二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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レッドレイヴン 〜Cat End〜
日時: 2012/03/29 16:53
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

 初めまして!黒簾香菜と申します。


 ちゃんと書けるかは分かりませんが、頑張ってみます。



 注意

・荒らしはしないでください。
・キャラ崩壊するかもしれません。
・もしも気に入ってくれましたら、感想を貰えると有難いです

  以上です!

 この他にも、「小説家になろう」という所で小説を書いています。そちらも見ていただけると嬉しいです。

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Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.137 )
日時: 2012/08/06 05:53
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

 目の前の紅茶に、たっぷりのミルクが注がれた。それが、ソファーに座った猫に差し出される。

「温かいうちに飲め」

 そう促され、茶色い液体を口に含んだ。砂糖も入れられたために、微かな甘みが口に広がる。
カップをテーブルに置くと、ヴィーナに視線を移す。ずっと猫を見ていたのだろうか。彼女は慌てて視線を逸らした。


 気まずい沈黙。


 猫はこの雰囲気の中ヴィーナを攻撃して良いのか戸惑い、対するヴィーナは何を話せばよいのかと言葉に詰まっていた。

「・・・“猫”、お前はレッドレイヴンになったのか?」

   『 なった 』

「じゃあ、一緒にいたのはお前の仲間か?」

   『 そう 』

 そのそっけない態度に苦笑しながらも、ヴィーナは話を続ける。

「ちゃんと声を発したらどうだ?」

   『 お前に言われる筋合いはない 』

「否、筋はあるさ。だって、あたしはお前の・・・—————」

 素早い動きで、彼女は猫の横に立った。驚いて彼女の方を向く猫の頭に軽く触れながら、視線を合わせるために軽くしゃがむ。

 そんな二人の姿は、よく似ていた。
黒い髪に白い肌。細身の体には少し不格好な発達した胸部。

 ヴィーナの赤い唇が、続きを紡いだ。


  「母親、だからな」

Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.138 )
日時: 2012/08/07 20:54
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

「「えっ?」」

「アンディ、同じスキャッグスのリバースナンバーなのに知らなかったのか!?」

 いつの間にかやって来たシャルルが驚きの声を上げる。
アンディに分かるのは、物心ついた時から彼女がミハエルに猫と呼ばれていたことだけだ。他の研究員は番号で呼んでいたので、なおさら本名など分かるはずがない。

「でも、おかしくないか?なんで、クレギターの一人娘がスキャッグスのリバースナンバーにされたんだ?」

 普通ならば、ボスの娘を他のマフィアに渡すようなことはしないだろう。
しかし、猫—————否、ティアラはスキャッグスの所にいた。それも、リバースナンバーという形で。

「昔、クレギターファミリーの経済を担っていた男がいました。名は、シグマ・クレギター。スキャッグスとの武器の取引も全て行っていた彼は、ティアラ嬢さんの父親でした」

 ある日、突然スキャッグスに殺されてしまったシグマ。クレギターの経営は難しくなり、困り始めた彼らは、何とか様々な仕事に手を付けていく。
しかし、陰で糸を引いていたスキャッグスはそれを邪魔する。仕事も上手くいかず、行き詰った彼らにわざとらしく手を差し出したのがスキャッグスだった。

「前々から、何故かティアラ嬢さんが欲しいと言っていたスキャッグスは、嬢さんを渡せば代わりに大量の金とこれから武器を格安で売ってやろうと言い出したんです」

「で、困りきっていた君達は“猫”を渡した・・・・と?」

 そんなアンディの言葉に、男は首を横に振った。その表情は、どこか寂しげだ。

「そう簡単に渡すわけがありませんよ。ボスは、嬢さんを渡そうと言い出した一部の部下を抑えるために自身の体を売りました。スキャッグスの人体実験の検体として」

 彼女の傷だらけの体と、失った右目はその為だという。
しかし、そうやって金を稼いでも傾いたクレギターファミリーの復興までは至らなかった。

「だから、ボスは嬢さんを泣き泣きスキャッグスに売りました。何とか嬢さんの好きだったこの場所を保って、スキャッグスから嬢さんを奪い返し、親子二人で笑い合えるように、と」

Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.139 )
日時: 2012/08/08 14:00
名前: 黒猫 (ID: z6zuk1Ot)

なんか…すごい、いい話ですね
僕の暗い内容の小説とは、大違いです。続き、頑張ってください!

Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.140 )
日時: 2012/08/08 17:38
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

 いい話だなんて、有難うございます!
黒猫さんの小説は、そんなに暗すぎないと思いますよ。少し暗い程度が私の好みですしね♪

 黒猫さんも、更新頑張って下さい!

Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.141 )
日時: 2012/08/10 19:57
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

「はは、おや・・・?」

「やっと言葉を発したな。中々可愛い声じゃないか。昔からそうだったがな」

 その言葉が終わる前に、猫はヴィーナの手を振り払った。武器が入ったケースを握り締め、素早い跳躍でドア付近まで後退する。

   『 嘘つくな!そんなこと無い!絶対無い!“猫”はそんな事認めな・・・ 』


 そこで、記憶が蘇った。


 まだ幼い猫の手を引いて、女性が花園を歩いている。
それは見間違えるはずも無い、先程猫がアンディ達といた所だ。そして長い黒髪を翻して優しく頭を撫でるその女性は、今目の前にいるヴィーナだった。

 ・・・・嘘だ

 ・・・・これは、嘘なんだ

 ・・・・だって、そんなはずがない。何かの間違いだ

 ・・・・でも、それでも

   『 何で・・・? 』

 ・・・・もし、本当に彼女が母親だとしたら

   『 何で“猫”はあんな所にいなければならなかったんだ? 』

 猫は、知りたかった。
何故あんな狂った思想の渦巻く理不尽な場所に、自分は居たのか。


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