複雑・ファジー小説

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【第1章】アセンション【終盤突入】
日時: 2013/01/06 10:54
名前: デミグラス (ID: jgZDwVO7)

 今回、小説カキコに初投稿させていいただきます、デミグラスと申します。
 小説自体、若葉マークベタベタのド素人なので、皆様の目を煩わせないよう、そして楽しんで読んでいただけるよう、全身全霊を込めて書かせていただきたいと思っております。

 この作品はノンフィクションに限りなく近い「フィクション」です。
本作品オリジナルの設定と、現実の出来事を上手くリンクさせられるか正直かなり心配です。
そのため、読み手の方々には「ん?」と思われるような描写や台詞があるかもしれませんので、その際は指摘していただけると幸いです。
そのほか、辛口の批判も強く噛みしめながら読ませていただきますので、ドンドン浴びせてやってください(笑)

【注意】
・更新は出来るだけ早く行っていこうと思っておりますが、リアルの都合上、少々遅れることがあるかもしれません
・作者自身、一章が長々と続くような長編モノが大好物のため、意識していてもダラダラした展開になってしまうかもしれません。その際はキツくお叱りお願いいたします。


【お客様】
●八重桜様
○蛇鉄様
●柚子様
○ベルクシュアテン様
●風猫様
○白柚姫様
●伯方の塩様

プロローグ >>2
主要キャラクター >>6
第1章>>8 >>9 >>10 >>13 >>14 >>15 >>19 >>21 >>22 >>23 >>26 >>31 >>33 >>35 >>36 >>37 >>38 >>39 >>40 >>41 >>43 >>44 >>45 >>46 >>48 >>49

小話 >>42

Re: アセンション ( No.14 )
日時: 2013/01/14 11:08
名前: デミグラス (ID: y3VadgKj)

 亡命者不在に半ば意気消沈していた4人は、取り敢えずファイルの中身を確認。
 そこに記されていた端的な文には、4人とも首を傾げざるを得なかった。

【План Например, на Кубе развивается должным образом.
(キューバでの例の計画は滞りなく進行している。)
В день судья рядом.Прежде всего, это от Соединенных Штатов.
(審判の日は近い。    まずはアメリカからだ。) 】

 ロシア語を習得していたカールのお陰で訳すことは出来たが、一体何を意味しているのかは分からない。一旦、アメリカに帰国し、ダニエルはファイルをCIAに提出、カンボジアでの計画も情報を確保出来たということで何とか罰則は逃れた。——事実上、この計画の提案者はライアンだったため、彼のみ後日、呼び出され「だからお前は工作員に向いてないんだ」と上からこっぴどく叱られたが——
そして、未だ、コンタクトをとってきた亡命者からの連絡はない。

「あのファイルにはキューバと我が国の名が挙がっている。元々キューバとアメリカの関係は、米州機構の件で悪化の一途を辿っている上に、今回のファイルの内容、更には先のビッグス湾侵攻計画の予定もある。ソ連がキューバを介して何か行動を起こしてくる可能性は非常に高い」
 ケネディの考えはもっともだ。アメリカがキューバを米州機構から除名したことにより両国の間に亀裂が走り、更にカストロがキューバを乗っ取った。
 そんな状況下の国をソ連が利用しない手はない。そして今回のロシア語で記されたファイル。ソ連が絡んでくるのはほぼ間違いないだろう。

「そこで君達には、ビッグス湾侵攻の際カストロを見つけ出し、あのファイルに載っていた計画について聞き出してきてほしい。勿論、手段は問わない。元々、カストロを暗殺するという手筈で計画の準備は進んでいたからな。やってくれるな?」
「勿論です。あのファイルを見つけ出したのは俺たちですから。なぁデイビット」
「嫌でもついてこさせるんだろ? まぁ嫌なわけないけどな」
 そう言うデイビットの顔からは今にでもやりたいとうずうずしているのが、ハッキリ伝わってくる。作戦が決まった時は決まっていつもこう。何とも皮肉だが彼にとっては戦場こそが生きる場所なのだ。

「もう1つ……君達には今後も、この件について主要部隊になってもらうだろう。
君達の優秀さを見込んでのことだ。ライアンそしてデイビット、任せたぞ。オペレーションZERO再結成だ」

Re: アセンション ( No.15 )
日時: 2013/01/25 20:24
名前: デミグラス (ID: IvmJM/UO)

1961年 4月17日 キューバ首都ハバナ市

「……イア……」
 微かに光が差し、目前に人影が見えたのと同時に、途切れ途切れだが声が聞こえてきた。
「……ラ……アン……………ライアン!!」
 その叫び声と共に、一気に視界が開ける。

30分前……

 一陣の涼風により、生い茂る草木が微かに揺れる小高い丘に、4人の人影。
 大統領直々に命を受け、現在潜伏中の彼らを含めた辺りを包みこむ静けさは、現在ピッグス湾で攻防が起こっていることを忘れさせ、同時に奇妙な恐怖感を覚えさせる。

 現場諜報員による事前の調査で、カストロが潜伏していることが判明した隠れ家。
 そこは4階建てで、一般の家なら5戸分ほどあるだろう全幅を誇っていた。
 これといった装飾はされておらず、一切の塗料が使われていない外壁は、木本来の姿が剥き出しになっているなど非常に素朴でシンプルな造りだが、隠れ家という割にはそれなりの大きさがある木造建築物だ。
「あれが隠れ家……なんかムカつきますね」
 丘の上からその全貌を眺めているカールが、冗談混じりに吐き捨てる。
「余裕があったらついでにぶっ潰して帰るか」
 カールの後ろに立ち、彼の頭の上から覗きこむように建物を眺めているデイビットが、カールを更に煽るように冗談混じりでそう口にする。

「心配しなくても俺たちが乗り込んだら、嫌でも勝手に潰れるだろうよ」
 2人に対して、ターゲットの潜む豪華な穴蔵には特に興味がないのか、周辺に神秘的な、オレンジの光を浴びせる夕焼けの空を仰ぎながら葉巻を吹かすライアンが、空気の読めない者の如く、真剣さを物語る低トーンで呟く。

「3人とも冗談はそこまでだ。連絡が入ったぞ」
 さすがは現役の軍人たちと言うべきか、軍用無線機に終始耳を傾けていたダニエルが声をかけた瞬間、空気がピリッと切り替わる。

 連絡先の相手はキューバ亡命者の1人で本作戦の協力者でもあるアルベルト・ブランコ。
 カストロの政権転覆によりアメリカに亡命してきたキューバ人は多数おり、その殆どは、カストロによる一党独裁制に反感を抱いた者たち。
 その中でも特に強く反発していたブランコは、この作戦のターゲットがカストロということだけで、協力に自ら名乗りを挙げたほどだ。
 そんな彼の役割はオペレーションZEROの脱出手段を用意することと、その支援。

「ブランコは、あの隠れ家から北に500mほど先にある飛行場に、脱出用の航空機を紛れ込ませているらしい。カストロから情報を引き出した後、すぐにその飛行場に向かう」
 ダニエルが無線機を介して受け取った情報を3人に伝える。

「それじゃあ出来る限り急がないとな」
 葉巻を口元から離してライアンが紡いだのは、脱出手段を失わないためという意ではなく、ブランコたちの身を案じての言葉だった。
 恐らく敵軍に化けて待機しているのだろうが、キューバ軍からすれば飛行場は重要拠点だ。それ相応の数の兵士が配備されているだろうし、大将のいる拠点に敵が侵入したと分かればそれだけ用心深くなる。長時間感付かれずにいるのは厳しいだろう。

Re: アセンション ( No.16 )
日時: 2012/09/08 21:03
名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: iAb5StCI)

あろーあろー。
お久しぶりの柑橘系で御座います。

面白そうな展開ですね!
自分だったらチェーンソーとかで、隠れ家の壁に穴を開けます←
だって面白そう。
中々に色々な事物に迫っているような気がして、上がっていたら見ないと落ち着かない始末。

自分もばりばり若葉マークの素人です。
デミグラさんの当小説を見て、勉強させて頂いております*

更新頑張ってください^^

Re: アセンション ( No.17 )
日時: 2012/09/10 19:05
名前: デミグラス (ID: .bb/xHHq)

柚子さん

再びコメントありがとうございます!

チェーンソーとまではいきませんが派手な登場に……
正直これからが本番なので、ドンドン謎が出てきますw

いやいや、自分の方こそ勉強させて頂いていますよ!
柚子さんや他の読者の方々の期待を良い意味で裏切っていければと思ってますので、これからもよろしくお願いします!

Re: アセンション ( No.18 )
日時: 2012/09/10 19:27
名前: ベルクシュアテン ◆ulufrlRV4E (ID: YO.h.a0k)

初めまして。
私、ファジー板(要するに此処)で書かせてもらっています、ベルクシュアテンと申します。
以後、お見知りおきを。

舞台設定が細かくて、時代背景を基にした台詞回しや独特の文章に引き込まれてしまいました。
歴史の裏の黒い作戦、といったところでしょうか。
キューバ危機の直前、もしくはその真っ只中なのでしょうか、今後の展開が楽しみです。

カストロの隠れ家、どう突入するんでしょう。
もし突入にスタングレネードを使ったダイナミックエントリーを使ったら、世界初がルフトハンザのハイジャック事件じゃなくなりますね((
GSG-9涙目ですね(((

執筆、頑張ってください。
応援しています。


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