複雑・ファジー小説
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- 【第1章】アセンション【終盤突入】
- 日時: 2013/01/06 10:54
- 名前: デミグラス (ID: jgZDwVO7)
今回、小説カキコに初投稿させていいただきます、デミグラスと申します。
小説自体、若葉マークベタベタのド素人なので、皆様の目を煩わせないよう、そして楽しんで読んでいただけるよう、全身全霊を込めて書かせていただきたいと思っております。
この作品はノンフィクションに限りなく近い「フィクション」です。
本作品オリジナルの設定と、現実の出来事を上手くリンクさせられるか正直かなり心配です。
そのため、読み手の方々には「ん?」と思われるような描写や台詞があるかもしれませんので、その際は指摘していただけると幸いです。
そのほか、辛口の批判も強く噛みしめながら読ませていただきますので、ドンドン浴びせてやってください(笑)
【注意】
・更新は出来るだけ早く行っていこうと思っておりますが、リアルの都合上、少々遅れることがあるかもしれません
・作者自身、一章が長々と続くような長編モノが大好物のため、意識していてもダラダラした展開になってしまうかもしれません。その際はキツくお叱りお願いいたします。
【お客様】
●八重桜様
○蛇鉄様
●柚子様
○ベルクシュアテン様
●風猫様
○白柚姫様
●伯方の塩様
プロローグ >>2
主要キャラクター >>6
第1章>>8 >>9 >>10 >>13 >>14 >>15 >>19 >>21 >>22 >>23 >>26 >>31 >>33 >>35 >>36 >>37 >>38 >>39 >>40 >>41 >>43 >>44 >>45 >>46 >>48 >>49
小話 >>42
- Re: アセンション ( No.19 )
- 日時: 2013/01/26 12:42
- 名前: デミグラス (ID: IvmJM/UO)
「だな、そろそろ始めるか」
デイビットもまた、同様にブランコのことを心配しているのか、ライアンに同調してそう呼び掛けると、4人は建物が視野に収まる丘の急斜面ギリギリの場所に横列に立ち並ぶ。
「見張りはここからでは建物入り口付近に2人しか確認出来ないが、恐らく裏側にも数人配備されているだろう。ライアンとカールは2人を殺って、東側の外階段を使い、2階から侵入しろ」
デイビットは先程までのお気楽な態度とは一転、状況をしっかりと把握し、指示を与えていく。ライアンとカールも彼のことを信頼しており、その指示に大きく頷く。
「俺はいつものやり方でいくからその後、ダニエルは俺と正面の入り口から侵入、建物内部でライアンたちと合流する」
海兵隊の部隊と違い、CIAを指揮に置いた合同チームでは階級は存在しない。そのため、このような部隊の場合はデイビットが指揮することがほとんどである。ダニエルもそれを承諾しているため、彼の指示に「了解」と短く合意。
「事前の潜入調査で、カストロの使用している部屋は、3階の最北の大部屋だと分かっている。合流後そこに向かう。カストロから情報を聞き出した後、ブランコの待機している飛行場に向かい、脱出。これが大まかな、そしてあくまでも最善のプランだ。この通りにはいかないと覚悟しておいた方がいいだろうな」
「分かりました」「了解」
装備の確認を終え、M1911を取り出し、それぞれ準備を整えた3人の返答を聞くと、全員と顔を合わせて小さく頷き、作戦開始の合図を伝える。
「ゴー!!」
4人は、ほぼ同時に勢いよく斜面を下り始め、建物めがけて駆けていく。
- Re: アセンション ( No.20 )
- 日時: 2012/09/11 21:34
- 名前: デミグラス (ID: .bb/xHHq)
ベルクシュアテン様コメントありがとうございます!
その点が一番心配していたので、そう言ってもらえると助かります。
時間軸的にはそこら辺ですが、もう少し過去の話もあるかもしれません。
さすがに5分でカストロ発見は厳しいですけどねw
これからも応援よろしくお願いします!
- Re: アセンション ( No.21 )
- 日時: 2013/01/26 13:05
- 名前: デミグラス (ID: IvmJM/UO)
猛スピードで建物へ向かう4人は、今にも自分の足と足が絡まり転びそうになるほど、必死で坂を下っていく。
しかし、中盤に差し掛かった頃、ツーマンセルの見回り兵の1人が静寂に流れる異音を聞き取り、こちらに視線を移す。
「いたぞ!!アメリカ兵だ!!」
疾走する中でそれを聞いたライアンは、その言葉に微かな違和感を覚えたが、気にしている場合ではなかった。ライアンとカールは速度を上げ、残りの2人と間隔を離しながら、見回り兵たちの方向へ進路を変える。
対して2人の敵兵は慌てて所持していたAK-47の照準を向かってくる脅威に向け発砲し始める。
幾多の弾丸が織り成す、砲煙弾雨の中を突っ込んでいく2人。
銃弾が体を掠めることなど日常茶飯事だが、頭では分かっていても体が無意識に恐怖で包みこまれる。その痛みを知り、弾丸にうち倒れていく仲間たちを、直に見てきたからこそだろう。
そんな感情にせき止められるかのように2人は目に見えて失速していく。
その頃、後方の2人にも予定外の出来事が起こっていた。
先程の敵兵の声を聞き、駆け付けてきた兵士が建物の正面入り口から現れたのだ。
「アイツが邪魔だ! このままじゃあの方法は無理だぞ!」
発砲音と、自らが切り裂き、奏でていく風音に掻き消されないよう、声帯ギリギリまで高めた声量でデイビットがそう叫ぶ。
「……よし、アイツは俺がやる! その代わり絶対外さないでくれよ!」
ダニエルがデイビットに優るとも劣らない叫び声を発し、更にペースを上げて下っていく。
彼は3人の海兵隊員とほぼ同等の基礎体力と、優れた運動神経を持ち合わせている。
そのため、紙一重で外れていく弾丸に怯むように、スピードを落としている前の2人との距離をドンドン詰めていき、ついには場所こそ違うが、同じラインに並んだ。
そして坂を下り終え、建物への道のりの最後の小さな崖に到着した3人は、そのまま勢いを殺すことなく地を強く蹴り、大きく前方に飛び上がる。
空中でM1911の遊底を引き、その手を離す。バネの力により最初の弾薬が薬室に送り込まれ、撃鉄が動く。
この動作を3人は同時に行い、ダニエルは入り口前の兵士に、ライアンとカールはそれぞれジャンプした彼らに驚きを隠せない見回り兵の頭部に銃口を向け、ブレの激しさをものともせずに引き金を搾った。
撃鉄が雷管を打ち、鉛の塊が勢い良く放出される。弾丸はそれぞれのターゲットの脳天を見事に貫通し、哀れな3人の敵兵は、確たる抵抗も出来ずに後ろに倒れる。
敷地内の制空権に侵入した3人は、目標を排除した約3秒後に受け身を取りながら着地し、天から地へと侵入域を拡大する。
そして、そのまた数秒後、崖から大ジャンプした最後の男の両手にはそれぞれ違う種類の手榴弾が握られていた。
飛び上がってすぐ、彼は両手に持っていたスタングレネードとフラググレネードの安全ピンを抜き、正面入り口に開いた口へとそれを投げ込む。
手榴弾が内部に入り込んだと同時に彼も着地、全員の侵入が完了。
正面玄関を入って最初の部屋の中、侵入者が現れるだろう入り口に意識と照準を集中させていた複数の兵士たち。
しかし、入り込んできたのは2つの小さな物体。少し経ってからその正体に気付いた兵士たちは、恐怖と焦りから叫び声を上げながら逃げようとしたが、時既に遅し。スタングレネードが破裂し、部屋全体を強力な光で包み、敵兵の視界を奪う。そのすぐ後、逃走を遮られた兵士たちをフラググレネードの第2波が襲う。
- Re: アセンション ( No.22 )
- 日時: 2013/02/10 20:12
- 名前: デミグラス (ID: Uj9lR0Ik)
最初の目標を達成した4人は休む間もなく、M1911からM16に武装を変え、また2人1組に別れる。
ライアンとカールは、すぐ前方に見える建物の東側に向かうため、周りを警戒しながら小走りに歩を進める。
デイビットとダニエルは先程、2種類の手榴弾が投げ込まれた建物正面の入り口から内部へと侵入を始める。
最初の部屋の中は、文字通り破壊しつくされていた。机や椅子などの家具は幾つか大きな破片が見え隠れするだけで最早、原型を保ってはおらず一目でそれとは分からなかった。
恐らく、その無惨に崩壊した机などを盾の代わりにしていたのだろう数人の兵士には、フラググレネードが放出した幾多の破片による、部屋の地を濃く染めていた血液が流れ出る裂傷が多数見られる。
誰1人として既に意識はなく、もし無意識ながら生存していたとしても、応急処置程度ではとても間に合うような怪我ではなかった。
外に出るものとは別のもう1つの部屋の出口に固まっていた、逃げ遅れたのだろう兵士たちの死体を越え、細長い廊下に出る。
そろそろ、建物の裏側からこちらに向かって敵兵が集まってくる頃だろうと思いつつ、2人はあの爆発から生き残ったかもしれない残党を警戒して、廊下の左右にあるいくつかの扉を確認しながら先へと進む。
しかし、奥に進むとこれまで一本道だった通路が左右に分かれていた。隠密に行動するのが目標なら二手に別れるのが得策だったが、既に相手には存在を察知されている。1人で進むのは危険と考えたデイビットは無言で右の通路に指を指し、ダニエルが頷くのを確認すると先に曲がろうとする。
その瞬間、待機していた敵兵がナイフ片手に現れ、デイビットの喉元を掻き切ろうと遅いかかってくる。
しかし、デイビットは即座に臨戦態勢を取り、ナイフを紙一重で左に避ける。側面に回り込んだ彼は、突き刺すために前方に大きく出された相手の右腕を掴み、強く押して廊下の壁に勢いよく叩き付ける。相手は小さくうめいてナイフを落とした。
すかさず、その腕を相手の背中に回し、関節を決めると、空いていた左手で後頭部を鷲掴みにし、これまた壁に強く叩き付ける。
反動でよろけた相手の足を払い、地面に仰向けに転ばせると、敵が落としたナイフを拾いさっきのお返しと言わんばかりに、渾身の力で喉を突き刺す。
- Re: アセンション ( No.23 )
- 日時: 2012/09/23 10:00
- 名前: デミグラス (ID: .bb/xHHq)
敵兵の口と、喉の深い傷穴から大量の血液が流れ出るのを確認すると、ナイフを引き抜き、その場に投げ捨てる。
「また腕を上げたな」
デイビットによる一方的な戦いを終始傍観していたダニエルは、向こうから仕掛けてきたのにも関わらず、無惨な姿に変わり果てた亡骸を見つめながらデイビットにそう声をかける。
「コイツが至近距離戦闘の訓練をサボってたんだろ」
彼は余程のことがない限り、常にユーモアを忘れない。彼にとって、その「余程」がどの程度を指すのかは分からないが、少なくとも先程のような事態は当たり前の部類に入るのだろう。
ダニエルにそう一言返すと、無意識の内に肉弾戦にもつれこんだために落としたM16を拾い上げ、廊下の側壁に背中を預ける。
壁を這うようにして再び右の通路に近寄り、敵兵が潜んでいるかどうか、そして通路の構造を確認する。
通路には今までと変わらず、左右の脇にいくつか部屋がある。
奥には建物の4割ほどの広さの大部屋があり、敵兵は確認出来なかった。
「あの大部屋を通らないと合流地点にはたどり着けないな。
仕方ない……先を急ぐか」
デイビットがダニエルにそう伝えると、2人は大部屋へと向かって歩を進める。
しかし、大部屋に足を踏み入れた瞬間
「Vete, vete y no te pierdas esos tipos!」
その叫び声と同時に、2人が通ってきた通路の真正面にある通路、その1つ目の右の曲がり角から数人の兵士が姿を現した。
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