか、御手洗先輩ぃ?」
 喜子の言葉に対し、詫留が言う。
「う、うん……そうなんだけど、やっぱり部活っていう皆が集まる活動だし……」
「まぁまぁ、とりあえずは一人待って、五分経っても来なかったら開始しようぜ?」
 喜子と詫留の会話に対し、綴喜が割って入る、二人は仕方なく頷く。
「とりあえずは綴喜の案を採用しよう、今の所は、だが」
「おう、さんくー!」
 続きの言葉を聞いて要が言う、すると新兵が言う。
「うーん、それにしても次の人が現れない限り、その案は使えないのでは……?」
「あっ」
「あっ」
 新兵の言葉に、要、綴喜が同じ声を発する、新兵は頭を抱えて、『ダメだこりゃ』と呟く。
「本当、この先輩の下につくのは大変だ……」
 詫留はそう言って溜息を吐く……

「それにしてももう五時か……確か生徒会が五時半だ、もう部活は始めても、十本も行かないだろう……」
 要は自分の腕時計を見て少し落胆する、すると喜子が言う。
「た、た、確か要君は生徒会の人だもんね……大変だもんね」
「おいおい、それを言うなら俺もだろう、要──俺も生徒会の人間だ、時間が無いのは分かっている」
 紬が喜子の次に言う、すると昴は二人に言う。
「おいおい……今は部活なんだ、生徒会位忘れろよ……」
「バカ昴、俺は生徒会の一部なんだ、部活中でも生徒会を優先する」
「俺もだ、昴、要の言う通りだ……だとしても俺は女子の下着を優先するがな」
 要と紬が反論する、だが紬のは一言余計だ。
「なぁ、喜子、何で紬のヤローは女子の下着に執着するんだ?」
 不意に綴喜が言う、喜子はおどおどしながら答える。
「え、えと、多分、それは紬君が思春期だからじゃないかな? 男子は第二次成長期になると、えっちぃ子になるってよく聞くし……実際私だってそう言う目で見られたりするよ?」
「へー、喜子もそんな目で見られるのか……俺にはよく分からねぇな、あーもう! 何なんだよ、思春期って!?」
 いきなり綴喜が立ち上がって頭を掻き毟る、すると詫留が言う。
「男の俺からしたら、胸がでかい先輩ら二人には無差別に性的に興奮するって事です、と言っても性的に興奮するって意味が分からないかもしれないですけど……」
「うん、分からん、何で興奮しなきゃいけないんだ? 人間的に考えて要らない機能じゃねぇか?」
 詫留の言葉に対し、綴喜が言う、すると要が言う。
「思春期ってのは、綴喜、貴様を私が押し倒す、みたいな物だと考えろ、ただ、お前も反抗出来ない状態、と考えて、の話だがな」
「うん、よく分からねぇけれど単純に言えば、身動きが取れない俺ってか」
「うん……もうそれで良いよ」
 続きがそう言うと、要は半ば諦めて言う、相当この会話に疲れたんだな……そう思いながら昴は思う。
(中々集まらないなぁ……本当に次のメンバーは来るのだろうか?)
 昴はそう思いながら深呼吸をする、果たして次のメンバーは来るのか、それは分からない──

Re: アシナクシ。 ( No.44 )
日時: 2017/01/07 15:43
名前: 彩都 (ID: ???)  

「ふむ、まだ来ないか? 時間が押していると言うのに……」
 要はそう言って、頬杖をつく、そして溜息を吐く、時間は夕方の五時五分だ、刻々と時間が迫ってきている、すると部室のドアを開ける者が居た、要は周りの皆に頷いて、待機する。
「よぉ、閉鎖空間に閉じ込められし天使と子猫達……そして俺は堕天使(ロストエンジェル)!」
「煩い、まーた、厨二病に感化されたかぁ?」
 要がそう言うと、厨二病の少女は鼻で笑いながら返答する。
「ハッ! 俺の何処が厨二病だ? ウッ、皆離れろ! 俺の左手に眠る『邪神アルテミス』が暴走する! うわぁぁぁきゃうんっ!」
 謎の言葉を発す厨二病の少女に対し、紬が『黙れ一年風情が』と言って、厨二病の少女のお尻を蹴る、そして厨二病の少女は蹴られてその場で倒れてしまう、その瞬間を逃さず、紬がカメラを用意して、厨二病の少女のスカートの中を激写する、パンツはピンクの縞パンだった。
「ナイス!」
「ナイスじゃねぇ!」
 紬の言葉に昴が反応する、全く変態過ぎるぞ、この人、そう思いながら溜息を吐く。
「あー、紬、後でそのカメラ回収な、そしてデータ消す」
「回収して自分の懐に納めておく気だな? それはさせん」
「よし、紬、後でお前のケータイの画像データ全部消す、いいか?」
 要の言葉に反論する紬、要は最終手段を使用し、紬を黙らせる。
「あいたたた……ちょっとしたお巫山戯じゃないですか要先輩につむぎん先輩ぃ〜」
「誰がつむぎん先輩だ!?」
 厨二病の少女の言葉に対して、紬がツッコむ、何で紬だけ『ん』がついているのか不思議だが。
「まぁまぁ、いいじゃないですか、後輩に弄られる先輩も珍しいんですから☆」
「珍しいからと言って行っていいとは限らない! 良いからつむぎん先輩は止めろ!」
 紬が怒鳴りながら厨二病の少女に言う、厨二病の少女は自分のツインテールを揺らしながらニコニコと笑っている。
「んで、もう良いだろ、五分経ったし」
 紬が急に要に言う、そして要が時間を確認した、もう厨二病の少女が登場して五分以上が経っていた、その事に対し、厨二病の少女が不思議がる。
「どういう事ッスか? 先輩方? もしくは同輩共?」
「同輩に対しては口が酷いな!」
 厨二病の少女に対し、詫留が言う、すると厨二病の少女は詫留に対し、ドスが効いた声で言う。
「同輩ごときが私に歯向かうなよ、同輩は黙って私についてこいや?」
 突然の声に詫留が驚く、そして尻餅をついてしまう。
「うおっ!?」
「はぁ……これだから同輩は……で、先輩方、一体何の話なんですか?」
「次の人が来て五分経ったら、部活を開始するっていう話、だからお前が来て五分以上経ったから部活を開始しようと思っていたんだが……」
 要が厨二病の少女に対し、そう言うが、要は腕時計を確認して溜息を放つ。
「だけど時間切れだ、もう五時二十分だ、今日の部活は無い事になった、だが百物語は絶対するから、蝋燭は部室に置いといてくれ、分かったか?」
 要がそう言うと、部活のメンバー全員が『はぁい』と合唱する、うん、と頷いて要は動き出す。
 次に紬も動き出す、そして厨二病の少女に言う。
「全くお前は……次からつむぎん先輩って呼ぶなよ、花椿」
 紬はそう言って、部室を離れる、花椿華憐(はなつばき かれん)、それが厨二病の少女の名前だった。
「全くお巫山戯が通用しない先輩なんだから……」
 華憐はそう言って溜息を吐く、そして今日は部活をしないので、部室から離れる事にした、これが俺達の部活、『オカルト研究部』、と名ばかりの『オカルト雑談室』だ──完全に研究なんてしていない、この部室に集まって、UFOや幽霊等のオカルト情報を話し合っている部活だ、そんな部活に自分は部員として存在している──

 そしてその日の夜──
「家族は帰ってこない、よし、今日もご飯を食べた後、オカルト系の何か調べよう」
 そう呟いて、電子レンジにご飯やおかずを入れて、温めて、一人ぼっちの晩御飯を食す、そして、食べ終わった後、シンクでお皿を洗って、自分の部屋に向かう。
 昴はベッドに座りながら何を検索するか考える、そして大きく深呼吸をする、結局調べるのは都市伝説系なんだけどね。
 昴はベッドから立ち上がって、パソコンの前に座り、パソコンを起動する、そしてパスワードを打ち込んで、自分のデスクトップに移動する。
 そしてインターネットに繋いで、検索エンジンの前で『都市伝説 日本』と打ち込んで、検索を開始する、するとすぐに検索結果が表示される。
「ふむ、結構表示されたなぁ、アメリカの都市伝説迄出ている……」
 昴はそう言って、少し驚愕する、そして都市伝説のまとめを確認する、『くねくね』、『ターボババア』、『ツチノコ』等を確認する──そして嘘か真か分からない都市伝説も確認する。
「うーん、ツチノコは実在すると思うなぁ、でも見間違いの可能性もあるんだよなぁ……」
 昴はそう呟きながら都市伝説のまとめを確認する、気付いた事には深夜の十一時だったので、急いで寝る事にした、昴はパソコンの電源を落として、ベッドに向かい、布団を自分の体に掛けてから寝た、明日は百物語が出来るかな? そう思いながら目を閉じて昴は寝息を立てる──


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