複雑・ファジー小説

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『あ』から始まる物語
日時: 2013/02/24 22:19
名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: 49KdC02.)

一年ぶりの\復活/

どうも、結城柵あらため結城柵です(変わってない)。
とりあえず完結させます。はい。

[あばうと]
この小説は五十音を頭文字に使ったタイトルを使用したSSを書いていきます。
つまり、短編集になります。
また、微エロ、微グロ、シリアス、コメディ、反道徳的描写等がごった煮になっています。
まだまだつたないところは多々ありますが。暖かく見守ってください。

[こんてんつ]
目次前半(『あ』〜『の』) >>3
目次後半(『は』〜『ん』) >>46

一年ぶりに見たら参照900突破してて鼻水吹いた。嬉しすぎて。
ゆったり更新ではありますが、引き続きまたーり読んでいただけたら嬉しいです。

では、ごゆるりと。

Re: 『あ』から始まる ( No.13 )
日時: 2011/12/24 07:15
名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)

【空っぽ】
 私が怪我をした日、貴方の方が痛そうな顔をしていた。
「ごめん、守れなくて」
 泣きそうに歪んだ顔で言った貴方が、愛しくてたまらなかった。愛されてるんだ。大切にされてされてるんだ。と、嬉しくてたまらなかった。
「俺だけじゃ足りなかったんだ」
 悲しげに呟いた貴方を、ぎゅうと抱きしめた。
私は貴方で満ちていたから。愛していたから。
 
 でも、私は気づいてしまったんだ。

 貴方が守っていたのは、愛していたのは、私ではなくて、傷つきやすい貴方自身だったんだって。
守ることで、愛を捧げてくれる、貴方だけのお人形を傍に置いておきたかっただけなんだって。
知らない女の子と、楽しげに街を歩く貴方を見て。
知らない女の子に、柔らかく唇を落とす貴方を見て。
私の愛を疑い始めている貴方を見て。
私は知ってしまったんだ。
「愛して…か」
 貴方は私に愛を求めた。
私は全力で貴方を愛した。
助けを請う手を引き、貴方に手を伸ばした。
私は、誰に愛されるの?誰に助けを請うの?誰が抱きしめてくれるの?
「あぁ、そっか、私…」

 空っぽ、なんだ。
涙すら、こぼれなかった。


『か』らっぽ
2011.12.24

Re: 『あ』から始まる ( No.14 )
日時: 2011/12/24 15:49
名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)

【傷跡】
 ずきん、と背中が鈍く痛んだ。
雨の日は、嫌いだ。古傷が痛むから。
古傷が痛むって、なんか格好良い。なんてどうでもいいことを考えて。
「っ…」
「始裡、大丈夫…?」
 痛んだ拍子に、思わず目を細める。
すると、終里が心配そうに顔をのぞき込んできた。
ほんと、細かいとこまでよく気がつくんだから。
「…なにが?」
 とぼけてみせると、睨まれた。あぁ、怖い怖い。
「ひょあっ!?」
 予告なしにめくられたワイシャツと、肌に触れた冷たい手に、変な声がもれた。
び、びっくりした…。
「傷跡…、これ、痛む?」
 小さく、終里が呟いた。
あぁ、まだ気にしてるのか、こいつは。
「んー?べつに。てかこれは、終里悪くない」
 きっと、この傷よりも深いんだろうなぁ。

君の、心の傷跡は。


『き』ずあと
2011.12.24

Re: 『あ』から始まる物語 ( No.15 )
日時: 2011/12/24 17:29
名前: 揶揄菟唖 (ID: DSznZxUf)
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?526461


いきなり申し訳ありません。

お、か、きの更新お疲れ様です。

やっぱりこの小説の全体的な雰囲気が好きです。

登場人物一人ひとりの感情が少ない文章で表れているけれど読み応えがある素敵な小説だと思います!

『く』の更新心待ちにしています!

Re: 『あ』から始まる ( No.16 )
日時: 2011/12/25 04:04
名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
参照: カキカキ掲示板は見れないのですよ…。

>>15 揶揄菟唖さん!

今回もコメントありがとうございます。
いきなり、なんてことはないんですよ!いつだってコメントは嬉しいものですから。

雰囲気でしか書けないので、気に入っていただけたなら、とても嬉しいです。

『く』はクリスマスに投下していいのか…
…はっ!クリスマスにすればよかったんじゃ…

ありがとうございました!

Re: 『あ』から始まる ( No.17 )
日時: 2011/12/27 20:59
名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
参照: ちょっとR15っぽい

【苦痛と快感】
 ぐちぐちと水音。小さな悲鳴。否、嬌声。
薄暗い部屋に響く音は、ごくふつうの生活音ではない。
「あれ?世界、もしかして気持ち良い?」
 意地悪く尋ねれば、濡れた瞳と真っ赤な顔は、予想通り首を横に振る。
とまることなく溢れ出す液体に、口元を歪めた。
「ほら、見て。こんなに溢れて…、とまんないよ、世界の」
 その液体を掬って、ぺろりとなめてみれば、世界は恥ずかしそうに目を瞑った。
口の中に広がる鉄の味。真っ赤に染まった指先。扇情的な世界。
 傷口を抉る、なんて苦痛しか生まないはずの行為に、世界は嬌声をあげる。
苦痛と、快感に歪んだその可愛らしい顔が、僕の加虐心をひどく擽った。

 あぁ、世界。

愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる!!


『く』つうとかいかん
2011.12.27


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