複雑・ファジー小説
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- また明日.
- 日時: 2012/02/18 22:53
- 名前: coco*. (ID: /u41yojS)
「じゃあね」
笑顔で手を振る君の姿を、俺は視界から見えなくなるまで目で追い続けた。
丈の短いあのスカートが、やっぱり君らしい。
やっぱり、君らしくて可愛い。
やっぱり、君らしくて、俺は好きだ。
——ずっと、君と、歩いていきたい。
**
こんにちは。cocoです。
小説カキコにも、何回も投稿した事ありますが、挫折が多いですm(_ _)m
また、複雑・ファジー小説に投稿するのは、初めてです。
そして、男性目線で小説を進めるのは、またまた初めてです。
趣味程度に書いているので、
まだまだ書き方は未熟です。
頑張って更新していきますので、
よろしくお願いします。
- Re: また明日. ( No.9 )
- 日時: 2012/02/26 21:02
- 名前: coco*. (ID: /u41yojS)
第七話【名前】
男子が恋するのっておかしい?
普通は、女が一生懸命するもの?
そんなの、誰が決めたんだよ。
別に、勇気を出すつもりもないんだけど。
どうせ叶わない。報われない。
陽斗[ハルト]っていう人が、飯室の心の中にはいるんだ。
俺には分からない、離れていた時期の二年間の中に、——。
まだ飯室の事、俺……なんも知らない。
「おはよー! 旭ちゃん!」
「おはようございます」
丁寧に頭を下げて飯室は挨拶をする。
どうやら昨日の放課後の事はバレてないみたいだ。
「おはよ……飯室」
「おはようございます」
同じ反応か。
まぁいいや。
「飯室ー苗字面倒くさいから、名前で呼んでい? 森みたいにさ」
「え」
「はっ? じゃあ、あたしの事も名前で呼んで!」
「え、面倒くさ」
「は?!」
むきになって、森が俺の顔を見上げて、俺の顔を森の顔が思いっきり近くなった。
「……っ」
「ぎゃああああ! 変態日向に襲われるううう!」
「あ?! 誰がお前なんか襲うか!」
あああ、さっきから飯室が困ってる。
それに気づいてない森も、ヤバイ。
「おい、飯室——」
「……っえ」
顔を上げた飯室の顔は、真っ赤だった。
俺は思わず目を見開く。
「ご、ごめんなさい、こっち見ないでください!!」
そっぽ向く、飯室。
ぽかんと俺は口を開けていた。
な、な……?
「お、男の子に名前で呼ばれるなんて初めてなので」
と、付けくわえた。
と、いう事は、呼んでいいって事、か?
暴れる森を片手で押さえつけ、俺はぼーっとしていた。
名前か……。
旭って、呼んでいいのか……。
「じゃ、あたしの事も藍子って」
「遠慮しとく。森って呼んだほうが呼びやすいし」
そう、真顔で言ったつもりが、顔は自分でも微笑んでいるのが分かった。
森は悔しそうに"旭"の方を見た。
「あ、あたしも森さんで」
「……うわーーっ! 旭ちゃあああん!」
旭は思い切り苦笑い。
俺も、ひきつった笑顔で席についた。
旭も、横顔がなぜか、微笑んでいるように見えたのは、俺の勘違いかな。
- Re: また明日. ( No.10 )
- 日時: 2012/02/29 19:13
- 名前: coco*. (ID: /u41yojS)
第八話【距離】
距離は、少しずつ、少しずつ。
縮まってく。
「……旭ちゃん、超嬉しそうだよ」
授業中、俺の耳元で森がつぶやいた。
森の方を見ると、明るい笑顔でこっちを向いていた。
「どういう事?」
「だからー、日向に『旭』って呼ばれるのが、嬉しいんじゃない?」
森が肩をつんつんと触る。
そうだ。
俺ははっと思い出した。
旭は……、俺が好きなわけじゃない。
俺に名前を呼ばれて嬉しいわけじゃない。
俺はまだわからない。
離れていた二年の間に、旭に何が起こったのか。
旭はどう思ったのか。どう受け止めてきたのか。
知りたい。
でも、そんな事聞けない。
複雑な顔してると、森が首をかしげている。
「なあ、森って旭と恋バナもうした?」
「え、えあ」
ぐいっと勢い良く森の肩を揺さぶる。
いつも森がするみたいに。
俺にされるがままの森は、混乱してる。
「な、なんでそんな事聞くの?! し、してないけどお……」
「……そう……。じゃあ今日の昼休み! 絶対情報……っ」
思わず立ち上がってみると、黒板にはワケの分からない記号。
クラスメイト達の視線。視線。視線。
森は、大爆笑。
「……あ、す……すいませ……」
俺は力なく席に座った。
くそ、くそが。
俺とした事がぁぁぁぁっ!
森は、ばっちぐーと親指を立てている。
それは、分かったという意味か?
何はともあれ、旭の抱えているものを全部知りたいのは、本当だしな。
「……どうすんのー? 昼休み、あたしが誘えばいいんだよね」
「ああー。よろしく」
「結構、両思いだったりするかもだよ」
「いや、それはない」
「どうして言い切れるの?」
そんなの、決まってるよ、うん。
あの日の涙を見てしまった。
あの日の声を聞いてしまった。
「なんとなく」
そう答えるしかなかった。
「……あ、あの!」
少しずつ、少しずつ。
やってきたのは、旭。
「あたしも、日向君って呼んでもいいですか……っ?」
距離は、縮まっていく。
**
gdgd、駄作、
申し訳ございません!
- Re: また明日. ( No.11 )
- 日時: 2012/03/01 21:36
- 名前: coco*. (ID: /u41yojS)
第九話【メール】
昼休み。
森は俺の指導どおりちゃんと旭を誘って屋上へ行った。
俺は、いつもど同じように一人食堂へ向かう。
廊下を歩いている間に、さっき起こった出来事を思い出した。
『あたしも、日向君って呼んでいいですか……っ?』
『え、』
すかさず、森が俺のそでを軽く引っ張る。
『い、いいけど』
裏返った俺の声。
笑顔の、旭。
『じゃあ、日向君で』
——……。
(もう、ワケわからんわ)
嬉しいのか、なんかひっかかってんのか。複雑な感情になった。
昼休み、終わり。
俺は教室に戻り、机に突っ伏していた。
予鈴が鳴り終わるか、終わらないかで、すぐに森が帰ってきたのが分かった。
扉の開け閉めの音で。
「ひーなーたー!」
顔を上げると、超涙目。
「どうしたんだよ、お前。泣いたのか?」
「旭ちゃんと、恋バナしたんだけど……ここではちょいいえない内容なんで、メールでやろう? アド教えて」
早く、早くとせかした。
ここでは言えない内容?
どんな内容なんだろう。
旭ってやっぱ、辛い過去を持ってるのかな?
俺は、授業なんか上の空で、(早く終われ)と願い続けた。
旭はそのまま何事もなかったかのように帰ってきて、俺も、森も、過去の話は話題に出さずにいた。
※ここからメールゾーンです。顔文字使いますが、ご了承ください*
家に帰ると、森から、受信メール一件。
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from:森 藍子
やっほ〜(´Д`)!
届いてる?
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from:渡辺 日向
to:森 藍子
届いてるよー
なんか情報つかめた?
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思い返してみれば、初めて女子とメールしてる。
ていうか、メール機能なんてほとんど使わない。携帯もアラームがわりなだけ。
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from:森 藍子
それがねー、
旭ちゃんが転校した二年間の間に、すごい事起こってた(Д;)
聞きたい?
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from:渡辺 日向
to:森 藍子
そんなにすごいこと?
うん
聞きたい
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俺は、彼氏作って浮気された、だとか。
きつい振られ方をした、だとか。
そんな甘い考えだったから。
旭の抱えてるものは、もっとすごい大きなものだったのに。
旭は、旭は——、
ちょうど夜中の十二時を過ぎる受信メールを、俺は開いてしまった。
- Re: また明日. ( No.13 )
- 日時: 2012/03/01 22:10
- 名前: coco*. (ID: /u41yojS)
※ここの章だけ、視点がかわります。
第十話【出会い】
彼女の世界は変わった。
「おはよう、夏帆ちゃん」
「…………」
彼女は、玩具だ。
彼女の名前は、飯室旭と言った。クラスの中ではいわゆるほんわかタイプの、成績は中の上、中学二年生。
彼女は二年の春に転入してきた。この学校にも、なじみ始めてきた秋ごろ。
(なんで?)と胸がしめつけられるような気がした。
教室に入っても、「おはよう」と声をかけても、自分の存在を認めてくれる人が、急にいなくなった。
昨日まで、笑顔で自分の所に来て「おはよう」と返してくれてた人がいたのに?
「夏帆ちゃん? ……どうしたの?」
「……」
夏帆ちゃんとは、彼女の友達"だった"存在。
夏帆も彼女を"見えない存在"にしている。
彼女は、泣きそうになった。
「ばっかじゃねーの」
彼女の耳元で、確かに、かすかに、そう聞こえた。
気分を落として、教室に入る。
誰も彼女の方を見ようとはしなかった。
だが。
「飯室さん。おはよ〜うッ」
「あれッ? いつまでも前の制服着て、どうしてこの学校にいるの?」
どうやら、理由は制服らしい。
(仕方ないじゃない)
——
彼女は、それからよく授業をサボるようになった。
進入禁止のさくを超え、屋上へ行くようになった。
「……」
屋上が、彼女の大好きな場所になった。
「あれ」
後ろから声が。
振り返ると、男の子。
世間で言う、イケメンだろう。
だが、彼女は興味を持てなかった。
「あなた、何してるの?」
「お前こそ、なにやってんの? 俺は、サボり」
「別に。授業がつまらないからここにいるだけ」
「それ、サボりっつーの」
男の子はふっと笑って彼女の頭をなでた。
彼女は、それでも感情をもてなかった。
「……」
「上履きの色、黄色って事は、二年生?」
「……はい」
「じゃ、後輩だ。俺、三年の中島陽斗」
(中島……陽斗)
心の中で、小さくつぶやいた。
「サボり仲間として、よろしくね」
「……背、高いですね」
「ははっ、俺ー、百七十八、あるよ。そっちは?」
「百五十六……」
約二十センチ差だ! とはしゃぐ先輩。
目を細めて彼女は先輩を見つめる。
また、先輩はふっと微笑んで、
彼女の頭を、優しく、優しくなでた。
彼女の胸は、ときめいていた。
- Re: また明日. ( No.14 )
- 日時: 2012/03/02 22:42
- 名前: coco*. (ID: /u41yojS)
第十一話【恋】
それから、サボり仲間としての関係は半年以上も続いて、彼女は先輩に対しては、素直になんでも話せる気がしていた。
「……」
今日も、教科書がない。
だから、屋上に向かう。
そんな言い訳を作って、授業をサボる。
「飯室さん? 今日もサボるのォ?」
「いつもどこ行ってんのお? サボっちゃだめだよォ」
そんなクラスメイト達の声には無反応で、いつもの進入禁止のさくを超える。
扉を開けようとした瞬間。
そこに声が。
(陽斗先輩の声じゃない、女の人の声だ)
そう一瞬で感じた。
「あのね……うち、陽斗の事が好きなの」
息を吸い込んだ。
まさか、今のって告白?
どう考えたって、告白だろう。
「……遥」
(陽斗先輩の声)
いつもと違って、少し低い声だった。
「俺も、遥の事が好きだよ」
「っ」
「けど」
先輩の続きの言葉は聞かずに、彼女は教室に向かって走った。
陽斗先輩。
陽斗先輩。
(あたし、陽斗先輩が好きでした)
大好きでした——。
あふれた涙は、あふれた想いと同じように、とまらなかった。
——
眠いので、わかんない文章まじってるかも。
そこは後で直しますm(_ _)m
すいません、
今日はここまで。
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