ダーク・ファンタジー小説

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転生⇔魔法少女 ※閲覧注意
日時: 2017/06/07 21:23
名前: 萌夏 ◆IrmWJHGPjM (ID: oS7lpet2)

どうも、おはこんばんにちは。
萌夏といいます!

初期ストーリーで10レスくらい
投稿してましたが、
書き直すことにしました。

不定期・亀更新で
修正も度々ありますが、
こんな私の趣味に付き合って下されば
とても嬉しく思います(´ω`*)

○あらすじ↓

中学校でいじめにあっていた
松山 詩織(まつやま しおり)は、
謎の少女・冥夢めいむと出会い
魔法を手に入れる。
『魔法少女』として生まれ変わり
復讐を始めた詩織だったが…

詩織の周りに次々と現れる、
新たな魔法少女達。
忍び寄る絶望の影。
そして、詩織達に魔法を与えた
少女・冥夢の目的とは…?

※キャラ設定書いた方が
分かりやすいというコメントを
頂いたら、キャラ設定を書きます。

○作品に関する注意事項>>1

Re: 転生⇔魔法少女 ※閲覧注意 ( No.73 )
日時: 2017/07/24 11:46
名前: 萌夏 ◆IrmWJHGPjM (ID: pm796894)

「おはよう詩織ちゃん」
「おはよう……」

私の返事にお母さんはあら?と首をかしげる。

「今日は何だか元気ないのね、疲れてる?」

「うーん、昨日ずっと考え事してて……」

っていうのは嘘で、聞かされた話が
頭が痛くなるようなものだっただけで。

「悩んだら相談するんだぞ」

「ありがと、でも大丈夫だよ」

足音が聞こえて振り向くと、
黒いランドセルを背負った誠が階段を降りてきた所だった。

「……いってきます」

「「いってらっしゃーい!」」

元から無口ではあったような気がするけど、
最近はほとんど話すこともなくなってしまった。
でも、嫌いな訳じゃない。



「いってきまーす」

「「いってらっしゃーい!」」

両親の声を後ろに聞きながら、
「おはよう」と綾に挨拶する。

「おはよー……って、今日元気ない?」

「うーん、そうかな」

千里にも話さなきゃいけないし……
どのタイミングで話そう……

Re: 転生⇔魔法少女 ※閲覧注意 ( No.74 )
日時: 2017/07/24 11:43
名前: 萌夏 ◆IrmWJHGPjM (ID: pm796894)

「あの……二人共」

「ん?なぁに?」

お昼、食堂にて。

「3人だけで話したいことがあるんだけど……」

私の言葉で内容を察したようで、
「じゃあ……」と千里が魔法を使おうとする。

「ま、待って!」

慌てて止めると二人はどうして?というような視線を送ってきた。

千里の魔法を使って時間を止めていれば
他の誰にも聞かれることは無かったから
今までそうしていたけれど、
今回の話を聞いてしまってはそういう訳にもいかない。

「その……長くなるし、放課後どうかなと思って」

二人は不思議そうにしながらも、快く受け入れてくれた。

Re: 転生⇔魔法少女 ※閲覧注意 ( No.75 )
日時: 2017/07/24 12:04
名前: 萌夏 ◆IrmWJHGPjM (ID: pm796894)

放課後の屋上、ここなら誰にも聞かれることはない。
私にとっては思い出したくないことも多いけど
この二人となら大丈夫だった。

「あの……2組に不登校の高橋さんいるでしょ?」

「あ、冴ちゃん……?」

千里は小学校が一緒で、
何度か同じクラスになったこともあると言った。

「冴子ちゃんも……魔法少女だって」

二人がハッと息を飲むのが分かった。

「他にも仲間がいたことにはビックリしたけど……
でも、何で知ってるの?」

「冴子ちゃんの魔法は『夢操作』、
一度触れた相手の夢に意識を繋げることが出来るんだって。
私も昨日、千里ちゃんちから帰る時に会って、夢で話した」

二人ともとても驚いているようで、
千里が「冴ちゃんが……」と呟いているのが聞こえた。

「でね、冴子ちゃんに聞いたら、
他にも魔法少女はたくさん居るんだって!
それで、隣町に冴子ちゃんと繋がってる魔法少女が一人居るから
今度会わせるって。」

「そうなんだ……知らなかった。
でも、詩織ちゃん、お昼の時
私が魔法を使うのを止めたのは、何で……?」

綾も千里も私を責めてるんじゃない、むしろ気遣ってくれている。
分かるんだけど、これを今言っていいのだろうか。

「私達……魔法を貰って生き返ったんじゃないんだって」

Re: 転生⇔魔法少女 ※閲覧注意 ( No.76 )
日時: 2017/07/24 12:30
名前: 萌夏 ◆IrmWJHGPjM (ID: pm796894)

「私達……魔法を命の代わりにして、蘇らされただけなんだって。
だから、成長も止まるし……もう、死ねないって……!」

ただ目を丸くして、何も言えないでいる二人を前に
私は座りこんだ膝の間に顔を埋める。

私達は、まるでゾンビか何かだ。

冴子は体の成長が止まっていると言った。
身長だって、冴子が魔法を手に入れた
去年の三学期から伸びていないと。

本当は、もう一度死のうとしたとも言った。
だけど、最初と同じように致死量の睡眠薬を飲んでも、
自室で首を吊っても、飲まず食わずで過ごしても、
息苦しさや空腹は感じたけれど決して死ななかったと言った。

「冴ちゃんが嘘をついたとは思えないけど……
でも、そんなこと本当か分からないんじゃ……?」

千里が言ったそれに答えたのは綾だった。

「私、知ってた」

私は反射的に顔をあげた。

対して綾は、無表情のままちょっとうつ向いて言った。

「私、知ってた……半年経っても身長が伸びないこと、
どうやっても死ねなかったこと。
……私も、もう一度死のうとしたから。
何度も試した。自分で出来そうなものを片っ端から。
でも……死ななかった。」

「……魔法を使うのを止めたのは、
魔法を使い過ぎると死ぬに値する程の激痛を受けるから。
それでも使い続けると、精神が削られて自我が無くなるから。
……違う?」

千里も、冴子から聞いていた私でさえも
呆気に取られて言葉が出なかった。

綾は、知っていてあえて言わなかった。
魔法少女の秘密を、一人で抱えこんで。

「何で……何で教えてくれなかったの……?」

千里の声が震えていた。

綾は、顔を伏せてただ一言、
「ごめん」と言っただけだった。

Re: 転生⇔魔法少女 ※閲覧注意 ( No.77 )
日時: 2017/07/24 15:49
名前: 萌夏 ◆IrmWJHGPjM (ID: pm796894)

「ごめん。……私、今日はもう、帰るね」
「ちょっと待って!まだ言わなきゃいけないことが……!」

屋上の扉へと歩を進める綾を追いかけようとして、千里に止められた。

「綾のことなんて、追いかけなくていいよ。
……あんな大事なこと、知ってて黙ってたんだよ……?!」

そういう千里は今にも泣きだしそうな顔で、
彼女を振り切って綾の元へ走ることが私には出来なかった。

「千里ちゃ……」

バタン、と背後で扉の閉まる音がした。


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