複雑・ファジー小説

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【第1章】アセンション【終盤突入】
日時: 2013/01/06 10:54
名前: デミグラス (ID: jgZDwVO7)

 今回、小説カキコに初投稿させていいただきます、デミグラスと申します。
 小説自体、若葉マークベタベタのド素人なので、皆様の目を煩わせないよう、そして楽しんで読んでいただけるよう、全身全霊を込めて書かせていただきたいと思っております。

 この作品はノンフィクションに限りなく近い「フィクション」です。
本作品オリジナルの設定と、現実の出来事を上手くリンクさせられるか正直かなり心配です。
そのため、読み手の方々には「ん?」と思われるような描写や台詞があるかもしれませんので、その際は指摘していただけると幸いです。
そのほか、辛口の批判も強く噛みしめながら読ませていただきますので、ドンドン浴びせてやってください(笑)

【注意】
・更新は出来るだけ早く行っていこうと思っておりますが、リアルの都合上、少々遅れることがあるかもしれません
・作者自身、一章が長々と続くような長編モノが大好物のため、意識していてもダラダラした展開になってしまうかもしれません。その際はキツくお叱りお願いいたします。


【お客様】
●八重桜様
○蛇鉄様
●柚子様
○ベルクシュアテン様
●風猫様
○白柚姫様
●伯方の塩様

プロローグ >>2
主要キャラクター >>6
第1章>>8 >>9 >>10 >>13 >>14 >>15 >>19 >>21 >>22 >>23 >>26 >>31 >>33 >>35 >>36 >>37 >>38 >>39 >>40 >>41 >>43 >>44 >>45 >>46 >>48 >>49

小話 >>42

Re: アセンション ( No.39 )
日時: 2012/11/04 12:25
名前: デミグラス (ID: .bb/xHHq)

 椅子に縛りつけられ、複数の兵士がただずむ部屋の中、デイビットは重くのしかかる瞼を上げ、うつ向いた視線ゆっくりと前に向ける。

「ようやくお目覚めか。どうだね?気分は」
 そう呼び掛けてくる声の主は、気絶から解放されたばかりのデイビットを見ながら、彼の目前に立っていた。

「答えたら縄をほどいてくれるか?……カストロ」
 自身の背中に回され、縄に縛られている両手首を動かしながら、質問で返す。
 実際は、後頭部を一撃殴られただけなので、頭が少し痛むだけで意識はハッキリしていた。

「ほどいてやってもいいが、それはお前と、先に目を覚ましたそこにいるもう1人のお仲間が死ぬ時だ。ここに来たのが間違いだったな」
 カストロが顎で示した先にいたのはダニエル。
 デイビットと同じように、縄で椅子に捕らわれているが、特に外傷が見られないところからすると、気が付いたてからさほど時間が経ってないようだ。
 こういう事態に陥れば、拷問を受けるのが普通だ。
 しかし、その形跡がないということは、そもそも拷問する気がないのか、拷問されるほど時間が経過してないということ。
デイビットと目が合ったダニエルは、これといった反応を見せずに、カストロに視線を移す。
 捕まる直前のデイビットの行動を根に持っているのか、下手に反応して、カストロに余計な不信感を抱かせないためかは定かではない。

「まぁこっちからすれば好都合。あんたの方から姿を見せてくれるとはな。実は、あんたに聞きたいことがあっ……」
「俺達の祖国を第1目標とした例の計画とは一体何なんだ? ……だろう?」
 まるでデイビットの言動を予知するかのように、カストロは薄く笑みを浮かべて言葉を遮る。
 デイビットは、あまりの衝撃に、自分の胸中を予想したカストロを、ただ見つめることしか出来なかった。

Re: アセンション ( No.40 )
日時: 2012/11/04 10:43
名前: デミグラス (ID: .bb/xHHq)

「何故それを知ってる!? CIAでも極秘扱いなんだぞ」
 デイビット同様、驚きを隠せないダニエルが、半ば身を乗り出しながら問う。
 2人がこれほど驚くのも無理はない。
 情報が漏洩することを恐れ、今回の任務もカンボジアで手に入れたファイルの内容も全て、CIA内部の限られた者だけにしか教えられていないのだ。
 仲間内に知らせることも許されていないのだから、敵に流れることなどあってはならない。
 しかし、カストロは不適な笑みを浮かべるだけで質問に答えることはなかった。

「計画について…… まぁ、教えてやらんこともない。ただし、残り2つの空席が埋まってからだ。なに、お前たちの仲間もすぐ捕まるさ。」
 この言葉を聞き、2人は初めて部屋を見渡すことになった。
 部屋の広さは、先程の大部屋より少し狭いが、それでも60人ほどは余裕で入りそうで、テーブルや箪笥など、いくつかの家具が置かれている。
 左右の壁には1枚ずつ2m四方の窓があるが、見たところ頑丈ではなさそうで、それなりの衝撃を与えればすぐに割れそうだった。
 彼等の背後にはそれぞれ兵士が1人立って、銃口をダニエルとデイビットの頭部に向けており、更に、カストロと捕らえられている2人を5人の兵士が囲んでいる。
 そして、ダニエルの左側と、デイビットの右側に、カストロが口にした【空席】があり、ライアンとカールが座るのを待っていた。

 その時、カストロが着用している軍服の胸ポケットの無線機が、小さく細かい連続音で連絡が入ったことを伝える。

Re: アセンション ( No.41 )
日時: 2012/11/06 23:52
名前: デミグラス (ID: RadbGpGW)

「何だ…………そうか、分かった」
 手短に通信を終え、胸ポケットに無線機を戻したカストロは、どことなく覚束無い表情で、目前のアメリカ兵たちを見る。

「残念だ……本当に残念だ。これでは全員揃わない」
 その言葉に2人は安堵した。
 ライアンとカールが敵を撒いたと確信したのだ。
 しかし、その刹那の希望は、あまりにも呆気なく崩れ去り、同時に2人を絶望に叩き落とす。

「まさか、1人死んでしまうとはな。殺す気はなかったが、向こうが抵抗してしまったようだ。」
 少しの間、2人はカストロが何を言っているのか理解出来なかった。
 というより、彼等の頭が理解することを拒んだという方が正しいか。
 ダニエルもデイビットも、精気が抜けたようにぐったりと顔をうつ向けたまま、ただ地面を見つめている。
 感情を表に出さないクールなダニエル、強気な性格で人前では弱みを見せないデイビット。
 似て非なる彼らだが、どちらの性格の持ち主も、人前で涙を流すことは少なく、自分の心の奥底で押し潰そうとしてしまう傾向が強い。
 言い換えれば、そこから立ち直ることが難しいのだ。
 更に、この2人が共通しているのは、アイツに行き残っていてほしいなどという感情を決して抱いてないところだ。
 デイビットにとって、ライアンもカールも同じ海兵隊の仲間……いや、家族も同然の存在。
 古くからの仲や、新任など関係ない。
 どちらもかけがえのない存在だ。
 ダニエルは一見すればカールとの接点が少ないが、仲間の命を重んじる彼には、やはりそんなことは関係ない。
 彼らの頭の中には、ただ今の連絡か間違いあってほしいという願いしかなかった。

Re: アセンション ( No.42 )
日時: 2012/11/11 10:09
名前: デミグラス (ID: RadbGpGW)

「まぁ、そう気に病むな。賢い選択をしたもう1人の仲間は無傷で連行中だ」
 精神的に大きなダメージを受けた2人に、カストロは意地悪く追い討ちをかける。
 カストロから信頼を得ている連中なのかは分からないが、部屋にたどり着くまでに遭遇した兵士たちと違い、ここにいる兵士たちは、黒の目出し帽を被ってはいるが、クスクスと笑っているのがハッキリ聞こえてきた。
しかし、気力を無くしたように身動き1つしない2人から、望んだような反応は得られない。

 そんな最中、この部屋唯一の出入り口の扉が開き、その瞬間、部屋にいた全ての人間がそこに目を向ける。
 現れたのは両手を頭の後ろに置き、俯いているライアンと、その後ろでライアンの後頭部に銃口を向けている、この部屋の兵士と同じ身なりをした敵兵だった。

Re: アセンション ( No.43 )
日時: 2012/11/11 10:43
名前: デミグラス (ID: RadbGpGW)

参照400超え&第1章終盤突入記念小話

 ソビエト社会主義連邦共和国、この国のとある軍事施設の一室。
 数百台に及ぶコンピュータや、徹底的な武装が施されたこの部屋以外の施設内とは打って変わり、辺りにはこれと言ったテクノロジーの産物は見られず、目に付くのはせいぜい、1つずつ配置されたデスクと椅子、その椅子に腰を掛けている人間くらいだ。

 その者が、真正面にある扉を介して連続で3回ノック音が鳴ったのを聞き「入れ」と返答すると、1人の男がゆっくりと入室してくる。

「で、どうだった?」
「我々の思惑通り、かなり混乱しています。すぐにでも査察が入るかと。向こうはそれなりに上手くやっているようですが、彼等を止めるのは、あの男ではまず不可能でしょう」
 手下なのであろう男から、望み通りの報告を聞くと、背もたれに体を預けさらに深く腰掛けて口角を釣り上げた。

「準備は終わったのか?」
「さきほど、最終調整に入ったので、近々決行可能に」
「口を割られたら困る。準備が整い次第、奴らは全員殺せ」
 報告を終えた男は深々と頭を下げ、再び扉を開けて退室していった。


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