二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 嫌われ者の大空の兄−REBORN− —第四章— 《未来編》
- 日時: 2010/07/22 20:26
- 名前: 保持者 (ID: NdLDblhC)
がんばりたいと思います!
補習やら部活やらで最近大変ですが、更新がんばります!
:100クリック有難うございます!
実にうれしいです!
—夜空の使命
《全てを見透かしファミリーを在るべき存在へと導きある時はファミリーの敵となり仲間となる気ままな時空》
現在は未来編です。
・現在進行状況
—第一章— もう一つの原作の始まり 《日常編》
—第二章— 夜空と偽る霧 《黒曜編》
—番外編— ×××
—第三章— vsヴァリアー 《ヴァリアー編》
—×××— 歯車
番外編で、またヴァリアー編に戻ります。
—第四章— 未来の夜空 《未来編》
- Re: 嫌われ者の大空の兄−REBORN− —第三章— ( No.31 )
- 日時: 2010/07/22 14:00
- 名前: 保持者 (ID: NdLDblhC)
ゴーラ・モスカが暴走する。
俺はその現場を——見ていた。
只、立ったままで。
するとクロームが逃げるように走り出した。
だが、その向かう先は——。
「おい!フィールド内は危険だぞ!」
—カチッ
クロームが、何かを踏んだ音を出した。
—ピーッ
—ドガンッ
「千種・・・犬・・・」
「ったく世話のかかる女だぴょん」
すると両側から攻撃を仕掛けられる。
俺は、その場を只見据えていた。
ガトリングガンが、ゴーラモスカの炎が。
—あの、炎は!
俺は目を見開く。
知っている。
あの、純粋な炎は・・・!
「あの炎・・・」
ザンザスが驚いた表情を作り出した。
盾となった炎は。
「・・・ボス」
「・・・綱吉」
そこには、炎を纏った沢田綱吉が立っていた。
「あれは・・・」
「じゅ、十代目!」
「来たか・・・だが」
ゴーラモスカの背中から弾が発射する。
暴走、していた。
「カスから消えていく、それに変わりはねぇ」
綱吉が炎を噴射し、飛んだ。
炎の翼が、銃弾を全て爆発した。
そして、ゴーラモスカはツナに目標を絞った。
「ザンザス・・・いったいこれは・・・」
そして、綱吉の目の前に現れたゴーラモスカに向けて、片手を振り上げた。
そして———。
「だめだ!綱吉!」
俺は声を張り上げる。
あの、炎の持ち主は・・・!
あの炎は、《死ぬ気の炎》なんだよ・・・。
そんな炎が使えるのは、お前と——。
—ザンッ
綱吉が、真っ二つに切った。
「・・・!」
—シュゥゥゥゥ・・・
綱吉の額から、炎は消失する。
「九代目・・・!」
—パリィィィィンッ
俺の何かが、破裂した。
- Re: 嫌われ者の大空の兄−REBORN− —第三章— ( No.32 )
- 日時: 2010/07/22 14:26
- 名前: 保持者 (ID: NdLDblhC)
「九代目・・・」
俺は、体が震え始める。
「刹那・・・?」
誰かの声が聞こえたが、俺は言葉を無視する。
俺は全ての幻想を遮断する。
「九代目は・・・動力源にされてたみてーだな」
死ぬ気の炎を・・・動力源に。
「ど、どーして!」
「どーしてじゃねーだろ!」
ザンザスが声を張り上げた。
俺は自然とそこに視線を合わした。
ひどく、虚ろな目だったと思う。
「てめーが九代目を、手にかけたんだぞ」
そこで、やっと我に返った。
「九代目!」
俺は綱吉の隣に近寄った。
綱吉は、呆然と手のひらを見ていた。
リボーンが九代目に近づいて傷を見た。
「誰だぁ?じじぃを容赦なくぶん殴ったのは」
「!」
綱吉の鼓動が早くなるのがわかる。
「誰だぁ?モスカごとじじぃを真っ二つに焼き切ってたのはよぉ」
「・・・お、俺が・・・」
「違う・・・」
俺はぼそっと呟いた。
悪いのは、ツナじゃなくて——。
———俺だ。
ずず・・・
「ちがう・・・」
九代目が、か細い声で呟いた。
まだ、生きている・・・!
「違うよ・・・刹那君、綱吉君。悪いのは・・・私だ・・・」
「九代目!」
「やっと会えたね・・・《綱吉君》」
「!」
「すまない・・・こうなったのは全て私の弱さゆえ・・・私の弱さが・・・」
そして、九代目は。
「ザンザスを、永い眠りから目覚めさせてしまった・・・」
「!?」
俺は、そのことを知っていた。
あの、事件を。
なぜなら俺は———。
綱吉の額に、炎を宿す。
—綱吉は、この炎を知っているはずだ。
そして、俺にも炎を。
「刹那君・・・キミの、《枷》を、外そう・・・」
「!」
「!?」
綱吉の顔が、訳判らないと言う顔になった。
俺の額に当てられた炎が、純粋に光り始める。
「う・・・ぁ・・・」
—バキィィィィンッ
何かが、弾けた。
「ゲホッゴホッ」
「兄さん!?」
炎が、どんどん小さくなり始める。
「九代目・・・九代目ー!」
綱吉が泣き叫んだ。
俺は、《枷》を外された影響で。
体中のリミッターを解除された影響で、睡魔に襲われる。
最後に聞こえた声は。
「明晩の対戦は、夜空と、大空のリング戦です」
チェルベッロの、そんな掛け声だった。
- Re: 嫌われ者の大空の兄−REBORN− —第三章— ( No.33 )
- 日時: 2010/07/22 14:50
- 名前: 保持者 (ID: NdLDblhC)
「・・・」
「刹那!目を覚ましたか!」
「師匠・・・大丈夫ですか?」
目を覚ませば、ドアップで山本と獄寺の顔があった。
どうやら、病院らしかった。
薬品の匂いが、鼻を付く。
「・・・ちょっと、寝不足だっただけだから」
「そうか、」
山本は、少し複雑そうな表情をした。
俺は、上半身を起こし、二人の顔を見る。
「この戦いが終わったら——二人に、話がある」
「「・・・!」」
二人が、戦慄をする。
俺はうつむいた。
「・・・戦いが終わったら、だけどな」
「・・・判ってますよ」
「俺達は、刹那を信じるからな」
そういって、ギコチナイ笑顔を二人は向けた。
◆
—バタンッ
刹那の病室を後にした後。
俺達は一言もしゃべらなかった。
すると獄寺が口を開いた。
「・・・師匠って、時々遠く感じるな」
「・・・そうだな。アイツにも色々あるんだろ」
「・・・(コイツは、裏社会の事を何もしらねぇんだったな)」
俺達は、複雑げな表情を浮かべた。
◆
「・・・」
—ガララッ
「・・・刹那、今夜だな」
アルナが部屋に入ってきた。
正確には、病室の窓から。
「何で窓から?」
「表にリボーンが居るんだよ。別にいいだろう」
そうか、アルナは——。
「まぁ、いいけど」
「今夜は、俺も行くからな」
アルナは、苦い顔をした。
「お前の試合だからな。俺も見に行く」
「そう」
俺はそれだけ言って、ベッドに横になり、ソッポを向いた。
「にしても…お前変わったなぁ・・・」
「何が?」
「お前もわかってるんだろう?」
俺は、無表情でアルナを見た。
「お前には、《守るべき物》が出来たはずだ」
「・・・」
クスッとアルナは笑って、窓に足をかけた。
「じゃあ、今夜」
「ん」
アルナはそういって、窓の外に飛んだ。
◆
病室の窓から着地して、しばらく歩いた。
今夜が、刹那の戦い。
俺は、黒く光るおしゃぶりを見た。
「・・・」
そのおしゃぶりには、何十にも鎖がきつく巻かれている。
おしゃぶりの力を封印するためだ。
《呪い》の力を。
俺は、少しだけ面白そうに微笑んだ。
- Re: 嫌われ者の大空の兄−REBORN− —第三章— ( No.34 )
- 日時: 2010/07/22 15:02
- 名前: 保持者 (ID: NdLDblhC)
—×××— 歯車
—十代目!
—ツナ!
みんなの声が聞こえる。
俺は倒れこんだ。
「・・・綱吉君・・・」
目の前に居る、入江正一が悲しげに呟く。
「交渉、決裂だ」
—全ては、世界のために。
—全ては、愛しい存在のために……——。
最後に浮かんだのは、俺達の未来。
—楽しみに、待ってるよ。
—未来の、世界で。
◆
「・・・」
ゆっくりと、リングを見た。
黒く光る水晶のリングを。
あの日の——誓いを思い出しながらも。
血にまみれた、絶望の世界の中で。
大空が失われたこの世界で。
夜空だけは、希望を失わなかった。
何故なら—————————。
「綱吉・・・」
—ゆっくりと、歯車が回りだす。
- Re: 嫌われ者の大空の兄−REBORN− —第三章— ( No.35 )
- 日時: 2010/07/22 15:46
- 名前: 保持者 (ID: NdLDblhC)
夜になって、俺は校舎へ急いだ。
黒いマントを羽織り、まるで、《あの人》のように。
「刹那、此処だな」
「・・・あぁ」
俺は無表情で、言う。
そして、一歩踏み出した。
「兄さん・・・?」
「・・・誰だ、貴様」
「貴様とは酷いなぁ晴のアルコバレーノ」
「!」
すると建物の影から、チェルベッロが現れた。
「お待ちしておりました」
「これで沢田氏側の守護者は、嵐、晴、雨…」
「そして、霧の守護者と夜空の守護者が揃いました」
全員が向こう側に立つ少女を見た。
「髑髏・・・」
「残りは雲と雷ですね」
「え、残りって・・・」
—ザッ
靴が砂利を踏む音がした。
雲雀、恭弥。
そして、ランボも、また。
ルッスーリアや、マーモン…否、バイパーも揃った。
つまり、両側の守護者が揃ったと言うことだ。
「大空戦と夜空戦では、7つのリングと守護者の命を懸けていただくからです」
守護者の、命を・・・?
俺は、顔を歪める。
そして、全てのリングがチェルベッロに渡される。
その中で、夜空のリングと大空のリングだけは自分達が持った。
学校全体がフィールドとなり、守護者、つまりは俺と綱吉、夜空と大空以外、カメラつきのリストバンドを手渡された。
「じゃあ円陣を組むぞ刹那!」
「・・・またか・・・」
俺は強制的に肩を組まれ、
「よーし行くぜ!」
「沢田、ファイッ!」
俺はすぐに、その場を離れフィールドとなるグラウンドへ先に向かった。
そこには、《レイン》と言う男も——居た。
「・・・」
するとチェルベッロの声が響いた。
—ただいま、守護者全員にリストバンドに内臓されていた毒が注入されました。
「!」
「・・・」
—三十分で、絶命する毒です。
「・・・」
歯軋りをした。
◆
「ど、どういうこと!?」
俺は声を荒げて叫んだ。
チェルベッロは冷静に説明する。
「大空であるボスと、夜空である存在の使命だからです」
チェルベッロが、わざと夜空の守護者を、存在と表現した。
ボスでもなく、守護者でもない立場。
中立的で、敵ともなりうる存在——。
「《晴、雷、嵐、雨、霧、雲。全てに染まりつつ全てを飲み込み包容すること》が大空の使命」
「《全てを見透かし、ファミリーを真のあるべき存在へと導きある時はファミリーの敵となり仲間となるきままな時空》である事が夜空の使命」
夜空の、使命。
◆
「・・・夜空の使命、か・・・」
俺は、フッと不適に笑ってみせる。
「何がおかしい…」
初めて声を出したレイン。
「何でもない」
俺はそういって、空を見上げた。
—そして、ザンザスの銃弾の音が、始まりを告げた。
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