複雑・ファジー小説
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- 『あ』から始まる物語
- 日時: 2013/02/24 22:19
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: 49KdC02.)
一年ぶりの\復活/
どうも、結城柵あらため結城柵です(変わってない)。
とりあえず完結させます。はい。
[あばうと]
この小説は五十音を頭文字に使ったタイトルを使用したSSを書いていきます。
つまり、短編集になります。
また、微エロ、微グロ、シリアス、コメディ、反道徳的描写等がごった煮になっています。
まだまだつたないところは多々ありますが。暖かく見守ってください。
[こんてんつ]
目次前半(『あ』〜『の』) >>3
目次後半(『は』〜『ん』) >>46
一年ぶりに見たら参照900突破してて鼻水吹いた。嬉しすぎて。
ゆったり更新ではありますが、引き続きまたーり読んでいただけたら嬉しいです。
では、ごゆるりと。
- Re: 『あ』から始まる ( No.38 )
- 日時: 2012/01/09 18:38
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
- 参照: 今回更新はコメ返しのみ。
>>34 揶揄ちゃん
コメ返し遅くなってごめんね?
かぐや姫!なるほど。そういう解釈もありだね。
結城の解釈は言ったら楽しくないから内緒。
コメント、凄くうれしいけど、雑談っぽいコメントは少なくしてもらえると助かります。
コメントありがとう!
- Re: 『あ』から始まる ( No.39 )
- 日時: 2012/01/11 11:23
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
- 参照: 変態のはなし。
【ニット帽】
私は、目の前に無防備に晒されたそれを見つめ、理性と戦っていた。私の目の前に晒されたそれとは、彼の愛用しているニット帽である。ちなみに今、彼は離席している。
…つまりこれは、私にニット帽を堪能しろと言っているのだろうか?理性と本能で揺れる中、私は無意識にニット帽に手をのばした。
そして、…顔をうずめた。
ふ、ふにゃぁぁぁぁっ!心の中で奇声をあげながらじたばたする。あいつの匂い!てか手触り最高。はうあー!
「なにやってんだお前」
いきなり後ろからかけられた声に、心臓がはねた。声の主は一人しかいない。
ぐぎぎ、と音がしそうなほどぎこちなく振り向くと、彼が立っていた。
ちょ、見られた。はずかしい。やばいよ。
羞恥心から、おこたに潜ろうとしたら、後ろからぎゅーされた。どういうことだ。
「可愛いこと、してんじゃねぇよ」
耳元で囁かれた。
ぎゅーってしてくれた彼は、ニット帽の匂いがした。
『に』っとぼう
2012.01.11
- Re: 『あ』から始まる ( No.40 )
- 日時: 2012/01/11 20:31
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
- 参照: 『ぬ』るめのカフェオレ
【ぬるめのカフェオレ】
「どーぞ」
「ありがと」
手渡されたマグカップからは、中身が温かいことを伝える湯気。持ち手は逆に、ひんやりとした冷たくて不思議な感じだ。別に、火傷したいわけじゃないが。
彼女が、机を挟んで向かい側に座り、じっと俺をみつめる。なんとなく照れくさくなり、ふー、と中身を冷ましつつ飲む。
「っつ…!」
「どうしたの?」
口元を押さえながら、悶える俺を彼女は不思議そうに見つめている。震えた声で大丈夫だ、問題ない、と返す。
必死に悟られまいとするが、涙が浮かんでくる。口の中がひりひりする。猫舌とか、かっこわるいし、知られたくない。ちなみに、彼女は平然と飲んでいるので、中身はそんなに熱くないはずなんだ。
なおも冷ましながら飲む俺に、彼女は、少し待ってて、と告げて席を立った。
きょとん、としていると、彼女が片手にマグカップを持ち、戻ってきた。机の上の彼女のカップからは、まだ湯気が出ている。俺は首を傾げた。
「ん」
渡されたカップの中身はさっきまで飲んでいたのと同じカフェオレ。不思議に思って口に含むと…ぬるい。彼女は、というと、超ドヤ顔。ぬるめのカフェオレと俺想いの彼女に頬が緩んだ。
- Re: 『あ』から始まる ( No.41 )
- 日時: 2012/01/12 18:26
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
【眠りから醒めて】
大好きな人が、私に背を向けて去っていく。泣いて叫んで、手を伸ばしても、届かない。止まってもくれない。
涙は不思議と流れない。だけど、胸がひりひりずきずきと痛む。叫ぶ喉も、痛くてたまらない。
「や、だぁっ…!」
悲痛な叫びに、目が、覚めた。その叫びが、自分のものだと気づくと同時に、さっきまで見ていたのが夢なのだと気付いた。
喉の痛みはない。けれど胸はまだひりついている。正夢になったら、どうしよう、なんて。
「ぶっさいくな顔してんなー」
笑い声混じりの美声が、横から聞こえた。びっくりしてそちらを見ると、穏やかに笑んでいる大好きな人の姿。
「見て、た?」
「うん、うなされてたね」
にっこり。我が恋人ながら、本当に意地が悪い。見てたなら起こしてくれればいいのに、と頬を膨らませた。
ああ、それでも。
眠りから醒めて、君のいる喜びに免じて、今日は許すとしようか。
『ね』むりからさめて
2012.01.12
- Re: 『あ』から始まる ( No.42 )
- 日時: 2012/01/14 10:39
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
【喉から手が出るほど欲しいもの】
僕には、欲しいものがある。それのことを考えると、他のものに手がつかなくなるほど。理性が保てなくなるほど。
まあ、簡単に言ってしまえば、喉から手が出るほど欲しいものなんだ。
けどそれは、どんなに金を積んだって、何したって、俺の努力でしか自分のものにならないんだ。
「んにゅう?なあに難しい顔してるの?」
その欲しいものってのは、この俺隣でふわふわ笑っているこいつ。
天然なのかなんなのかはわからないが、いつも俺にふわふわと笑いかけてくる。そのせいで、俺はこいつにゾッコンなのだが…こいつは、正直よくわからない。
好きとも嫌いとも言わず、常にふわふわと笑ってるだけなんだから。
「ねぇ、ハルカ?ハルカは、喉から手が出るほど欲しいものってある?」
「難しい顔して、そんなこと考えてたの?」
変なミライ、と笑った顔すらかわいくて仕方がない。あぁ、もう、ほんと。
「あのね、私はね、喉から手が出るほど、ミライが欲しい!」
無邪気に言い放った言葉と、その笑顔。
おい、真っ赤な俺をどうする気だ、お前。
『の』どからてがでるほどほしいもの
2012.01.13
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