二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 〜路地裏Diary〜
- 日時: 2023/03/20 09:53
- 名前: ねずみかちょー。 (ID: k9gW7qbg)
今を懸命に生きる、1人の男。
戦争や、苦しい時代なども体験してきた。
そんな彼の、心の内、
そして、本当に愛するものとは…?
※この小説は、ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター、『ねずみ男』の目線から見た、二次創作小説です。
語彙に乏しいところもありますが、ご笑納頂けると幸いです。
第1話 >>1
第2話 >>2
第3話 >>3
第4話 >>5
第5話 >>10
第6話 >>11
第7話 >>12
第8話 >>13
第9話 >>14
第10話 >>15
第11話 >>16
第12話 >>17
第13話 >>18
第14話 >>19
第15話 >>20
第16話 >>21
第17話 >>22
第18話 >>23
第19話 >>25
第20話 >>26
第21話 >>27
第22話 >>28
第23話 >>29
第24話 >>30
第25話 >>31
第26話 >>32
第27話 >>33
第28話 >>34
第29話 >>35
第30話 >>36
第31話 >>37
第32話 >>38
第33話 >>39
第34話 >>40
第35話 >>42
第36話 >>43
第37話 >>44
第38話 >>45
第39話 >>46
第40話 >>47
第41話 >>48
第42話 >>49
第43話 >>50
第44話 >>51
第45話 >>52
第46話 >>53
第47話 >>54
第48話 >>55
第49話 >>56
第50話 >>57
第51話 >>58
第52話 >>59
番外編 『遅くに来たぞ!?サンタクロース!!』>>4
番外編 ② 『俺らの夏。ゲゲゲの夏。』 >>24
番外編 ③ 「ハロウィンの夜に見えたもの。」 >>41
- Re: 〜路地裏Diary〜 ( No.55 )
- 日時: 2022/11/15 12:44
- 名前: ねずみかちょー。 ◆fCJR3geAiY (ID: jWLR8WQp)
第48話
「…そしてだな、お主と一緒にいた〝梨緒〟という小娘についてのことだ」
大天狗の口から、梨緒…という名前が出た瞬間、脈拍が今までにないほど早くなるのが感じ取れた。
俺の経験上、こういう時は嫌な出来事が起こる前兆なんだ…
聞きたくない気持ちはやまやまだったが、なんとか言葉を絞り出した。
「…梨緒がどうかしたんですか?」
「それはだな、あの娘を助ける代わりに、お前と過ごした記憶を全て消させてもらう」
その瞬間、頭を撃ち抜かれたような衝撃が走った、ような気がした。
傍から見れば確かに、俺と梨緒が共に過ごした時間は決して長いものとはいえないだろう。
だけど、あの日の出会いから、今まで経験した数々の不思議な出来事。
それらによって、俺たちの絆は、出会った時の倍以上に強く結ばれていると信じていた。
- Re: 〜路地裏Diary〜 ( No.56 )
- 日時: 2023/01/17 09:26
- 名前: ねずみかちょー。 ◆fCJR3geAiY (ID: q9W3Aa/j)
第49話
それを簡単に消すだなんて、なんという無慈悲な野郎だ……!
俺は、電話口で拳を固く握りしめたが、そんなことしたって状況は一向に変わってくれやしないことは分かっている。
そして、頭のどこかで冷静な俺が、こうも言っていた。
ーこれもまた、梨緒を守るためには必要なことなのかもしれないな。
まだ納得はいかない部分もあるが、ここはひとまず、電話口で待っている大天狗に了承した旨を伝える方が先だろう。
「……わかりました。その方向でお願いします」
そう手短に伝えた後、日頃の行いのことについても念押しされたところで、一旦電話は終了となった。
……何だろう。ここ最近、色んな出来事が重なりすぎて、思考がうまくついていかなくなっている気がする。
俺の持ち味である、金儲けのテクニックも鈍ってきているし…。
俺はとりあえず、頭を冷やすために、手元にあった茶を一気に喉へと流し込んだ。
焦燥感で火照って出来たイライラも、喉の奥へと一緒に流れ込んでいくような気がした。
- Re: 〜路地裏Diary〜 ( No.57 )
- 日時: 2023/01/18 09:35
- 名前: ねずみかちょー。 ◆fCJR3geAiY (ID: oBSlWdE9)
第50話
その時、ふと思いついたこと。
それは、梨緒へ手紙を残す、ということだ。
手紙なら形にも残るし、もし記憶を消されたとしても、それを見たら俺の事を思い出してくれるかもしれない。
そんな一抹の期待を込めて、俺は近くにあった藁半紙と、インクの切れかけているボールペンを手に取り、今の思いを赤裸々に書き綴っていった。
俺はこんな身の上だから学校にも行けず、基礎的な漢字は書けずじまいだ。その上、字はミミズがのたうち回ったようにぐちゃぐちゃだが、相手に伝われば十分だと思い、構わなかった。
我ながら下手な字だし、記憶を失っている方からしたら、ただの不審者だと思われかねないだろう。自分でも無謀な行動だと頭ではわかっている。
でも、なぜかペンを動かす手は止まらなかった。
- Re: 〜路地裏Diary〜 ( No.58 )
- 日時: 2023/02/22 09:45
- 名前: ねずみかちょー。 ◆fCJR3geAiY (ID: pUqzJmkp)
第51話
梨緒の記憶の中に、俺のことを僅かばかりでも焼き付けておいてくれればいい。
その思いでいっぱいだった。
5分から10分ほどして、ふと手元を見ると、そこには俺の今の思いの全てを綴った文が、ずらりと並んでいた。
今まで伝えられなかった思い。
犬神と鬼太郎が言い争っている時に、身を呈してまで、そんなのダメだと伝えたことの立派さ。
それらが全部、胸にずしりとのしかかってきて、不意に涙が溢れそうになったが、急いで目をゴシゴシと擦(こす)る。
改めて自分が書いた手紙を見返してみると、ひとつ大事なものを忘れていることに気がついた。
- Re: 〜路地裏Diary〜 ( No.59 )
- 日時: 2023/03/20 09:55
- 名前: ねずみかちょー。 ◆fCJR3geAiY (ID: k9gW7qbg)
第52話
ーそう、1番肝心なのは宛名と差出人名がわからないことだ。
これが無ければ、梨緒の元へ届く保証はどこにもない。
ただ、これは1種の賭けのようなものに過ぎない。俺は深呼吸をすると、指笛を吹いた。
すると、どこからか薄汚い野良ネズミが2匹現れ、俺の前にやって来た。
こいつらは俺の子分のようなものだ。
以前、金がなくてゴミ置き場で残飯を漁っている時に見かけて、りんごの欠片(かけら)を与えたら、それが大層美味かったらしく、それ以降も俺を慕ってきている。
…といっても報酬をやらないと動かないがな。全く、誰に似たんだか。
ということで、俺は傍にあった干からびたジャーキーをそいつらに投げてやると、喜んで食べだした。
よほど腹が減っていたんだろう。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12