ダーク・ファンタジー小説

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とある町の何でも屋の無能力者
日時: 2025/05/18 16:08
名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
参照: http://kakiko.info/profiles/index.cgi

能力がある世界で生きる無能力者の何でも屋の人生。

注意 駄文&下手くそストーリー

列強・・・この世界での5人の最強能力者。国家を滅ぼせる。5人だけが入ることが出来、入るには列強に勝利する必要がある。
A級能力者・・・軍隊とある程度殺り合える。
B級能力者・・・軍隊の一部隊。
C級能力者・・・熊と同等の強さ。
D級能力者・・・一般人よりかは強い。
E級能力者・・・無能力者。強さも一般人レベル。

この小説はフィクションです。グロもあるので注意。

追記 小説☆カキコ大会2024・夏 ダーク・ファンタジー板では銀賞受賞


全部見たい方へ>>1-

世界の光教編>>1-3
ドミナター編>>4-20
外伝 異世界転生編>>21-29
赤眼の過去編>>30-44
揺らぐ列強編>>45-54
黄金の都編>>55-67
世界大戦編>>68-72

列強会議…? 3 ( No.47 )
日時: 2024/04/13 13:55
名前: monmon (ID: Jolbfk2/)

神谷「おいお前ら、一旦落ち着け。少しはクールになれ」
伊吹「ああっ!?」
アグネス「なに?この男に言われたままでいろって言うの?」
梓涵「そうアル!言われたままは悔しいアル!」
神谷「落ち着け、一人ずつ喋ろ。俺は聖徳太子じゃねぇんだ」

何とか神谷は3人を落ち着かせる。が、3人ともかなり機嫌が悪い。

神谷「別に喧嘩するのは好きにするがいいさ。俺からすればクソどうでもいい。だがな、今は列強会議。列強同士の交流を目的とした、言わば交流会だ。そんな場で、こんな喧嘩をするな。お前らはガキか?」
伊吹「…ちっ」
アグネス「…」
梓涵「…」

3人は納得はしていないが、理解はしたようである。すると、伊吹が話し始めた。

伊吹「一つ、最初に伝えておく。俺は今回、列強会議に参加し、くだらない戯れをしに来たんじゃあない。列強が全員が会うこの機会に、宣言をしに来た。今一度聞こう。俺に従うか?喋らないのは反逆と見なす。まずは尋る。今、ここで俺に忠誠を誓う列強はいるか?」

一瞬の沈黙。ここに居る列強は、伊吹の言葉に唖然とする。

那由多「貴方は何を言っているのでしょうか?」
アグネス「意味が分からないわ」
梓涵「何を言ってるアル?」
神谷「お前は何を言ってるんだ?」

あまりにも突然の、あまりにも非常識な発言に、列強は呆れる。

伊吹「まぁいいさ。忠誠を誓うのは俺の力を知った後でもいい」
「「「「…!」」」」

突然、伊吹を除く4人は、伊吹の殺気を感じ取った。感じたこともない殺気に、4人は驚愕する。

伊吹「簡単にぶっ壊れるなよ!!」

左腕を差し出し、拳を握る。その瞬間、部屋は轟音と共に猛烈な爆発で包まれた。


神谷「っあっぶねぇ!?」

4人は部屋の窓から宮殿正面広場に行き、爆発を避けていた。窓からは黒煙が立ち上っている。アグネスは3人の安否を確認する。

アグネス「皆怪我は!?」
神谷「モーマンタイ!」
那由多「アグネスさん、大丈夫です!」
梓涵「同じくアル!」

全員無事なのにアグネスは安堵する。が、その感情はすぐに吹き飛ぶ。伊吹は窓から宮殿正面広場に飛び降りる。

伊吹「流石列強だな!他の奴よりは殺りごたえがありそうだ!!」
アグネス「…少し、痛い目にあったh」

その時、ロンドンの街から爆発音が響いた。4人は街の方に首を向ける。

アグネス「何が!?」
伊吹「おっ、”あいつら”も動き出したか」
アグネス「貴方!何をしたの!?」
伊吹「何もしてないさ。それより、忠誠を誓うか?」
アグネス「誓うわけないじゃない!?」
伊吹「残念だな、じゃ、死ぬか」

更に強力な殺気を4人に対して伊吹は向ける。

アグネス「ねぇ神谷君!」
神谷「何だ?」
アグネス「ロンドンの方をお願い!那由多君と梓涵はこの男を!」
梓涵「正気アル?あいつは何かやばいアル。戦力が少なくなるアルが?」
アグネス「いいの。さぁ早く!!」
神谷「…分かった」

神谷は地を蹴り、広場からロンドンの街に走って行くのだった…。

絶望の破壊者 ( No.48 )
日時: 2024/04/15 19:15
名前: monmon (ID: Jolbfk2/)

能力を発動した梓涵の体は、頭部からは2本の角が生え、皮膚は青い鱗が皮膚の表面を覆っている。背中からは服を破り小さい羽が生えていた。その姿は龍人とも言うべき姿だった。

梓涵「がぁぁぁぁあ!!」

超音速で伊吹に対し突進する。踏み込んだ地面は大きな亀裂が入っていた。伊吹に近づき、伸びた爪で引き裂く態勢をとる。

アグネス「待って梓涵!」
梓涵「貰ったあぁぁぁ!」
伊吹「…はっ」

伊吹は梓涵を鼻で笑い飛ばす。爪は伊吹に当たる事は無かった。梓涵があっけに取られるその瞬間、伊吹は梓涵の後頭部を右手で掴み、地面に顔をぶつける。その時生じた地面の亀裂は梓涵が踏み込んだ時より大きい。

梓涵「ぐっ!?」
伊吹「おいおいその程度かぁ?さっきの威勢はどうしたぁ!!」
那由多「梓涵さん!」

那由多は援護するために伊吹に急接近する。後頭部に蹴りを入れようとしたが、左手で那由多の足を掴み、バッキンガム宮殿の壁に投げつけ、那由多はぶつかり、壁には亀裂が生じる。

那由多「ぐっ…」
伊吹「あははははは!!!爆発してみようぜぇ!!」

左手を差し出し、握ろうとする。能力の発動の態勢に入る。だが、それをアグネスは許さない。

アグネス「させないわ!」

握ろうとしたが、アグネスは能力を発動。伊吹の手に重力を発生させ、手は地面に打ち付けられる。同時に膝をついてしまう。

伊吹(!!これは、重力かぁ?)
梓涵「どけぇぇぇぇぇ!!!」
伊吹「あぁ?」

梓涵は伊吹の右腕から脱出。そのまま振り向き、炎をまとった爪で引き裂こうとするが、伊吹は後ろに飛んで避ける。

伊吹「!」

その攻撃を感知した伊吹は咄嗟に左に避ける。その直後、伊吹の頬に”何か”がかすり、そのまま後ろの木を切断してしまった。木は倒れ、木の葉は鳴る。

伊吹「あははははは!!面白れぇ!何をしたんだぁ?」
アグネス「企業秘密よ」
    (嘘…さっきの攻撃を察知したの!?)

攻撃が避けられ、アグネスは焦る。が、すぐに冷静さを取り戻す。その時、周りが影に覆われた。3人は空を見上げると、巨大な龍がいた。大きさは500メートル。その姿は、まるで中華の龍のようだった。

アグネス「…!?梓涵!?何やってるの貴方!?」
梓涵「…」

梓涵は反応せず、口を開ける。光弾が口の前に出現し、光輝き雷と炎が弾を包む。光弾のエネルギーは付近の空気を振るわせ、甲高い音が鳴り響く。
超高熱の巨大な光弾。雷と炎によって閉じ込められた光弾はさらに圧縮された。
亜神龍の攻撃は開始された。光弾はようやく解放されたかのごとく、伊吹に対して極超音速で進んでいく。

伊吹「やるなぁ…おそらく喰らったらひとたまりもないだろうなぁ…けどなぁ!」

伊吹は左手を差し出す。

伊吹「てめぇごときじゃあ、俺を殺せないんだよ!!」

伊吹は手を握る。その瞬間、轟音と共に猛烈な炎が出現。光弾より何倍と大きい。
余りの轟音と衝撃に、バッキンガム宮殿内にいた人間は耐えられず、肺がつぶれた。逆に、列強は難なく耐えた。

伊吹の能力は『大抵の物はぶっ壊す能力』。この能力は伊吹が破壊できると思った物体、物質を破壊する。爆発範囲や爆発時の音、爆発時の衝撃は自由自在(尚、爆発範囲や音が変わっても、破壊には影響しない)である。余談だが、宮殿内の人間が死亡したのは、伊吹が”わざと”轟音と衝撃を出したためだ。
また、伊吹が破壊できないと思った物(例えばガブリエル以降の列強や概念上の物は破壊不可)は破壊不可能。この能力で、アクシオンを殺害した。

アグネス、那由多、梓涵は絶句した。梓涵の最強の攻撃ですら、伊吹に傷一つ、つけられなかった。

伊吹「デカいのは単なる的だぁ!!」

瞬間、伊吹は龍になった梓涵の背中にジャンプで到達。背中にめがけて全力で拳を振り下ろした。空中に浮遊していた梓涵は耐えきれず、血を吐き失神し、地面に自由落下。

ズガァァァン!!!

地面に衝突した瞬間、思わず耳を塞ぎたくなるような轟音が鳴り、埃がまき散らされた。周りを見ると、宮殿には当たっていないものの、木々や噴水が破壊され、綺麗な庭園が荒れ果てていた。巨体故の被害だろう。十秒後、梓涵は元の人間の姿に戻ったが、内臓が数か所傷ついており、口からは血を吐いている。

アグネス「梓涵!!」
那由多「梓涵さん!!」

二人は梓涵に近づく。確認すると、息はあるものの、もう戦えない状態なのは明白だった。

アグネス「…私の能力で確認したけど、内臓が傷ついているわ。もう戦えない状態よ」
那由多「そんな…」

伊吹はうまく着地。2人まで10メートルの所まで接近した。

アグネス「…那由多君、梓涵を遠くに。その内イギリス軍が助けに来るわ」
那由多「正気ですか!?殺されますよ!?」
アグネス「…大丈夫、切り札はあるわ」
那由多「けど!」
アグネス「大丈夫。私は死なないわ」
那由多「…分かりました。死なないで!」

那由多は梓涵を連れて遠くに行った。

伊吹「いいのかぁ?お仲間がいなくなったぞぉ?」
アグネス「ご心配どうも。けど、切り札があるの」

アグネスは着けていた槍のアクセサリーに触れ、槍を取る。槍は既に酸化しており、黒くなっていた。

伊吹「そのちんけな槍で戦うのかぁ?こりゃ傑作だ!」

伊吹はアグネスの行動を嘲笑う。突然、槍は淡く光りだす。

伊吹「うおっ!?」
アグネス「これは、イギリス王室に代々受け継がれ、最強の私だけが持つことが許された物…」

槍は巨大化し、装飾の施された西洋式の槍になった。アグネスはそれを構える。

アグネス「ロンギヌスの槍…日本人の貴方でも聞いたことはあるでしょ?」

奇跡の聖なる槍 ( No.49 )
日時: 2024/04/16 18:39
名前: monmon (ID: Jolbfk2/)

伊吹「ロンギヌスの槍…確か、持ち主は世界を制する槍の事かぁ?」
アグネス「そうよ、違うのは、世界を制するのではなく、”持ち主を勝利させる”事かしら」
伊吹「変わらねぇよ」
  (…あの槍、何なんだぁ?よくわからない感じだぁ…)

アグネスは聖槍の石突を地面に二回ぶつける。石と石がぶつかり合う音が鳴る。不思議なことにぶつかった地面は波紋が広がったように見えた。

伊吹「…?」

伊吹は何とも言えないような感覚に襲われた。その感覚に困惑した。今まで感じたこともない感覚に、一歩も動けなかった。

アグネス「えいやっ!!」
伊吹「がっ!?」

困惑している間にアグネスは近づき、聖槍を打ち込む。伊吹は9メートル飛ばされ、倒れてしまった。

伊吹「クソがぁ…どうなってんだぁ…」
アグネス「どう?聖槍の強さは。聖なる槍に、貴方じゃ勝てないわ」

そう言いアグネスはドヤ顔をする。伊吹は立ち上がる。

伊吹「確かに…その槍は強いなぁ…流石伝説の武器だぁ。だがな…」

伊吹は左手を差し出す。

伊吹「使う奴がゴミじゃあ意味はないんだよ!!」

そう言い手を握る。いくら伝説の聖槍でも破壊できる。そう思い握ったが…。

伊吹「ああっ!?くそがっ!何でぶっ壊せねぇんだ!?」

伝説の槍は…健在だった。イエス・キリストが磔刑となった際、その死を確認する為にキリストの体を突いたと言われる槍。「ロンギヌス」というのは、その槍を持っていた兵士の名前という説がある。
曰く、その兵士は白内障で目が見えなかったが、滴ったキリストの血が目に当たると視力を回復したという。
以後ロンギヌスは聖者とされた。
もっともこのロンギヌスのくだりは新約聖書には書かれておらず(兵士が刺したとだけ)、後世に作られた伝承と思われる。
キリストの血を受けた聖遺物、聖槍は、聖者の血を受けている。聖者の槍は、破壊者の力ごときだと通用しない。

アグネス「怒り狂ってるところ悪いけど、まだ終わりじゃないわ」

聖槍の槍の石突を3回地面に突く。その直後、伊吹の上部20メートルからは直径10メートルの超巨大な槍が、その刃が、伊吹の目の前に落ちてきた。そして槍はすぐに光の粒子となって消えた。

伊吹「ぶはぁ!!?」

突然胸部から想像を絶する痛みが襲ったかと思えば、それは食道を一気に昇り、大量の血を吐き出す。

伊吹「う…あ…」

吐血は止まったが、さっきよりは軽いとはいえ継続して痛みが胸部を襲う。下を見れば、赤い血の池が広がっている。が、アグネスはそれを許さない。

アグネス「やあぁぁぁぁぁぁ!!」

一気に加速し伊吹に飛び込み、止めを刺そうとする。槍を突き立てようとした。

ガシッ!!

なんと伊吹は、槍の刃の部分を指の力で掴んでしまった。まさかの事態にアグネスは焦る。

アグネス「っこの!」

アグネスは引き抜こうとしたが、力が強すぎて引き抜けない。伊吹はコンクリートの地面を砕き破片がアグネスの目の前に飛ぶ。そして、左手は握られる。

ドオォォォォン!!!

絶大な爆発。二人が閃光と爆炎に包まれる。

アグネス「きゃあぁぁぁぁぁ!?!?」

アグネスは20メートルの地点で吹き飛ばされ、倒れてしまう。美しい顔と、スタイルのいい体には、Ⅱ度、Ⅲ度の火傷が出来ていた。アグネスは意識を朦朧とさせ、やがて目を瞑り意識を失った。


伊吹「…やれやれ、手ひどくやられたものだな」

伊吹は自分の胸部に右手を添え、痛みがないか確認する。

伊吹「…痛みは、流石にないか。だがもう戦えねぇな。くそ、あと少しだったのに…」

思わず顔をしかめる。当初の予定(忠誠を誓うなら仲間に入れる。誓わないなら列強を全員抹殺する)が、アグネスのロンギヌスの槍で戦闘不能に陥った。そこに一人の男が駆け付ける。

神谷「…まったく、”あいつ”にてこずって、戻ってみたらこれかよ…」

少し怪我をを負っている神谷の登場に、伊吹は笑う。

伊吹「お前が来たって事は…もうあいつは死んだか」
神谷「あぁ、きっちりあの世に送った」
伊吹「そうか、なら殺り合おう。と、言いたいところだが…」

伊吹は腕につけていた腕時計のようなものに、右手を添える。

伊吹「じゃあな。だがさよならとは言わせねぇよ?近いうちにまた会うかもな」

そう言って伊吹は腕時計のボタンを押す。その瞬間、伊吹は突然消え去ってしなった。神谷はあっけに取られてしまう。神谷は倒れているアグネスに駆け込み、その惨状を見て、こう言った。

神谷「まじかよ…何があったんだ…あの2人はいないし…」

最強にここまでのダメージを負わせた伊吹に、神谷は戦慄した。

キャラが濃いおかま医師 ( No.50 )
日時: 2024/05/09 17:44
名前: monmon (ID: Jolbfk2/)

アグネス「ん…うぅん…」

宮殿前の戦いから二日後、目を覚ますと、白い天井が最初に目に入った。そして布団に入っている感覚もある。ここはロンドン・クリニックの病室。

那由多「悠君、目を覚ましたよ」
神谷「ほんとだ。おはよう、体の調子はどうだ?」

そこにいた神谷は質問をする。

アグネス「最悪よ。体中ヒリヒリしてるし」
那由多「まぁ、僕も悠君も傷を負ってるから」

そう言い那由多は苦笑いする。二人を見ると、アグネスや梓涵は重症だ。確かに神谷も那由多も傷ついているが、そこまでじゃなかった。

那由多「所で悠君、何で怪我をしちゃったの?」
アグネス「私も気になるわ。何があったのかしら?」
神谷「そうだな…ロンドンの街にたどり着くと、伊吹と同じように仮面をつけた謎の集団がいたんだ。人数は6人程度で、俺を見ると襲い掛かってきたんだ」
アグネス「どうなったのかしら?」
神谷「勝った。だが少し苦戦したな。で、だ。この後はどうする?新参者の伊吹に最強が負けたと報じられたんだ。おかげでネット掲示板では伊吹が最強、って言われてる」
アグネス「そうなのね…」
神谷「だから、あいつをぶっ飛ばして、俺らの評価を戻すしかない」

神谷の言う通り、アグネスが伊吹に敗北した事件『列強会議事件』が報じられた後、すぐにネット掲示板では「伊吹が最強なんじゃね?」「もう伊吹以外の列強とか時代遅れww」「最強が列強最弱に負けたのか…」と、伊吹最強論が展開されていた。神谷がスマホで画面を見せるとアグネスは「うわぁ…」という顔をしていた。

そんな時、扉が勢いよく開かれた。3人が一斉に扉を見ると、そこにはハイヒールを履き、白衣を着た…おかまがいた。

おかま「あらあら、王女様重症じゃない。もお折角の美人顔が台無しじゃない」
神谷「ア…アグネス…?」
那由多「えぇと…アグネスさん、あの人は…?」

神谷と那由多は恐る恐る聞く。当然だ、突然おかまが現れたら少し怖くなる。

アグネス「彼はラディー。おかまよ」
神谷「んな事は分かってる」
アグネス「優秀な医者よ。おそらくこの国で一番」
ラディー「よろしくね~神谷ちゃん、那由多ちゃん」

ラディーが投げキッスとウインクをすると神谷と那由多は背筋が凍った(ギャグ的な意味で)。
ラディー「3人とも、悪いけどついてきてくれる?」

そう言われると3人はラディーに意味も分からずついていった。途中梓涵と合流し、ある部屋に入った。
4人はラディーに言われ右から梓涵、アグネス、神谷、那由多の順番だ。

ラディー「いくわよぉ~」

ラディーの体に緑色のオーラが溢れ出していく。そして構える。

ラディー「はあぁァァァ!!!!」

男声で叫んだ瞬間、四人の包帯なり絆創膏が消え、アグネスと梓涵に至っては普段の服に戻った。傷が全て消えて。

神谷「What!?」
那由多「え?えぇぇ!?」
梓涵「うそぉアル!?」

3人が驚いた。

アグネス「どう?ラディーの能力は?彼の能力は『医療をする能力』。医療系なら世界でもトップレベルなの」
神谷「…すげぇ…」
那由多「凄い…」
梓涵「ちょっと見直したアル」
ラディー「聞こえてるわよ梓涵ちゃん」
梓涵「あ…」

全員が笑った。当の本人は赤面した。すると、部屋に近衛兵らしき男がやってきた。彼は息を切らしていた。

近衛兵「殿下!大変です!次女様のアイラ様が何者かに誘拐されてしまいました!」
アグネス「えっ!アイラは無事なの!?」
近衛兵「現在、全力で捜索していますが、分かりません…なお、犯人は仮面をつけていました」
アグネス「仮面!?本当なのね!?」
近衛兵「落ち着いてください、仮面の男です」

仮面の男と言えば、もうあの男しかいない。

アグネス「3人とも!アイラを助けたいの!お願い、協力して!」

そう言い頭を下げる。

神谷「分かった。俺らは列強同士だ。最強のお願いなんて無にできないしな」
那由多「出来る限りですが、協力させてください!」
梓涵「まぁ…少しは…」
アグネス「ありがとう…みんな…」

アグネスの顔は、安堵しながらも泣きそうだった。

ワンチャン伊吹を倒せる技 ( No.51 )
日時: 2024/05/11 16:12
名前: monmon (ID: Jolbfk2/)

近衛兵が横を見る。驚いた顔をし、何者かに吹っ飛ばされた。正体はタキオンだった。

タキオン「はぁ…はぁ…で…殿下…こ…これを…」
アグネス「え?えぇ…」

アグネスが息を切らしているタキオンからスマホを受け取る。動画サイトだ、配信されている。問題は内容だった。手を拘束されているアイラが、数人のローブを着た男に囲まれている。

伊吹『列強!俺は今、アイラを拘束している。数時間後、アイラを処刑する!殺されたくなければ、コーズウェー海岸に来るんだな!』

そう言い、配信を切る。

「「「「「「……」」」」」」

絶句する。来なければアイラは殺される。だからといって行ったら、最悪全員殺される。神谷を除く5人は、絶望した。

神谷「…一応、あの技を試してみるか」
那由多「あの技?」
神谷「使ったことは無いが…ワンチャン伊吹を倒せる」
アグネス「なっ!?」
梓涵「はぁ!?」
ラディー「うそぉ!?」
タキオン「!?」

その場にいる全員が、驚いた。梓涵に至っては語尾が消えている。

梓涵「…寝言は寝てから言えアル」
アグネス「そんな技があれば、苦労なんてしないわよ」
神谷「あくまでも、ワンチャンの話だ。成功するかは分からん」
那由多「そっ、それって、どんな技なの?」

全員が興味津々で聞いてくる。だが神谷は「見てからのお楽しみ」と言って、教えてくれなかった。


…数時間後。

伊吹「さぁて、いよいよお前の処刑タイムだ」
アイラ「んー!んー!」

口を布で塞がれているため、喋ることが出来ず、声を出すのが精いっぱいだった。
配信の準備をしようとしたその時、ローブの男が4人、あの世に旅立った。

伊吹「おっ、来たか」

そう言い崖を見る。列強4人が集結していた。

神谷「やっと見つけたわ!今すぐアイラちゃんを解放しなさんせ!お母さんが悲しんでいるザマスよ!」
アグネス「神谷悠?」

伊吹に向けて指を向けている神谷に、アグネスは肩に手を添える。無茶苦茶な殺気が神谷に対し向けられている。

神谷「…怒ですか?」
アグネス「ええ、それはそれは」

電気を流す。神谷は断末魔を上げる。ギャグ漫画だったら、黒焦げになっているだろう。


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