二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 嫌われ者の大空の兄−REBORN− —第四章— 《未来編》
- 日時: 2010/07/22 20:26
- 名前: 保持者 (ID: NdLDblhC)
がんばりたいと思います!
補習やら部活やらで最近大変ですが、更新がんばります!
:100クリック有難うございます!
実にうれしいです!
—夜空の使命
《全てを見透かしファミリーを在るべき存在へと導きある時はファミリーの敵となり仲間となる気ままな時空》
現在は未来編です。
・現在進行状況
—第一章— もう一つの原作の始まり 《日常編》
—第二章— 夜空と偽る霧 《黒曜編》
—番外編— ×××
—第三章— vsヴァリアー 《ヴァリアー編》
—×××— 歯車
番外編で、またヴァリアー編に戻ります。
—第四章— 未来の夜空 《未来編》
- Re: 嫌われ者の大空の兄−REBORN− —第三章— ( No.36 )
- 日時: 2010/07/22 16:27
- 名前: 保持者 (ID: NdLDblhC)
「こっちもさっさと始める事にするか…」
レインは両手に拳銃を握った。
アレが武器らしい。
拳銃のカートリッジには…死ぬ気弾と同じ物を使用しているのだろう。
「お前の武器は…なんだ?」
「ソレは見てのお楽しみって事で」
俺はそういって、少しだけ口の端を吊り上げた。
◆
「クッ・・・」
「・・・沢田綱吉」
ザンザスが重い顔で呟いた。
俺はザンザスの顔を見る。
「沢田刹那…——お前の兄を信じるのか?」
「———どういうことだ、ソレは——」
「アイツは俺達を裏切った裏切り者だ」
「・・・!?」
◆
「お前・・・昔はヴァリアーに所属していたんだろう?」
レインが唐突にそんな事を聞いてきた。
俺は何も言わず、しばらく無表情で見ていた。
「・・・さぁね、忘れたよ」
「ハッ・・・ボスから聞いたぜ。裏切り者さんよ」
—ガシャンッ
両手に拳銃を構え、俺をギッとにらんだ。
「何故裏切った!」
—ズガンッ
すぐ隣を——銃弾が掠める。
俺は、動きもしなかった。
頬に一筋の赤い線が浮き出る。
「何故、お前は唯一ボスに認められていたと言うのに裏切ったんだ!」
「・・・裏切り、って言う言葉は」
—カチャンッ
俺は、ナイフを取り出した。
マントの下から、だ。
「そういう風に使うって、知らなかったな」
「・・・ッ」
夜空はきままで——それでいて本来の意味を成す存在だ。
大空とはまるで正反対な思考を持つ。
俺は——。
—裏切り者は!殺せ!
ザンザスの声が、響き渡った。
「了解、ボス」
レインは——。
酷く、醜い感情に任せて、俺に向かって走り出した。
- Re: 嫌われ者の大空の兄−REBORN− —第三章— ( No.37 )
- 日時: 2010/07/22 17:11
- 名前: 保持者 (ID: NdLDblhC)
「どういうことだ、コラ!」
観覧者側の席で、コロネロとリボーン達が驚いた表情をしていた。
「アイツは、五年くらいイタリアに渡っていたんだ」
「・・・」
アルナは、真剣な表情を出し、虚空を見つめていた。
リボーンはアルナについて、不振に思いながらも話に耳を貸す。
「イタリアへ・・・でも、どうして?」
バジルが聞いた。
「簡単に言えば、スパイ、だな」
「スパイ・・・!?」
「そう、ヴァリアーのスパイ・・・」
「!?何故、その様な事を…」
アルナは、ククッと笑った。
「だが、アレは完全な逆恨みだな…刹那は何も悪くはねぇのにな」
「・・・?」
◆
「裏切り者裏切り者裏切り者!」
—ズガガガンッ
銃弾が俺に向けて撃たれる。
ソレを避けない。
体中に浴びながら俺は、ユラリと立ち上がった。
「何故、何故何故何故!避けない・・・!」
俺は、口の中に溜まる血を吐きながら、歩く。
一歩、一歩と。
「殺したければ、殺せばいい」
「!?」
「俺は、止める義務なんて、無い」
お前達には——俺を殺す権利がある。
裏切り者を、殺せる権利がある。
「俺は、全てを受け止めよう」
—何言ってんだ!刹那!
「・・・!?」
俺は、モニターを見た。
「山本・・・?」
◆
「何故・・・幻覚があったはず・・・」
「誰でござるか、あの方は・・・?」
「山本海・・・山本武の兄だな」
山本は、声を大きく張り上げた。
校舎全体に響き渡るくらいの声を。
「お前に何があったのかはしらねぇけどよ——。俺は、お前に死んで欲しいなんてのぞんじゃいねぇ!だから——」
—そう、か。
刹那の声が、校舎全体に響く。
チェルベッロがモニターを見た。
俺達も。
守護者も。
全員が。
ザンザスも。
—これじゃあ、俺はまだ、死ねないな………。
「!」
刹那は、血まみれの体をユラリと動かした。
アルスはにぃっと笑い、声を張り上げた。
「お前の守りたい物を言ってみろ!刹那!」
—俺の、俺の守りたい、物は………。
刹那の声が、大きく張り上げられた。
—俺の守りたい物は!《仲間》だ!
刹那は、涙を流し、うれしそうに叫んだ。
◆
「・・・ッ何でだ・・・なんで、何でお前はッ・・・」
フルフルと、レインは震えた。
そして、絶叫するように叫んだ。
「お前はボスを裏切って、笑える!何故だ!ボスは、お前を信じて——」
「俺は、裏切ったわけじゃない」
「そんなの口実だ!」
レインは、拳銃の引き金を再び引いた。
—シャッ
「!?何…ッ」
「・・・」
レインの目の前に、目にも留まらぬ速さで現れた刹那は、無表情に戻っていた。
「レイン——俺は、お前に勝つ」
「ッ!」
「だから——俺は」
—トッ・・・
刹那は、レインと少し離れた場所に着地した。
そして、左目に付いた眼帯を、外した。
「《封印》を、外そう」
左目には————。
—ボァァァァァァァァッ
「!?」
—黒い漆黒の炎が、宿っていた。
- Re: 嫌われ者の大空の兄−REBORN− —第三章— ( No.38 )
- 日時: 2010/07/22 17:42
- 名前: 保持者 (ID: NdLDblhC)
「何、だ…アレは・・・」
俺は、刹那が映し出されているモニターを見た。
黒い炎を左目に宿す、自らの兄は、
無表情で、相手を見ていた。
—ズガンッ
「!」
—ドガァァァァンッ
「沢田綱吉」
「!クッ・・・」
「余所見なんかしてると死ぬぞ」
ザンザスは、笑っていた。
◆
「テメェ・・・なんだソレは!」
俺は、ゆっくりとレインに近づく。
「一応、死ぬ気の炎だよ」
「なっ・・・そんな、禍々しい物が・・・」
「通称、《禁忌》と呼ばれているからな」
禁忌・・・パンドラとも呼ばれる力。
人間が、持ってはいけぬ力。
「俺の武器が知りたいと言ってたな・・・」
「!」
俺は拳銃を取り出した。
黒い、一丁の拳銃だった。
「ソレが、武器か」
—チャッ・・・
「!?」
拳銃を、頭に当てた。
「一割方、あってるが。九割がた、間違いだ」
—バァンッ
そのまま、引き金を引く。
俺の脳内に、全ての人々の言葉が流れ出した。
増悪と、罪悪と醜悪と罪と罰と。
世界全ての声が。
—お前なんか!生きてなきゃいいのに!
「!」
俺の目が、見開かれる。
—ボォォォォォォォォッ
「・・・!」
額に、漆黒の炎が宿る。
まるで、夜空をそのまま映したような——。
まるで、増悪そのものを作り出した様な。
◆
「ハイパーモード、か・・・?」
「そうだ、アレがあいつの武器の一部」
アルスがにっと笑って言った。
山本は何がなんだかわからない状況だが——只、刹那の無事だけを祈った。
「オイ、山本海」
「ん、何だ?」
「お前どうやって校舎に入れたんだ?」
「ん?えっとな…客に聞いたんだ。刹那がピンチだって言われて、そいつと一緒に来たんだけど——」
「客・・・——?」
—ザッ・・・
空気が一瞬にして淀んだ。
そして、霧が掛かる。
「クフフフフフフ・・・」
「!?」
全員が声のした方向へと視線を合わした。
霧が晴れて行く。
その中から現れたのは、
「ハァ・・・僕の校舎をこんな事にして・・・」
「何でテメェ等まで・・・」
「クフフ、本来なら僕だけで十分なのですが・・・」
「雲雀竜弥に、獄寺辰巳に、六道、幻華・・・!」
- Re: 嫌われ者の大空の兄−REBORN− —第三章— ( No.39 )
- 日時: 2010/07/22 18:04
- 名前: 保持者 (ID: NdLDblhC)
「ありえないですね、貴方まで来るなんて」
「ワオ。僕だって驚いたよ。一番草食動物を殺したがってたキミがね」
「ってテメェら喧嘩すんな!」
「・・・幻華、お前がチェルベッロの幻覚を解いたのか?」
「えぇ・・・楽な物でしたよ。本当」
三叉槍を構えた幻華が溜息を吐いて答えた。
「本当なら、僕は今すぐ君のことを殺したいんだけどね・・・」
「クフフ、それはこちらだって同じことですよ・・・」
殺気をぶつけ合う二人に、アルスはフフッと笑った。
楽しそうに、望んでいたように。
「あの、」
「何だ?」
「一般人の方が・・・裏社会の戦いに巻き込んで、いいのでしょうか・・・」
アルスは、バジルのそんな言葉に、面白そうに笑った。
「一般人じゃねぇよ、あいつ等は」
「え・・・」
「・・・オイ」
リボーンはそんなアルスに声をかける。
殺気と、増悪の入り混じった物で。
「お前、いったい何者なんだ」
「そうだな、お前達と同類、と言っておこうかな」
「同類、だと・・・?」
—ジャララッ
アルスの服の下から鎖が落ちた。
そして、首元に下げている物を、服の下から取り出した。
—カァァァァァ・・・
「!?」
「じゃあ、自己紹介をしようか——」
アルスは、クスクスッと、笑った。
「俺は、夜空のアルコバレーノ。アルス=メイデン。沢田刹那のかてきょーをしている」
- Re: 嫌われ者の大空の兄−REBORN− —第三章— ( No.40 )
- 日時: 2010/07/22 18:48
- 名前: 保持者 (ID: NdLDblhC)
—沢田刹那・・・と、沢田綱吉か・・・。
—後はザンザス様でしょうか。
—沢田綱吉は除外して、ザンザス様と、沢田刹那でしょうね。
—私はザンザスに一票を。
—私は沢田刹那様に。
「・・・」
小さなコロの俺は、純粋無垢で、何の会議が行われているかすら知らなかった。
俺の頭に大きな手が載せられる。
「ボンゴレ十代目時期後継者は——沢田刹那様、貴方です」
「・・・?ぼんごれ?」
俺は、そのコロから《超直感》と言うものがあった。
一瞬にして、察する。
俺は、この強大で巨大な組織の跡継ぎ。
そして、弟の綱吉は——。
「・・・」
俺は、ある場所に連れて行かれる。
その部屋にいたのは、少年だった。
俺よりも背が高い、少年。
俺は近寄って、少年の顔を見た。
「ザンザス様だ。仲良くしててください」
そういって、誰かも知らない男の人は部屋から去っていった。
俺は只純粋に彼を見ていた。
「ざんざす?」
「・・・そうだ」
ザンザスは、俺の頭にその大きな手を載せた。
俺は笑って、ザンザスの後を付いていった。
まねをしたりして——純粋に。
だけど、そんなある日の事だった。
九代目の部屋の鍵が壊されていて——。
俺は、その中をのぞいた。
ザンザスは、怒りに狂った瞳で、叫んでいた。
—ブラッドオブボンゴレ・・・?
それは、自分にも流れている血。
そして俺は、ザンザスの前から去っていった。
俺は沢田綱吉を跡継ぎに。
後継者に選んで。
◆
「・・・」
俺はモニター・・・リストバンドのモニターを見た。
ツナの手から冷気が出ている。
—ついに、超えたか。
「ゆりかご以来かな・・・あの技を見るのは」
「お前は、お前は!何故ボスを止めなかった!お前なら・・・止めれたのにッ・・・」
レインは、銃の引き金を引いた。
銃弾の死ぬ気の炎が俺に向かって飛んでくる。
それを避けながら俺は、腰から一つの箱を取り出した。
ボンゴレの紋章が入っている一つの黒い箱だった。
大きさは、長細めの箱。
その箱を開け、中にあったものを取り出した。
「何だ・・・ソレは・・・」
「今までボンゴレの最深部に封印され、今まで誰もあけることの無かった箱の中身の物だ」
俺は、箱を見ながら、箱をあれだけ戦ったと言うのにボロボロにならないマントの下に隠した。
そして中身を、両手にはめる。
「このグローブは、初代時代の物だ。コレは・・・唯一ともいえる夜空の炎と呼ばれる禁忌を灯せる、唯一の武器だ」
「!」
そして、両手は炎を纏う。
両手と、左目と、額に。
罪と言う名の、禁忌を。
「———綱吉」
—刹那・・・?
俺は、構えを取った。
俺は今、お前を裏切る。
俺は、一生嫌われ者でいいのだから。
—ボッボッボッボッ
ノッキングした様に灯る、炎。
そして、ゆっくりと閉じた瞳を、開けた。
「零地点突破・ダークエディション」
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