複雑・ファジー小説
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- また明日.
- 日時: 2012/02/18 22:53
- 名前: coco*. (ID: /u41yojS)
「じゃあね」
笑顔で手を振る君の姿を、俺は視界から見えなくなるまで目で追い続けた。
丈の短いあのスカートが、やっぱり君らしい。
やっぱり、君らしくて可愛い。
やっぱり、君らしくて、俺は好きだ。
——ずっと、君と、歩いていきたい。
**
こんにちは。cocoです。
小説カキコにも、何回も投稿した事ありますが、挫折が多いですm(_ _)m
また、複雑・ファジー小説に投稿するのは、初めてです。
そして、男性目線で小説を進めるのは、またまた初めてです。
趣味程度に書いているので、
まだまだ書き方は未熟です。
頑張って更新していきますので、
よろしくお願いします。
- Re: また明日. ( No.25 )
- 日時: 2012/03/09 21:11
- 名前: coco*. (ID: /u41yojS)
第二十一話【告白】
「……えっ、日向……」
俺からは確実に旭の顔を確認できないが、絶対に旭は真っ赤になっている。
俺は旭を抱きしめる力を強めた。
「……」
旭は急におとなしくなり、抵抗しなくなった。
「……ありがとうございます、こんな話聞いてくださって」
「え?」
「つまらなかったでしょ。授業までサボらせてしまって」
旭は俺の腕の中で、話し出した。
「いや。別につまらなくもなかったよ」
「森さんには話したけど、日向に話さないっていうのはおかしいかなって思って」
「そう……」
俺は腕を放した。
旭の顔は涙で少しぬれていたけど、もう旭自身は笑顔だった。
「はげましてもらって、本当にありがとうございました」
「ううん、大丈夫だよ」
「じゃ、そろそろ授業が終わりますし、教室戻りましょうか」
たっとすばやく立つと、屋上のドアに手をかける。
「待って!!」
「あ、はい?」
綺麗な髪の毛を揺らして旭が振り向く。
ばか、俺!! 何引き止めてんだよ!!
それでも、口はとまらない。
「旭は、陽斗先輩がすきなんだよな?」
とまれ。
俺の口。
「? ……はい、まぁ」
「じゃあ……
俺が旭を好きだったら、困る?」
ああ、もうとまっても意味がない。
**
「え……?」
なんで、とまってほしくない時にとまるんだよ、俺の口は。
とまるな、そこで雑談を始めろ!
「……」
ああああ、だめだ、なんだこの告白シーン。
漫画みたいな、あれだよ!
あれにあこがれてたのにーっ!
ぎゃあああああ!
俺の心の中は、戦争を始めていた。
「……い、んや。あの、だめなの分かってるから、答えはしないで、普通に接してクダサイ」
「あっ!! は、い……」
なんかよく分からない雰囲気で俺達は教室に向かった。
教室に向かう時、しゃべる気配は、二人とも全くなかった。
- Re: また明日. ( No.26 )
- 日時: 2012/03/13 21:24
- 名前: coco*. (ID: /u41yojS)
第二十二話【森の気持ち】
静かに教室の扉を開くと、森がふてくされた様子でこちらを見ている。
「もーう、どこ行ってたのよぅ。暇だったじゃんっ!」
「……ごめん」
「もうさ、アスカ、いたからさ。良かったけどさ。いつもより静かだったよう」
「……うん」
さっきから、テンションだだ下がりの俺を察してか、森はいつもより自分のテンションを上げて話してくれた。
「あ、そうだ。今日、久々にだけど、ノートうつしたぁ! 貸してあげる。日向うつしなよ。旭ちゃんも」
「……あっ! はい、ありがとうございます」
「いいのいいのぉ」
あはは、と森は笑う。
旭がちょうど前を向いたくらいに、俺の腕を容赦なくつかんだ。
「どうしたぁ〜、日向! うちは気づいてるよ。日向、旭ちゃんとなんかあったろ?」
「……別になんも」
「嘘だっ! 日向と何年友達やってると思ってんの? ……あ、半年くらいか」
頭をかく、森。
途端に「あっ」と声をもらす。
「も、しかして……こ、告った、とか?」
「……!」
ビンゴ。
**
次の授業も、また俺はサボった。
誰とかって? もちろん、森と。
こんなんで勉強やっていけるのかって? 大丈夫。(多分)
また屋上へ。
こうして、男子と女子の恋バナの始まり始まり。
「ねぇ、いつから旭ちゃんの事好きだったの?」
上目遣いで森は聞く。
なんでかな。森にならなんでも話せるような気がした。
「んー……中学の頃からかな」
「話した事あったの?」
「ううん、仲良くはなかった。ただ、顔見知りなだけで……」
「ふーん?」
ニヤニヤしている森の顔。言いたいことがすぐに分かった。
"じゃあ名前覚えてくれてたのって奇跡じゃない?"
違う。最初から、旭はそういう人だから。
だから、奇跡なんかじゃない。
「そ、そういうお前は好きなヤツとか……いんのかよ」
「え?! え、と……!」
「ん? どうなんだよ〜」
「い、いるけど……期待は、もうしないのっ!」
「……へえ?」
よく、意味が分からなかったけど、その後森は真っ赤な顔で、
「授業が終わるから」と俺の手を引っ張っていった。
**
その後の授業もほとんど寝ていて、その日はなんだか学校に行った気がしなかった。
放課後になり、俺は先生に呼ばれた。
——やっぱ、二授業もサボるのはダメだったか。
「じゃ、とりあえず行ってくるか」
「行ってらっしゃ〜い!」
説教されると聞いた森は、最高級の笑顔で俺を見送ってくれた。
ん? 今日は友達と帰らないのか?
まぁ、いいや。
「全くお前は!! 今日の授業は——」
先生(ハゲ)の説教は結構長々と続き、俺は説教の半分以上は
あいづちを打ちながらもほとんど聞いていなかった気がする。
やっと「分かったか!!」となり、「すいませんでした」と心にもないことを一言。
職員室のドアを静かに閉める。
「はぁ……」
ため息をつきながら、荷物を取りに教室へ。
教室の近くへ行くと、女子の怒鳴り声が聞こえる。
え……?
もっと近づいてみると、怒鳴り声の主はすぐに分かった。
森だった。
「なんで、あの人の気持ちわかんないの?!」
しかも、怒鳴っている目線には、旭がいる。
旭は、困り顔で涙を浮かべている。
「……ずっと、友達にお似合いだって言われてたの、日向と」
……?
お、俺……?
「うちも、友達に言われてるうちに、好きになっていったの。両思いかもって。仲良しかもって」
……は?
何言ってんだ?
「けど、違った。うちじゃなかった……旭ちゃんが転校してきてから、誰も友達でお似合いって言う人はいなくなった」
「……あ、の森さん……」
控えめに旭は森の肩に手をかける。
振り払おうともせずに、森は旭から顔をそむけた。
「……だから、好きになるなら今のうちだよ、旭ちゃん。それとも、陽斗さんしか愛せない?」
よく言ってる事が分からない森。
よく見れば、森の目からはもう大粒の涙が出ている。
二秒、辺りがしらけて旭は怒ったような目つきで、森を睨んだ。
「わた、私の気持ちは絶対、変わりません……!」
「……そっか」
森の声は震えていた。
話の内容は、最後までよく分からなかった。
「怒鳴ったりして、ゴメンナサイ」
森は、素直に頭を下げた。
「いえ、こちらこそ変な態度とってごめんなさい」
旭も丁重に頭を下げた。
「じゃ、かえろう」
「はい」
そのまま二人は、俺の存在に気づかずに廊下を歩いていった。
あ、まじで。
森の気持ちに気づいたことは森には絶対ヒミツだかんな。
——
作者*
よく分からなくなりました!
すいませんでした!
喧嘩の内容はあらかた決まっていたのですが、
なんか変になりました!
すいませんm(_ _)m
- Re: また明日. ( No.27 )
- 日時: 2012/04/03 21:49
- 名前: coco*. (ID: vGcQ1grn)
第二十三話【憂鬱な朝】
「は〜あ……」
今日は、いろんな事があったな。
というか、喧嘩の内容は何が原因なのか……?
女子って、よくわかんないな。
と、いう事は。
なんか聞いていると、森は俺の事を……?
いやいや、違うよな。
もし違くなくとも、そんな事自分で思うなんて、ただのうぬぼれ野郎だ。
「ま、いいや」
考えるのはやめにしよう。
そういう系の話、俺は試験の問題より考えるのが嫌いだ。
**
朝。
玄関へ出ると、みんな肩を並べて歩く。
俺だけ、一人。
そんなの、中学のころも高校に入っても当たり前。
いつもと同じように見える。
ただ、人とのコミュニケーションをとるのが嫌いなだけ。
人を観察していれば、それで満足だった。
隣にいる存在など、いらなかった。
「ひーなたっ」
俺の肩を、ぽん、と置く。
本人は置いているつもりだろう。だが、すごく痛い……。
振り返ると。
笑顔の森、と……真顔の旭。
いつもと、変わらない……のかな?
高校に入ってから、俺は一人でいることがなくなった。
それは、俺が望んだことじゃない。
けど、それなりには、楽しいのかな。
あんま、わかんないや。
「おはよっ」
「……はよ」
「おはようございます」
ふわ〜、とあくびをする。
朝は、好きじゃない。
**
「ねえ、日向。先生に怒られて、その後どした?」
「え……」
出たか、その話題。
パッ、と旭が顔を伏せたのが分かった。
森は相変わらず、いつもの笑顔で俺を見ている。
とりあえず、全否定。
真逆だ、真逆!!
「えー、と。戻ったら誰もいなかったから一人で帰った」
それを聞くと森は怪訝そうな顔をした。
あ。人がいた事バレてた、か……?
聞いてたとしても、俺内容わかんなかったし!
……と、言いたい。
その後、森は旭と関係ない話をして、俺は一人で歩くハメになった。
まあ、いいんだけど。
**
「日向……あの、私の勘だけど。あの日の教室にいたでしょう」
森がトイレ休憩の時間に行っている間に、旭は俺に話しかけた。
体をこっちに向けて、どこが寂しげな目をしていた。
「……なん、で」
「だから、私の勘です」
気づ、かれてた……?
「うん……ごめん。盗み聞きをするつもりはなかったけど」
「いえ。いいんです。すごかったでしょう。私と森さんのやり取り」
すごかったけど……何がなんだかよくわからなかったけどな。
「まあ……はあ……」
「あれは、私がいけないんですよ」
上目遣いで言う、旭。
それから、昨日の話を始めた。
——
「あ〜あ。かわいそうだね、日向。良かった、あたし授業さぼらなくって」
「あはは、ほんとですね」
——この時は、まだ普通だったんです。
「ねえ、……旭ちゃん。日向の事、好き?」
「はい?」
——いきなり、森さんが真剣に聞きだして……
「そりゃ、好きですよ。友達として……」
「告白、されたんでしょ? いいなあ」
「いいなあ、て……、どうゆう、事ですか?」
——その時点で、もう森さんの気持ちはわかってました。森さんが、今から何をするのかも、表情で分かりました。
「日向と、付き合わないの?」
「だって、私は……陽斗の事を裏切れない。どこにいても」
——ごめんなさい。それは私の本当の気持ちでした。
「あの人ね、中学校の頃、旭ちゃんに一目ぼれしたんだって」
「そ、なんですか」
「あたしは、世界で一番……日向が好きかな」
「私は、日向をそういう風には見れないので、Okはしないつもりです」
——本当の事だった。だからピシャリと言い放っちゃって。
——そしたら、急に森さんの顔色が変わって。
「あの人は、本気で旭ちゃんの事好きなのっ!」
「は……え……」
「陽斗君を裏切れない気持ちも分かるけど、……分かるけど、あたしはっ……日向を、幸せにしてあげた……」
「で……でも」
「あの人の気持ち、何でわかんないの?!」
——
「と、いう事でして……それと、返事です。ごめんなさい」
あっさりと、返事をされた。
でもまあ、当たり前だ。
「ああ」
「私よりいい女の人なんて、もっといますよ」
そうかな。
そうは思わない。
他の女に、隣にいてほしいとは、俺は多分この先思わない。
どんな事があろうと。
「あの、日向」
「ん」
「私は、ですね。おせっかいかもしれないけど、森さんと日向が一番合ってると思います」
そういった瞬間、森が俺の隣に座ってきた。
「ただいまっ! 次、自習だって。ラッキーじゃん?」
「……誰がっ!」
こんなやつとお似合いじゃ————ッッ!!
何にも知らない森ははてなまーく。
「? どうしたの?」
「……いや、別になんでもない」
「ふふっ」
まぁ いい。
俺は俺なりに、ゆっくり誰かと恋してけばいい。
- Re: また明日. ( No.28 )
- 日時: 2012/04/03 22:17
- 名前: ゆぅ (ID: dSas54aR)
はじめまして。
ゆぅと申します@
お話、詠ませて頂きました。
タイトルとヵ、はじまり方からしていいですね。
・・・切ない恋心って感じですね*。
面白くてつい見入っちゃいました。
暇な時私の所にも遊びに来てください@
更新楽しみに待っています。
頑張ってください@
- Re: また明日. ( No.29 )
- 日時: 2012/04/04 21:58
- 名前: coco*. (ID: vGcQ1grn)
ゆぅ さま >>28
はじめまして。
うわ、うわわわ。
見ていただいてる人がいるとは……!←
超、恐縮です。ありがとうございます。
お褒めの言葉もいただいちゃって…、
いいのでしょうか?! (
ありがとうございます//
はい。遊びに行かせてもらいます!
よろしくお願いします*
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