二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 〜路地裏Diary〜
- 日時: 2023/08/10 09:41
- 名前: ねずみかちょー。 (ID: eso4ou16)
今を懸命に生きる、1人の男。
戦争や、苦しい時代なども体験してきた。
そんな彼の、心の内、
そして、本当に愛するものとは…?
※この小説は、ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター、『ねずみ男』の目線から見た、二次創作小説です。
語彙に乏しいところもありますが、ご笑納頂けると幸いです。
第1話 >>1
第2話 >>2
第3話 >>3
第4話 >>5
第5話 >>10
第6話 >>11
第7話 >>12
第8話 >>13
第9話 >>14
第10話 >>15
第11話 >>16
第12話 >>17
第13話 >>18
第14話 >>19
第15話 >>20
第16話 >>21
第17話 >>22
第18話 >>23
第19話 >>25
第20話 >>26
第21話 >>27
第22話 >>28
第23話 >>29
第24話 >>30
第25話 >>31
第26話 >>32
第27話 >>33
第28話 >>34
第29話 >>35
第30話 >>36
第31話 >>37
第32話 >>38
第33話 >>39
第34話 >>40
第35話 >>42
第36話 >>43
第37話 >>44
第38話 >>45
第39話 >>46
第40話 >>47
第41話 >>48
第42話 >>49
第43話 >>50
第44話 >>51
第45話 >>52
第46話 >>53
第47話 >>54
第48話 >>55
第49話 >>56
第50話 >>57
第51話 >>58
第52話 >>59
第53話 >>60
第54話 >>61
第55話 >>62
第56話 >>63
第57話 >>64
番外編 『遅くに来たぞ!?サンタクロース!!』>>4
番外編 ② 『俺らの夏。ゲゲゲの夏。』 >>24
番外編 ③ 「ハロウィンの夜に見えたもの。」 >>41
- Re: 〜路地裏Diary〜 ( No.61 )
- 日時: 2023/05/22 09:34
- 名前: ねずみかちょー。 ◆fCJR3geAiY (ID: fQORg6cj)
第54話
あれから幾年経っただろう。
俺は、いつものように路地裏で、店のオヤジの目を盗みながらゴミ漁りをしていた。
季節は8月。アスファルトからも熱気が立ち上ってくる季節で、ローブの裾でいくら拭っても汗が滴り落ちてくる。
こんな猛暑の中、美味い残飯なんかあるか?という話だが、今は、事業に失敗したばかりで金が1文無しの状態だ。背に腹は変えられない。
ゴミ箱の底まで漁っていると、ふと後ろで誰かの足音が聞こえた。
鬼太郎や猫娘、他の凶悪な妖怪の気配ではなさそうだったが、念の為にそっと振り返ってみた。
- Re: 〜路地裏Diary〜 ( No.62 )
- 日時: 2023/06/16 09:36
- 名前: ねずみかちょー。 ◆fCJR3geAiY (ID: DMJX5uWW)
第55話
恐る恐る振り返ると、そこには、どこか見覚えのある小柄な女が立っていた。
腰まである髪に、小ぶりのメガネ。
身長は、150くらいだろうか。
…梨緒か!?
いや、違うよな。世の中には似てるやつが3人はいるっていうからな。
俺は溢れる動揺を押し殺し、路地裏を後にしようとした、その時だった。
そいつは指で目尻を一撫ですると、誰に話しかけるとでもなくぽつり、と「…ねずみ男さんですよね?」と呟いたのだ。
この声、そして、そこにいるだけでも伝わってくる独特のオーラ。確かに梨緒だ。
あの日出会った時、肩までだった髪は、背中まで伸び、ふわふわと風に吹かれて揺れている。
俺は返す言葉に詰まり、二人の間にしばらくの無言の時が流れた。
- Re: 〜路地裏Diary〜 ( No.63 )
- 日時: 2023/07/12 12:43
- 名前: ねずみかちょー。 ◆fCJR3geAiY (ID: vKymDq2V)
第56話
先に言葉を発したのは、梨緒だった。
「…私、ねずみ男さんのこと、ずっと待ってたんです」
そう言って、いきなり俺の背中あたりに抱きついてきた。
もちろん、そんなシチュエーションに慣れていない俺にとっては、心拍数はバクバクだし、顔も小っ恥ずかしいほどに火照ってしまっている。
…ひとまず、俺は梨緒を自分の体から離すことにした。
彼女の綺麗な身なりに、臭いや汚れが着いても申し訳ねぇしな。
「…すまん、梨緒。俺、こういうの慣れてねぇからよ、ちょっとだけ間空けてもらえねぇか?」
そう言うと、彼女は素直にその言葉に従ってくれた。
ほっと胸を撫で下ろしていると、梨緒は、身長差もあるだろうが、若干の上目遣いで俺の事を見つめてきた。
- Re: 〜路地裏Diary〜 ( No.64 )
- 日時: 2023/08/10 09:40
- 名前: ねずみかちょー。 ◆fCJR3geAiY (ID: eso4ou16)
第57話
そして、梨緒はこう続けた。
「…ねずみ男さん、お手紙読みました。初めてお見かけした時から気になってて、いつかは一緒にお喋りできたらなぁって思ってました。ーでも…!!!」
そこで言葉が途切れたのを不思議に思い、彼女の顔をそっと横目で見る。
俺の目に映る梨緒は、悲しみに満ち溢れていた。
瞳に涙さえ浮かんでいる。
どうしたんだろう。
でも、その先を根掘り葉掘り聞くのは何だか憚られるような気がしたので、俺はひとつの提案をした。
「…なぁ、ラーメン食いに行かねぇか?もちろん、おごってやるからよ」
- Re: 〜路地裏Diary〜 ( No.65 )
- 日時: 2023/09/07 12:58
- 名前: ねずみかちょー。 ◆fCJR3geAiY (ID: .uCwXdh9)
第58話
そう言うと、梨緒は返事の代わりか、無言で頷いた。
ー所変わって、ここはとある都内のラーメン屋。俺が最も行きつけとしている店だ。
店に入ると、店主が「入り口付近の席へどうぞ〜」などと言うが、その案内を無視し、お気に入りの1番奥の席へと移動する。
ここの看板メニューは、チャーシューマシマシラーメンとチャーハンのセットだ。
かなりのボリュームがあるから、これさえ食えば事業に失敗して金がなくて困った時も、1週間は持つんだよなぁ…
「さ、梨緒は何にするんだ…?」
そう言って梨緒の方を振り返ると、目にたくさんの涙を浮かべていた。
今にもこぼれ落ちそうなほどに。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13