二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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鋼の錬金術師×学園アリス —光と闇の世界— 
日時: 2010/06/12 21:42
名前: ちー☆彡 (ID: Di8TedTz)

はじめまして。ちーと申します。
えっと、大好きな鋼の錬金術師と、学園アリスを混ぜてみました。
話はめちゃくちゃで、超駄文です。

         ルール

①駄文だし、話はめちゃくちゃです。無理な方は、即座に戻るを押してください。
②真似、チェンメ、荒らしは受け付けません。
③シリアス気味です。だけど、ギャグもいれていきます。シリアス×ギャグの小説です。
④原作沿いです。懐かしの兄弟が出てきます。

この4つです。
ちなみに、スレ主ちーは、自分の事を、私とは呼びません。ちーと呼びます。まぁ、あまり気にしないでください^^;

それに、ちーは関西弁使用です。一応直しますが、京都住みの小6です。
この小説は、鋼世界に、蜜柑ちゃんが迷い込む小説です。

過去に、同じような小説があったようですが、それとこれとは違います。
これまでの説明を見ても、okだよ、という心の広い方は、よろしくお願いします。

  *少しロックさせてもらいます。スイマセン

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Re: 鋼の錬金術師×学園アリス —光と闇の世界— ( No.53 )
日時: 2010/05/11 21:15
名前: ちー ◆m6M0e7LQrQ (ID: MDks2Yj8)

「ギャーッッ!!」

 この叫びは、誰か分かるだろうか。蜜柑だ。
エドワードとアルフォンスが集中して、もう話相手にならなくなったため、外に出たのだ。
 そしていきなり、エドワードに乗った犬、アレキサダーに乗っかられたのだった。

「だめだよ、アレキサンダー!!」

「うぉうぉぉぉぇ……」

 蜜柑はうつぶせになった状態で、少女、ニーナの声を聞いていた。
 ニーナがアレキサンダーをどかしたため、蜜柑は自由になった。

「あ、ありがとな」

「ゴメンね! ……えっと……」

 ニーナはもじもじしている。蜜柑は、微笑んでニーナの顔を見た。

「蜜柑! 佐倉 蜜柑! ニーナちゃん、やったかいな?」

「うん! ニーナ! 遊ぼう! 蜜柑お姉ちゃん!」

 ニーナはニコニコ笑いながら言った。アレキサンダーも一緒に遊びたい、というかのように、尻尾をふっている。
 蜜柑はアレキサンダーの頭を用心深くなで、ニーナに向かって笑って、「そやな!」と言った。

「あのお兄ちゃんたちとも遊んでみたい!! 蜜柑お姉ちゃん! 皆で遊んだ方がとっても楽しいよ!!」

「そ、そやな!! でも、あの金髪の人の方は遊んでくれんと思うで? 集中しとるからな」

 ニーナと蜜柑は相談して、アルフォンスに話しかける事にした。
 予想通り、アルフォンスはしっかりと反応してくれて、その後は3人と1匹で遊んでいた。

 ゴーンと鐘が鳴ると、エドワードも集中力が切れ、アルフォンスの姿がない事に気づき、探しはじめた。
 そして、アレキサンダーの下敷きになっていた。

 蜜柑は、ずっと笑っていた。おもしろくて、おかしくて、楽しかったからだ。
 マスタングが言っていた迎えの者らしい、ジャン・ハボックが来た。
 
 蜜柑とニーナはまた遊ぶ約束をした。

 その次の日も、蜜柑達はタッカーの家に行った。
エドワードとアルフォンスが本を読んでいる間、蜜柑とニーナは楽しく遊んでいた。
 それに、本を読むのが終われば、エドワードとアルフォンスも共に遊んでくれた。

 それは本当に楽しく、蜜柑はこの世界での使命を忘れているくらいだった。

  ——もうすぐ、この幸せは奪われるという事を、蜜柑達は知らなかったから。
   〜つづく〜

Re: 鋼の錬金術師×学園アリス —光と闇の世界— ( No.54 )
日時: 2010/05/11 21:22
名前: ちー ◆m6M0e7LQrQ (ID: MDks2Yj8)

  +花桜+

久しぶり、花桜ーーっっ!!
あれま、それはお気の毒に……((汗)
そうだよね。……でもね。

次の話で、見る事になってるのかもしれないね……。
ありがとう!頑張るね!

Re: 鋼の錬金術師×学園アリス —光と闇の世界— ( No.55 )
日時: 2010/05/12 18:36
名前: ちー ◆m6M0e7LQrQ (ID: w.lvB214)

 ゴロロロロ……
空では、静かに雷が鳴っている。エドワードは空を見上げて呟いた。

「今日は降るな、こりゃ」

 アルフォンスは「こんにちはー」と声をあげた。
が、返事がない。蜜柑も返事を待ったが、一向に返ってこなかった。
 そこで、中に入って行く。が、しん……としていて、誰もいる気配がなかった。

「誰も、居らんのかな?」

「タッカーさーん」

 蜜柑達は書斎を見たが、タッカーいなかった。

「ニーナ? アレキサンダー? どこにおるんや?」

 その時、ドアが半開きになっている部屋に、タッカーが座りこんでいた。
 エドワードがそれを見つけ、蜜柑とアルフォンスを呼び戻した。

「なんだ、いるじゃないか」

「ああ、君達か。見てくれ。——完成品だ」

 タッカーの目の前にいるのは、合成獣<キメラ>。犬のような形をしていて、髪が長く、茶色の髪だ。
 蜜柑は、おぉ! と、感嘆の声を漏らした。

「人語を理解する合成獣<キメラ>だよ。見ててごらん。いいかい? この人はエドワード」

「エド ワード?」

 タッカーがエドワードの方に手を向けて言うと、その合成獣<キメラ>は首をかしげながら言った。
 
「そうだ。よくできたね」

「よく でき た?」

 タッカーが合成獣<キメラ>の頭をなでながら言った。
 エドワードと蜜柑は、ぽかんと口を開けてみていた。

「信じらんねぇ……。本当に喋ってる」

「あー。査定に間に合ってよかった」

 タッカーは首をほぐしながら言った。
エドワードと蜜柑は、合成獣<キメラ>を見つめていた。

「エド ワード エドワード エド ワード エド ワード」

 合成獣<キメラ>が何度も同じ言葉を繰り返す。
蜜柑は目を見開きながら見つめていた。

「お にい ちゃ」

 次の瞬間、輝いていたエドワードの顔は一瞬にして曇った。
 蜜柑は曇ったエドワードの顔を見ていた。そして、エドワードは合成獣<キメラ>にそっと近づいた。

「タッカーさん。人語を理解する合成獣<キメラ>の研究が認められて、資格取ったのいつだっけ?」

「ええと……2年前だね」

「奥さんがいなくなったのは?」

「……2年前だね」

 蜜柑は、エドワードとタッカーを交互に見た。
一体エドワードは何が言いたいのだろう、蜜柑は心底思った。

「も一つ質問いいかな」

 少し沈黙が続いた。そしてエドワードはタッカーを睨みつけた。

「ニーナとアレキサンダー……どこに行った?」

 蜜柑とアルフォンスは同時にハッとなった。
犬のような形。それはアレキサンダー。茶色の長い髪。それはニーナ。……まさか。

「……君のような感のいい子供<ガキ>は嫌いだよ」

 タッカーが言った瞬間、蜜柑の中で何かが切れた。
 それは、エドワードも同じらしい。エドワードはタッカーの胸倉をつかんで、壁に押し付けた。

「兄さん!!」

「エド!! ……エド。まさか……ま、さか……」

 蜜柑は声が震えた。今にも涙があふれてきそうだった。怖くて、信じられなくて。
 それに、現実を認めたくなかった。——しかし

「あぁそうだ! この野郎……やりやがったなこの野郎!! 2年前はてめぇの妻を!! そして今度は娘と犬を使って、合成獣<キメラ>を錬成しやがった!」

 蜜柑の中で
        何かが崩れていった。

   〜つづく〜

Re: 鋼の錬金術師×学園アリス —光と闇の世界— ( No.56 )
日時: 2010/05/12 21:27
名前: ちー ◆m6M0e7LQrQ (ID: iMd/Fc2V)

「う、そやろ……? ニ、ニーナ……? ア、レキサンダー?」

 蜜柑は、信じられない。いや、信じたくない気持ちで、タッカーの作った合成獣<キメラ>を見つめた。
 きちんとすまして、おすわりをしている。これが本当に、あのニーナとアレキサンダー?
蜜柑は、何度も自分の目を疑い、何度も目をこすったが、何も変わらなかった。

「人の命!? はは!! 人の命ね!! 鋼の錬金術師、その手足と弟!! それも君が言う人の命をモテあそんだ結果だろう!?」

 タッカーとエドワードの会話は、ほんの一部しか入っていなかった。
蜜柑は茫然とその場に立ち尽くしていたからだ。気がついたころには、タッカーは血を流していた。どうやら、エドワードが殴ったらしい。

「タッカーさん……なんで……なんで……?」

「…………」

 蜜柑は、何度も聞いた。エドワードはもう、タッカーを殴れないだろう。アルフォンスの腕が、しっかりとエドワードの腕を掴んでいる。
 それに、もう殴る必要もない。タッカーはエドワードに何度も殴られ、もう血まみれの状態なのだから。

「なんで!! ニーナとアレキサンダーを!」

「……うるさいな。君は“部外者”だ。黙っていたまえ」

 ——あのこを……あのこたちを……
              守って……

「大体君は、全く関係のない人物だろう? それなのに首を突っ込んで!! 全くへどがでるよ!! 君はとてもおせっかいなんだね!!」

  ——蛍? ルカぴょん? 棗?
     うちは、誰を守ればいい?

「ニーナとアレキサンダーもそうだ!! 君が1番ショックを受けたような顔をしている!! 部外者はそんな顔をしなくてもいいのに!!」

 ニーナとアレキサンダーを……守ればよかった?

「君みたいにいつも笑っている奴が1番むかつくんだよ!!」

     マ モ レ ナ カ ッ タ

「けらけら笑って……その笑顔で周りを勇気づけるつもりかい!? ハハッ!! 笑えるよ!!」

  じゃあ……うちは、誰を守ればいい?

「そう言う奴は私の前から消えてほしいね!!」

 蜜柑は考え事をして気をそらすのも限界で。
 エドワードは怒りをこらえるのも限界で。
 アルフォンスは殴りたい気持ちをおさえるのが限界で。

「佐倉 蜜柑!! お前はその笑顔で何1つ守れない!!」

 次の瞬間、パンッと言う音が響いた。蜜柑が、平でタッカーの頬をビンタしたのだ。涙をためながら。
 
「うちがいつも笑ってるとか、うちは何1つ守れないとか……そんなん勝手に決め付けんといて!! うちは!! 確かにニーナとアレキサンダーを守れへんかった!! それは確かに悔しくて、苦しくて! タッカーさん。あんたに対する怒りが収まらへんよ!!」

 突然のビンタに状況がついていけていないらしい。タッカーは目を見開きながら蜜柑を見つめた。

「じゃあうちは! 今からエドとアルを守る!! ニーナとアレキサンダーを守れんかったから!! 目の前にいた人を守れんかったから!! 今、目の前にいるエドとアルを守るよ!! それが……それがうちのやるべき事やから!!」

 蜜柑は涙を流しながら、叫んだ。エドワードとアルフォンスも、蜜柑の気迫に驚いていた。
 それに、自分達を守るといった事にも。この時、蜜柑の守るべき人物はエドワードとアルフォンスになった。

「だからといって——」

「タッカーさん」

 タッカーの言葉の途中で、アルフォンスが呟いた。

「それ以上喋ったら、今度は僕がブチ切れる」

 流石のタッカーも、もうそれ以上は何も言わなかった。蜜柑は涙をふいて、合成獣<キメラ>——いいや、ニーナとアレキサンダーの元に寄った。そして優しく抱きしめた。

「ゴメン……ゴメンな、ニーナ。ゴメンな、アレキサンダー。うち……何もしてあげられへん。守ってもあげれへん。……ゴメンな……」

「あそ ぼう あそ ぼうよ あそぼうよ」

「っ……ゴ、メンな……」

 外では、雨が激しく降り続けていた。
   〜つづく〜

Re: 鋼の錬金術師×学園アリス —光と闇の世界— ( No.57 )
日時: 2010/05/12 22:08
名前: ちー ◆m6M0e7LQrQ (ID: iMd/Fc2V)

「もしも、“悪魔の所業”というものがこの世にあれば、今回の件はまさにそれですね」

 雨の中、ホークアイとマスタングがともに歩いていた。傘をさしていないため、ずぶぬれだ。
 
「悪魔か……。身もフタもない言い方をするならば、我々国家錬金術師は、軍属の人間兵器だ。一度事が起これば、召集され、命令があれば、手を汚す事も辞さず——。人の命をどうこうする、という点では、タッカー氏の行為も、我々の立場も、たいした差はないという事だ」

「それは大人の理論です。大人ぶってはいても、あの子はまだ子供ですよ」

 雨の中、エドワードとアルフォンスと蜜柑は、司令部の前に座りこんでいた。
 傘もささずに、ただただぬれていた。

「だが彼の選んだ道の先にはおそらく、今日以上の苦難と苦悩が待ちかまえているだろう。無理矢理納得してでも、進むしかないのさ。そうだろう……鋼の」

 パシャッと水がはねた。エドワードは三角座りをしたまま、視線だけをマスタングの方に向け、また視線をそむけた。
 蜜柑も三角座りをしながら、顔をうずめている。その体は震えている。怒り。悲しみの物からなのか、それとも寒さに震えているのか。それは分からない。

「いつまでそうやってへこんでいるのかね。蜜柑ちゃんも、体が震えているぞ。風邪をひくぞ。鋼の。へこんでいても何も変わらない」

「……うるさいよ……」

 エドワードは迷惑そうに言った。蜜柑はまだ、顔を上げない。

「軍の狗よ、悪魔よとののしられても、その特権をフルに使って、元の体に戻ると決めたのは君自身だ。これしきのことで立ち止まっているヒマがあるのか?」

 エドワードは強くコートを握りしめた。

「「これしき」……かよ。ああそうだ。狗だ悪魔だとののしられても、アルと2人元の身体に戻ってやるさ。だけどな……俺達は悪魔でも、ましてや神でもない。……人間なんだよ……!! たった1人の女の子さえ助けてやれない……!! ちっぽけな人間だ……!!」

「……風邪をひくと言っただろう。帰って休みなさい。もう1度言う。蜜柑ちゃんが震えている」

 マスタングとホークアイが立ち去った後、エドワードとアルフォンスは、蜜柑を見た。
 顔をうずめたまま、腕をかたに回し、ガタガタと震えている。エドワードはそれを悲しそうな顔で見つめ、アルフォンスは立ち上がろうとした。が、

「……そうやんな。エドは……ううん……うちは……神じゃない。悪魔じゃない。天使じゃない。……1人の大切な人を守れへん……そんな……そんな人間なんや……」

 蜜柑はさらに震えた。エドワードとアルフォンスは俯いた。

「でも……でもな……」

 声が震える。

「うちは……何も知らんけど……。錬金術が怖いって事も……闇があるって事も……しらへんかったけどな……」

 雨と同時に涙も流れる。

「人を大切にする事だけは……分かってた……分かってたんや……!!」

「……蜜柑……」

「うちが誰かを簡単に守れるはずはない! でも! うちは皆を悲しませるために笑ってたんやない!! “幸せやったから”笑ってただけなんやっ!!」

 エドワードはそっと蜜柑に自分のコートをかけた。

  雨はいつまでも、降り続いた。
    〜第二章 End〜


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