二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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CLAYMORE 運命の道筋
日時: 2012/08/14 21:07
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)  

プロローグ

「いつの世も戦士とは、多くのものを背負っている 」
そう、その男は静かにゆっくりと語った……
一体、どれ程の修羅場を潜り抜けてきたのか、
どれ程の屍の山を乗り越えてきたのか。
彼の纏う気迫と眼差しには、
それは、本当の地獄と悲しみを知る者だけが持つ……
凄みというものが有った。

とうに過ぎ去った時間の中で、
焼き付いて離れず逆光する記憶と痛みは、
とてつもなく深く、悲しく、忌まわしく
そして、懐かしい思い出でもあった。

全てを失った男は大剣クレイモアを取った。
それが例え、血で血を洗う呪われたものあったとしても、
醜態を晒してでも、そうしたかったのだ。
己が生き長らえるが為に……

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Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.268 )
日時: 2013/09/30 01:17
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: T6gVpJcF)  

コメント返し

珈琲猿さん

銀魂の新八……?

黎明期からクラリスまでの歴代のナンバー47達が。
どんな人物だったのかはわかりませんが、おおよその予想はつきます。
チート能力は…凄く欲しかったようです。
でも、貰えませんでした。 ええ。
はい。 依頼先の村か街にいく途中で襲われてお亡くなりになりました。

Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.269 )
日時: 2013/09/30 15:27
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: T6gVpJcF)  

俺の名は、ジャック……
つい昨日、試験を終えた訓練生だ。
これから、組織に戻って印とやらを受け正式に戦士になるらしいんだが。
どうやら、一人の黒服がくたばって面倒くせえ事になったぽい。
だが、まさか……
それが、俺より弱え最下位の奴に指導されるとは思ってもみなかった。

外伝 憎悪の鉄槌
俺が生まれたのは、中央のブラントという工業都市にある貧民街スラム
お袋は貧困とじいさんの病気を理由に色を売る娼婦で。
犯罪者や浮浪児が徘徊するハキダメに生まれたとは思えないほど綺麗な女だった。
そして、じいさんに父親違いの弟が二人の五人家族だった……。
勿論、親父の事は知らない。 お袋にすらわからない。


そんな環境に生まれた俺らには、公共の風呂ですら入れる余裕もなくて…
かといって、川とかで体を洗った記憶はあまりねえ。
大体、着ていたは死体から剥ぎ取ったもの。
泥水を啜り、虫や雑草時には皮靴を食らい。
油断をすれば、おいはぎだの、殺されるだの物騒すぎる環境が俺の全てだった。

貧民街スラムの顔ききであったじいさんのおかげで、
親が、貧民街から這い上がったという奴が経営する宿屋の雑用という仕事につけた。

長男だった俺の仕事は、朝一番の鐘がなる前に始まって。
宿屋から売ってもらった残飯で、家族の分の朝メシをつくり。
殆ど寝たきりだったじいさんの世話をしてから。
弟のピーターとトーマス、ダチ達と共に売れるゴミを大人と一緒くたになってあさり。
午後には、宿屋の雑用をこなし。 ボロ家に帰るのは真夜中が当たり前。
そして、晩飯を食ってねる。
そりゃあ、他の貧民比べりゃあ恵まれてたが……。
俺らやお袋が稼いだ金の六割を税金として収めなきゃいけなかったし…
じいさんの薬代もバカにならなかったけれど。
それでも、家族がいてくれれば良かった……。
でも、お袋は違った。

「ごめんね…ごめんね……。
 お前達を見てやれなくて…… 」

お袋は酒を呑む度に、子供に苦労をかける事。
子供だけでも、幸せになってもらおうにも親父がどこの誰だかわからない事。
そして、母親として何もしてやれない事を。
いつも謝って、泣いていたんだ…………。

だから、大人になったら生まれつきの腕っぷしの強さから。
傭兵になって、盗賊退治とかして金を得てお袋に楽をさせたい。
そう、心に強く願っていた……。

だが、ある事件をきっかけに。
俺は。
じいさんとお袋を亡くし。 過酷な運命に身を投じる事となったーーー


続く

あとがき

※公共風呂。 現実におけるローマ時代にあった銭湯の事。
 身分に関係なく格安で入浴出来たらしいのですが。
 その代金すら払えない人々は、入れませんでした。

今回のお話は、今も昔も世界中にいる圧倒的弱者です。
貧しさから抜け出したくても抜け出せず。
それを知らない富裕層は彼らを差別する残酷な現実。
それを生み出したきっかけもまた悲しい。

Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.271 )
日時: 2013/10/04 23:27
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: T6gVpJcF)  

あの時の事は曖昧にしか、覚えちゃあいない。
ただ、覚えているのは……
夜遅く、弟らと一緒に仕事から家に帰ったら……
血と錆の生臭さが真っ先に鼻について、何かが可笑しいと思って。
よくよく目を凝らして見れば…。
粗末なベッドには、内臓を失い血溜まりに沈む祖父さん。
グチャグチャと、不気味な何かを咀嚼する音だった。


外伝 憎悪の鉄鎚2

「に、兄ちゃん…… 」

「なんだ…これは…… 」

何かがいる。 熊か何かの獣か?
そう思った俺は、弟らに出来る限り逃げろと言い。 俺の言う通りに弟らが逃げた直後。
俺は、入り口そばに立てかけてあった手斧を片手に。
その“ 咀嚼音 ”のする方にむかった気がする。

そして次の記憶は、首を切り落とされた化け物…妖魔の死体。
……大好きだった…お袋の……。
およそ、人間の形を留めていない凄惨な死体。
そして、顔や服を妖魔の血で染まったてめー自身。

「あ…ああ……。
 おれは…おれは……かあさん…… 」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー 東の果て 組織本部 ーー

「ほう…。
 隙をついたとはいえ、その子供とやらが妖魔の首を? 」

石造りの椅子に座る長と名乗るおっさんは、見開いて報告者である黒服にきいた。

「はい。
 今訓練中の者らにも、そういう者は僅かながらもおりますが。
 同じ貧民街の者によりますと……。
 ろくに手入れなどされてない小さな錆びた手斧で。
 たった一度、振り下ろしただけでとの事です 」

剣やそれなりの大きさの斧ならいざならず。
重さも大してなく、なまくらでしかない手斧でなどありえない…
その場にいる全ての黒服は、ザワザワと騒ぎ。
何かの間違いじゃねーかと、まるで珍獣を見るみてーに俺を観察していた。

「にわかに、信じられんな……。
 まともな武器や人の手練れならばともかくも。
 その様ななまくらで殺してみせるとは…… 」

「しかしながら、それは事実に御座います。
 恐らくは、こやつが戦士になれば。
 上位勢に届かなくとも、それなりの戦士になりえる逸材かと…… 」

「ふむ…… 」

その時は、何の事やらか全然分からなくて。
ただ、あの悲惨な光景が何度も脳内を巡り…。
祖父さんとお袋を亡くした激しい慟哭。
それを上回る妖魔に対する怒り、憎悪がないまぜになっていた。

(殺してやる……。
 やつらに生まれて来た事すら後悔させてやる……! )

そうして、戦士としての武術や知識よりも先に覚えたのは…
妖魔への復讐心と殺意の二つ。
その気持ちこそが、俺にとっての戦いの始まりだった ーー


続く

後書き

悲しみと絶望の果てに……。

Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.272 )
日時: 2013/10/07 04:17
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: T6gVpJcF)  

数日して、組織本部に戻ってきた件の戦士は。
ジェロに連れられて来て、オレと対面した直後。
目を見開き、驚いた様子で荒い口調で言った。

「俺より弱いって事は聞いてたけどよ。
 まさか、こんな…
 全戦士ん中でも、一番ザコだって聞いてねーぞ!? 」

外伝 骨、噛み砕く牙

「そう言うな。
 お前が配属される地域とコイツの配属地域が一番近かったのだ。
 諦めろ 」

ジェロはいつも通り新人戦士に向けて、淡々とした口調で言う。
一方、新人戦士の方は露骨で嫌そうに舌打ちする。
ぶっちゃけて言えば、オレだってこんな指令は嫌だ。
ていうか、超やりたくねーよ。
予想では、精々ナンバーが近い30〜40番台くらいなかなーって思ってたのが。
なんと、並クラスのナンバー25…。

ジェロ曰わく。
コイツは純粋な地力だけなら、既に上のナンバー24〜11を上回っていて。
潜在能力も、組織の幹部に期待されている才能の持ち主らしい…。
それが、何故。 オレが先輩として新人教育しなきゃなんないのかと言うと……。

「えー、マジやってらんねー! 」

「お前は頭は悪くないが、考え無しにすぐに動く面が多すぎる。
 それに。
 暴走したお前を“ アイツ ”が止められると思っているのか? 」

そう、単純バカで短気なのだ。 コイツは。
今の言葉から察するところ。
多分、コイツは妖魔に激しい憎悪を持ってて。
妖魔の妖気を探知するなり。
組織の指令を無視して突っ走るクレアのようなタイプなのだろう。

(確かに、そういう奴は組織じゃなくても面倒くさいよな。
 あれ? これって?
 まさか、死亡フラグがたったのか? )

何が言いたいのかというと、つまり……。
あくまでもオレの推測だが。
組織の連中は、配属地域が近い誰に。
この問題児を押し付けようと考えたんだろう。
んで。 万が一コイツが暴走の末に覚醒したとしても。
例え失ったとしてして、戦力的に全く問題ない戦士に押し付ける事で決定。

…………もう一つ、考えられるのは。
情報や今の会話は打ち合わせの上のもので。
オレが組織にとって、色々ヤバい情報を持つ事に気づいて。
戦闘中。
妖魔にやられたかのように見せかけて暗殺するようになっている。
どっちにしても。
粉々のミンチになるか、大剣でぶつ切り肉にされるかの違いで。
脳裏には、オレの死体映像しか浮かばない。
これは、もう、積んだな……。



SIDEジャック

組織本部に戻って、軽く仕事についての説明がされた後。
各合格者は印を受け、漸く正式に戦士になった。
俺に与えられたナンバーは25
ナンバー通り 並の戦士というわけだ。

「ーー以上だ。
 お前達は、これから各々の配属地域に赴け
 では、解散だ 」

ジェロだったっけ? この頭がかわいそうなハゲ。
担当の黒服がいねー奴だけ残れって言うが。
一々ソイツらを待つより直接、配属地域に行った方が良いんじゃないか?
それが何で、待たなきゃいけねーんだ?

ちっ!

「何だ?
 そんなに待つのが嫌なのか ジャック? 」


「あ?
 何だイヴァン てめーも待機かよ 」

「ああ。
 あとは顔見知りはピピンに、あの臆病者もいるな…… 」


続く

あとがき


すみません。
時間がアレなので切ります!

Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.273 )
日時: 2013/10/07 20:54
名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: T6gVpJcF)  

「へー、あいつらもかよ 」

言われて、よくよくみれば……。
全員が西ロートレクに配属される奴らだけが居残りのようだーな。


外伝 骨、噛み砕く牙2

イヴァン曰わく、姿は見えねーが現在組織内に残ってるのは。
下から順にナンバー34 “ 弱虫 ”デイビット。
ナンバー31 ピピン
ナンバー20 イヴァン
そして、ナンバー16 シャヴィエルらしい。

「ーー チームを組む戦士が来るまでは。
 組織内のみに限られるが、各々自由にして良いそうだから。
 ジッとしてられないのならば、鍛錬なり。
 適当に暇つぶしをすればいいだろう? 」



「だーな。
 そんじゃ、その言葉通り適当に鍛練でもしてくっから 」

SIDE ジェロ

新たに印を受けた戦士。
ナンバー20 イヴァンと…
ナンバー25 ジャック。
虚無主義で冷めているのイヴァンと単純で猪突猛進のジャック。
この180度性格が異なる二人が何故。
実の兄弟のように仲の良い親友なのか、と不思議でならない。

いや…完全にわからない訳ではない。
二人は、妖魔に親を目の前で喰われ。
その妖魔を己の手で殺したという似たような境遇…
凄惨な過去を持つ事から、ありえなくもない事だ。

だが、大抵の場合。
性格に近しい者が多くというのに、ここまで遠いのは珍しいな……。

「……もしかしたら。
 二人は案外、似たもの同士なのかもな…… 」

続く


あとがき

上のスレの続きです。


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