二次創作小説(紙ほか)
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- 【ONE PIECE】とある世界に一般人
- 日時: 2017/11/12 21:20
- 名前: 楼蘭 (ID: 7xKe7JJD)
なんとなく再び迷い込んだ楼蘭です。
今回はこれ一本でやります
ドラえもん並の暖かい目出みていただけると嬉しいです。
(*Φ∀Φ)アタタカイメ……
- Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.36 )
- 日時: 2021/10/19 21:57
- 名前: 楼蘭 (ID: 2tdB3h30)
【36】
とりあえず盛大なプロポーズのと言葉を無視する訳にも行かず
「ごめんなさい。謹んでお断り致します」
「なっ……なんで!?」
「…タイプじゃないから?」
どうやら予想をしていなかったらしく金髪の男は手に持っていた花束を落としショックを受けていた。
とりあえず興味がなさそうに誠はちょうど帰ってきたシャンクスに下船許可を求める。
「えー?ベック帰ってきてからにしろよー」
「え?なんでですか?」
顎でさっきプロポーズしてきた船を指す。
「船にいてもトラブル持ってくんのにどう考えてもひとりじゃダメだろ」
「えー!アレ私のせいじゃないのに!」
「いや、あんなでっかい声で叫ばれたら島中に知れ渡ったってるぞ」
「デービーバックファイトだ!」
突然身を乗り出しシャンクスに指さす男。
その言葉にシャンクスはめちゃくちゃ楽しそうに近寄っていく。
「デイビー何です?」
「デービーバックファイト、海賊同士の奪い合いゲーム」
「赤髪のシャンクス!スリーコインデービーバックファイトを申し入れる!」
「いや、それじゃダメだ」
「なに!?」
「赤髪ともあろう奴が受けないのか!?」
「船長に恐れをなしたか!」
「俺らに得がないだろう。お前らはコイツ。俺らは何を取ればいい?」
「我らが船員から」
「いや、船員はいらねぇ。お前らのシンボルマークも興味がねぇ」
ふむ確かに、とあちら側は納得しているがどう考えても失礼極まりない発言ではないだろうか。納得しているし、シャンクスの口車に乗った時点で、きっとこの海賊は先手を取られてしまっていることを知らないのだろう。
「ったく、お前は面倒な事しか引き寄せねぇな」
「レオンさん、見てください。あの船長の笑み。これはきっと良い戦利品を得られますね」
「ライト君も見た目と違って中々の海賊っぷり」
「そりゃそうだろ。医者になった理由が」
「人を切っても何も言われませんから」
綺麗に笑う顔は善人どころか全ての女性を虜にできる。が吐いた言葉は悪人でさえも振り返るほどの破壊力。
「…悪魔かな?」
「誠も欲しいものがあれば教えてくださいね」
「欲しいもの…あっ!ちょっと太めの棒が欲しッムゴッ」
後ろから手で抑えられた口。本人は簪を言いたかっただけなのだ。細い誠の髪の毛は少し太めの平べったい簪がズレ落ちずにちょうどいいのだ。
「お前は何口走ってんだ!」
「なに?誠欲求不満なんですか?僕がッアダッ」
「全く、お前は」
めちゃくちゃ怒るレオンと隣ではたかれたライト。誠の口を抑えている手の持ち主はベックマンで少し眉間に皺を寄せて怒っているらしい。
「プハッ、皆さんなんで怒ってるんですか?」
「誠、欲求を満たしに今から行きます?」
「欲求?お腹すいたってこと?」
っと話が着いたようでふたつのピストルが乾いた空に響き渡る。楽しげに帰ってきたシャンクス。
「誠、お前も一応大人の女なら時と場合考えろよ」
「え?……あぁ、なんだ。みなさんそっちと勘違いしてたんですね」
やっと本人は納得して笑い始めるが、シャンクスの言葉で笑いが一瞬にして消えた。
「張り切ってたぞ。俺にこそふさわしいって。そっちの意味も含めてな」
「え……」
思い出して爆笑し出すシャンクスだったが、考えたくもない状況になっている誠は敵戦からの未だ続く熱烈なプロポーズに対し、ただライトの後ろに隠れるのだった。
- Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.37 )
- 日時: 2021/10/23 20:45
- 名前: 楼蘭 (ID: IkQo2inh)
【37】
誠の前に札束や金貨が積み上がっていく。
目の前の男の5枚のトランプはスペードの9からKまで並んでおりめちゃくちゃ得意気な顔。だが誠が笑顔で出した5枚のトランプは4枚のエースにジョーカー。
「お前…こわっ」
「イカサマっすよ!船長!!」
「馬鹿野郎!こんな可愛い女神がイカサマなんかする訳ない!」
バーサーク海賊団という結構有名な海賊のようで船長のパンサーは8億4千万の賞金首。
それを聞いた瞬間の誠の「早速海軍に引渡して換金しちゃいましょうか」はヤソップに諭される事案となった。
「私がイカサマ出来るようなような上手な人に見えますか?」
「いやいや!めちゃくちゃ素人にしか見えないよ!」
「残念、これでも素人感出ないように頑張ってるんですが」
デレデレのパンサー。素人にしか見えないのは誠が最初にルールとやり方を1からパンサーに教わったから。だが、誠の後ろにたっていた赤髪海賊団は気がついていた。
ものすごく誠が手馴れていて尚且つ、後ろで見ていない限り分からないすり替えイカサマだということを。
ポーカーになった時、颯爽と手を挙げたのは誠。視力聴力筋力にも制限のかかっている誠ができることは限られている。
「ではこれで私の勝ちですね。これは頂いてもよろしいのですか?」
「うんうん、他に欲しいものは無いか?」
「船長!!!」
「はっ!可愛すぎて危うくなんでも渡すところだった!」
笑顔を崩さず卓上に置かれた札束と金貨を袋に入れられ受け取った誠は立ち上がろうとしてベックマンに抱えられた。
「足は健康なんですけど」
「抱えられとけ。ここは船の上じゃないからな」
デービーバックファイトが開始され、船の上ではなんだと酒屋にて少人数でとなったのだが、降りる気が一切なかった誠はパンサーに腕を引かれ、それを遮られるようにライトに手を振り払われ、ベックマンに抱えられてここまでやってきて再び抱えられている始末。
「あの」
「なんだ?」
「降ろして…欲しいのですが」
渋々下ろしてもらった誠はライトの側に駆け寄る。
「どうしたんです?そんなあからさまに避けて」
「……いや、避けてないですよ、はい」
「今の間が避けてるって言ってるぞ」
「僕は大歓迎ですよ。腕に抱きついている時胸が当たりますし」
「えっ!……変態だ」
「男はみんな変態なんですよ」
「でも大丈夫。私ライト君は弟にしか思えないから」
「僕が無理やり抱えたり押し倒したりしたらどうするんですか?」
口と口がくっつきそうな顔の近さ。きっと普通の女性ならドキッとしただろうが、誠は得意気な笑み。
「抱えられたら喉に膝入れる。押し倒されたら禁的」
「……降参ですよ」
楽しげな2人に嫉妬するパンサー。
「なんだ、ベック。嫌われたか?」
「そんなんじゃない…ハズ」
「だははっ!!!まぁ、誠が笑ってりゃなんでもいいけどな」
「で、次は何をするんですか?」
「とりあえずこの紙に欲しいものや大事なものなどとりあえずなんでも一つ書いて誰にもわからないように折り、この中に入れろ」
配られた小さな四角い紙に一人一人ペンで書いて4つ折りにし箱の中に投げ込んでいく。
「これで何するんでしょうね」
「あれがお題になって面白い話するとかかな?」
「お前はほんと考え方が可愛いよな」
「シャンクスさんはバカにしかしてきませんね」
「いや、バカにはしてねぇ。だが、参加者考えてみろ、ベックにライトにヤソップ、レオンにさっき合流したルーまで参加。面白い話じゃないのは明白だな」
と、全員が書き終わりバーサーク海賊団の水色の髪に顔に描かれた模様が印象的なクルー、ラーピスが箱をシャッフルして参加者全員に手を入れさせ1枚ずつ引かせて行く。
「さぁ!続いてはドキドキ!島中探して見つけてこい!借り物レース!」
「なんか体育祭の行事みたいな」
「ん?どうした?」
「シャンクスさん、ほんとにこれは海賊同士の闘いなんですか?」
「お前、これで俺らがもし負けたらあっちの海賊団に入らなきゃなんねぇんだぞ?」
「いや、そういう話ではありましたが……」
真剣に言われたが誠の中では正直、どう見ても体育祭や文化祭の内容にしか思えない。
まぁ、誠のことを考えての血なまぐさいのはなしというシャンクスの提案に向こうが承諾したからなのだが。
そしてこの借り物レース。
波乱を呼ぶこととなる。
- Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.38 )
- 日時: 2021/10/23 21:12
- 名前: 楼蘭 (ID: 9uo1fVuE)
【38】
「マコトって言うのね。アナタ」
レースが開始となり1人残された居酒屋で声をかけてきたのはベックマンと笑いあっていたニーナと呼ばれる美女。
シャンクスは人が足らないということで誠が出ようとしたのだが、それはダメだと代わりに出ることとなった。因みにパンサーも同様である。
「どちら様ですか?」
誠はベックマンと一緒に歩いているところを船から目撃していたため、知っている。だが、ここはあえて知らないふりを押し通すことにした。優衣と真琴に鍛えられたポーカーフェイスの賜物である。
「そうよね、私はニーナ。バルザック・D・ニーナ」
「私は荻野誠と申します」
「海賊には見えないわね」
「最近海賊になったヒヨっ子ですから」
「そう……アナタは入れたのに私はダメなのね」
「え?」
「アナタは何が出来るの?射撃?剣術?」
「私は何もできません、強いて言うなら書類整理でしょうか」
「……うそでしょ?」
「海賊には何かと縁は良くも悪くもありますが、これといった特技は何も…」
その瞬間ニーナは顔を伏せたまま席を立つ。
「どうし」
「アナタはなんなの!?」
上がった顔を誠はよく知っていた。これは嫉妬する、怒った顔だ。「何であんたなんかが!?」とよく言われた。
「あれれ〜?よく見りゃ貴石の女神じゃねぇか?」
ふと気がつけば知らない男たちが近づいてきていた。
「貴石の女神?」
「あなた達はなんなのでしょうか?」
「貴石の女神て何?あなたほんとに何者なの!?」
「ニーナさん、今は」
ニーナを庇うようにして立った誠。
「なんだ、姉ちゃん知らねぇのか?コイツは」
男の1人に出ていた酒瓶を持って頭に打付ける。先制攻撃をしてしまった誠はニーナの手を掴み店を出ようとする。
「行ってぇな!!コラっ!!」
少し弱かったようで髪を掴まれた誠は男の腕の中に囚われる。
「姉ちゃん。教えてやるよ」
誠はそのまま机に押し付けられると割れた酒瓶を左掌に突き立てられる。叫びそうになるのを必死に堪える誠に対し男たちは楽しそうにその瓶を引き抜くと溢れ出る血が机にレッドダイヤモンドとなって固まっていく。
「ウォー!まじ本物だ!」
「すげー!」
「これが貴石の女神さまだ」
興奮する男達が手を弛めた瞬間誠は膝を男の急所に思いっき当ててニーナの側に駆け寄る。
「ニーナさん、外にいる赤髪海賊団の誰かしらにきっと合うと思います」
「あなた血が」
「大丈夫。これは利用しますから。それより私が動いた瞬間外に走ってください。私もこの場を離れるので」
「でも」
「行きます!」
誠は思いっ切り血が溜まった左手を男たち目掛けて振りかぶった。血は槍のように細かく男達に襲いかかる。悲鳴が上がる中、2人は一目散に別々の方向へと駆けて行く。
走りに走って森の中に逃げ込んだ誠。突然降り出した雨でぬかるむ中、足を止めずにひたすら走る。
「っひゃ!!」
後ろを確認しようと振り返った瞬間、ぬかるみに足を取られ横に滑り落ちていく。「ニーナさんは大丈夫かな?ベックマンさんとニーナさんは恋人同士なんだろうなぁ。あ、怪我して今度こそレオンさんに拳骨喰らうなぁ」などと緊張感のないことを思いながら意識を手放した。
- Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.39 )
- 日時: 2021/10/24 11:08
- 名前: 楼蘭 (ID: 2tdB3h30)
【39】
店の外にいたパンサーのクルーがまず、やられていた事に異常事態を感じ店に入ると知らない男たちが、血を流して倒れていた。その血が出てる場所には細長い小さな赤い針のようなものが刺さっていた。
「なんだ!?なにがあった!?」
「おい」
同様するパンサーを他所にシャンクスは殺気を出しながら倒れている男の胸ぐらを掴む。
「おい」
「っ……ヒッ!」
「誠に何した」
「まっまこ?」
シャンクスは壁に男を力いっぱい押し付ける。
「貴石の女神に何した」
「いや」
「何したかって聞いてんだ!!」
意識を失った男を落とすと背後から額に手を当てられる。
「落ち着け、覇気が漏れてる。ここは一般市民が多い」
「悪い、ベック」
手を離され振り返るとパンサーが気を失いかけており、ほとんどのクルーが気を失っていた。
「ルーがニーナに助けを求められ聞いた話だと、そいつらは誠の左掌に先手をうってな殴り割って投げ捨てた酒瓶を突き立てたらしい。だが、この様子じゃその怪我も利用して返り討ちに合わせたらしいな」
「なんでニーナが?」
「話してみたかったんだと」
「まぁいいか。んで、誠は」
「反対方向へ走ったことは確かなようだ」
「げっ!なんですかこれ!」
「あー、突然の雨でひでー目にあったと思ったのにこりゃ、誠か」
「ライト、レオン。そいつらの治療をしてくれ」
帰ってきたライトとレオンはとりあえずシャンクスが原因で気を失ったパンサー達を起こすと外で負傷したクルーを連れて着いてくるように説明をする。
「悪いがデービーバックファイトは中止だ」
シャンクスは置いてあった誠がとった戦利品の金をパンサーに渡すとベックマンとヤソップ、ルーや騒ぎを聞いて駆けつけたクルーたちを引連れて店を出ていく。
「あの方向音痴だ。反対方向ならきっと船に戻る計画だったんだろうが逸れたあの森に迷い込んでるはずだ」
「褒めてやらねぇといけないからな。女を守って自分の身も守ろうと成長した所を。だから必ず見つけ出すぞ」
ベックマンの推理通り森にいる誠の捜索が開始された。
- Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.40 )
- 日時: 2021/10/24 18:28
- 名前: 楼蘭 (ID: 2tdB3h30)
【40】
目を覚ました誠は泥だらけで地面に寝転がっていた。
「いっ…」
起き上がり激痛でその場所を見れば足が変な方向に向いている。
「……よし、骨折だから治る」
何の良しなのかはよくわからないがとりあえずそれ以外に大きなケガをしていないことを確認し木に上半身を預ける。
雨は威力を増しており周りの音などまるで聞こえず、雷も鳴り響いている。
「……寒いな」
ノースリーブは体が冷えガクガクと震えてきた。だが日を起こす技術も何も無い。まして洞窟などある訳もなく。
おもむろに目を閉じた誠。
とてつもなく大きな地響きと共に大きく揺れる地面。突如として起こった浮遊感。
「…と……」
全身に強く打ち付けられる衝撃で思いっき目を覚ます。目の前にはベックマン。
「誠!…大丈夫か?」
「ダメ……」
「…足、折れてるな。他に」
「ヤダ……ウソ……」
「…誠?どうした?」
あの衝撃により誠は思い出し、知る事になった。
「……アレはバス事故……」
「誠?」
名前を呼ばれベックマンを見る。その瞳に写った自分の姿。これも現実。
「……私は…」
自分で口にしてようやくやはりそうだったと確信する。
「私は……1度死んだんだ」
「……どういうことだ」
少し怒った顔のベックマン。だが、これがこの前の戯言なんかじゃなく確信づいていることを察知しているようだ。
「もう……どこにも何も………何もない」
そこから気を失った誠。
「どういうことだ?ばすってなんだ。1度死んだって…お前は何を言っている?」
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