二次創作小説(紙ほか)
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- ポケモン二次創作 裏の陰謀
- 日時: 2022/09/29 16:23
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: 5VUvCs/q)
- プロフ: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12800
ここはは地球。
この星の不思議な不思議な生き物、ポケットモンスター
ちぢめて「ポケモン」
彼らは、海に大地に空に森に、至るところに生息している。
この世界には『表』『裏』があり、どちらを潰しても作っても、必ず表裏は現れてしまう。5年前それを無くそうとした哀れな小さき人は、結局世界に絶望し、失望し、仲間だけを助けようとしたが、仲間も、自分自身も失い、体を溶かした。これは、そんな世界で旅を始めた4人の少年少女達が『裏』に巻き込まれ、時には巻き込み牙を向け向かれる。そんな誰かを救おうとする哀れな人の物語。
※注意
〇これはポケモン二次創作です。原作とはなんの関係もございません。
〇微グロ注意です。
〇二次創作キャラもいます。殆どがオリキャラ、リクキャラです。
〇こんなのポケモンじゃねぇ!という方は閉じていただいて…
〇総合リクにて連載されているsidestory『最期の足掻き』も見てもらえれば更に楽しめると思います。
【目次】
〇第1部 ~イッシュ編~
始まりの始まり。いや、もう本当は始まっていた。その始まりを活発化させるレイナ、ヒュウ、トモバ、マオが四苦八苦しながら自分に向き合い、自分なりの答えを探す旅。
「登場人物紹介」
ホドモエシティ※ネタバレ注意
(トモバ~私~)時点の紹介 >>86
《プロローグ》 >>1-8
【第一章】レイナ
〜旅に出る〜 >>10-21
【第二章】ヒュウ
〜ジム戦と成し遂げないといけないこと〜 >>24-28
【第三章】トモバ
〜逃げる責任感〜 >>29-34
【第四章】マオ
~目的~ >>35-42
【第五章】レイナ
~信じる~ >>43-51
《第5.5章》レイナ
~進歩~ >>52
【第六章】ヒュウ
〜強さ〜 >>57-73
《6.6章》ヒュウ
〜俺のち俺〜 >>74
【第七章】トモバ
〜私〜 >>75-90
【第八章】マオ
〜PWT〜 >>92-102
【第九章】レイナ
〜過去と仲間と霊 麗菜〜 >>104-111
【第十章】ヒュウ
~海だ!春だ!夏じゃねぇのかよッ!〜 >>112-118
【第十一章】トモバ マオ
〜1歩先へ踏み出すために〜 >>120-124
【第十二章】〜終わりの始まり〜
>>125-
ーーーーーーーーーー
【短編集】
イッシュ編
マオとレイナのバレンタインデー >>96
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.77 )
- 日時: 2022/04/06 13:02
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: Re8SsDCb)
「何」
レイナが即座にその悲鳴に反応する。
「キャー!」 「イヤー!」
すると次々と女性の悲鳴が聞こえてくる。
これは結構大事じゃない…?!
レイナとマツリも同じことを思ったのか顔を青く染める。
すぐに私たちは声の方に進む。そこには
「なにこれ」
マツリが呆然とその光景を見つめる。
そこには百貨店の服のバーゲンのように女性が密集している。その中心には何やら男性がポツンと立っている。
「カシワ…」
その時。レイナが珍しく苦虫をかみ潰したような顔をする。
カシワ…?めっちゃ聞き覚えがある名前だ。
私達が通っていた学校で、クラスの…いや、学校の人気者だった私達より1つ年上の少年、黒薙 柏だ。通称キング 学校で女子に一番モテるため付けられた名前だ。
因みにレイナは誰とでも仲良く楽しく過ごしているカシワと真反対で、基本1人で誰とも関わらない高嶺の花である。
しかし、いくらカシワさんが人気者だからってレイナがカシワの名前を覚えてるなんて… まさかレイナ惚れてる?!
「あっ、レイナじゃないかっ!ちょっとごめんね」
カシワさんが大声を出すと私達に近づいてきた。
え?!何!レイナの知り合い!嘘!
と私は一人心の中で盛り上がっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜レイナ〜
女性達が群がり叫んでいる所を見た私は何か起こったのではないかと思い肝を冷やした。しかし、僅かに見える彼の頭を見た瞬間。肝を冷やし損だったことが分かった。
「あっ、レイナじゃないかっ!ちょっとごめんね」
私と同級生の黒薙 柏だ。彼はクラスいや、学校全体の人気者で、嫌がらせを受けている私とは対称的な人だ。
しかし、授業のバトルでよく誘われたり、休日外でブティックやカフェに付き合われてバトルしたり… 結構関わりはある。
幼馴染ぐらいしか関わろうとしない私がクラスメートと関わってる理由。それは
「レイナ!バトルしようぜ!」
お互い良くも悪くもバトルバカだからだ。
「えぇ。望む所よ。」
ーーーーーーーーーーーー
カシワに群がっていた人々が私達がバトルできる程度に離れた所。マツリが私達の真ん中にたつ。
「えーごほんっごほん!今からカシワ対レイナのポケモンバトルを始めます。両者つかうポケモンは三体ずつ。」
両者のポケモンの数に差があった場合平等出ないため、3対3でやることになった。そしてマツリが続けて告げる。
「どちらかのポケモンが全員戦闘不能になった方の勝利です!それでは、初め!」
マツリが告げた瞬間私たちはボールを構えた。
「いくよっ!ケンホロウ!」
「いけっ!エアムード!」
私はケンホロウ、カシワはエアムードを繰り出した。
私の手持ちは、現在エースのルカリオ、相棒のイーブイに加え、ジャローダ、ケンホロウ、ゾロアだ。
ゾロアはこの前ホドモエシティにて、ロッドさんから頂いたポケモンだ。ゾロアは新入りのためあまり育成も出来ておらず強くない。だから今回はゾロアを出すつもりは無い。
対してカシワのボールは4つ。4体のポケモンが居るということ。良いのか悪いのか私達はポケモンスクールに通い始めてからの付き合いのため、数体ポケモンは分かっている。タッツーとマグマックだ。旅に出てレベルが上がってることを考えるとキングドラとマグカルゴは確定で居るということ。そしてカシワが繰り出したポケモンはエアムード。あとは1匹不明だ。
三対三のため、相手はエースのタッツー(?)を出してくるだろう。そして今はエアムードが出ている。そのためあと一体はマグカルゴか不明なポケモン。きっと相手は不明なポケモンを出してくるだろう。
うーん…私は何を出そう。相棒のイーブイは見抜かれてるため出すことが出来ない。ゾロアもだ。なら消去法でルカリオとジャローダだな。うん。決めた!
私はエアムードを見る。相手は はがね、ひこうタイプ。対してこちらはノーマル、ひこうタイプだ。相性負けしている…
でも、速さはこちらの方が勝っている…!
「エアムード。こうそくいどう!」
はい速度負けしましたー。エアムードの素早さが2倍になりましたー。この勝負は負け戦になるかな。これは変化技で何とかするしかないかな。私は鼓動が早鐘を打ち始めるのを感じる。それと同時に大きな不安が津波のように押し寄せる。私は頭をふり、その思考を振り払う。
「ドリルくちばし!」
エアムードが迫ってくる。私もケンホロウも汗が頬をつたる。
「ケンホロウ!みきり!」
取り敢えずここは守ることにする。エアムードはひるんで動きを止める。そして私の鼓動がより強く鳴る。よし、チャンスだ。
「ケンホロウ!エアスラッシュ!」
ケンホロウが素早くエアムードに近づきエアスラッシュを食らわせる。
「ギャッス…」
エアムードは少し下がるが、直ぐにこちらを睨みつける。
やはりひこうタイプは効果いまひとつだ。どうするか…今からポケモンを変えようにもこちらが不利になるだけだ。仕方ない。ケンホロウで貫くか。
「効かないよ。エアムードつばさでうつ!」
エアムードが向かってくる。速い、かわせない…!私の胸は更に早くなる。
「ホウッ!」
ケンホロウがダメージを受ける。ひこうタイプの技はあまり受けないはず…なんだけど。半分以上ダメージを受ける。
「どうだレイナ!この技の威力は」
「くっ…凄い…」
多分何か威力が上がる持ち物を持ってるな。するどいくちばしかな。私のケンホロウもするどいくちばしを持っているけど、効果いまひとつの上にエアムードは防御が高いため、あまりダメージが通らない。
「ケンホロウ!フェザーダンス!」
するとケンホロウはエアムードの周りを飛び回り、羽が落ちる。
これでエアムードの攻撃が2段階下がったはずだ。
「やるね…はがねのつばさ!」
エアムードがケンホロウに向かう。
「向かいうて!エアスラッシュ!」
ケンホロウもエアムードに向かう。
するとエアスラッシュとケンホロウがぶつかる。
なんとかケンホロウに耐えて貰いたい所だけれど…
私は祈る気持ちでその2匹を見つめる。
「ホゥッ!」
ケンホロウがエアムードに飛ばされる。
その瞬間周りがスローモーションに見える。
「とどめのドリルくちばし!」
エアムードが素早くケンホロウにダメージを与えた。
ケンホロウはぐったりとし、目を回している。
「ケンホロウ!戦闘不能!」
マツリが大声で叫ぶ。
私はケンホロウをボールに戻す。するとボールがカタカタと動く。
なんか悔しがってそうだ。私は特にこれといった表情はせずボールをなでる。
と言いつつ私も胸をあし掴みにされたような気持ちになる。
次は何を出そうか。生憎エアムードの弱点を付けるタイプは今持ち合わせていない。しかし、選択肢はルカリオとジャローダしかない。ジャローダはダメだ。エアムードに不利だ。なら
「ルカリオっ!」
私のエース。ルカリオを繰り出す。
「ガルっ!」
ルカリオは私の方を見つめる。
その目はまるで「任せてくれ」と言ってるように見える。
私はその頼りがいがある背中に身を任せたくなるが、自分もトレーナーだ。ルカリオに頼られるようにならなければならない。
「いくよっ!」
「ガルルッ!」
私とルカリオは叫んだ。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.78 )
- 日時: 2021/11/11 14:59
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: fqLv/Uya)
「エアムードはがねのつばさ!」
エアムードがまた向かってくる。私はスッと息を吸い、エアムードの起動を見る。
「ルカリオ金属音!」
ルカリオが両手の甲に生えてる角を合わせてエアムードに向かって音を出す。
キィィーーーーン
辺りが黒板に爪を立てたような音でみちる。
周りにいた人たちは耳を塞ぐ。エアムードもその音にひるみ攻撃をキャンセルする。
しかし、エアムードは、はがねのつばさにより防御が2段階上がっている。そのため物理技は効かない。しかし…
「ルカリオ!追撃のはどうだん!」
ルカリオはエアムードにゼロ距離ではどうだんを食らわせる。エアムードはそのまま吹っ飛ぶ。
それを見た私は少し視界が広がる感覚を覚える。
はどうだんは特殊技。エアムードは特防が低いそして、更に金属音で特防が2段階下がっている。
これはかなりのダメージが入ったのではないだろうか。
私は思わず口角を上げてしまう。
カシワも私と同じことを考えたのか顔を顰める。
「とどめのスピードスター!」
ルカリオは倒れたエアムードにスピードスターを食らわせる。
ルカリオは覚える技は物理技が多い。しかし、私のルカリオはレベル35。35だと覚える強い物理技が少ない。そのため私のルカリオは特殊型だ。
金属音で特防を下げ、はどうだん、スピードスター、シャドーボールですぐトドメを指す型。単純だが、今のレベルだとこれが最前と思う。
「エアムード!戦闘不能!」
マツリは楽しそうに飛び跳ねながら手を上げる。
よし、これで2対2だ。なんとか対等に持ち込めた。
このまま押し切れたら…!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜マオ〜
PWT内にて。意外と人が集まっている事に驚きながらサイコソーダを飲んでいた。ソファや自動販売機、大きなモニターや受付場等が準備されており、大会という感じが改めて感じる。
「レイナとトモバとマツリが居ないな。」
俺と一緒にサイコソーダを飲んでいたヒュウが呟く。
「ヒユウってレイナちゃんが好きなの?」
唐突にツバキがヒュウに聞く。ヒュウはサイコソーダを飲むのを辞め、ツバキをこれ以上無いほど睨みつけた。しかし顔はマトマの実のように真っ赤になっている。
「そんな睨みつけないでよ。顔真っ赤だよ?」
ツバキがヒュウをからかう。ヒュウは怒りと恥ずかしさでもっと顔が真っ赤になった。
こんなにヒュウをからかえるやつなんてツバキしか居ないんじゃないか?
「別に好きなんかじゃない。」
ヒュウは拗ねた子供のような態度を示す。昔からこの一点張りで認めようとしないのだ。
「嘘だ。レイナちゃん見る目がいやらしいもん」
「ブハッ!」
ヒュウがレイナをいやらしい目で見ている。想像したらありえない光景とヒュウならやりそうな矛盾が面白くつい吹いてしまった。
「マオ。俺ならやりそうとか考えてねぇだろうな。」
ヒュウが怒りを露わにして俺を睨みつける。
なんでこんな時だけ察しがいいんだよ。
俺は苦笑いをしてヒュウを見る。
「で、アプローチとかしてないの?」
ツバキが新たにからかうネタを手に入れ水を得たコイキングのように生き生きとする。
「しねぇよ。そんなの。」
ヒュウが言ってる通り、レイナにこれといったアプローチを見たことがない。レイナが好きなのは明らかなのに。奥手なだけなのか、それとも…
「楽しそうな恋バナしてるじゃないか。俺も入れてくれない?」
そのとき。聞きなれない声が聞こえてきた。後ろを振り向くとそこには俺達より年上の青年が立っていた。
黒髪のアシンメトリーに青いキャップを斜めに被っている。赤い瞳に青いパーカー、黒い長ズボンを履いて、青と白の運動靴を履いている。首にはひし形のロケットをかけている。
「えっと、貴方は…?」
俺が問いかけるとその青年は忘れていたという顔をする。
「よ!俺はムスカリー・ソウルだ。どう呼んでくれても構わない。こっちは俺のルカリオだ。」
「ガルルッ!」
ルカリオは嬉しそうに鳴く。
2人はニコニコと俺たちに微笑みかけている。しかし、その雰囲気は強者感が漂っている。
「えっと…こんにちは。俺はマオです。」
その雰囲気に緊張しながら俺はとりあえず挨拶をしとく。
「俺はツバキです。」
「ヒユウです。」
各々自己紹介をした。
「えっと…ムスカリーさんも大会に出場するんですか?」
ツバキがそう問いかける。
「ムスカリーでいいよ。俺は…そうだな…。カゲロウ会長のお手伝いに来たんだ。」
「親父の…?」
確かに、こんな強者感溢れる人が大会に出場したら、初心者、中級者を集めた大会で無双してしまうだろう。
「ってことは、君はカゲロウ会長の息子さんなんだね。よろしくっ!」
と、俺の頭をワシャワシャと撫でてくる。フレンドリーな人だなぁ。
「カゲロウさんの手伝いってなんの手伝いなんですか?」
「んー、秘密。」
ムスカリーがイタズラな顔で答える。
親父の事だからこの大会もなにか裏があるのか…?
純粋な大会と思っていたが、疑いがひとつ増えた。
「カゲロウ会長って…あの統治グループ会長の?」
ツバキが驚きながら言う。統治グループは世界的にも有名で、誰でも知ってるがその会長の名前も知ってるなんて意外と博識なんだな。
「そうだ。俺の親父だな。」
「うっそぉ。」
ツバキが驚く。そりゃそうだろうな。一応御曹司ってことになるもんな俺。
「てか、話戻るけどレイナは?」
ヒュウがはっと我に返る。
「トモバとマツリも忘れるな。」
俺がすかさずツッコミを入れる。
「ん、レイナって…」
そんなムスカリーの呟きを気にする暇もなく、ヒュウはPWTの外へ出た。
「俺達も行くか。」
俺がつぶやくとムスカリーとツバキもヒュウについていった。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.79 )
- 日時: 2021/11/23 23:49
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: 49hs5bxt)
俺たちが外へ出ると、そこには尋常でない程の女性の人だかりが出来ていた。
なんだ?有名なアイドルでも来てるのか?
そう思いながら、俺達は人混みを掻き分けながら中心へと移動する。
「あ、マオ!ヒュウ!と...誰?」
「ちょ、マツリ、失礼でしょ」
そこにはトモバとマツリ。そしてレイナとカシワが居た。
カシワは学校でのモテキングで廊下を歩けばたちまち女子の軍団が出来るのだが、外でもそれを発揮するとは思わなかった...
てか、なんでカシワがここにいるんだ?俺達の中でカシワと関わりがある奴なんて思いつかないが...
「今レイナとカシワがバトルしてたのよ」
トモバが状況説明をしてくれる。
レイナとカシワは離れたところでなにか話している。レイナの膝には弱ったイーブイが居る。多分バトルしてレイナが負けたのだろう。
「レイナとカシワって...関わりあったのか?」
ヒュウが俺も思ってた疑問を投げつける。
「それが結構あったらしいよ」
トモバの代わりにマツリが答える。
俺もヒュウもそんなこと知るはずもなく、唯あんぐりと口を開ける。
結構相性反りあってる同士と思ってたんだがな...
「ムスカリーさん...?!」
レイナが大きくもない声で言うと、こちらに向かってくる。
まさかこの2人も知り合いなのか?
「あ、あの時の!レイナだっけ?」
「はい。あ、あの時は...ありがとうございました。」
レイナがぺこりとムスカリーさんにお辞儀をする。
本当に一体この2人に何があったんだ?!
「あぁ、いいよいいよ。あと敬語も大丈夫だよ。さん付けも要らない。」
「え、あ、はい。じゃなかった。うん。」
レイナも旅をして色んな人と巡り会ってきたんだな。そう思うと身近にいた妹のようなレイナが急に遠くへ行くように感じ、寂しくなる。
「ん?レイナ以外は初めましての奴が多いな!」
置いてきぼりにされていたカシワが向かってくる。そういえば、カシワと同じ学校に通ってた俺らは噂程度でカシワを知ってるが、カシワからしたら俺らのこと知らないよな。初対面だ。
「俺様はカシワ様だ!チャンピオンの座をこの手で掴み取って見せる男だ!!」
と、俺達が言う前に中々派手な自己紹介をしてくれた。ムスカリーさんといいカシワといいかなり元気でポジティブそうな人がいるな。
「俺はマオ、このハリセーンがヒユウで、金髪ウェーブの奴が俺の妹のトモバ。カシワと同じ学校に通ってる。ちなみにレイナ含めこの4人は幼なじみだ。で、こちらのシアンメトリーの方はムスカリーさんと、マツリ。」
「なんで俺だけ悪意ある紹介なんだよ!」
少しヒュウが煩いが、毎回恒例、俺の役割になりつつある自己紹介を一気に俺がこなす。
「俺はさん付けしなくてもいいよ」
と、ムスカリーが苦笑いする。
「レイナからマオ、ハリセーン、トモバの事は聞いてる!よろしくなっ!」
「ハリセーンじゃねぇヒユウだ!」
と、カシワがニカッと笑うと同時に周りの女性達が「キャァッ!」と悲鳴をあげる。
ヒュウは諦めたのかはぁとため息をついている。
「とにかく、ここじゃ目立つから、会場に入りましょう。」
レイナが冷静に言う。その通りだ。俺達は女性の山をかき分けて会場に入った。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.80 )
- 日時: 2021/12/02 18:00
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: 4xvA3DEa)
〜トモバ〜
会場に入ると結構な人数が集まっていた。
大会に出場する人、大会を見に来た人、統治グループの顔色を見に来た人。様々な人がいる。
「あ...レイナ...!」
すると向こうから物静かそうな薄紫色のボブの女子がたとたとと向かってきた。
「あ...サツキ」
「ありゃ?レイナ知り合い?」
お互い名前を言い合ったため聞いてみる。うーん...薄紫色の髪に緑の目。顔のパーツ諸々合わせて私の美少女センサーは反応しない。あまり良い容姿じゃないや。まあレイナ程の美少女と渡り合える人は中々居ないけどね!
と心の中でふんぞり返る私。
「えと、お2人はどういう関係で? 」
いつの間にか混ざってたツバキが問いかける。
「えと...私...レイナ...いとこ...」
レイナのいとこ?!髪色も...瞳も...全然似てない!
「全然似てない!」
私が思ったことをそのまま吐き出すとレイナに頭をバシッと叩かれた。
痛い。けど美少女のだったらご褒美です。
「私養子だからね。」
そっか。レイナは養子だったね。なら実質血は繋がってないのか。
「血が繋がってなくても...いとこは...いとこ...」
サツキはレイナの後ろに隠れて私に講義する。
「ご、ごめんって、あ、私トモバ!」
「私は...小野寺...皐月...」
「俺はマオだ。左のでかいヤツがヒユウ。ゴーグルつけてるやつがツバキ」
「よろしくね」
紹介され、ツバキは微笑む。
「そして、こっちが...」
「俺様はカシワ様だ!よろしくなっ!」
レイナがカシワを紹介する前にカシワが自己紹介する。
「よ、よろしく... 」
相変わらず物静かな子だ。仲良くなれるかなぁ
「ヒユウだ!ヒユウー!」
ありゃ?またまた誰かの知り合い?
「あぁ。リンドウじゃねぇか。」
今回はヒュウの知り合いか。皆旅して色んな人と出会ってるんだなぁ。どんどん幼馴染が遠い人に見えてくる。
この人は...緑の髪に赤い目。ちょっと髪が長いかな。ワンコ系男子な見た目が可愛い。けどイケメンの部類にはギリギリ入らない感じ。
「あれ?皆大会に出る人かなぁ?」
「ええ、私はヒュウと、赤髪のマオ、金髪のトモバの幼馴染のレイナよ。」
「そっかぁ。僕もヒユウの幼馴染なんだぁ。」
「小一からの付き合いなんだ。」
ヒュウがリンドウを紹介している。リンドウへの対応が柔らかい当たり良い付き合いなんだろうなぁ
「私は5歳からの付き合いだし...」
レイナがボソッと呟く。
え、あ、お?!あのレイナが...レイ レイナが嫉妬をしている?!
お?おおお!おおおおお!
やばい!私!落ち着け!深呼吸だ!ヒッヒッフー!あ、これは妊婦さんだ。
「レイナ...嫉妬...か?」
ヒュウが確信をつく。
おいおい!この展開はニヤケが止まらないわよっ!キャーーー!!
私はニヤける頬を両手で抑えながらその様子を見守る。
「くだらない事で私が嫉妬する訳ないでしょ」
レイナが冷たく言い放つ。けどね、幼馴染には分かるよ。めっちゃ赤面してる。
「そうか?それにしては...」
「ヒュウ。俺ら以外にも幼馴染がいたなんて知らなかった。」
ヒュウがレイナ弄りを始めようとするとそれを遮るようにマオが言う。
「あぁ、あまり会えなかったからな。」
「うん。なんか分かんないけどよろしくねぇ」
ちぇー。珍しいレイナ弄りができる所だったのに...
「あれこの集まりはもしかして出場者?」
私の後ろからピョコッと美少女が出てくる。
「おっふ...美少女」
とつい声が出てしまった。まあレイナの方が顔のパーツ整っておめめパッチリで私好みなんだけどね。
「誰が美少女だ!僕は桐崎 椎菜!男の子だ!今回の大会の出場者だ!」
「シイナも、出場者か...てことはこれで出場者全員か?」
マオがまとめてくれる。わぁお。いつの間にか結構人数集まってたんだね。
「数えると...」
「あ、俺は抜いてね出ないから」
あら、シアンメトリーのイケメン...確かムスカリーさんだっけ?は出ないらしい。お父様の手伝いだったわね。
「私、ヒュウ、トモバ、マオ、セブン、マツリ、シイナ、ツバキ、リンドウ、カシワ、サツキの11人ね。奇数?カゲロウ社長主催のの割にはキリが悪いのね」
レイナがすぐさま数えてくれる。さすがレイナ!頭も良くてバトルも強くて美少女なんて痺れる憧れるっ!
「あ!はいはぁーい!ここに1名!」
マツリが、手を挙げてこちらにアピールする。
その横には背が小さい金髪の可愛い子が出てくる。
「はい、自己紹介どうぞ!」
マツリが自己紹介を促すあたりマツリの知り合いのようだ。
「えと、如月 瑛斗です如月 瀬文の弟です...」
「セッセブンの弟?!」
レイナがらしくもなく声を上げる。セブンって確かパルシェンの子よね。人が多くて覚えられないわ...
あの子ここに来た時に会ったっきり居ないわね...あ、私達から離れた所にパルシェンといるわ。私達とはつるみたくないのね。嫌な奴。
「え、レイナセブンのこと知ってるの?!」
「ええ。一応」
「仲間だ!嫌な奴だよね!」
謎マツリとレイナが意気投合しちゃってるわ。
でもこれで出場者は集まった感じね。この中でバトルかぁ...勝てる自信が無い...というか、この旅で私の弱さを実感したのよね。もう旅辞めようかな...
私は手持ちのモンスターボールを握りしめた。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.81 )
- 日時: 2021/12/02 17:54
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: 4xvA3DEa)
『出場者の、方々は受付でホテルのチェックインを済ましてください』
この施設ホテルもあるの?!お父様盛りすぎでしょ...
「ホテルだって!トモバほら行こ!」
と、マツリが私の手を引っ張る。
「え、あ、ちょ!」
私はレイナと一緒の部屋でキャッキャウフフして美少女を1晩拝みたかったんだけどなぁ
「チェックインお願いしまーす!」
マツリが元気よく受付嬢さんに言う。
「では、本人確認のため顔認証お願いします。」
てことは出場者の顔は登録されてるってこと?!昔からの付き合いの私とレイナ、ヒュウ、マオはデータベースにあるとしても他の人は何故あるの?!
もう統治グループの強大さは突っ込まないでおこ...
約150cmの棒の先にスマホ型のパネル画面があって、内カメのようになっており、私たちの顔が見えている。
マツリがそこに顔をかざすと『ピッ』という音が
する。
「はい。雪野茉莉様ですね。この鍵をどうぞ。」
受付嬢さんが部屋番号が書いてある棒に鍵がついている物を回してくれた。
「ホテルここを出て向かい側にある建物です。」
あ、バトル会場にあるわけじゃないのね。そして皆次々にチェックインをしていくのだが…
「……届かない」
身長120cm 体重20kgのレイナは150cmもあるパネルに顔が届かず戸惑っていた。
いや、可愛すぎるありがとうございますっ。
私は高鳴る自分を押さえつけるために顔に手を添える。
「何してんだよ。ほら」
後ろにいるヒュウがレイナを抱き上げる。さすが小4にして身長150cm。画面に余裕でとどく高身長。てかレイナとの距離近いけど意識しないのかしら?意識しなさいよそこは。
私は尊い気持ちに身を包まれた気持ちからヒュウの無自覚にイライラし始めていた。
「霊 麗菜様ですね」
受付嬢さんが笑顔でレイナのフルネームをよび、鍵を渡すとレイナは速攻で会場から出ていった。てか、速。
「赤白 比喩迂様ですね」
おっと、ヒュウもチェックインが終わったようだ。そして私を通り過ぎる。その時ヒュウの顔はマトマの実を食べた時のように真っ赤っかになっていた。
時差で羞恥心を感じたようだ。
あっ、次は私か。私は140cmだから背伸びしたらギリギリ届くのよねー。ギリギリ…ギリ…届かないんですけど。仕方なくジャンプして私はその場をやり過ごした。
ーーーーーーーーー
〜マオ〜
俺こと、統治真緒は親父が勢いで開催したような大会に出場するため、ホテルに泊まっていた。一人一人個室で朝昼晩の食事付きだ。そんな高待遇、そして「手伝い」の人が複数居る。ムスカリーさんに探りを入れてみたが、手伝いという人があと2人居るらしい。
高待遇に手伝いを雇うほどの厳重なガード。
絶対この大会には裏がある。俺は今夜その正体を突き止めようと思う。
まずは会場周りの探索だ。
そう整理し、荷物を持ち、部屋を出ようとするとて…
コンコンとドアがなる。誰か客が来たようだ。
俺はドアを開ける。
「マオ」
そこには眉目秀麗、鈍く光ってる黒髪に吸い込まれそうなハイライトの無い大きな瞳。白い肌にほんのりピンク色の頬。それに一瞬見とれてしまい別世界にいた気分になる。
「マオ」
さっきより少し強い呼び声で俺は我に返った。
レイナだ。しかも荷物も持って支度済みの姿だ。
「レイナも支度してるってことは、気づいたのか?この大会の正体」
俺はレイナに問う。
「まだ、分からない。今からそれを調査しに行く。」
「奇遇だな。俺もだ。」
どうやらレイナも同じ思考をしていたらしい。
「やっぱり。行くよ。マオ」
「あぁ。レイナ」
お互い無口無表情、感情は表に出さない性格といったように似た性格のおかげで思考や行動がよく合うことがある。
そんなことを考えていたらいつの間にかホテルの外にいた。そこには金髪に黒白のTシャツを来た…確かセブンだったか。
「セブン。」
「なんだ。夜な夜な男女揃って。」
なんかいかがわしい言い方だな。
「いかがわしい言い方ね」
レイナが声色を一切変えずにセブンを言葉で攻撃する。
「気に食わなかったか? 」
セブンがふんっと鼻を鳴らしす。
「ええ。当たり前よ。」
俺も完全同意だ。俺とレイナは幼なじみであって、そんな関係でもないし。レイナにはヒュウがいるし。
「なら言い方を変えよう。夜な夜な男女2人で外に出るなんてみだらな行為。」
「うるさい。黙れ。失せろ。」
レイナらしくもなく暴言を淡々と吐く。
「俺らは会場の周りを探索するつもりだ。」
俺は必死に話を逸らそうとする。このままだとレイナとセブンがぶつかりかねない。いや、もう手遅れか…?
「それまた何故だ。」
セブンが俺の話に食いつく。よし!危ないところだった。
「なんかこの大会臭うのよね…」
レイナが俺の代わりに説明する。
「臭う?どういう事だ?」
セブンは考えもしなかったのかやけにこの大会に食いつく。
「俺達にもそれは分からない。だから調査しにいくんだ。」
「そうか。なら俺も連れてけ。」
セブンがパルシェンを繰り出す。
「怪しいならポケモンがいた方が良いだろ?」
たしかに。セブンの言う通りかもしれない。
「なら俺も出すか。レイナも」
「ええ。出てきてイーブイ」
レイナはセブンの提案だからか少し躊躇いながらもモンスターボールからイーブイをだす。
「ムーランド出てこい」
俺も相棒をモンスターボールからだす。
「俺のムーランドは鼻がいいからそれで会場付近を探索しよう」
「「賛成」」
セブンとレイナの声が合う。すると2人は顔を見合わせて嫌そうな顔をする。どんだけお互いのこと嫌いなんだよ…
俺は呆れながらムーランドの上に乗った。
「頼むなムーランド」
「ばっふ!」
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