二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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イナクロ〜なくしたくない物〜参照23,000突破感謝!!〜
日時: 2016/02/10 23:59
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: JuyJRz6j)

どうも。
イナGOの「なくしたくない物」がイナクロなるってことで、続編つくりました←
いちおう、>>1にキャラ紹介をのせときます。オリキャラも。


   ※注意事項※

・キャラ崩壊のおそれあり
・なんかいろいろ意味不
・更新おそい(中学生だもん、部活入ってるもん←)
・絶叫多しww
・荒し、パクリは厳禁
・ひとの目によって、駄作に見え……いや、駄作
・なんかシリアスでもコメディでもなし(←わかんねえよ、あいまいで)
・「駄作お断り!」のかたはさよならです(二度目)

注意事項はどんどん追加されていきます←
もしこれのうちひとつでも「守れるわけねえだろ!」という人は、そよかぜステップで退散!
「いいよ^^」という神様は、どうぞおとおりください!



オリキャラ募集のお知らせです
>>95

《更新再開の大号令》
>>342



〜もくじ〜

ストーリー説明〜第2章まで
>>230
第3章〜第5章まで
>>328
第6章まで
>>345



☆番外編☆     また会う日まで
第1話〜第10話まで
>>317
第11話〜第20話まで
>>329
第21話〜第30話まで
>>344
第31話
>>346
第32話
>>347
第33話
>>349

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Re: イナクロ〜なくしたくない物〜更新困難状態〜 ( No.331 )
日時: 2014/01/31 08:37
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: O59cZMDb)

☆番外編☆第二十六話   「どら焼き」



アメリカに来て三日目。
快晴と言っていいほど、晴れ渡った空。

「今日はどこ行くの?」

助手席に乗りながら、足をぶらぶらさせる風花。どら焼きを口にする友撫。
(作者より:ちなみに、アメリカってどら焼きあるんですか? 売ってるお店があるとしたら、教えてください。
アメリカ行ったときに、買いに行きます。)
母は、友撫がこぼす食べかす処理に追われている。
代わりに、父が風化の問いに答えた。

「病院だよ。」
「え、ほんと? どうしたの? 誰か病気?」
「はへひいはほ?」(翻訳:かぜひいたの?)
「そうじゃないわよ。じつはね、アメリカに来た目的は、ママの病院見学だったの。貴重な体験もさせていただけるみたいだし。」

にっこり笑うと、からだをひねって母を見ていた風花も、微笑んだ。それを聞き、誰も病気ではないと分かった友撫は、ふたたびどら焼きにかぶりつく。

「あ、だから、ムルーシュおじさんいないんだね。」

ムルーシュは今日、友人との約束があると言って、ついてこなかった。母も父も、にこやかに送り出していたから、別にほかになにがあるとも、思っていなかったが。
運転しながら、父はうなずいた。

「ああ。ムルーシュさんは、どうも病院嫌いらしくてな。むりやりは連れて来なかった。」
「そっかぁ。やっぱり、そういう人もいるんだね。」

来てくれればよかったのに、と風花はぼんやり思った。ムルーシュは愉快だし、風花や友撫とよく気が合うため、一緒にいて楽しい。今日も、一緒にいられると思ったのだが。
ちょっとぶすっとしながら、前方を見ていると、父がくすっと笑うのが聞こえた。

「なにさ、パパ。」
「いや……そんな好きか? ムルーシュさんのこと。」
「うん、おじさん面白いもん。」
「ああ、そういう好きか。」

ほかになんの『好き』があるの?
とすこし思ったが、きっとなにか思っていたものと違ったのはたしかだろう。風花としてはあまり興味がないので、それ以上は考えず、スルー、スルー。

「……どらやき、たりない。」

出発して十五分。もうどら焼きを食べきったらしき友撫の声が聞こえる。
たぶん、十個くらいあったと思うんだが。

Re: イナクロ〜なくしたくない物〜更新困難状態〜 ( No.332 )
日時: 2014/04/28 09:41
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: k9pS0/Ff)

☆番外編☆第二十七話   「白人」



「風花、降りて。」
「むにゃっ?」

完全に爆睡中だった風花が起きると、母は「ふふっ。」と笑って、ふたたび降りるようにうながした。寝ぼけまなこをこすりながら、車を降りると、大きな建物が目に映る。
壁のかわりにガラスが敷き詰められており、一番上には、三角の形をした、青色の屋根。まわりには、大量の緑がある。

「ふわぁ……すごぉい……!」
「今日は、ここに用事があるのよ。行きましょう。」
「はーい!」

うれしそうに返事をして、風花は母と一緒に、病院に入っていく。
父と友撫のほうはというと、車のなかで待っているようだ。車からは降りず、父のスマートフォンをふたりでのぞきこみ、楽しそうに会話を繰り広げている。ちょっと入りたい気もしたが、母と一緒にいられるのだから。
病院の裏口から入ると、扉のすぐそばにいた白人が、母に英語で声をかけた。しばらく、風花にとって、わけの分からないことばで会話を進めたあと、白人が風花のほうをちらっと見てから、会話は終了。白人は風花と母に笑いかけ、奥へ入るようにすすめた。

「なにするの?」
「いいから。黙ってついていらっしゃい。」

前を向いたまま、母は返答する。ちょっと不安にはなったが、きっと大事なことなのだ、あとで話してくれるだろう。
数分歩き続けると、ひとつの部屋に行きついた。白人が、なにやら暗証番号らしきものを入力すると、扉が自動で開き、なかのようすがあらわになる。
なかには、大きな寝台がひとつと、いくつかの実験薬品、十人弱の白衣の人々。

「っ……。」

なんだか分からないが、すごく怖い。
なにをされるか分からないうえ、白衣の人々は、みな黙って、風花と母を見つめている。なにも言わないし、なにをしようと考えているか分からないことが、こんなにも怖いなんて。
母に背を押され、こわごわ入っていくと、ひとりが微笑んで出迎えてくれた。
母と同じくらいの年齢に見える男性だ。白衣にすこしかかっている金髪がなめらかで、静かな青の瞳が、まっすぐこちらを見つめている。

「押しかけてしまって、ほんとうに申し訳ありません。」
「なに、かまいませんよ。」

外見とは裏腹に、とてもなめらかな日本語が、彼の口でつむがれる。
彼は風花を見ると、にっこり笑ってくれた。

「きみが、フウカちゃんかな?」
「え、は、はい。」

声をうわずらせながら、風花はうなずく。
男性はくすっと笑うと、ふたりをさらに奥へと招いた。
白人たちがすっと道を開け、まっすぐこちらを見ている。多くの者が眼鏡をかけており、それが光を反射し、表情がうかがえない。
何なのだ、この……この、威圧感は。
やっと三人が止まったところは、まっ白な部屋。中央には寝台のようなものと、手術服に身を包んだ四人ほどの白人。
そのようすは、手術室のそれであった。

「風花、どうしたの?」

知らぬ間にかたまっていた風花の肩を、優しく母が叩く。
おそるおそる顔を上げると、母がにっこり笑む。




「おいで。」




いつの間に——母は、こんなに恐くなったのだろう。

Re: イナクロ〜なくしたくない物〜更新困難状態〜 ( No.333 )
日時: 2014/05/26 14:58
名前: 結衣 (ID: CKpJ5zkK)

はじめまして!

結衣といいます

急に更新されていてびっくりしました

とても面白いですね!

今までよんできたなかで一番好きです!

これからも頑張ってください!

Re: イナクロ〜なくしたくない物〜更新困難状態〜 ( No.334 )
日時: 2014/06/21 13:46
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: k9pS0/Ff)

>>>結衣さん



はじめまして。
一瞬だけ余裕ができたもんですから……。

面白いだなんて!
ありがとうございます。

ほとんど更新できない状態が続いてしまいますが、目をつぶっていただけると救いになります。





ほんとにみなさま、申し訳ございません。


今年度、とうとう受験生になってしまったゆいら。

しかも、親族が亡くなり、精神的にもちょっと来ています。

なかなか更新ができない状態が続きそうです。
まれに更新するかもしれませんが……。

結衣さんのように、まだ見捨てずに待っていてくださる方がいらっしゃると考えると、更新はまだしようと思えます。
ほんとうにみなさまに救われながら、私はやっていけているなと感じています。


参照が9900を越えていて、驚きを隠しきれていません。
てかもう、さっきから親にそのことしか言ってません(母さんごめん、しつこいね)。

これからまれにしかできませんが、更新していきますので、よろしくお願いします。

Re: イナクロ〜なくしたくない物〜更新困難状態〜 ( No.335 )
日時: 2014/06/22 11:14
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: k9pS0/Ff)

☆番外編☆二十八話   「月」



目を覚ますと、そこは車のなかだった。
もう夜が近づいていることを、空が示している。
向こう側に、自由の女神が見えるということは、ここは、母の提案で来ているアメリカなんだ。
……それにしても。

(なんで、ムルーシュおじさんとこ、出たんだっけ……?)

それに、車でどこに行ったかも、覚えていない。
いったい、あたしたちは……何をしに、行ったんだっけ?
すうすうという寝息が聞こえ、左手を見ると、友撫が夕日を浴びながら、幸せそうな顔で眠っている。友撫の右手には、どら焼き。

「あら、風花、起きた?」

助手席から、母の声が聞こえた。

「ママ、いまどこ?」
「もうすぐ帰るわ。よく寝てたわね。」
「……あたし、何しに来たんだっけ……。」

思っていた疑問を、独り言のように聞くと、母はくすっと笑って。

「ママが病院見学に行ったの。その間、風花と友撫ったら、寝ちゃってたのよ。」
「あ……そうなんだ。」

それなら、記憶がなくてもしかたがない。
何の疑問も持たず、満面の笑みになって、話題を変える。ころころと話題を変えることにか、それとも、風花の言ったことになのか。
母はなぜか、困ったように笑っていた。

     ☆

帰宅すると、不思議とまた眠気が襲ってきて、晩ご飯や風呂を終えると、風花はすぐに布団にもぐってしまった。
どうしようもない眠気が襲ってくる理由が、どうしても分からなくて、むずむずしたけれど。
あまりにもあっという間に、風花は夢の世界に、身を投げ出していた。
見覚えのない、机と椅子がいくつも並べられ、後ろにはロッカーのつけられた部屋。
机や椅子が、冷たく差しこんでくる月明かりを浴びて、影をつくっている。
いったいどこだろう、ここは。
こんなにひやりとする場所……知らない。

「……ママ……?」

自分のつぶやきすら、どこか遠くに感じる。

「パパ、友撫ちゃん……?」

どこに行ってしまったの。
なんでここにいないの。
激しい虚無感が胸を満たし、たまらず涙があふれてくる。
風花はうつむいて、つぶやくように。

「ママ……。」

お願いだから。

「……パパ……。」

誰か——……。

「……友撫ちゃん……ッ。」

返事をして……!
こらえていた涙がこぼれ、床に落ちて弾けた。
そのとき。
がらりと音がして、扉が開いた。

「ッ……!」

ママ? パパ? 友撫ちゃん?
期待してふり返る。
が、そこには、母も父も友撫も、いない。
いるのは、誰なのかも分からない、ひとりの、頼りなさげな少年だった。
それほど好きなのか、サッカーボールを抱えて、真剣な瞳でこちらを見ている。

「ふーちゃん!」

誰、なの?
特徴的なかたちをした藍色の髪。
まっすぐこちらを見つめてくる、綺麗な黒の瞳。
……何でだろう。
知ってる、のに……。
せっぱつまったような表情から一変。
少年はにっこり笑って。

「やろう? サッカー。」

うれしそうにボールを差し出す。

「……?」

あまりに風花に、反応がなかったからだろうか。
彼はこくりと首をかしげてから、耐えきれないというようにこちらに走ってきて、風花の手首をしっかりつかむと、部屋を出て、長い廊下を走り出した。

「えっ!?」
「ほら、行こう!」

笑顔でこちらをふり返ってくる彼は、月明かりに照らされて、輝いている。


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