複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

〜闇の系譜〜(外伝)
日時: 2021/04/16 00:38
名前: 狐 (ID: WZc7rJV3)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=16085

 皆さん、こんにちは!銀竹と申します。

 ここでは、『〜闇の系譜〜』の小話をちょこちょこ書いていきたいと思います。
完全に狐の遊び場と化していますが。ご容赦下さい(笑)

 もし物語に関するご要望等あれば、ぜひ仰って頂けると嬉しいです(*´▽`*)

〜闇の系譜〜シリーズの順番としては
ミストリア編(上記URLの最後の番号五桁が16085)
サーフェリア編・上(17224)
サーフェリア編・下(19508)
アルファノル編(18825)
ツインテルグ編
となっております。
外伝はどのタイミングでも大丈夫です(16159)。
よろしくお願いいたします!

…………………………

ぜーんぶ一気に読みたい方→ >>1-300

†登場人物紹介・用語解説† >>1←随時更新中……。

『三つ編みの』 >>2-3 >>5-11
──トワリスの三つ編みの秘密に迫る……!
『おまじない』 >>12-13 >>15 >>17-21
──なんとかは風邪を引かないと言いますが、ユーリッドは引きましたね。意外です。
『忘却と想起の狭間で』 >>22-27 >>30-31 
──外伝ですが、結構暗い内容です。しょんぼりアドラさん。
『悪魔の愛し子』取り下げ
──なんとかは風邪を引かないと言いますが、ルーフェンは(略)。
『ずるい人/卑怯な人』取り下げ
──ファフリもトワリスも、物好きだなとよく思いますw
『赤ずきん』 >>94-95
──ずっとやりたかったパロディーもの。とにかく下らないです。ただの狐の自己満足です。
『酩酊』取り下げ
──真面目な人ほど、酔うと面倒くさいよねっていうお話です。
『とある魔女の独白』 >>116-118
──サーフェリア編を最後まで書いて、そのあとにこれを読んだら、また見方が変わるんじゃないかな……という願望(笑)
『桃太郎』 >>126-128 >>130-132 >>135-137
──これまたすごくどうでもいいパロディーもの。ちょっと汚らしいので注意ですw
『シンデレラ』 >>138-140 >>142-156
——リリアナさん初出演のパロディーもの。本編とは全くの別物です!(笑)
『光』 >>157 >>159-170
——オーラントとその妻、ティアの出会いから別れまでを描いた物語。
『不思議の国のアーヴィス』 >>172-184
——ツインテルグ編の主人公、アーヴィス初出演のパロディもの。
本編には出てきていない登場人物ばっかりなので、完全に作者の自己満です。

『〜闇の系譜〜座談会』
──ひっどい内容です(笑)世界観をぶち壊す発言、登場人物のキャラ崩壊が満載ですので、閲覧注意。
【第一回】オーラント×トワリス
「アドラ生存ルートの可能性について」 取り下げ
【第二回】ルーフェン×ハインツ
「ミス・闇の系譜は誰だ」 取り下げ
【第三回】ジークハルト×リリアナ
「応援歌を作ろう」 取り下げ
【第四回】ユーリッド×半本とどろき(ゲスト)
「世界線を越えて」 >>141
【第五回】カイル×ロクアンズ・エポール(ゲスト)
「世界線を越えてⅡ」 >>158
【第六回】サミル×クラウス(ゲスト)
「世界線を超えてⅢ」 >>171
【第七回】リリアナ(+α)×成葉&慶司(ゲスト)
「世界線を超えてⅣ」 >>185

登場人物の掘り下げ
ジークハルト・バーンズ >>187
サミル・レーシアス >>188

……………………

【完結作品】
・〜闇の系譜〜(ミストリア編)《複ファ》
ミストリアの次期召喚師、ファフリの物語。
国を追われ、ミストリアの在り方を目の当たりにした彼女は、何を思い、決断するのか。

・〜闇の系譜〜(サーフェリア編)上《複ファ》
サーフェリアの次期召喚師、ルーフェンを巡る物語。
運命に翻弄されながらも、召喚師としての生に抗い続けた彼の存在は、やがて、サーフェリアの歴史を大きく変えることとなる──。

・〜闇の系譜〜(サーフェリア編)下《複ファ》
三街による統治体制を敷き、サーフェリアを背負うこととなったサミルとルーフェン。
新たな時代の流れの陰で、揺れ動くものとは──。

【現在の執筆もの】

・〜闇の系譜〜(外伝)《複ファ》
完全に狐の遊び場。〜闇の系譜〜の小話を載せております。

・〜闇の系譜〜(アルファノル編)《複ファ》
ミストリア編後の物語。
闇精霊の統治者、エイリーンとの繋がりを明かし、突如姿を消したルーフェン。
召喚師一族への不信感が一層強まる中、トワリスは、ルーフェンの後を追うことを決意するが……。
憎悪と怨恨に染まった、アルファノル盛衰の真実とは──?

【執筆予定のもの】

・〜闇の系譜〜(ツインテルグ編)《複ファ》
アルファノル編後の物語。
世界の流転を見守るツインテルグの召喚師、グレアフォール。
彼の娘である精霊族のビビは、ある日、サーフェリアから来たという不思議な青年、アーヴィスに出会うが……。


…………………

基本的にイラストはTwitterにあげておりますので、もし見たい!って方がいらっしゃいましたらこちらにお願いします。→@icicles_fantasy

【頂き物】 >>16 >>53 >>98 >>99

……お客様……

夕陽さん
ヨモツカミさん
蓮佳さん
まきゅうさん
亜咲りんさん
ゴマ猫さん

【お知らせ】
・ミストリア編が、2014年の冬の大会で次点頂きました!
・サーフェリア編・上が、2016年の夏の大会で銅賞を頂きました!
・2017年8月18日、ミストリア編が完結しました!
・ミストリア編が2017年夏の大会で金賞を頂きました!
・サーフェリア編・上が、2017年冬の大会で次点頂きました!
・2018年2月18日、サーフェリア編・上が完結しました!
・サーフェリア編・下が、2019年夏の大会で銀賞頂きました!
・外伝が、2019年冬の大会で銅賞頂きました!
いつも応援して下さってる方、ありがとうございます(*^▽^*)

Re: 〜闇の系譜〜(外伝) ( No.138 )
日時: 2018/04/01 16:09
名前: 銀竹 ◆4K2rIREHbE (ID: ktklDelg)

『シンデレラ』


 昔々、それはそれは元気な、リリアナという赤髪の娘がおりました。
リリアナは、小さい頃に火事で母親を亡くし、その時に負った怪我が原因で、車椅子での生活を余儀なくされていました。

 その後、父親が再婚しましたが、彼もまた、病で亡くなってしまいました。
弟のカイルと二人、残されたリリアナは、現在、継母のアドラと、その連れ子であるアレクシア、キリスと共に暮らしています。
しかし、血が繋がっていないという理由から、継母や姉達は、結託してリリアナたちをいじめ、毎日家の雑用をさせては、おかしそうに笑っていました。

 掃除に洗濯、食事の用意、それらを一生懸命こなしていく日々。
そんなリリアナの、薄汚れた身なりを揶揄して、継母たちはリリアナをこう呼びました。
『シンデレラ(灰かぶり)』と。

 ある時、この国の王子様が、舞踏会を開く事になり、継母と二人の姉は、ドレスを着て王宮へ行くことになりました。

「いいか、我々が舞踏会から帰ってくる前に、床を綺麗に磨いておくのだぞ。部屋の汚れは心の乱れ、と言うからな」

 鳥人であるアドラ義母さんが、鋭い眼光でリリアナとカイルを睨み、命令してきます。
その分厚い胸板に、ドレスが今にもはち切れそうですが、今日のアドラ義母さんは、ばっちりお洒落をしていました。

「まあ、正直舞踏会なんて興味ないけれど、王族と関係を持っておけば、後々役立ちそうよね?」

 ふふっと妖艶に笑って、アレクシア姉さんが、長い蒼髪をかきあげます。
猫の獣人であるキリス姉さんは、家の柱で懸命に爪を研ぎながら、早口で言いました。

「ああ、あと夕飯に魚でも焼いておいて下さい。舞踏会で出る食事なんて、脂っこいに違いありませんからね。ちゃんと小骨もとって、冷まして置いておいて下さい。猫舌なので」

 継母と姉達は、今日も家事をリリアナとカイルに押し付けると、早速王宮に出掛けていきました。

Re: 〜闇の系譜〜(外伝) ( No.139 )
日時: 2017/12/25 19:12
名前: 銀竹 ◆4K2rIREHbE (ID: C8ORr2mn)

 三人を見送ると、リリアナは、はあっと大きくため息をつきます。

「あーあー、舞踏会ですって。私も行きたかったなぁ……。豪華な食事に綺麗なドレス。かっこいい王子様に見初められて、ロマンチックにダンスして……。もし行けてたなら、きっと素敵な夜になるんでしょうね……!」

 秋刀魚を焼きながら、目をきらきらと輝かせるリリアナに、カイルは鼻で笑いました。

「姉さんってば、馬鹿じゃないの? 王宮が一般に公開されているとはいえ、王子と踊れるのは、一部の上流階級のお嬢様だけに決まってるだろ。もし姉さんが舞踏会に行ったって、飯を食って終わりさ。ロマンチックにダンスなんて、有り得ないよ」

「もうー、ほんとカイルって夢がないわね!」

 リリアナは、頬を膨らませました。

「そんなの分かってるけど、可能性がゼロってわけじゃないんだし、夢くらい見たっていいじゃない。女の子は、運命の出逢いに憧れてるの! はあ、かっこいい王子様……私のことを迎えに来てくれないかしら!」

「…………」

 まだ見ぬ王子様を想像して、リリアナが、うっとりと目をつぶります。
そんな彼女の様子に、カイルは、呆れたように嘆息しました。

「全く……しょうがないな……」

 そう言って、床を磨いていた雑巾をその場に置くと、ふと、カイルが立ち上がります。
どうしたのかと首を傾げるリリアナに向き直って、カイルは、ぱちんと指を鳴らしました。

 すると、その時でした。
ぼふん、とカイルの横で煙が巻き上がったかと思うと、目の前に、巨大な黄金の馬車と、魔法使いの少女が現れました。

「こんにちは、リリアナさん。私、魔法使いのファフリよ」

 にこりと愛らしく笑って、ファフリが言います。
その横で、馬車の馬を操っている御者の少年も、笑顔を向けてきました。

「俺はユーリッドだ! よろしくな!」

 突然の出来事に、ぽかんと口を開けていたリリアナでしたが、はっと我に返ると、カイルの方を向きました。

「ま、魔法使い!? えっ、なに、カイル、何したの?」

 カイルは、再び床磨きを始めると、淡々と答えました。

「ユーリッドとファフリは、俺の知り合い。そんなに舞踏会に行きたいなら、二人に頼んで連れていってもらいなよ。その足とぼろぼろの服じゃ、王宮になんて行けないだろ」

「た、頼んで、って……」

 未だ状況が掴めず、唖然としているリリアナに、ファフリは魔法の杖を向けました。

「大丈夫、私達に任せて。いつも頑張ってるリリアナさんに、私達からの贈り物よ。──えいっ!」

 掛け声と共に、ファフリが杖を振ると、瞬間、眩い光に包まれて、リリアナは思わず目を閉じました。
そして、ゆっくりと目を開けて、驚きました。
ぼろぼろの服を着ていたはずの全身が、見たことがないくらい綺麗なドレスに、包まれていたのです。

「うわぁ、素敵……!」

 感じていた疑問など忘れて、身に纏うドレスに魅入ります。
深緑を基調とした、手触りのよいモスリンの生地に、たっぷりレースのあしらわれたスカート。
これなら、継母や姉達の着ていたドレスにも負けません。

Re: 〜闇の系譜〜(外伝) ( No.140 )
日時: 2018/02/21 17:09
名前: 銀竹 ◆4K2rIREHbE (ID: C8ORr2mn)



 感動して、言葉を失っているリリアナに、ファフリは言い募りました。

「それだけじゃないわ、リリアナさん。立ってみて」

 ファフリの言葉に、はっと顔をあげて、リリアナは息を飲みました。
小さい頃、火事に巻き込まれて以来、リリアナは歩いていません。

 恐る恐る、車椅子の足置きから足をずらして、床に置きます。
そして、肘置きを支えに、ゆっくりと身体を起こして、リリアナは、二本の足で床を踏みしめました。

「た……立てた……」

 呟いて、まじまじとファフリの顔を見つめます。
笑顔で頷いたファフリとユーリッドを見て、リリアナの胸に、喜びが沸き上がってきました。

「すごいっ、すごいわファフリちゃん! わあ、私、立ってる! ありがとう……!」

 パニエでふんわりと膨らんだスカートを掴み、リリアナがくるくると回ります。
そのはしゃぎっぷりに、カイルも苦笑しました。

「ふふ、喜んでもらえて、私も嬉しいわ! それじゃあ、最後に。リリアナさん、これも履いてみて」

 そう言うとファフリは、ガラスの靴をリリアナの足元に置きました。
澄み渡った湖面のように透明で、つやつやと美しいそのガラスの靴は、まるで、宝石のように輝いています。

 リリアナは、スカートの裾を持ち上げて、ガラスの靴を履くと、幸福を噛み締めるように何度も足踏みをしました。

「これで準備万端ね。王宮へ行くための馬車は、ユーリッドが運転してくれるわ。さあ、乗って!」

 ファフリに促されるまま、リリアナは、黄金の馬車に乗り込みます。
こんなに綺麗なドレスと靴を身につけて、豪華な馬車で王宮の舞踏会に参加できるなんて、夢のようです。

 ファフリは、喜びのあまり涙ぐんでいるリリアナを見て、言いました。

「リリアナさん、一つだけ注意事項なんだけれど、私の魔法は、夜の十二刻を過ぎて日付が変わると、解けてしまうの。だから、それまでには必ず戻ってきてね」

「ええ、分かったわ!」

 リリアナは頷いて、お礼を言いました。

「カイル、ファフリちゃん、本当に本当にありがとう! 私、今まで生きてきて、一番幸せよ。ちょっと緊張するけど、王子様に会ってくるわ!」

 カイルは呆れたように笑い、ファフリは頬を綻ばせて、手を振りました。

「よし、出発するぞ!」

 ユーリッドが、大きな声を言って、ぐいっと馬の手綱を引きます。
すると、馬が宙を駆け上がり、馬車全体がふわりと浮かびました。

 家の壁も屋根もすり抜けて、魔法の馬車は、天を渡ります。

 カイルとファフリに見送られて、リリアナは、王子様の待つ王宮へと向かったのでした。

Re: 〜闇の系譜〜(外伝) ( No.141 )
日時: 2021/04/16 00:36
名前: 銀竹 ◆4K2rIREHbE (ID: WZc7rJV3)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1a/index.cgi?mode=view&no=10240




〜闇の系譜〜座談会④
『世界線を越えて』



ユーリッド「よーし、じゃあ始めるぞ。それでは早速、今回のゲストの登場だ!」

半本「こんにちわ! はじめまして、ユーリッドさん! 新コメライ板の『巫山戯た学び舎』から出張してきました、半本(はんもと)とどろきといいます! 今回はよろしくお願いしますね!」

ユーリッド「今日は来てくれてありがとう、えっと……半本さん、でいいかな。こちらこそよろしくな! じゃあまずは、この会話を見てくれている読者さんに向けて、軽く自己紹介してくれないか? あとは『巫山戯た学び舎』のあらすじとかも、よかったら教えてほしい!」

半本「はい! 私は渦杜(うずもり)中学校に通っている中学一年生です。好きな動物は犬で、好きな野菜はラディッシュです。今やりたいことはユーリッドさんの耳を触ること! 『巫山戯た学び舎』というのは、私の通っている渦杜中学校で起こるドタバタを、宗谷(そうや)くんという私のお友達を中心に巻き起こっていく物語です!」

ユーリッド「なるほど、学校が舞台の物語なんだな。俺も以前は兵団で、同い年の連中と勉強したり、剣の訓練したりしてたけど、学校っていうのも、そんな感じのところだよな。俺の耳は……いや、そんな触っても良いことないと思うけど……。触りたいか?」

半本「そうですねー。剣を使っての授業はさすがにしないけど……あ、でも私の友達にとっても物理的に強い子がいますよ! 五十対一の喧嘩で無傷で勝ったーとか、なんか凄い伝説がある子です。えっ、触ってもいいんですか!? 触りますよ!?」

ユーリッド「うっ……まあ、半本さんはお客さんだしな。別に減るもんじゃないし、触っていいぞ。ほら」

半本「ほんとですか!? ありがとうございます! 痛かったりしたら言ってくださいね! わーい!(さわさわ)」

ユーリッド「はは、痛くはないよ、大丈夫! やっぱり人間からしたら、狼の耳とか珍しくて触りたくなるんだな。前にも、サーフェリアっていう、俺たちの世界で言う人間の国に行ったときに、耳を触られたことがあったんだ。まあ、そいつの場合は、触るっていうかいきなり鷲掴んできたから、怒ったけど」

半本「鷲掴みだなんて、その人酷いですね! こんなかわいらしい耳を乱暴に扱うだなんて……」

ユーリッド「全くだよ! そいつ、根は良い奴なんだけどさ、とにかく奔放すぎる性格だから、一緒にいると振り回されるんだよな……」

半本「振り回しちゃう人なんですねー。私も結構周りをおいてけぼりにしがちだから、お話合うかもしれません。ところで、人間の国……ということは、動物の国──わんわんにゃんにゃんパラダイスもあるんですよね?」

ユーリッド「わ、わんにゃん? えっと、動物の国、っていうのはないけど、俺たち獣人の国ならあるぞ。ミストリアっていうんだ! 今、俺の幼馴染が、ミストリアの女王なんだぜ!」

半本「獣人! とっても素敵な響き! ……って、ミストリア? ミストリアってなんか聞き覚えがあります。あ、思い出した。河童がこの前『ミストリア編が完結した! めでたい!』って騒いでました。そのミストリアですかね? 」

ユーリッド「そうそう、そのミストリアだよ。俺たちが主人公の物語なんだけどさ、この前ようやく完結したんだ。ありがとな!」

半本「河童が『完結ほんとにおめでとうございます! これからもずっと応援します!』と言っています。私からも完結、おめでとうございます! それにしても、お友達が女王様ってすごいですね! ごーじゃす!」

ユーリッド「まあ女王って言っても、俺にとっちゃ変わらぬ幼馴染って感じなんだけど。そういや、半本さんにも宗谷って友達がいるんだよな? どんな奴なんだ?」

半本「宗谷くんですか? 宗谷くんは可愛らしいお顔をした私のお友達ですよ! ちょっと人見知りでちょっと変な子ですけど、大事な友達です。ユーリッドさんの幼馴染さんはどんな方なのですか?」

ユーリッド「ん? ファフリは、普通の女の子って感じだぞ。少しおっとりしてるところもあるけど、優しいし! でも、ファフリが作る料理は、すごく前衛的な味がするな! 食べた奴は大抵倒れるんだ」

半本「ファフリさん、とても素敵な人みたいですね! ……料理の戦闘力はとても高いようですが……。ちょっとどんな料理か聞きたい気持ちもありますけど、怖いのでやめておきます。でも、友達って、ほんといいものですよね!」

ユーリッド「あはは、そうだな。俺も、もしファフリがいなくなってたら、なんて考えると、今でもぞっとするよ。やっぱり、苦しいときに支え合ったり、楽しみを共有できる相手がいるっていうのは、良いことだよな! 今回、闇の系譜とは違う世界から来た半本さんとも話せて、友達になれて嬉しいぜ」

半本「そうですね! 私にもたくさん友達いますけど、いろんな人がいて話してるだけで楽しいです。まさかこうやって別世界のユーリッドさんと仲良くなれるだなんて思ってませんでした! 一生の思い出です!」

ユーリッド「まあ確かに、こういう場じゃないと、別世界の誰かと話す、なんて機会はなかなかないよな。今回は、来てくれて本当にありがとう! そろそろ時間みたいだから、終わろうと思うんだが、最後に一言、お願いしていいか?」

半本「はい、えっと、今回は世界線を越えて友達を作る……という人生初なことができて本当によかったです! 機会を提供してくださった銀竹さん、お話してくださったユーリッドさん、本当にありがとうございました! ぜひまた呼んでくださいね!」

ユーリッド「おう! 絶対また会おうな!」



………………


 今回は、コメライ板で連載中の『巫山戯た学び舎』から、半本とどろきちゃんに来ていただきました!
かなり前に書いた座談会なので、話題がミストリア編完結の時点で止まってるのはスルーしてください(笑)
 こういうコラボ企画的なもの、ずっとやってみたかったんですよね(^^)
『巫山戯た学び舎』は、闇の系譜とは違うコメディタッチの作品ですが、とってもほのぼの&面白いので、是非読んでみて下さいね!(URL貼っておきます。)
個人的には、半本とどろきちゃん推しなのですが、座談会の会話でも出てきた物理的に強い人──加賀坂蒼ちゃんという登場人物も、かなりやばすぎてやばいので(語彙力)、必見です!

 それでは、読んでくださった皆さん、そして河童さん、本当にありがとうございました!
またこういったコラボ企画やっていきたいと思います。

Re: 〜闇の系譜〜(外伝) ( No.142 )
日時: 2018/03/18 19:43
名前: 銀竹 ◆4K2rIREHbE (ID: JbPm4Szp)




  *  *  *


 人間の国、サーフェリアの王都、アーベリト。
その中心に位置する王宮の大広間には、各街の領主や貴族たちが着々と集まり始め、談笑していました。

 今夜は、今年二十一を迎える王子、ルーフェン・シェイルハートが主催の、舞踏会が開かれる日です。
今日ばかりは、王宮が一般にも開放されているため、有力な貴族から一般国民まで、多くの人々が、一目ルーフェンを間近で見ようと、集まっていました。

 とりわけ、若い娘たちは、念入りにめかし込んで、ルーフェンの登場を待ちわびていました。
ルーフェンは、武勇の才に併せ、美しく整った容姿をしていることで有名な王子です。
舞踏会で、彼に見初められることがあれば、これほど幸運なことはないでしょう。
娘たちが、闘志を燃やすのも、無理のないことでした。



 大広間からの喧騒を聞きながら、ルーフェンは、窓の外を見ていました。

「うわ、すごい人数。さすが俺、モテモテって感じ?」

 王宮の正門に、吸い込まれるように入っていく大勢の人々を眺めて、ルーフェンが言います。
そのすぐ側に立つ、護衛のトワリスは、冷ややかな視線をルーフェンに向けました。

「馬鹿なこと言ってないで、さっさと用意してください。大広間に出たら、そのだらしない顔もどうにかしてくださいね」

「えー? 俺、そんなだらしない顔してる?」

「してます! 綺麗な女の子が集まってきて、浮かれてるの丸分かりの顔してます!」

「いでででっ」

 ルーフェンの両の頬をつまんで、トワリスが叱責します。
ルーフェンは、つねられた頬を撫でながら、苦笑しました。

「全く、機嫌悪いんだから……」

「何か?」

「何でもないです」

 睨んできたトワリスから目をそらし、カフスの釦を止めると、ルーフェンは身支度を整えました。

「それじゃ、トワが怖いし、そろそろ準備に行くかな。ハインツくんは、どうする?」

 ふと、部屋の隅を見やると、ルーフェンが問いかけます。
その巨大な体躯を縮めるように、膝を抱えて座っていたハインツは、びくっと震えると、顔をあげました。

「い、いく……」

 か細い声で返事をして、ハインツが立ち上がります。
ルーフェンは、その様子を見て、くすりと笑いました。

「そう? なら、ハインツくんには、中庭から正門を見張っていてもらおうかな。一応門衛はいるけど、もし怪しい奴が王宮に入ろうとしたら、捕まえておいてよ」

「……分かった」

 ルーフェンの言葉に、歪な鉄仮面の奥で、ハインツの顔色が明るくなりました。

 ハインツは、トワリスと同じルーフェンの護衛でしたが、その屈強な見た目とは裏腹に、人前に出るのが苦手で気弱な性格でした。
だから、人間が大勢集まる大広間に行くのは、正直なところ避けたかったのです。

 こっちは任せて、という風に頷いたトワリスに頷き返すと、ハインツは中庭へと向かいました。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。