二次創作小説(紙ほか)
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- 【ONE PIECE】とある世界に一般人
- 日時: 2017/11/12 21:20
- 名前: 楼蘭 (ID: 7xKe7JJD)
なんとなく再び迷い込んだ楼蘭です。
今回はこれ一本でやります
ドラえもん並の暖かい目出みていただけると嬉しいです。
(*Φ∀Φ)アタタカイメ……
- Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.26 )
- 日時: 2020/10/19 22:01
- 名前: 楼蘭 (ID: qSKICFXZ)
【26】
どう頑張っても手に入らないものがある…
どう頑張ってもひとりじゃどうにも出来ないことが起きる…
地震・雷・火事・オヤジと昔は怖いもの4つを言ったそうだが、現在はオヤジより人災に変えた方が凄くわかりやすいとつくづく思う。
「なぁ、女神様?」
啖呵切ったはいいものの、殴られ蹴られ、全身傷だらけだった。
口の中に広がる血を地面に吐く。
「何故私が…顔を傷つけられた船から逃げられたか、知ってる?」
「なに?」
近くにいた男のに体当たりすると同時に短剣を奪い取り距離をとる。
力の入らない左手に短刀を思いっきり突き立てた。
「なっ!?」
「おいおい、何してんだ?」
「小さく落ちる血は小さなダイヤに…なら、このナイフを抜いたらどうなると思う?」
「取り押さえろ!!」
「残念」
誠は薄く笑みを零すとナイフを引き抜いた。
思いっきり抜いたため勢いよく出た血は固まり、男たちに矢のように突き刺さる。
人じゃないことが出来るけれど、流れ、固まっていく血は皆と同じ赤色。
殴られ蹴られ、ボロボロの体に突き立てたナイフは思った以上に疲労感に溢れていて誠は意識を手放した。
- Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.27 )
- 日時: 2021/05/14 00:26
- 名前: 楼蘭 (ID: JVQjWv4j)
【27】
冷たかった体に温もりが合わさる。ふわふわとして温風にでもかかっているみたいだ。
が、次の瞬間思いっきり揺さぶられ意識は一気に急上昇した。
「起きろ!このバカ!」
揺さぶられたのは目の前の赤毛のシャンクスが原因で温もりの正体は患部に当てられたマルコの青い炎だった。
「……鬼畜すぎませんかね?」
「戻ってきたかよい、バカ」
「…鬼ですか?」
どうやら話を聞くとベックマンとマルコの二人と飲んだ後連れ出された船で海に出てしまったのだが、突如として吹き荒れた海により再び海岸へ戻って来たらしい。
「お前、左腕力入らねぇだろ」
「えっ?」
確かに力は入らないが、元々だった為、聞かれるのは意外で。
「あいつらナイフ突き付けるたぁ」
「まぁ生意気なのはわかるがねぃ」
どうやら誠が襲われてナイフを突き刺されたと思われている。
「あのぉ」
申し訳なさそうに誠は経緯を説明した。
「というわけで、自分でやりましたァ…あはは」
渇いた笑みをうかべる誠に背後からひんやりとした空気が流れてきた。二人も感じたようで三人は恐る恐るその方向を見ると、煙草を加えたベックマンがものすごい形相で睨んでいたのだ。
「ひっ!」
怒られ慣れているのかシャンクスが慌てて立ち上がるとマルコの後ろに隠れてしまった。
「……鬼だよい」
その形相のまま誠をヒョイっと片手で抱えあげると再び歩き出す。
「ひえっ!?あの!ちょっと!!」
もうダメだと首を振るマルコと両手を合わせて拝むシャンクスに誠は鷹の目の次に復讐を誓ったのだった。
無言で顔も合わせず…いや、俵担ぎのため合わせられないのだが、無言のまま船の船室に戻ってきた2人はそのまま船内に入りどこかの部屋のベットの上にようやく降ろされる。
うつ伏せで降ろされたため、振り返ろうと左腕を曲げるも力が入らず身体を起こせない。しょうが無いので右腕を曲げ身体を起こすと右の耳に僅かに息がかかった。
「ひゃっ」
この部屋にはベックマンと誠の二人のためベックマンに間違いはない。右目が見えていないため誠にとっては覆いかぶさったベックマンは死角となっていた。
「誠、お前は自身をなぜ大切にしない」
「えっ…いや、身の危険を感じたからこの能力を」
「あれだけ血を流せばその能力で血が止まらなかった時、死んでたんだ」
誠はようやく事の重大さ、何故こんなにベックマンが怒っているのか気がついた。
「死んだら……次はどうなるのかな?」
「…何?」
誠は気がついたいや、気付かされた内容に対してずっと感じていた事を口にした。
「ここはもしかしたらリアルな夢の中かもしれない。私はあっちの世界に戻って真琴に会いに行ってる時に戻るかもしれない。優衣に振られた話をして」
「俺は、この世界は夢じゃない」
そうだ。確かにベックマンもシャンクスもその船のクルーやマルコ、白ひげも出会った人みんな生きている。
「そう。みんな生きている。でも…私は?この世界に突然現れた私は?私の存在は何?毎日夜目をつぶって思ってた。目を覚ますと目覚ましがなっていて、自分の部屋にいるんだって。目の前で人が死んで自分だけ生きて、そんな人じゃない存在にいきなりなって……化け物みたいな私は私自身は一体何を大切に生きていけば」
いつの間にか流れていた涙は布団にシミになることなく白色真珠となる。覆いかぶさったベックマンが身体を起こしベットに腰かける。誠も身体を起こされベックマンの隣に座る。誠の手には真っ白の真珠の粒が大小それぞれの形であった。
その真珠を1粒手に取る。
「誠、真珠の意味って知ってるか?」
「ぐずっ……意味?」
誠は首を横に振る。まだ流れる涙で手には真珠が増えていく。
「お守りとか様々な意味がある。宝石言葉だと純粋・健康・長寿・富なんかがある。大切な人への思いや願いをこめて用いられてきた宝石だ」
「思いや願い……」
「そしてお前が嫌がってる血液の宝石」
ベックマンは真っ赤な宝石を誠の手に置く。
「それはレッドダイヤモンド。それは希少なもので宝石言葉は永遠の命」
「永遠の命?」
「お前がこの世界で確実に生きている証拠だと俺は思ってる。お前は覚えてないかもしれないが、俺が敵船から見つけた時『私の存在は何?』って聞かれたんだ。その時は答えられなかったが、今なら言える。この世界で幸せになることだ」
誠は顔をベックマンに向けるとベックマンは優しく笑いながら手を誠の頭にのせた。
- Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.28 )
- 日時: 2021/07/08 15:21
- 名前: 楼蘭 (ID: 3p1tWxjm)
【28】
あの島を出てすぐに「この船なら大丈夫そうだねぃ」と言い残し白ひげ海賊団に帰ってしまったマルコ。まぁ敵船といえば敵船になるのだが。
とりあえず怪我を完治させた誠は船長室の前でかれこれ15分は前を彷徨いていた。
「いい加減入れ!」
どうやら気がついていたシャンクスは書類整理にイライラしていたようで加えてのなかなか入らない誠の気配に爆発したらしい。
「…ハイ」
「ったく、」
部屋の中の中央にある机の上には書類がたんまり積まれていた。床にも何枚か落ちていてそれを数枚拾い上げる。
「武器明細書?」
「あっ、それか!」
誠は席に座ったシャンクスに書類を渡すと手元に見ていた書類に書き込んで行く。その様子を見ながら手に持っていた書類を小さな木箱の上に置き、机の上に束になっている書類をパラパラと調べていく。
「その辺はまだ」
「それ書き終えました?次多分このリストですよね?」
「……あぁ」
書類のタワーから倒れないよう数枚抜き取るとシャンクスに手渡す。その後もそんなやり取りが続き、シャンクスの机の上は綺麗になっていった。
「終わったー」
「はい、コーヒーお持ちしました」
「サンキュ」
「いいえ」
コーヒーを渡し、完成した書類に目を通す。床に置いてある資料の束を綺麗に部類訳して端に穴を開け紐で閉じる。
「…お前手慣れてんな」
「え?あーそうですね。こういうデスクワークの仕事してましたし」
「で、俺になんの話しがあったんだ?」
流れに身を任せシャンクスの書類整理を手伝っていたが用事があったのだ。用事と言っても直談判に等しい。
「お願いがあるんです」
「随分と改まって、降ろしてくれ以外なら聞いてやる」
「実は」
と廊下がバタバタと騒がしくなり勢いよく扉が開く。
「船長!!!」
「なんだ?そんな慌てて」
「誠もいた!!」
「えっ、ダメでした?」
「誠!お前の事だよな!」
全く会話の内容が伝わってこずシャンクスが船員から渡された紙を覗き込む。
ALIVEonly
Goddess of precious stones(貴石の女神)
B 200,000,000
「初っ端でこの金額、しかも生け捕りか」
「名前は知られてないようだけど、この写真!」
映っていた写真はほろ酔い気分で呑気にドレスアップして歌っている姿。
「もうちょっとましな写真は無かったんでしょうか」
普通どうしてこんなことに、とか言うのだろうがこの世界に染まりつつあるらしい誠はとりあえず写真写りが気に入らなかったようだ。シャンクスは腹を抱えて大笑いしていた。
「お前なぁ」
「だって!この写真写り悪すぎますよ」
「ちがーう!これ手配書!お前の!」
「…私の?」
「そう!」
「2千万だなんて随分極悪人ですね」
「違う、2億だ」
「………え?」
誠はようやくことの重要性に気が付き手配書の金額を調べる。
「2億…たかが一般人に2億……」
「多分手配書が出たのはその能力のせいだろうな」
「これ取れないんですか?」
「オシャレでついてるわけじゃねぇのに取れるわけねぇだろうが」
「心当たりねぇか?手配されるようなこと」
ふとこの前の敵船での内容を思い出した。
「女神ってどこかで聞いたことあったんですけど、思い出しました。この前の船で男の人たちが言ってたんです、天竜人も欲しがる、宝石を生み出す女神様って」
「……天竜人」
「寄りにもよってそこかよ」
「この紙が出てしまいましたけどこの船降りた方がいいですか?」
「さっき言ったろ?降ろしてくれ以外なら聞いてやるって」
その言葉に誠は笑顔になる。
「この船の船員として役職を下さい」
- Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.29 )
- 日時: 2021/07/08 15:17
- 名前: 楼蘭 (ID: 3p1tWxjm)
【29】
あれから数週間がすぎた。
貰った仕事は副船長、ベン・ベックマンの補佐。補佐と言っても書類や在庫確認など出来るものだけ。
なんせ左腕は動かすことは出来るが、
子供並みにしか力は入らず。右眼は目は開くもののもう何も見えていない。
そんないても面倒な誠の唯一出来る仕事が補佐。
「………船長?これは何ですかね?」
「プチ宴」
悪びれる様子もなく昼間っから甲板でおっぱじめていたこの船の船長、シャンクス。
「……今回は控えてくださいねって言いましたよね?」
「なんだ、混ぜて欲しいのか?」
「違います!」
持っていた書類をシャンクスに見せる。
「普段なら何も言いませんが!今回は食料の調達がじゅうぶんではなかったんです!」
「んだよ、そんなの近くの島に……あ」
気がついたシャンクスに誠も首を縦に振る。
「そうです、その辺に島はありません。だから言ったのに……」
顔を下に向けて肩を震わす誠にいつもの笑顔で「そう怒るな」と告げる。
だがその発言に眉間に皺を寄せた誠。
「怒るに決まってんでしょ!!」
他の船員の中では親子みたいだと噂になっていた。
とりあえず残りの在庫確認のため食料庫に。
「よし、多めに乾物頼んでおいてよかった」
リストの確認を終え、部屋を出て副船長室へ足を運んでいると、外が騒がしいことに気がついた。
「まさか……また宴会?」
さっきのプチ宴から本格的な宴会へと移行したのかと甲板への扉を開いた。
目の前に広がるのは船員たちと知らない男たちの戦闘中。
と誠の影に影が重なる。
「やっぱし、いるんじゃねぇか!!」
「私はあなたとは初対面なんですが」
「俺らはお前を探してたんだよ!貴石の女神さんよぉ!」
とりあえずため息をつきながら飛び降りてきた男に持っていたリスト表が挟んであるバインダーを顔面に叩きつけた。
間髪入れず、痛がって前のめりになる男の頭に両手で触ると容赦ない膝蹴りを入れた。
倒れた男を見ながらバインダーを拾おうとするが、背後から両手を上に掴まれてしまった。
「てめぇ、なにしやがる!」
「あなたも無礼なんですねぇ」
そういうと両足を男の首に絡みつけ頸動脈を圧迫させた。男は前のめりに気絶し、ころころと転がりながら着地した誠は散らばったリスト表をかき集めバインダーに挟んでいく。
「大丈夫か?」
優しく声をかけたのは副船長のベン・ベックマンで現上司である。誠を配慮してか左側に立ってくれる。
その背後からひょこっと顔出したのはシャンクスで。
「だせっ!怪我したのか!」
と笑う始末。
その発言にため息をつく誠。
「なんだよ、人の顔みてため息なんて着いて」
「モテる男とモテない男の違いですよね」
「おっ!俺がモテるのが羨ましいか!!」
誠は笑顔で立ち上がるとリスト表をベックマンヘ手渡す。
「やっぱり乾物多く頼んでおいて正解でしたよ、ね?せーんちょ?」
ペラペラとめくるベックマンに誠は笑顔でシャンクスを見る。それはプチ宴の告げ口で、青くしたシャンクスの目に怪しく目を光らせるベックマンがいた。
「誠もいい性格になってきたよな」
「確かに、船長の影響がもろ出てる」
「怪我もしなくなったしな」
- Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.30 )
- 日時: 2021/07/24 15:37
- 名前: 楼蘭 (ID: /p7kMAYY)
【30】
「おっ!誠!」
背後から声をかけられ振り返るとそこに居たのはヤソップ。
「ヤソップさん、どうしたんですか?」
「お前今回は島降りんのか?」
「いいえ、特に必要性を感じませんし」
「そうか…」
あの怪我以降、1人で出歩くのは流石に厳しいので引きこもっている誠に船員、特に幹部たちが気にかけて声をかけてくれるのだ。
「あっ、出来ればシャンクスさんを見張っててください」
「頭?なんで?」
「すぐ変なもの買ってくるので」
「変な物だァ失敬な奴だな!」
丁度通りかかったらしいシャンクスが誠の頭に顎を乗せた。倒れないぐらいに調節してるところは紳士的なのだが。
「…あんなスッケスケのラグジュアリーを変なものと言わずなんと?」
「着ればいいじゃねぇか!特にベックの前で」
無言でシャンクスの足を思いっきり踏みつける。
「っ!!!!」
「スッケスケなのか」
「布じゃありません、レースです。あちら側がはっきりと見えるぐらいの」
「よくそんなの買えたもんだな」
「ほんとですよ、恥じらいってものが無さすぎます」
「色気がないからわざわざ」
「あんまりなことすると書類手伝いませんからね」
「なっ!!横暴だ!」
「買ってこなきゃいいんです」
膨れっ面なシャンクスは誠の姿をまじまじと見る。
「…なんですか」
誠の姿は現在夏島ということもあり、長い髪を固い位置でまとめたポニーテールにノースリーブのガッツリ横が空いた服にショーパン。そしてその上にはベックマンがいつも来ている上着を纏っていた。
「それ、ベックのじゃね?」
「あー、朝起きて暑いのでノースリーブを着たら渡されちゃいました。暑さで気が付かなくって、太い二の腕を見せる所でした」
「いや、それは」
「夏服それしかねぇの?」
「薄いのはこれぐらいですね。大丈夫ですよ、部屋にいる時は内緒で下着になってますけど」
「全然大丈夫じゃねぇ〜!!!」
「間違って開いたら見ものだな」
「…ベックマンさんにはほんと申し訳なく思っています」
「「……」」
この発言はイコール、ベックマンに見られたということで2人は顔を見合わせて頷くとシャンクスは誠を担ぎあげた。
「ファッ!ちょっ!!なに!?」
「夏服買いに行くぜ!」
「私の意見は!?」
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