二次創作小説(紙ほか)
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- 【ONE PIECE】とある世界に一般人
- 日時: 2017/11/12 21:20
- 名前: 楼蘭 (ID: 7xKe7JJD)
なんとなく再び迷い込んだ楼蘭です。
今回はこれ一本でやります
ドラえもん並の暖かい目出みていただけると嬉しいです。
(*Φ∀Φ)アタタカイメ……
- Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.31 )
- 日時: 2021/08/09 12:26
- 名前: 楼蘭 (ID: nsrMA1ZX)
【31】
シャンクス達に連れられて船を降りた誠だったが、現在1人で放浪していた。
店に入った途端、二人が姿を消したのだ。
まぁ、原因は降ろされてからふらふらと1人で店の中に入った誠も悪いのだが。
とりあえず無一文の誠は店を出て船に戻ろうと歩いていた。
だが、誠は無自覚迷子人である。
「全然船見えない…」
ということで、現在はとりあえずふらふらと町中を歩いていた。
「あらら?誠?」
ふと声をかけられ振り返ればいつぞやのアイマスク高身長男がダルそうに目を見開いていた。
「クザンさんじゃないですか」
「とりあえず行こっか」
「へ?」
手を引かれ深く帽子を被せられる。長い歩調に駆け足でついて行く誠。
「で、なんであんな治安の悪い場所に?」
「治安悪いんですか、知りませんでした」
「…手配書出てるのわかってる?」
「あ〜、そんなのもありましたねぇ」
「狙ってんの海賊だけとは限らないよ?」
「手配書の写真、もっとましな写真が良かったんですけど、やり直しききます?」
のんびりと話を聞いていない誠はそんなことを言い出す。クザンは足を止めて誠の前にしゃがみこむ。
「天竜人が、この島にいる」
「天竜人…狙いは貴石の女神ですか」
「そうだ」
「またこんなとこでナンパして」
誠の背後から男達の声に振り返ろうとした誠の頭を自分の方に寄せる。
「あれ?その服…」
「赤髪のとこの」
誠はクザンの腕をしゃがんで抜けるとそのまま手前にいた男の手を捻り上げ銃を奪い取る。帽子は深く被ったままで。
「動くな!動けば撃つ」
クザンに銃口を向けながらも視線は男達にむける。そのままゆっくりとクザンに近づいていき
「クザンさん、またね」
そういうと銃と帽子をクザンに渡して路地を走っていった。
その後を追いかける海兵たち。
1人取り残されたクザンは手に持った銃と帽子を見つめた。
「変なとこでの再会になんなきゃいいけど」
この発言がフラグとなり、数時間後再会する。
「さぁ!本日の目玉商品!!!体から宝石を生み出す貴石の女神!」
めちゃくちゃ暴れたのか傷だらけの体と顔に滴り落ちる血で檻の中には散らばった宝石。首と手足に繋がれた鎖と口に巻かれた猿轡。そして誠の瞳は夕日のカーネリアンの色をしていた。
- Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.32 )
- 日時: 2021/08/09 12:29
- 名前: 楼蘭 (ID: nsrMA1ZX)
【32】
「誠のやつ、どこに消えたんだ?」
コソコソと歩き回っていたシャンクスは一瞬にして姿をくらませた誠の姿を探していた。
っと、鎖に繋がれた人集りを見つけ路地に身を潜める。
「なんでこんなとこに」
その場を離れようとしたシャンクスは耳を疑う言葉を聞く。
「本当に今回あの貴石の女神が出るのかえ?」
「兄様、私の情報に間違いはないアマス」
貴石の女神。希少な宝石を生み出す誠の愛称である。
無理やり下ろしたのはシャンクスだし、クルーを最近入れてない。どこの情報なのか。
「…とりあえず誠は捕まったのか」
「どわっ!」
突然の声に振り返ればベックマンが腕を組んでいた。その手には誠が着ていたベックマンの上着がかかっていた。
「気配を消すな」
「で、どうやって誠を連れ出すんだ?金はないぞ」
宴会大好きな赤髪海賊団は絶賛金欠状態だった。何回か誠が自分から出たダイヤと真珠を渡してきたのだが、こと如く断り続けていた。
「ぶっ壊すとか?」
「ルーの話だと青キジがいたらしい」
「めんどくせぇなぁ」
「奪還は2人で動いた方がいいと思って他のクルーには出港準備を急がせてる」
「……俺に聞く意味あった?」
「まぁ、一応な」
「問題なのは誠だな」
「あ〜」
前回捕まった時に自らどうせ使い物にならないからと腕に剣を突き立てた。
絶対今回も大人しくはしていないだろう。
「大人しく傷一つなくいてくれると助かるんだがなぁ」
「自分のことは紙切れみたいな扱いだからな」
- Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.33 )
- 日時: 2021/10/18 20:09
- 名前: 楼蘭 (ID: WwlU5OLB)
【33】
クザンと離れた誠は海兵たちを撒きにまいて逃げた。しかしその先で魚人の子供が攫われるの目撃し、追いかけた矢先、捕まってしまった。
捕まってからは暴れに暴れまくり鎖で両手両足、首を繋がれ檻に収められる醜態。しかもその後も暴れ猿轡までつけられ頭と頬から流れる血は檻の中でダイヤとなって拡がっていく。
高貴な目で見定められ胸糞悪い金額が蔓延る。自分だけならまだしも、あんな小さな子までかけられる。
絶対許せない事実。
こんなヤツらの思い通りになんて絶対なってやらない。
盛り上がる会場。異変が起きたのに気がついたのは司会者だった。
「さぁさぁ!まだまだ…ん?なんか溶けて…?」
煙が上がっていく。重たい鎖も真っ赤になって溶け落ちる。誠の目は黒曜石からカーネリアンの色に一変していた。
立ち上がり伸ばした手が檻を掴むとまるでは液体のように溶け落ちる。
「…けろ…」
「麻酔を撃て!!」
「いや!銃だ!」
放たれた銃弾が誠の体に当たる。が、すぐに煙を帯びて焼失する。
鉛をも溶かす熱。
「はじけろ!」
手を伸ばし目を開いて叫んだ声。その声に反響するかのように会場の鎖や銃、宝石類が一斉に弾けた。しかも熱を帯びて弾けたため、ひとつが水分とぶつかり水蒸気爆発が起こり近くにいた誠は思いっきり吹っ飛ばされた。
「おいおい……なーにやってんだ」
気を失いかけた誠の顔をぺちぺちと叩いたのはシャンクス。その後ろで瓦礫をどかしていたのはベックマン。
「…遅いです」
「いや、お前が大人しくしててくれればベックが買って終わったんだぞ?」
「……あれ?」
「どした?」
「……お前、まさか」
察したシャンクスが左耳を抑える。すると口を動かすベックマンの声はパクパクとしているだけ。
手を離したシャンクスが項垂れる。
「今度は耳か」
「まじかー」
「……ごめんなさい」
素直に謝り立ち上がろうとしてヒョイっと、シャンクスに抱えあげられる。
驚いている誠を他所にフワッと上着がかけられる。
「遅くなって悪かったな」
「……迷惑じゃないですか?」
「お前な、俺のクルーになったんだろ?簡単に抜けられるわけないだろ」
子供みたいに笑いかけるシャンクスに誠は体を預けた。
「まて!!それはわちしのっ」
声が上がった瞬間、周囲にいた人がどさどさっと倒れていく。
「騒ぐなよ、折角寝たのに」
「寝たというより気を失ったの方が正しいがな」
シャンクスの腕の中で寝息を立てる誠にベックマンとシャンクスは優しく微笑んだ。
「今回は見逃してやるよ」
「青キジ」
「俺じゃ爆発させちゃうみたいだからな」
どうやら水蒸気爆発の原因はクザンだったらしい。
シャンクスとベックマンは青キジに背を向け会場を後にした。
- Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.34 )
- 日時: 2021/10/19 21:59
- 名前: 楼蘭 (ID: 2tdB3h30)
【34】
暗闇の中、目を覚ます。
時刻は夜らしく窓からは月と星が見えていた。
ゆらゆらと揺れる感覚からどうやら島を出航したようだった。
と扉が開きベックマンとルーが顔を見せる。
「なんだ、目覚ましちまったのか」
「…まだ熱がありそうだな」
「……ねつ?」
近づいてきた二人の額にルーには右手を、ベックマンには額を合わせた。
「いや、俺らじゃねぇよ」
「え?」
「俺らは風邪ひいたことねぇから」
「でも、ベックマンさん熱いですよ」
額から離れたベックマンの顔は真っ赤に染まり左手を顔に覆っていた。
「ほっといてやれ」
「えっ、でも」
「それより誠、手が滅茶苦茶熱いぞ」
そう言われ誠は自分の頬に手を持っていく。
「暑くない…」
「…自分の手だからな。とりあえず水分補給な」
ルーはベックマンが持っていた飲み物を誠に手渡す。普通のコップだったそれは誠が手を触れた瞬間一瞬にして鉱物に変わる。
「……は?」
「……?」
気がついていない誠と漸くして正気に戻ってきたベックマンを他所にルー1人だけが唖然とする。
「ちょちょちょ!ちょっと待て!!」
「あれ?飲めない」
ようやく気がついた二人はルーをみてコップを見た。
「俺じゃねぇから!よく見ろ、鉱物になってる」
「こうぶつ?お肉ですか?」
「それ好物、俺が言ったのは鉱物!鉱石のこと」
「あ〜」
もうとりあえず呑気な言葉しか出ない誠にルーは盛大にため息をつく。
「…目がラピスラズリだ」
「え?」
「誠、お前見えてないのって右目か?」
「すごい、なんでわかったんですか?」
本人には鏡で見ない限り絶対に分からないであろうが、はたから見たら一目瞭然。青色、海のラピスラズリの鮮やかな色に変わっていた左目に対し右目の眼球は色を発していなかった。
「そういえばカーネリアンの色に変わった時も左目だけだったな」
「現在、目は左目に手は右腕、耳は左耳か」
「両足健在で健康ですね」
「いやいや、お前は女で嫁入り前なんだけど」
「しかし、目の色が変わるなんてますます人間離れしてますよね」
「別に思わないが」
「悪魔の実を考えれば全然だよな」
っと高波にあったらしく船がゆっくり大きく傾いた。咄嗟に支えようとした腕は力の入らない左腕でそのままベッドからズレ落ちる。傾いた方向にベックマンがいたためお姫様抱っこの状態。
その瞬間パキッという音が鳴る。
「ぎゃぁぁ!!」
「なんじゃこりゃ!」
廊下が急に騒がしくなる。
「なんだ?」
「別に今のはただの揺れだったしな」
「ん?誠?」
腕の中で寝てしまった誠。そして開いた扉から慌てふためくシャンクス達。
「誠!!俺の酒と船どぉしてくれんだよ!!!」
廊下は様々な鉱石や宝石の花が咲き乱れ、酒瓶からも花が咲いていた。
「とりあえず暫く宴会は無しだな」
「だぁぁぁぁ!!俺の酒〜!!」
「あとたった2日だ」
「船もこんな…こんなファンシーな姿に……」
「お頭、これすぐ抜けますよ」
「何っ!?」
それを聞いたシャンクスは指示を出し、およそ1日かけて船の全域に咲いた花を引き抜いた。
3日後、熱が収まり目の色も元に戻った誠の頭には鉱石でできたピンクの花がつけられていた。
- Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.35 )
- 日時: 2021/10/18 20:36
- 名前: 楼蘭 (ID: WwlU5OLB)
【35】
「貴石の女神!俺と結婚してください!」
船と船の大きな隙間を挟んでのプロポーズ。してきたのは金髪に身体の大きな人。
「ふーー!!」
「船長ー!!かっこいいー!!」
「きゃー!ハンサム!」
向こうの船は最高潮に盛り上がっていた。
時は少し遡る。
シャンクス率いる赤髪海賊団は様々な場所の酒が集まる有名なブーズ島に着いていた。
ログが溜まるのは3週間ほどかかるらしく、ほとんどの船員が下船していた。
「眠り娘、具合はどうだ?」
「レオンさん、その眠り姫ってどうにかなりません?」
「あれから3日間寝続けたのは誰だ」
「うっ」
ようやくご飯を食べれるようになった誠は人がほとんどいなくなった食堂でのんびりと朝食にありついていた。
やってきたレオンの隣には項垂れているヤソップの姿。
「…大丈夫ですか?ヤソップさん」
「コイツは二日酔いだ」
「誠は優しいなぁ」
「コーヒーどうぞ」
そっと差し出したコーヒーをちびちびと飲むヤソップ。
「頭と副船長は今頃いい思いしてんだろーなー」
「え?」
「ちっ、バカ」
レオンはヤソップの頭を叩くと席を立って食堂を後にする。
「いってぇー、だってそりゃ俺には愛しのバンキーナがいるが、あんだけ女に囲まれりゃちょっとは羨ましくなるのが男の性だろー!」
「ちょっと分かりかねますね」
「しかもニーナがこんなところにいるなんて」
「ニーナさん?」
「誠は知らねぇよな、ニーナは副船長の…」
そこで寝てしまったヤソップに誠は自身の着ていた上着をかけ、誠も食堂を出る。
ここの気候はまだ少し日差しがあれば暖かい秋島。ヤソップに上着をかけたため甲板へはノースリーブだが寒くない。ヘリに手を置き島を眺めれば奥の栄えている街には様々な人達が歩いていた。
『ニーナは副船長の』
ふとさっきの言葉が蘇る。そして間が悪いことに街の中にベックマンを見つけてしまった。隣にはとびきりな美人と笑顔で。
「っ、?いや、私に関係ないでしょ」
思わずしゃがみこんでしまった誠は自分自身に言い聞かせるように立ち上がる。
そして、冒頭の突然のプロポーズに発展した。
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