二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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hunter×hunter 絵なんか描いちゃったり…
日時: 2011/01/05 00:44
名前: びたみん (ID: J7cEmcFH)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=18644

オリキャラ主人公の小説です。
気まぐれ更新です(´・ω・`)
ネタバレ要素含む割に、原作&キャラガン無視です。
キャラ崩壊が凄まじいです。
旅団ヒイキなので、原作ではメインのキャラが脇に出てくるかこないかぐらいの頻度でしか登場しません・゜・(ノД`;)
後、他の作者さんの作品に登場するキャラクターたちが出演します。【颯様=リュカ&イール(戒魔様原案)&マダラ】などとなります。ハンター×ハンターの二次小説のキャラクターです。(颯様の作品へは、上記の参照URLからどうぞ♪)
承諾してくださる心の広ぉ〜〜〜〜〜い方、どうぞご覧になってやってくださいませ(´・Д・`)ノ))

第1話◆蝶と蜘蛛
第2話◇青いビロード
第3話◆蜘蛛の手足
第4話◇蝶への依頼
 ☆おまけ☆
第5話◆青い蝶【颯様のオリジナル主人公が登場いたします】
第6話◇道化と霧の惑い
第7話◆抱えゆくもの
 ★お知らせ★
第8話◇白い札
第9話◆悲しみの意味
第10話◇蜘蛛の灯

第4話のタイトルアイディア★颯様( ´艸`)★。、


>>新章<<
 第1話●羽ばたき【前編】
 第2話○幻想世界
 第3話●羽ばたき【後編】


ёキャラ解説ё

【名前】
セリト=フリティラリア

【身長】
167㎝

【体重】
50kg

【年齢】
18歳

【性格】
冷静
優しい
物怖じしない
弱い自分は許せない

【体型】
細身のくせに出るトコ出てやがる

【容姿】
黒髪ロングのストレートで、具体的な長さは腰ぐらいまで。
目は、ブルー&バイオレットのオッドアイ(虹彩異色症)

【特徴】
左胸に、蝶の刺青
際立つ美貌ヽ(・∀・ )ノ キャッ キャッ

【戦闘】
体術&ナイフ
必要があれば銃も使える。
戦闘力は、クロロより僅かに劣るレベル

【職業】
表稼業・珍獣ハンター
裏稼業・よろず請け負い屋

【特技】
体術
医術


【念能力】
女神の祝奏めがみのしゅくそう
ヴィーナスパフォーマンス
 傷を癒す。
 能力者及び、周囲の傷を負った者の傷を癒す。
 欠陥した部位(千切れた腕)なども、対象者の細胞を糧とし、増幅して再生する。
 しかし、能力者が直すことを望んでいなければ発動できない。(この能力を強制させることはできない)
 また、疲労が激しく連発しては使えない。 

悪魔の慈愛
デビルズアフェクション
 念の影響、念による傷などを、他者へ移す事ができる。
 能力者以外にも使用可能。
 代償として、召喚された悪魔への口付けが要求される。

自然の祝福
エレメントブレッシング
 四大元素(火・水・風・土)の精霊を、念で具現化する。
 具現化された精霊は、能力者の望みに準じて力を貸してくれる。
 ただ、集中時間を消費する。

念獣
自然の祝福で力を貸してくれる精霊、及び、除念の出来る念獣、メドラーを呼び出すことができる。

メドラー
常に召喚しておける念獣。除念ができる。召喚する際に労力を消費するが、それ以降(召喚後)の疲労はない。馬となり移動をスムーズにしてくれ、狼となり戦闘の補助をしてくれる。



説明、以上となります。
大変長々しく失礼致しました。
 PS コメントなどいただけたら大変嬉し…((殴
   失礼しました+。・(Pд`。q)゜。+   


コメントなどの返信は、コメントして下さった方のスレに、直接返させていただいております(´・ω・`)
スレを持ってらっしゃらない方への返信は、自スレでさせていただきます( ´艸`)★。、

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hunter×hunter 第4話 まだ原作沿いじゃない ( No.21 )
日時: 2010/10/12 02:18
名前: びたみん (ID: HHprIQBP)



 太陽のサンサンと照る夏の午後。
 涼しげな緑の茂ったテラスで数枚の紙を手に取ったセリトは、とても悲壮な顔をしていた。

「ねぇ、この要注意人物って…」

 セリトの手元にある書類は、先日のネテロの依頼に役立つ情報が記されたものだ。
 ハンター試験の要注意人物のリスト。上から順に、危険度の高い人物が載っている。
 そして、封を切って一番最初に飛び込きた名前に、セリトは心の底からこの仕事を降りてやると後悔していた。

「うん、多分幻影旅団のピエロだろうね」

 そう、一番の危険人物が載るスペースには嫌な顔。
 奇天烈なペイントを顔に施し、ピエロの様な衣装を纏い、なによりも異常を極めた表情を浮かべる男。幻影旅団通称蜘蛛のメンバーであるヒソカの名が記されていた。

「勘弁して欲しい……」

「ただでさえ旅団との接触を回避する為に住居を移してるのにね」

「うー…」

 セリトは書類を手に持ったまま頭を抱えて蹲ってしまう。
 蜘蛛はセリトをメンバーに引き入れようと企んでいる。そして蜘蛛に総力で掛かられたら、いくらセリトでも勝ち目はない。つまり捕獲されてしまえば一貫の終わりである、故にセリトは旅団から逃げる様にして住居を移った。この家も偽名を使い購入した程だ。

「断る?」

 気遣う様にメドラーは言うが、セリトの中で答えは決まっている。
 そもそも、ネテロの頼みをセリトが断れる筈がないのだ。ましてや一度承諾したこと、それを翻すのはますます後ろめたいような気がする。
 頭を抱えて俯いたままのセリトは、深く長い溜め息を吐いた。
 大きく吐き出し終わると、「よしっ」と自分に喝を入れた。どうやらセリトの対処法のようだ。

「やりましょう。
 こうなっちゃったら仕方ない
 せめてバレない様にしないとね」

 そう言ってセリトとメドラーは、連れ立って屋敷の中に入って行った。


はい、ごめんなさいきります(´・ω・`)
頭が回転しなくてぐだぐだなので……+。・(Pд`。q)゜。+ 
おそらく次でリュカくん登場の予定です( ´艸`)★。、

Re: hunter×hunter 第4話  ( No.22 )
日時: 2010/10/12 14:44
名前: びたみん (ID: RVuy9r0h)


 
何の変哲もない定食屋からは、賑やかな騒ぎ声がする。
 あまり背の高くない男と、またしても背の小さい女が連れ立って入っていく。
 男は長いフード付きのマントと身に纏い、口元を布で隠し、フードを目深に被っていた。
 女は特に己を隠すつもりはないのか、肩で切り揃えてある銀の髪をゆらゆらと揺らしていた。
 男は顔を隠しているにも拘らず、酷く整った印象を受ける。身のこなしや、足運び、フードから時々覘く目元。そのどれもが洗練されたように感じられるのだ。
 女に至っては無表情で、男の後に一歩下がって付いて行っている。
 だが、女の目は大きく、薄い色彩は輝き、男には至らないまでも、オーラを放っていた。
 そんな二人組みは、こんな街の定食屋には不釣り合いに思える。

「いらっしぇ……」

 明らかに異質である二人組みが店内に足を踏み入れれば、案の定客も店員も固まる。
 が、すぐに客は食事を再開し、アルバイトの少女も夢心地に注文を取ろうと声を掛ける。

「ご注文は?」

「ステーキ定食」

 男の注文にピクリと反応した店主が厨房から声を掛けてくる。

「焼き方は」

「弱火でじっくり焼いてくれ」

「あいよ」

 素っ気無く返事をした店主は、アルバイトらしき少女に目配せをする。
 
「奥の部屋へどうぞー」

 はっとした少女は、己の仕事を思い出したらしい。
 案内された部屋にはテーブルと椅子が、そして大きなステーキが、いずれも2つずつ置かれていた。
 
「随分と大きな肉だね」

 女がそれを見て男へと感想を告げる。

「そうね、食べきれないと思うんだけど……」

 答えた男の口調や声音は、先程と違い、明らかな女のものだ。
 だが、なにもオカマやそちらの趣味の方な訳ではない。
 この二人組みは、変態ピエロから姿を隠すために変装した、セリトとメドラーである。
 メドラーは、まだ蜘蛛に見せていない女の形を取り、セリトは男装をしている。
 セリトは自身の身体のラインを隠す為に胸にサラシを巻き、それでも念のためにマントを羽織り、身体全体を覆い隠していた。
 声音はある程度変幻自在で、男のものや幼児のものまで真似できる。これは、珍獣ハンターをしていて身に付いたものだ。動物の警戒を解くために、鳴き声を真似るのだ。自然に身を置く事の多い仕事だ、声帯も変化する。
 相変わらずのカリスマ性のため、振り替える人々に、どうあっても自分は目立ってしまうと苦笑する他なかったが。
 もちろん目立たずに行動することも可能だ。自身のオーラを〈絶〉で絶てば、存在はなくなるが、常にそれをするのは面倒臭い。そして、セリトは目立ったところで気にしない。無頓着なのだ。
 矛盾しているが、セリトはそういう性格なのだ。
 出来るだけ面倒は回避したいが、回避するために気力や体力を労費するのも面倒。ならば自然体でなにもせず、流れに身を任せる。それがセリトの生き方だ。

「あ、セリトが残した分は食べるから」

 食べきれないとぼやいたセリトの言葉に、当たり前のようにメドラーはそう返した。
 メドラーは念獣だ。そもそも食事は必要ないが、嗜好品のようで、際限が無いほどによく食べる。
 実際、許容量に際限がないので、自分の舌が満足した時がメドラーの食事の終わりだ。
 なので一口で終わることもあれば、10人分食べても終わらないときもある。

「ああ、うん、お願いね」

 席に着いた二人は、浮いたような重力の感覚に、この部屋が下に下がっていることを知る。
 どうやらエレベーター仕様となっているようだ。
 二人は気にせず食事を始めた。結構な速度で下っているようであるエレベーターは、5分前後で会場へと着いてしまいそうだ。

「メドラー、あげる」

「もういいの?まだほとんど残ってるけど」

 そういうメドラーの皿の中は空だ。きれいさっぱり跡形も無い皿を見て、最早呆れを通り越して感心する。

「うん、メドラーの見てるだけで胸が一杯だから…」

 うっぷと口元を押さえたセリトは、目を明後日の方向に向けて、ずいっと皿をメドラーの手元へと押し込んだ。

「じゃあ、いただきます」

 そういってカチャカチャと音のし出した方に目を向けない様にしながら、セリトは思案げに瞼を下ろした。

「(あの変態ピエロ、何の為にハンター試験なんて受けるって?
 受ける必要もないでしょうに…
 嫌だぁ〜…
 なんかすぐに気付かれそうだよねぇ。絶なんかしたら逆におかしく思われるだろうし)」

 うーんと考えるセリトは、蜘蛛との接触を避けることよりも、ヒソカにいかに目を付けられないかに気を取られている。

「(仕方ない…
 ちょっと骨格でもいじるかな…)」

 静かに念を発動させたセリトは、オーラを静かに顔周りへと移動させていく。顎とエラ、男の骨格に近くなるように少しずつ肌の質感を再現する。
 具現化系の念が少し使えれば、誰でもこのぐらいは出来てしまう。マスクをしているにしても、念には念を。誤魔化せるのは一瞬だが、多少はマシだろう。

「(まぁ、こんなもんでいっか)」

 よし、とセリトが満足したところで、エレベーターが停止し、壁が割れて扉になる。
 左右に開いた扉から見える会場は、洞窟になっている。
 が、ひとっこ一人居ない。

「おめでとうございます。
 あなた方が一番乗りですよ」

 丸いフォルムを象っっている係員は、一番と二番の番号札をそれぞれに渡してくる。

「いや、一枚でいいんですが」

「ですが、受験者以外の入場は出来ないんです」

 機械的にそう告げる係員は、少し困った様子である。
 いくら警備専門ハンターとはいえ、番号札がないのを見られれば怪しまれてしまう。
 ハンター協会が存在を隠している以上、怪しいところはあってはいけない。
 だが、メドラーとあまり離れて動けない以上は受験者として入場させる訳にもいかない。
 
「……わかりました。メドラー、狼」

 主人の言葉に忠実に従って、メドラーは獣の姿へと変わっていく。

「これでも受験者という扱いになりますか」

 係員は目をぱちくりさせる。驚いているようだ。

「あ、いえ、結構です。
 念獣という事でしたら受験者にはなりません。
 あの、警備専門ハンターの方でしょうか?」

「そうです、会長からの依頼でやって参りました。
 他にも警備専門ハンターはいらっしゃるんですか?」
 
 係員の差し出す番号札を受け取りながら、質問する。

「いえ、一人だけだと聞いております」

「そうですか」

「それでは、健闘をお祈りいたします」

 礼を言って会場奥へと向かったセリトは、岩の窪みで時間を潰すことにした。
 どうやら受験者はまだ到着しない様子だ。昼寝をすることに決めて、メドラーの腹に顔を埋めて目を閉じる。
 そして心地いい夢の中へと堕ちていった。

hunter×hunter 第5話 やっと原作沿い ( No.23 )
日時: 2010/10/12 23:14
名前: びたみん (ID: 51/AcAGl)


 人の気配で目を覚ましたセリトは、またしても感じる視線に身を起こした。
 そして瞬時に近付いた気配は、セリトが今回の試験で、間違いなく一番会いたくなかった人物だ。

「やぁ◇
 どうしてプロハンターのキミが此処にいるのかな?」

 目の前に立つ変態ピエロの他にも、こちらを窺っている気配が2つ。いずれも相当強いことが分かる。

「人違いでしょう?」

 しれっと言い切るセリトの台詞に、ヒソカは愉快そうに笑い声を上げた。

「まぁいいさ
 ほら、ギタラクルこのこだよボクの言ってたのは」

 一瞬で距離を移動した男は、カタカタカタと不審な音を立てながらセリトを覗き込む。
 顔中にマチ針の様な形状の針を刺している。
 セリトはその針に見覚えがあった。裏稼業の仕事中、セリトの依頼とは関係のない人物が殺された。セリトのターゲットを警護していた男だ。
 もしもターゲットが被っていたなら戦うことになったであろう男。もし戦い、いや、殺し合いになったとしたらセリトも男と同じ様に死んでいたかもしれない。
 脳天に、針を刺されて。
 黒い長い髪、猫の様な顔立ちに、底の見えない表情。
 その様子を呆然と見ていたターゲットにさっさと止めを刺して、セリトはイルミから逃走した。
 まともにやりあえば、お互い怪我では済まない。
 戦う理由もなかったセリトは、こちらに迫ってくるイルミを無視して逃げたのだ。

「…あれ?もしかしてあのときの……」

 セリトはギクリとする。まさか覚えているとは…
 セリトは暗殺の依頼はあまり請けない。それ故に覚えていたが、暗殺が日常として存在するであろうイルミが、覚えているとは予想外だ。

「……イルミ=ゾルディックっ」

「ふぅん、この姿でもわかるの?
 家族にも見破られたことなんてないんだけど」

 殆ど表情の変わらないイルミの感情を把握する手段は、イルミの纏う雰囲気だ。
 要するに勘だが、今のイルミは不思議そうだ。

「なんだ、ふたりとも知り合いなのかい?
 残念◆」

「うん、前に仕事で会った事があったんだ。
 嫁候補なんだよね」

「…………っはぁあ!!?」

[なんだかいつもの事ながら、セリトは勝手に誰かのモノになってるね…]

「へぇー◇
 確かに、キミの家の花嫁基準は満たしてるかもね☆」

 一体どんな花嫁基準だ。

「うん。
 1つ、美しくあれ
 2つ、強靭であれ
 3つ、子孫を残す体であれ
 の3つだから、嫁にぴったりなんだ」

「そう、最近さっさと嫁を連れて来いって親が煩いって言っていたね☆」

 そんな基準でいいの……
 心底呆然としていたセリトは、もう嫌だとこの仕事を投げ出したくなった。

「オレから逃げ切れるなんてそうそういないし、家族に話したらあわせろって益々煩くなっちゃったし、連れて帰るよ」

「へぇ、やっと花嫁を見つけたとこ悪いけど、ボクもそのコは譲る気ないんだよ★
 せっかく見つけた美味しそうな果実だしね♪」

 二人の間に不穏な空気が漂い出す。
 セリトは現実逃避のように、会場の入り口を涙目で見つめた。
 他の受験者たちは、男を奪い合うヒソカとイルミを、異常なものを見つめる目で見ている。

「すっごい人数だねぇ〜」

「ほんとほんと…空気がすごいよ」

 口々に会話をしながら入ってきた四人組に、セリトは目を留める。

「(トンパが声を掛けてる…
 あのコたちは新人か。
 師匠が豊作だって言ってたのも分かるなぁ
 4人とも良い目をしてる)」

 一人一人の顔を確認していく。
 背が高く、スーツを身に纏い、カバンを手に提げている者。ツンツン頭の黒髪の少年は好奇心が旺盛なのがすぐに分かる。目はキラキラと輝き、強い意志に彩られている。薄茶の髪に、黒い瞳、落ち着いた印象をうける少年が一人、だが、セリトは違和感を感じた。

「(なんだろう…?)」

 それを大して気に留める事もなく、セリトは最後の少年へと視線を移す。
 そして、セリトは違和感を感じた。
 ドクン、ドクンと心臓が脈打つ。
 青い髪に金の瞳。

————生きていたんだ……————

「(え、何?)」

 突然響いた声に、セリトは怪訝な顔をする。
 生きていた?誰が?何が??
 少年を見たまま目の離せないセリトは、大きくなる心臓の音と荒くなっていく息を、理性で宥めた。
 傍でお互いを牽制し合うヒソカとイルミは気付かない。

「(何?あのコに何があるっていうの??
 何でこんなに心臓が落ち着かないの?)」

 セリトは自分の反応に疑問を持つが、同時に何かある筈だと原因を探る。
 
————綺麗な髪ね————

 その声と共に小さな男のコが頭を過ぎる。
 金の瞳に、青い空と大地を支える水の色をした髪を持つ男の子。
 ばっと視線を、薄茶の髪に黒の瞳を持つ少年へと移す。

————いろんなことを知ってるのね————

 幼いが、コレは自分の声だ。
 そして、自分と年の変わらない男の子の顔が過ぎる。

「(知ってる…
 あのコたちを、私は知ってる……)」

[セリト?どうかした??]

 主人の様子を訝しんだメドラーが念派で語りかけてくる。
 
「なんでもないよ」

 小さくそう返して、セリトは思考の渦へと飲まれていく。

「(そう、そうだ。
 名前、名前は確か……リュカに、クラピカ…)」

 昔、自分はあのコ達と共に過ごした記憶がある。
 そういえば、自分の記憶が酷く曖昧なことに気が付いた。
 鮮明な記憶は、ネテロに拾われた瞬間からしかない。
 自分の記憶など、気にしたことはなかった。気付かなかった。
 何故、知っているのか分からない。頭が混乱してくる。荒くなった息を抑えることが出来ない。
 混乱する中、セリトは肩に軽い衝撃を感じた。
 だが、混乱してまともな状態ではないセリトは、そんなことに気を取られてはおらず。
 相変わらず思考の渦に嵌って抜け出せない。

「あ゛あ゛ぁ゛…
 うわぁぁぁぁあああああぁぁぁぁあぁあッッ」

 耳をつんざく様な悲鳴に、のろのろと顔を上げたセリトは、まだ呆然としている。

「あ、た、たった助けてくれぇェェ!!!!」

 目の前に散る赤黒い液体に、セリトはやっと我に返る。
 バッと顔を上げると、普段となんら変わりない笑みを浮かべたヒソカが、トランプに付いた血を払っていた。

「気を付けようね★
 人にぶつかったら謝らなくちゃ◆」

 目の前で、血の吹き出る腕に対処法もなく転がる男は、確かにぶつかった。
 そして、謝らなかった男は、その代償として両腕を失った。
 その高すぎる代償を払った相手は、ヒソカではない。この男がぶつかったのは、ヒソカではない。
 この男がぶつかったのは、セリトだ。

Re: hunter×hunter 第5話 やっと原作沿い ( No.24 )
日時: 2010/10/12 20:42
名前: 颯 ◆Qvzaeu.IrQ (ID: CaWj6tMz)

こちらに直接コメント返しです(≧ω≦)


ギャーーッッ!!∑(°д°)
リュカが出てますね!!えぇ、出てますね!!
セリトさんがリュカを知っているという事は・・・リュカが捨てられた日月が伸びてますね!!
リュカも幸せ者でしょう、えぇ(´З`)★・。

リュカ「ありがとうございます!!」

ありがとうございます!!ありがとうございます!!
ちなみに、うちの方では捨てられたのは赤ちゃんのころなので、髪もそう生えてn((ハゲみたいに言うな
なんですよ〜((なんだよ


そういえば、こちらのリュカの技を、全体的に変えたいのですが・・・よろしいでしょうか??
理由は・・・なんとなくです!!そっちの方がおもしろいと思いますし・・・。
お返事待ってますね(●´∀`)ノ


マダラの登場ですか?無論おk!!です^^
ヨロシクお願いします!!

・・・なんか長くなっちゃいましたね。スイマセン。
それでは、頑張ってください!!


技の件(設定の件)のお返事、待っとります(-ω-)
・・・わがままですいません。

Re: hunter×hunter 第5話 やっと原作沿い ( No.25 )
日時: 2010/10/12 21:44
名前: びたみん (ID: 51/AcAGl)



 セリトは悔やんでいた。動揺が為に、自分の仕事を果たせなかった事に。
 
「(情けないッッ
 何をやってるのよ!!)」

 そして、悔やんで拳を握り締めるセリトは、念の発動に顔を上げた。
 リュカだ。正確には、念ではない、ただの怒りだ。
 だが、ソレはヒソカへと真っ直ぐ向けられている。
 そして、こちらに目を向けているリュカの目を、セリトは真正面から目にした。
 赤だ。金色だったリュカの瞳は、赤色に変わっていた。怒りや興奮による充血ではない。瞳そのものが、赤になっていた。
 夕日よりも暗く、血よりも鮮やかで、炎よりも熱い色。
 セリトは息を継ぐことさえ忘れた。
 一歩を踏み出そうとしたリュカに、セリトは正気を取り戻して、牽制の念を飛ばそうとした。
 だが、それよりも先に、ツンツン頭の黒髪の少年が、リュカを止めた。
 セリトはほっとする。

「メドラー、なんて言ってる?」

 小さくメドラーにしか聞こえない声で、メドラーへと語り掛ける。
 狼となったメドラーの聴覚は鋭く、嗅覚は普通の獣の何倍にもなる。
 セリトでは聞き取れないリュカたちの会話を、メドラーに聞き取れと命令した。

[何者かも分からないのに、近付くのは危険だと止めてるみたい。黒髪の男の子はゴンっていう名前らしいね]

 どうやらゴンという少年は、ただの好奇心旺盛な少年ではないようだ。
 そして、リュカは自分を止めたゴンに対しても、僅かな怒りを散らす。
 が、すぐに空気はなごんだ。

[そんな迫力のある雰囲気をだせるあのコは凄いって言ってるよ。青髪の方のコはリュカっていう名前らしい。随分と肝が据わってるね、あの二人]

 
ジリリリッリリリリリリッリリリッリッリリ


 不気味なベルの音が鳴り響く。その先を見ると、見覚えのある顔があった。

「(サトツさん!!
 一次試験の試験官だったっけ)」

 サトツが一次試験の開始を知らせると、受験者たちはぞろぞろと動き出す。
 試験の内容は、二次試験会場までサトツに付いて行く事。持久力と精神力、そして発想力を試す試験だ。
 持久力がなくとも、どんな方法でも構わない。
 あくまで試験は、「試験官に付いて行くこと」

「(サトツさんなら受験者を無闇に放置したりはしない。)」

 セリトは、自分のやるべきことをやるためにその場に残り、受験者たちを見送る。

「どうして行かないんだい★」

 全員ではなかったが。

「なに、かかえて行ってもいいけど」

「そんな、ボクが抱えていくよ◆」

 またもや妙な雰囲気が漂い出した。
 この場に残っているのはセリトとヒソカ、ギタラクルの姿のイルミ、そしてヒソカに腕を落とされ気絶している受験者。
 もう一人、気になる気配があったが、その気配も受験者に紛れて去っていった。

「早く行ってくださって結構ですよ。
 私は少しゆっくりしてから行きますから」

 それでも動こうとしない二人に、セリトはホラを吹いた。

「試験官を見失うとやっかいですよ。
 入り乱れているこの洞窟は、彼しか分かりませんから」

「へぇ、じゃあキミはどうするんだい★」

「私は分かりますから。」

「何で?発信機でも付けたの」

 入り乱れているなど嘘だ。次の会場になるヌメーレ湿原まで、洞窟はほぼ一直線。
 迷う可能性など、0に近い。ただ、あまりに到着が遅れると、失格となるだけだ。

「この念獣は鼻が利きますから。臭いを辿ればなにも問題はありませんので。
 ただ、遅れた貴方たちを連れて差し上げる程、私は親切ではありませんので」

 以前セリトに逃げられたイルミは、セリトの言っていることが決して不可能ではないことが分かっているのだろう。ヒソカに「行くよ」と言って歩いていく。
 イルミがそう判断したのだ、ヒソカにも伝わったのだろう、イルミと共にその背中は見えなくなった。
 セリトは用心深く辺りを見回して、気配がないことを確認すると、己の念能力を発動させた。

「女神の祝奏ヴィーナスパフォーマンス

 不透明な念が男を包む。薄く発光する念は、男の落とされた腕に集中していく。
 そして、ボコッと言う音を立てて、男の腕から赤い物体が突出する。それはみるみる骨となり肉となり、細胞が増幅して、腕を本来あるべき形へと戻していく。肌が出来上がり、爪が出来上がり、そして男の腕は、完全に元の形を取り戻していた。
 セリトの念能力の1つだ。強化系と放出系を掛け合わせたもの。自身の念を犠牲として、相手の細胞組織を再生させ、治癒を行う。セリト自身にも使えるし、セリトの見える範囲でならば、他者に行使する事もできる。
 薄っすらと目を開けた男は、気絶する前の自分の状況を思い出して錯乱する。

「ああああああああぁぁぁぁ!!!
 俺の、俺の腕がぁぁぁあああああッッ」

 だが、腕の傷によって血を流しすぎた男は、貧血を起こして倒れる。
 治癒といっても、なくなった血液を再生させることはできない。皮膚や筋肉、骨や神経などはセリトのオーラと、対象者の血を犠牲にしている為、血の再生は不可能だ。
 なので、出血の多すぎる者にこの能力を行使するのは危険を伴うし、毒や病気を治すことはできない。
 それに、セリトのオーラ消費量が激しく、連発しては使えない、セリトが自らの意思で「治したい」と思わなければ、発動できないなど、条件も反動もある。
 脂汗を浮かべたセリトは、岩壁に背を預けて男に忠告を施す。

「あ?治ってる、なんで??」

「ここは死ぬっていうリスクが伴う場所だって言うことは分かってるでしょ」

 混乱したままの男に言葉を続ける。

「貴方はさっき死んでしまってもおかしくなかった。
 せっかく拾った命、どう使うかは貴方の自由だけど」

 セリトの瞳の力に押されて、唾を飲んだ男は、セリトの言葉を、ただ静かに待っていた。

「この試験に、このまま挑めば貴方は死ぬでしょう。
 さっきの男にただ殺される訳でもない
 ただ試験の課題にぶつかって砕けるだけ」

 男装の意味を失ったセリトは、顔に施した念を解き、本来の女の姿に戻っていた。

「それでもこの試験を受けるか、その命を他の事に役立てるか。
 この試験で貴方は死ぬ。何も成さずに、何も残さずに、後悔しながら命を散らせる。
 でも、ここで帰れば、他に得るものがたくさんある。これから出会う人々の繋がり、大切なもの
 これからの可能性を捨ててまで、このハンター試験に挑む価値を感じる?」

 そして、男はその言葉を聞いた瞬間、ガクリと肩を落として項垂れる。

「リタイア、させてくれ」

 セリトは静かに頷いて、携帯を取り出して、脱落者一名の旨を告げる。そして迎えに来たハンター協会の者に男を任せる。こちらを振り向いた男に、セリトは微笑んで告げた。

「この方がいい」

 ただ、優しく。


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