二次創作小説(紙ほか)
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- ポケモン二次創作 裏の陰謀
- 日時: 2022/09/29 16:23
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: 5VUvCs/q)
- プロフ: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12800
ここはは地球。
この星の不思議な不思議な生き物、ポケットモンスター
ちぢめて「ポケモン」
彼らは、海に大地に空に森に、至るところに生息している。
この世界には『表』『裏』があり、どちらを潰しても作っても、必ず表裏は現れてしまう。5年前それを無くそうとした哀れな小さき人は、結局世界に絶望し、失望し、仲間だけを助けようとしたが、仲間も、自分自身も失い、体を溶かした。これは、そんな世界で旅を始めた4人の少年少女達が『裏』に巻き込まれ、時には巻き込み牙を向け向かれる。そんな誰かを救おうとする哀れな人の物語。
※注意
〇これはポケモン二次創作です。原作とはなんの関係もございません。
〇微グロ注意です。
〇二次創作キャラもいます。殆どがオリキャラ、リクキャラです。
〇こんなのポケモンじゃねぇ!という方は閉じていただいて…
〇総合リクにて連載されているsidestory『最期の足掻き』も見てもらえれば更に楽しめると思います。
【目次】
〇第1部 ~イッシュ編~
始まりの始まり。いや、もう本当は始まっていた。その始まりを活発化させるレイナ、ヒュウ、トモバ、マオが四苦八苦しながら自分に向き合い、自分なりの答えを探す旅。
「登場人物紹介」
ホドモエシティ※ネタバレ注意
(トモバ~私~)時点の紹介 >>86
《プロローグ》 >>1-8
【第一章】レイナ
〜旅に出る〜 >>10-21
【第二章】ヒュウ
〜ジム戦と成し遂げないといけないこと〜 >>24-28
【第三章】トモバ
〜逃げる責任感〜 >>29-34
【第四章】マオ
~目的~ >>35-42
【第五章】レイナ
~信じる~ >>43-51
《第5.5章》レイナ
~進歩~ >>52
【第六章】ヒュウ
〜強さ〜 >>57-73
《6.6章》ヒュウ
〜俺のち俺〜 >>74
【第七章】トモバ
〜私〜 >>75-90
【第八章】マオ
〜PWT〜 >>92-102
【第九章】レイナ
〜過去と仲間と霊 麗菜〜 >>104-111
【第十章】ヒュウ
~海だ!春だ!夏じゃねぇのかよッ!〜 >>112-118
【第十一章】トモバ マオ
〜1歩先へ踏み出すために〜 >>120-124
【第十二章】〜終わりの始まり〜
>>125-
ーーーーーーーーーー
【短編集】
イッシュ編
マオとレイナのバレンタインデー >>96
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.92 )
- 日時: 2022/01/16 14:45
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: P/XU6MHR)
第八章 マオ 〜PWT〜
トモバが誘拐されてから数日。親父はプラズマ団の基地やら、後処理やらをしていて結構な時間がたった。
そしてようやく今日。大会が開かれるのだ。
そして、PWTにて。エントランスには レイナ、 トモバ、ヒユウ、マオ、セブン、マツリ、ツバキ、皐月、エイト、カシワ、シイナ、リンドウ、ミツキさん、ムスカリーさんそして…
「ちょっと。一応カゲロウさんの手伝いなのに今回俺出番なかったんだけど?」
銀髪ボブに青い瞳。白い肌、白いパーカーに黒のショートパンツ。黒いタイツに白のブーツを履いている。
「まあまあシアン。俺達の使命は果たせたからいいじゃないか」
「そうそう。」
"手伝い"という名目で来たミツキさんとムスカリーさんが銀髪ボブの人を宥める。
「いいや!大体今回、出場者のカゲロウの子供を守るって話だったのに、プラズマ団の拠点に行って助けたのミツキだけじゃん!俺ら用無しじゃねーか!」
白銀の人は怒鳴る。というか、やっぱ"手伝い"の人達は俺達を守るために来たのか。通りでミツキさんが、都合のいい時に助けてくれたわけだ。
「まあまあ、あ、そうだ。俺はムスカリー・ソウル。君たちを守るために来たんだけど。もうお役御免かな。」
ムスカリーさんは銀髪の人を宥めると同時に俺たちに自己紹介をする。
「僕は七瀬 美月 僕も君たちを守りに来たんだけど。もう大丈夫かな」
「ミツキは俺達の役目を全部かっさらって行ったけどな。俺はシアン。この2人と同じ君達を守るために来た。今となっちゃ用無しだがな。」
銀髪の人ーシアンさんは不貞腐れる。男口調だけど見た目からして女の人だろうけど。確かにムスカリーさんとシアンさんの活躍はなかったけど、皆無事だったから良かったと思うがな。いや、無事…じゃないか。レイナがプラズマ団基地に攻め込んだ時、トゥエルブスに喧嘩売って血だらけにされて倒れたらしい。確かにレイナと合流した時は服が破れてたり血だらけで直視出来ない状況だった。そのため今はトモバ、マツリプロデュースの服を着ている。似合ってはいるが、トゥエルブスに付けられた怪我が気になるな。
「そういえばレイナ。前の怪我は大丈夫だったのか?」
俺は気になってレイナに聞く。
「あぁ。それなら」
そう言ってレイナは腕をまくり俺に見せる。そこには傷1つ無い真っ白で細長い腕があった。
え、なんで傷がないんだ?
その疑問を読み取ったのかレイナは俺が聞く前に答える。
「治った。」
その一言だった。え、治った?あんな傷だらけだったのにたった数日で治るものなのか?
「……傷はすぐ治る体質だから。」
幼馴染なのに知らなかった… たしかにレイナがポケモン関連で深い傷負った時もすぐ治ってたな。引きこもってたから分からなかった。
「あ、対戦表が発表されたっ」
シイナが受付の上の画面を見ながら言う。お、本当だ。各トレーナー12人の名前が書かれたトーナメント表が発表される。
「おっ、俺はレイナか」
カシワが呟く。
「そうね。」
レイナは素っ気ない。しかし、その顔は楽しみにしている、不敵な笑みに見えた。
「俺は…ツバキとかよ。」
ヒュウがうんざりした顔でツバキに言う。
「ヒユウ。そんなに僕と当たるのが嬉しいのかい?」
ツバキがからかうとヒュウはさらに眉間に皺を寄せる。
「んなわけねぇだろ。瞬殺してやる」
ヒュウのどす黒い声が響いた。俺でもゾッとするような声でもツバキは動じない。鈍感なのかバカなのか…
「マオ!私とだよっ!」
すると後ろから聞きなれた声が聞こえてくる。そこには金髪に髪先が赤く、赤髪で髪先が黄色い俺とは真反対の色をしており、頭に赤いカチューシャをつけている少女がいた。俺の妹。トモバだ。第1回の対戦相手はトモバのようだ。
「そうか。お手柔らかにな。」
「全力ではっ倒すんだから!」
お手柔らかにと言ったんだがな。しかし、トモバがバトルに積極的なんて珍しい。恐らく、前の誘拐の時で心情の変化があったようだ。
「あっ、私はサツキちゃんとだぁ!」
トモバと全く同じのテンションの人物。見なくても分かる。マツリだろう。俺はなんでテンションが高いやつに囲まれてるんだろうか…
トモバといいマツリといい、ヒュウといい…いや、今のヒュウは…昔とは違うもんな。
それよりマツリの所はサツキというレイナの親戚が対戦相手らしい。
「よっ、よろしくお願いします…」
サツキはペコペコと頭を下げていた。
「僕は…兄さんとか…」
エイトがボソッと呟く。しかし、俺には聞こえていた。セブンはじろっとエイトを睨むと何も言わずに去っていった。
あいつ本当感じ悪いな。良くレイナもあんなやつと付き合うものだ。普通なら無視してるだろうに。ポケバが関わると本当レイナはバカになる。
「僕は、リンドウとか」
「よろしくねぇシイナちゃん」
「僕は男だ!」
まあまあ影が薄かったきがする2人が対戦か。これで組は以上だな。ブロックごとに分かれていてまとめてみると
Aブロック
レイナ対カシワ
ヒュウ対ツバキ
Bブロック
俺(マオ)対トモバ
サツキ対マツリ
Cブロック
エイト対セブン
シイナ対リンドウ
という感じになるな。もしトモバに勝ったとしたらツバキか、ヒュウに当たることになる。ヒュウとツバキのバトルは前に見てるからな。多分これはヒュウが勝つだろう。そうなると俺はヒュウと戦うことになるな。無理ゲーだ… まあ頑張れるだけ頑張るか!
「それではAブロックのレイナ様、カシワ様。Bブロックのマオ様、トモバ様。Cブロックのエイト様、会場へお進みください。」
するとアナウンスが鳴る。一番最初の試合だ。負ける訳には行かない。
俺は高鳴る胸の音を抑えながら、会場へ進むのであった。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.93 )
- 日時: 2022/01/13 21:43
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: gfjj6X5m)
「ホドモエ駆け出しトレーナートーナメント シングルバトル 今回エントリーしたトレーナー達はこちらッ! 」
暗く、足元もギリギリ見えるか見えないかぐらいの待合室。そこにナレーターの声が聞こえる。ふと会場の方へ目を向けると、バトルフィールドであろう広場の真ん中の大きいモニターに出場するトレーナー12人の名前と顔の画像、トーナメント表が映っていた。
それにしても、バトルフィールド両脇の観客達の数が尋常でない。統治グループのコネ以外にも一般人も居そうだ。あ、ヒュウとツバキが喧嘩してる。出番がない待機勢は観客に混じって観戦することが可能なようだ。
「ホドモエトーナメントいよいよ開幕ですッ!!」
すると隣にいたスタッフさんにスタンバイを促された。そろそろか。
「統治グループの御曹司にしてポケモントレーナー!初挑戦!マオ入場!」
その声と共に俺はバトルフィールドに繋がる道を歩く。
俺がバトルフィールド二立つと横にある巨大モニターの大きさに驚かされる。
「これまた初出場!統治グループのお嬢様であり、対戦相手マオの妹!トモバ」
すると俺とは反対方向からトモバが歩いてくる。やはりトモバは目立ちたがり屋のため、凄くワクワクしながら歩いてる。笑いながら手を振って走ってくるよりかは幾分マシだな。
そしてトモバがバトルフィールドにたどり着く。
「それでは第1回戦!マオVSトモバ!」
すると横の巨大モニターが変化する。俺とトモバの顔がアップされ、俺とトモバの画像の間にVSとかいてある。
「マオには1度も勝ったことないけど。ポケモンバトルの努力なんて微塵もしてないけど。」
トモバはモンスターボールに手をかけ、俺に向ける。
「絶対に負けたくないから。」
それは不敵に笑っており、バトル時のレイナの顔を思い出してしまう。全く。良い顔しやがって……
「ミミロップ!」
トモバはミミロップを繰り出すしくじったな。ミミロップに打点があるポケモンを一番最初に出せなかった。
「いけっムーランド!」
相手はノーマル かくとうタイプ
こっちはノーマルタイプ。打点があるどころかこちらが不利だ。こうなったら最初はクロバット出してたら良かったな。
トモバだからあんま強くないからムーランドで3タテしようと思ってたんだが…
「ミミロップにどげり!」
大丈夫か。これ、ムーランド耐えてくれるか?
不安になった俺はムーランドがにどげりを食らう前にモンスターボールに戻した。
「戻しちゃうんだ。そうだよね。不利だもんね。」
トモバは深刻そうな顔をして考えているようだ。本当に珍しい。トモバがポケモンバトルについて真剣に考えるなんて。
さて、それより次はなんのポケモンを出そうか。
今回のルールは三体VS三体。俺はムーランド、ダイケンキ、クロバット、ミルホッグ、ワルビアル。その中でムーランド、クロバット、ダイケンキを連れてきている。抜群をとれているのはクロバットだな。クロバットに交代しよう。
「たのむ!クロバット!」
俺がクロバットを出すとトモバの眉間のシワがさらに深くなった。これは戦略を考えてるというか、クロバットのタイプ分からなくて考えてるんだろうな。ポケモンバトルに興味持ち始めたのは数日前の誘拐からだろうし、ポケモンバトルの知識はあまり無いはずだ。学校である程度習ったかもしれないが俺は学校の授業を真面目に受けていなかったため、クロバットが授業に出ていたか分からない。トモバは真面目に受けてたからある程度のポケモンは知ってるだろうが、クロバットのことは知らなかったようだ。ありがたい。
「クロバット!エアカッター! 」
トモバの顔が青くなる。これでクロバットのタイプはバレただろうな。しかし遅い。
エアカッターをもろに食らったミミロップは耐えられず倒れる。
「グッ…。どく、ひこうタイプかな。」
バレたか。まあトモバってバカに見えて本当は結構頭いいからな。柔軟性なら俺よりも上だ。兄としては嬉しいがポケモンバトルのとなったら厄介だ。
「ムシャーナ。お願い。」
ムシャーナ。エスパータイプか。不利だな。でもここで交代するのも惜しいし、クロバットにはここで準備をしてもらうか。
「クロバットどくどく!」
ムシャーナにどくの液体がまとわりつき、ムシャーナが毒状態になる。よし、これで少しづつダメージが入る!
「ムシャーナ!あくび!」
ムシャーナがクロバットの目の前であくびを披露する。それにつられてクロバットもあくびをする。まずいな。次のターンで眠らされてしまう。しかし仕事はしてくれた。ここでクロバットには戻ってもらう。
「クロバット!とんぼがえり!」
クロバットがムシャーナにとっしんし、ぶつかった…と思ったら俺のモンスターボールの中に戻っていく。とんぼがえりはむしタイプの技。エスパーのムシャーナには効果抜群のはずだ。これで結構削れただろう。
そして次は…
「たのむムーランド!」
ここでムーランドには次の準備をしてもらわなければならない。多分次はあくびがくるだろう。だから残りターンは2ターン。その間に削られるだけ削れたらいいんだが… というのもムシャーナは素早さは低い代わりにHPが異様に高い。だから大体の技は通りが悪い。今はHP半分まであるが、まあまあ良い方だろう。
「ムーランドじゃれつく!」
今のところ技の中で一番高火力の技だ。しかし、あんまり技は通らない。仕方ない。
「ムシャーナ!あくび!」
また来たか。これで次ターンにはムーランドは眠ってしまう。その前に役をまっとうさせてやる。
「ムーランド雨乞い!」
「ウワォーン!」
俺の指示に従いムーランドが空へ向かって吠える。するとぽつぽつと雨が降ってきて、数秒経てばばらばらと降り注ぐ雨になった。
これ観客濡れてないか?大丈夫かな。
という無駄な思考が過ぎったが振り払う。まあ、これでムーランドの役目は御免だ。
「バッフ……クゥン」
そしてムーランドは眠気に耐えられなくなったのか眠ってしまった。大丈夫だありがとうムーランド。俺がモンスターボールに戻そうとすると。
「ムシャーナ!ゆめくい!」
なっ、それが狙いか!
ムシャーナがムーランドに近づき何か空気をバクっと食べる。するとみるみるうちにムシャーナのHPが回復する。
ゆめくいが相手が眠ってる時に発動できる技で、与えたダメージの半分を回復しちまう。しかも…だ。ムシャーナは特攻が高い。そのため特殊技のゆめくいも威力が高くなるのだ。流石のムーランドを1発で倒れた。
クソっ!折角削ったのに簡単に回復されちまった!
俺は心にヒビが入る音を聞きながらムーランドをモンスターボールに戻す。瀕死のムーランドはもうバトルには出せないな。クロバットは相性的に出せないから俺のポケモンはあと一体。行けるか?ムシャーナが何とか出来れば行けると思うんだが…
「たのむ!ダイケンキ!」
旅に出る際、学校で手に入れたミジュマルがダイケンキにまで進化したのだ。今となってはエースになっている。因みに相棒はムーランドだ。
「ダイケンキ!メガホーン!」
エスパーには弱点のむしタイプ技だ!そしてムシャーナは特防より防御の方が低い!ちょっとしか差はないが。
そしてダイケンキのメガホーンはムシャーナにクリティカルヒットした。
「ムシャーナ!」
ムシャーナは戦闘不能になり、トモバがモンスターボールにムシャーナを戻す。あぶねぇ… これで倒せなかったらあくび打たれてたから厳しかったな。クリティカルヒットをだせるのは運が良かった。
とにかくこれで勝ち確だ。
「最後。バニリッチ!」
生まれた頃辺りからトモバと一緒に居るトモバの相棒。バニリッチが出てきた。
バニリッチは氷単タイプ。
「バニリッチ!とける!」
なっ、俺のダイケンキより早い…?いや、そんなはずは無いはずだ。じゃあ、何故……?
多分持ち物だな。持ち物がせんせいのツメだったんだろう。しかし、ここでとけるを使われ、防御が2段階上がるのは頂けない。そしてせんせいのツメを持たされているのなら…これしかない!
「ダイケンキ!アクアジェット!」
ダイケンキがバニリッチにむかって水をまといながらとっしんする。
通常であれば防御が2段階上がっているバニリッチには通りにくい技だが…どうだ!
その技はバニリッチに当たり、HPの1/3減らす。
よし!結構減ったぞ!
「へ?え?なんで?!」
トモバも結構ダイケンキの技が通ったことに驚いている。よし、ここは兄として教えてやるか。
「雨だよ。」
するとトモバははっとし、顔を青くする。今は雨状態。雨状態はほのおタイプの技を半減すると同時に、水タイプの技の威力をあげるのだ。
「天気の効果なんて……習ってないよ…」
学校ではまだ習っていなかったらしい。ラッキーだ!
「ダイケンキ!バニリッチに攻撃させる暇を与えるな!連続でアクアジェットだ!」
するとダイケンキは何回も何回もアクアジェットをバニリッチに当て、ついに戦闘不能まで追い詰めた。
「ま、負けた…そうだよね。大した戦略考えてないもの。」
それはトモバらしくないしめった声だった。でも俺は励ましの言葉なんてかけない。ここで、トモバには成長して欲しいから。
「第1回戦 勝ったのはマオだーッ!!
これが実力なのか?残ったポケモンは2匹ッ 見事な勝利です!」
ナレーターがその場の勢いの火力を上げながら言う。実力じゃない。今回は運が良かった。ポケモンバトルは運がかなり勝敗に左右するからな。少し物事が違えば負けていたかもしれない。
俺は黙ってトモバに背を向けた。
ーーーーーーーーー
「みてたよ!マオ2回戦進出おめでとう!」
早速ツバキが迎え入れてくれる。後ろにはヒュウも居る。それにしても…
「なんでお前らずぶ濡れなんだ?」
俺はびちょ濡れのヒュウとツバキに問いかける。
「お前が試合で雨乞い打ったからその弊害が観客に出たんだよ。」
ヒュウが少しイラつきながら俺に言う。あ、やっぱ雨乞いって観客にも被害出るんだな。当の俺もびしょ濡れだし。
「天候の弊害が出るのは親父に報告しないとな。それより、バトルフィールドを整えるのに時間かかるだろうから更衣室で着替えてこようぜ。」
俺は苦笑いしながらツバキとヒュウに言う。2人はそうだなとうなづいてくれた。
「あー、あと、Aブロックのレイナ達のバトルまだ終わってないらしいから見に行かねぇか?」
ヒュウが言う。なんだかんだでコイツレイナ1番で回ってるんじゃねぇの?と思いながら、俺とツバキは頷いた。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.94 )
- 日時: 2022/01/24 08:54
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: ae8EVJ5z)
「キングドラ!バブルこうせん!」
「向かいうて!ジャローダリーフブレード!」
俺たちがレイナとカシワの試合を見に来た時はもう試合はクライマックスだった。
2人とも残りポケモンは1匹で、かなり粘っていた。
「持ってきたぜ」
ヒュウが後ろからやってくる。ヒュウは人数分のコーラとホッドックを持ってくる。
「あぁ。ありがとう。」
俺はそれを受け取り、レイナ達の試合に集中し始めた。
「今のところは五分五分だね。」
ツバキはコーラをずるずると飲みながら呟く。その通りだ。試合はお互い牽制し合ってて進まない。
ジャローダはキングドラの周りを持ち前のすばやさで翻弄する。キングドラはジャローダが近づいてくると凍えるかぜで防ぐ。
「ジャローダ!蛇睨み!」
レイナが遠距離でも効果がある蛇睨みを使う。蛇睨みは相手を睨んで麻痺にさせる技だ。
キングドラはジャローダと目が合ってしまい、麻痺になってしまう。麻痺になったことによりキングドラの動きが鈍くなる。その隙をレイナは見逃さなかった。
「ジャローダ!リーフストーム!」
リーフストーム。威力が高い代わりに特攻が2段階下がってしまう技だ。
特攻が下がってしまうのも受け入れて攻撃したとなると、ここで仕留めて来てるなレイナ。
リーフストームはキングドラに命中し、キングドラは吹っ飛ばされる。
キングドラ戦闘不能だ。
「勝ったのはレイナだァァーッ!」
ナレーターが声を張り上げる。良かった…レイナが勝った…
俺は幼なじみが勝ち、安堵する。ヒュウとツバキも同じ事を思ったのか力が抜けて背もたれにもたれかかっていた。
てかカシワを応援してた奴居ないのかよ。多分ギャラリーのほとんどの女性はカシワを応援してただろうな。凄く今ガッカリしてるから。
レイナは汗でびしょ濡れの顔を拭う。それが絵になるほど美しく見とれてしまった。
レイナは俺達に気づいたのか、少し微笑んで手を上げる。
やっぱり試合後だからテンション高いな。こんなに喜んでるレイナは珍しい。
「さっきの借りは返した。」
レイナが息を吐くように言う。
「クッソっ!次は俺様が勝つからな!レイナ!」
カシワは負けたとは思えない威勢のいい声でレイナに指を指し去っていった。
負け犬の遠吠えのようだが、カシワかやると絵になるな。
「他の対戦はどうなっているでしょうかァ?それではみなさまァ!ビジョンをご覧下さいッ!」
お、第1回戦はどうやら終わったようだ。俺たちはモニターに目を向ける。
「Aブロック!1回戦レイナVSカシワ!まさにシーソォーゲームッ!制したのはレイナ!
同じくAブロック1回戦!ヒユウVSツバキ!まさにワンサイドゲームッ!ヒユウの勝利!」
ということはAブロックはレイナVSヒユウになるのか。ヒユウが勝ちそうだな。
「Bブロック1回戦!トモバVSマオ!意地と意地のぶつかり合い!制したのはマオ!
同じくBブロック1回戦!マツリVSサツキ!なにもさせないまま勝利を手にしたのはサツキ!」
ということは、次は俺とレイナの親戚と当たるのか。マツリとサツキの試合見てないせいでサツキの強さも手持ちも分からない。しくじったな。
「Cブロック1回戦!セブンVSエイト!まさにワンサイドゲーム!セブンの勝利!
同じくCブロック1回戦!何もさせないまま勝利を手にしたのはリンドウ!」
ふむ。まとめると次はレイナVSヒュウ。俺VSサツキ セブンVSリンドウか。レイナとヒュウはヒュウが勝つと予想できるが他の人たちは予想出来ない。
しかし、他の人たちの強さは分からない。
これは...
「面白くなってきやがった。」
俺はニヤけが止まらなかった。レイナのが移っちまったな。
それよりツバキがドン引きしてヒュウが呆れてるのは気のせいか?俺が悪役顔とかだからじゃないよな?
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.95 )
- 日時: 2022/02/01 23:43
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: sjVsaouH)
薄暗く、自分の足がギリギリ見えるか見えないの控え室。
俺は今、そこに立っている。
「Bブロック2回戦!圧倒的力を見せつけたサツキ!入場ッ!」
今回の対戦相手サツキが出てくる。紫の髪に緑の目。レイナの親戚らしいが全然似ていない。それもそうだ。レイナは霊家の養子だ。血は繋がっていない。とはいえ霊家は芸能人オールスターだ。母は女優長男はアイドル 長女はモデル 次男、三男もアイドル。霊家の顔面偏差値は半端じゃない。サツキもその血を受け継いでいるのだろう。物静かそうだが、鼻が高く、顔が小さい、涙目のぱっちりな目。胸は大きいとは言えないが太ってもなく細すぎでもないスタイル。
サツキも芸能界入り出来るような容姿だ。まあレイナには敵わないけどな。
それより相手の手持ちが問題だ。マツリに何もさせないで勝ったとナレーターが言っていた。かなり強いに違いない。油断するな俺。
「相手は妹を蹴散らして這い上がってきたマオ!」
ちょっと言い方に悪意ないか?
そう思いながら俺はフィールドに続く道を歩いてく。1回戦よりギャラリーが多い気がするな。でもそんなの関係ない。
目の前の敵に食らいつくだけだ。
「それでは第2回戦サツキVSマオ!」
画面に俺とサツキの顔が大きく映る。
「レイナの親友か幼なじみかゴミか知らないけど レイナは私のだから。近づかないで。」
サツキがボソッボソッと呟いているがハッキリ聞こえる。なんだそのヤンデレ発言?!しかも俺の事ゴミとか言ってたよな?!
結構ヤバいやつだな。負けたら何されるかわからねぇ。
まあ負けるつもりなんてないけどな!
「俺はレイナの幼馴染だ。お前にとやかく言われる筋合いはない。」
俺はそう言ってモンスターボールを構える。
「そう。ならぶちのめさせて頂きます。」
そう言う口が悪くなるところはレイナそっくりなんだな。俺は呆れながらクロバットを繰り出す。
「チラチーノ!」
サツキはチラチーノを繰り出した。
チラチーノはノーマルタイプ。しかし、俺の手持ちには打点となるかくとうタイプは居ない。さぁどうするか。高威力の技でゴリ押しするか…それとも。
「いけっ!ミルホッグ!」
細長く、高く鋭い目をしているポケモン。ミルホッグが出てくる。さて、最初相手はどう出るか様子見だな
「チラチーノ!スイープビンタ!」
スイープビンタ。威力は25と低いが、一度に数回攻撃出来る技。最高威力100はでるのだ。しかし、最初のミルホッグはこの技で決まっている。
「ミルホッグ、みきり」
ミルホッグ特有の鋭い目付きでチラチーノを威嚇する。チラチーノは怯み、技をキャンセルする。
「よし、そのまま催眠術!」
これは当たるか当たらないかの運ゲーだが…どうだ?
「チラ、チラ…」
催眠術は当たりチラチーノが眠り始めた!
よっし!命中率60で当たるか当たらないか不安だったが見事当ててくれた!
「そのまま怒りの前歯!」
そしてミルホッグ高火力の技いかりのまえばをお見舞する。
しかし、流石に1回だけでは倒しきれないため…
「もう一度いかりのまえば!」
そうしてチラチーノはノックダウンさせられた。
「なんて陰湿な…」
と、サツキに悪態をつかれた。いや、その通り俺らしい陰湿なやり方だ。ただ、このやり方は初見だと攻略が難しいから、スタートダッシュを切る為に作った。
しかし、この後は正々堂々と勝負だ。
「いけっ!ワタッコ!」
次はワタッコか。特殊技をバンバン打ってくるイメージだな。気をつけなければ…
「ワタッコにほんばれ!」
にほんばれ?!やばいフィールドがワタッコに有利なフィールドに書き換えられていく。ワタッコの特性はようりょくそとリーフガードの2つがある。夢特性もあるが、それは無いと信じよう。
そして、ようりょくそは晴れだと素早さが上がる。リーフガードは晴れだと状態異常にならないのだ。
俺のミルホッグの技構成はみきり、催眠術、あやしいひかり、いかりのまえば
と、このように状態異常をかけることに重点を置いている技構成だ。相手の特性がリーフガードで状態異常無効となればミルホッグが手も足も出なくなる。
クソっ!どうすれば!
ともかく攻撃をしなければ!
「ミルホッグ!いかりのまえば!」
ミルホッグはワタッコに向かって噛み付こうとするが…素早さが上がっているワタッコはスラリとその攻撃を交わしていく。
クソ、やはり攻撃が出来ない!
ん?素早さが上がっているということは特性はようりょくそってことか?
なら状態異常にはかけられる!
しかし、催眠術のような命中率60の博打のようなことは出来ない。となればだ
「ミルホッグあやしいひかり!」
命中率100で相手を混乱させられる超優秀な技だ。
「またっ、陰湿な!」
サツキが嫌そうな顔で俺を見る。そんな目で見ないでくれよ。これも立派な戦い方だ。
ワタッコはあやしいひかりをもろに当たり混乱する。
「ッッ!ワタッコ!エアカッター!」
サツキはワタッコが攻撃してくれることを信じて指示を出したようだが、
「わっ、ワター!」
ワタッコは混乱して壁にぶつかり自傷してしまった。
「このっ!」
「トドメだミルホッグ!いかりのまえば!」
壁にぶつかって自傷しているワタッコに俺のミルホッグは容赦なくいかりのまえばを当てる。ワタッコは自傷ダメージが蓄積されていたこともあり、ミルホッグのいかりのまえばでワタッコは気絶してしまう。
「…本当陰湿で…ウザイ」
これ昔にバトルでレイナに言われたな、こういう時俺はこう返すのだ。
「そりゃどうも」
「このっ…!」
サツキの怒りのボルテージがどんどん上がっていく。ツバキもヒュウをよくからかっていると俺が呆れているが、俺も俺だな。
この相手がレイナだと尚更楽しかったと思う。
「最後。絶対ぶちのめす。ハッサム!」
そう言ってサツキは最後のポケモンエースであろうハッサムを繰り出した。
- Re: ポケモン二次創作 裏の陰謀 ( No.96 )
- 日時: 2022/05/10 19:23
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: zbxAunUZ)
【外伝 マオとレイナのバレンタインデー】
去年の5月にゆーき。さんという方にレイナとマオの話をリクエストされたため外伝として作成致しました!
レイナ達の旅の前のお話です。
ーーーーーーーーーー
「レイナぁぁぁーー!!」
私の名前は霊 麗菜 ヒウオギシティの私立校に通っている9歳だ。来年は旅に出れる年代になるが今は旅に出る気は更々ない。
「ねぇ、レイナー?聞いてる?」
私の幼馴染でありクラスの人気者のトモバが私の目の前で手を振っている。
「聞いてるからそれ辞めて。あと、教室では関わらないでって言ったでしょ。」
私はクラスの嫌われ者だ。そんな私と関わればトモバも嫌われてしまう。だから基本人目のつくところでは関わるなと言ってるのだが…この現状だ。
「そんな硬いこと言わないでよー。」
私はそう呑気に言うトモバを横目に教室から出ていった。
「うわっ、びっくりした。レイさんじゃん」
「ちょ、呪いの子だよ」
どうやら私は呪いの子らしい。由来は私が不気味だからだろう。濁った黒目に黒髪、赤黒いシワシワのタオルでツインテールに縛り、本能的に近づいては行けないと思われるような雰囲気。自覚はしている。けれど直すつもりも更々ない。めんどくさい上にバカバカしい。
そんなことを思っていると屋上に着いた。
「ちょっと、レイナ待ってって…おっふ」
私はイラつきが最高点に達しトモバを壁際に追い詰め両手をトモバをまたいで壁に付ける。
「レ、レイナ。流石に美少女に壁ドンされたら私嬉しすぎて死にそうだから辞めてくれない?」
トモバが若干興奮気味に言う。それに私は気持ち悪さを感じ、手を離す。
「で、なんの用?」
トモバってたまに気持ち悪い時があるのよね。でも引きすぎたら余計トモバは鼻息荒くするから怖いのよね。
「あ、そうそう。今年もやって参りましたバレンタインデー!あ、待って!待って!行かないで!」
私は呆れその場を離れようとするがトモバが半泣きで止めてきた。私と肩に乗っているイーブイはジト目でトモバを見つめる。しかし更にトモバは興奮し始めたので諦めた。色々と。
「それで、バレンタインデーがどうしたの?」
これでは埒が明かないので私はまともに話を聞くことにした。
「良くぞ聞いてくれました!まあ毎年恒例だけどバレンタインチョコを一緒に作ろうと思って!」
そんなこったろうと思ったわ。
「ちなみに相手は?」
「ヒュウとマオ!」
トモバは学習能力が無いのだろうか。いや、トモバは定期テスト学年1位になるほどの頭の良さだが、こういう時は本当にバカだ。
マオとヒュウにチョコレートを渡すということはホワイトデーにマオとヒュウからお返しを貰うということ。ヒュウは昔から家事をやってきたこともあり料理上手だが、マオはダメだ。不思議とマオが作る料理はダークマターとなるのだ。それを貰うことになるのは断固拒否したい。去年までは確かに2人にチョコレートを上げていたがお返しにマオにダークマターを渡されて困っている。
「絶対イヤ。」
「レイナならそう言うと思った。マオのお返し嫌だもんね」
分かってたんかい。
私は呆れすぎてらしくもなくツッコミしてしまったじゃないの。
「でもさ、チョコレート上げないとマオとヒュウが残念がるよ」
トモバが私をさとすように言う。
「いや、たかがチョコレートで…」
「男子にとってはたかがチョコ!されどチョコレィット!というわけで今日レイナの家に行くからね!」
…厄介なことになった。毎年断れない私も私だけど…
ーーーーーーーーーー
「とゆーことでやってきましたっ!レイナ家!」
どうしてこうなった。私は頭を抱えたくなった。
ここは私の家のキッチン。私は一人暮らしのため親に迷惑がかかるとかそんなこと無いが…
「レイナの家には缶詰しかないからね!持ってきたよ材料!」
随分と用意がよろしいようで。トモバはビニール袋を取り出すとその中にはチョコレートの板数枚と、型、生クリーム、ホワイトチョコなど様々な材料があった。
ここまでされたら仕方ない…付き合ってやるか。
「で、何作るの?」
「ノープラン!」
ノープランって…てことは特に考えもなくスーパーの材料を、買ってきたってことよね。金遣いが荒いわトモバ。
去年は型にチョコレートを入れて作ったから…
今年は生クリームもあるし生チョコにしましょうか。
「はぁ。じゃあ生チョコ作るわよ。イーブイお願い。」
私は手伝って貰うためにイーブイをモンスターボールから出す。
トモバも、うんと頷き相棒のバニプッチを繰り出す。
「まずはチョコレートを溶かす。お湯は50度が丁度いいのよ。」
そう言って私はポットでお湯を沸かした。そしてボールに移しトモバが数年前チョコを、作るために買ってきた温度計を取り出す。
バレンタインでしか使わないけどね。
「よっし!バニプッチこなゆき」
トモバはお湯を冷ますためバニプッチにこなゆきを指示する。するとどんどんお湯の温度は下がっていき、丁度50度になる。こういうのは得意なのよねトモバ。性格が残念だけど。
「じゃあ、次はチョコレートを溶かすわよ。」
ーーーーーーーーーー
「出来た…!」
出来たわね。けど、やっぱり統治家の血というか、流石マオの兄弟というか…
トモバの生チョコは形が悪い。食べ比べしたところ味は悪くないんだけどね。
「やっぱりレイナみたいに綺麗に作れなかったなぁ。」
「仕方ないわマオの妹なんだから。」
私は容赦なくトモバに言う。まあ、味は悪くないからマオよりマシなんだけどね。
トモバは悔しいような悲しいような顔をする。
「はぁ。私のチョコをヒュウとマオに渡したら?」
「…大丈夫。味は悪くないから!」
トモバは無理やり笑顔を作ってそう言う。トモバがそう言うならそれでいいか。私はそんなに優しくないから。
「じゃあ渡しに行こうか。ヒュウはいつもの学校の特訓場に居るはずだから。」
私達はそう言うとチョコレートをラッピングして渡しに行くのであった。
ーーーーーーーーーー
「ヒーちゃーん!」
トモバは面白半分でヒュウを可愛いあだ名で呼ぶ。
「ちゃんを付けるなよ。てか、どうしたんだ2人揃って」
確かに正反対の私とトモバが一緒に居ることは少ない。けど、ヒュウはすぐ察したようだ。
「あっ、あ、あぁ!バレンタインだよな!いや、毎年毎年サンキューな!お返しちゃんとやるから!」
トモバと私が一緒にいる時はトモバが私を引っ掻き回す時かバレンタインデーぐらいしかない。すぐ気づいたヒュウは顔を真っ赤にさせあたふたしながらチョコレートを貰う。
毎年ヒュウはこうやって顔をオクタンのように真っ赤にして受け取るんだよな。これはチョロネコ事件が起こってからも変わらない。もしかしたらヒュウはトモバの事が好きなのかもしれない。明るい同士お似合いだし人の恋路に興味はないから関わる気はないけどね。
次はマオだね。しかしトモバは
「あっ、私寮の友達にも渡さなきゃ行けないからレイナ1人で行ってきてね!うん!じゃあね!」
逃げたな… マオにバレンタインチョコのお返しを貰う勇気がなくて。
因みにトモバとマオはヒウンシティに家があり、毎日往復するのに時間がかかるため学校の寮生活をしている。
さて、私もマオの所に行くか…気は乗らないけど。
ーーーーーーーーーー
マオは男子寮の部屋に居た。男子寮は男子だけしかおらず、別に女子禁制って訳では無いけど男子寮に入るのは少し勇気が居る。まあ入ったらそんなこと気にならないんだけどね。
「マオ」
私はドアをノックしマオを呼ぶ。マオは数秒経ってからドアを開ける。
「バレンタインか?」
マオは分かっていたようだ。その通りバレンタインである。
「うん。これ。」
私はシンプルにラッピングしたチョコレートをマオに渡す。マオは照れくさい顔をしてそれを受け取った。
「毎年毎年ありがとうな。お返しちゃんとするから」
「お返しはいらない。いらない。いらない。」
重要なことなので3回言ってやった。
マオのダークマターなんて死んでも受け取りたくないからね。
「いや、でも」
「なら市販のが欲しい」
私はたじろくマオをさし押さえるように言った。先にリクエストしとけばお返しはダークマターにならない…はず。
「分かった。豪華なの用意しとくな。」
統治グループの御曹司の豪華なお返し…
少し期待してもいいかもしれないね。
「それにしてもレイナが毎年毎年律儀にチョコレートをくれるのが意外なんだが…」
確かに私らしくないかもね。
「毎年トモバに引っ掻き回されるから…」
「あぁ、うちの妹がすまんな。」
マオは苦い顔をする。
本当だよトモバにはいつも迷惑かけられてる。
「まぁ、ありがとうな。嬉しい」
するとマオはいつもの極悪顔とは思えないようなふにゃりとした笑顔を私に見せた。それを見て私は少し心が、ポカポカしてしまったのだ。
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