複雑・ファジー小説
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- チャイルド・デーモン
- 日時: 2015/02/16 20:27
- 名前: カトマナ (ID: uWCnjyP1)
「た、たずげ、て…くれ…!」
月が、妖しく輝くこの世界。
…その世界の月に乗って笑う
『え〜?オッサン何言ったんだ?俺、聞こえなかったわ』
二十歳にもならない、銀色の髪をした少年
- Re: チャイルド・デーモン ( No.42 )
- 日時: 2015/12/09 07:57
- 名前: カトマナ (ID: wECdwwEx)
「…離れなくてもいいですよ?」
ルストが腕を引き、近づく。
「は?何を…ひぁ…!?」
短い悲鳴が出る。ルストがサーナの耳に甘噛みしたせいだ。
その反応を楽しむかのように耳に舌を這わせる。
「やぁ…ぁあ…」
「サーナ、感じてますね。…可愛らしい」
声のトーンを低くして囁かれ、サーナはそのまま流されそうな雰囲気になる。
(流されるな流されるな流され…!)
「いだっ…!?」
- Re: チャイルド・デーモン ( No.43 )
- 日時: 2015/12/12 17:26
- 名前: カトマナ (ID: HTruCSoB)
耳にはしる鈍い痛み、それと共に聞こえる苦しそうな息。
「ル、スト…?」
「…っ、すいません、悪ふざけが過ぎました…」
サーナを離す。
「ルスト、大丈夫?…なんか変よ?」
さっきまで元気な笑顔をしていたのに、何かを我慢するような顔をしている。
「…大丈夫ですよ。それより、標的いますね」
ルストの見る景色の先にいたのは———《イロム・ゴードン》
「サーナ、ちょっとお願いがあるんですけど…」
- Re: チャイルド・デーモン ( No.44 )
- 日時: 2015/12/14 18:18
- 名前: カトマナ (ID: qUgMea5w)
〜第3章〜
(…なんで、こんな目に…!!)
サーナは今おそらく人生最悪の事態に陥っている。
「お嬢さん可愛らしいねぇ、ワシと一杯行かんかね?」
横にいるのはイロム公爵。ルストのお願い(というか命令)で囮にされている。
【公爵はかなりの女好きです。早く捕まえるためにサーナには囮をしてもらいます。まぁ、断ったらさっきの喘ぎ声を街に流しますけど】
(断わる選択肢がないじゃない…!!)
「なぁ一杯だけ付き合ってくれや、グヘヘ」
狭い路地裏に連れ込みながらいかがわしくサーナの体を触る。
ゾワゾワと嫌な感覚に我慢出来なくなり、手を叩く。
「っ!!気色悪い!!触んじゃねーよ!!」
「なっ!?この、小娘が…!!」
イロム公爵の拳がサーナに向かって振り下ろされる。
「っ…」
「ストップ、彼女に怪我は許しませんよ?」
ルストの声と共に空間が歪み、形を変える。
「ようこそ、黒縛界へ」
- Re: チャイルド・デーモン ( No.45 )
- 日時: 2015/12/20 14:55
- 名前: カトマナ (ID: 07Anwjr8)
「な…に、ここ…」
脳みそを壊すような甘い匂い、そこかしこから聞こえる悲鳴、嬌声。
「ここは僕の精神世界、官能と狂気が入り混じったところですよ」
背後から聞こえるルストの声に2人は振り返る。
「ルスト…?あんたなんで目が赤く…!?」
言葉にするより早くサーナの横をすり抜け、《 なにか》が公爵に絡みついた。
「あがっ!?」
「抵抗しないでください。くいこみますよ?」
ぐいっとルストがそれを引っ張り公爵を吊るしあげた。
「ルスト、何なのその《 鎖》…?」
公爵に絡みついたのは鎖。この世のものではないような黒を纏っている。
「エンドレス・チェーン、悪魔達が敵を拘束する為に使用した決して壊れる事のない鎖、僕に与えられた力ですよ」
- Re: チャイルド・デーモン ( No.46 )
- 日時: 2015/12/24 11:08
- 名前: カトマナ (ID: 2PmCSfE.)
「悪魔…?」
サーナがつぶやくとともにバシャ、っと音がした。
「さぁ、懺悔する時間ですよ。公爵殿?」
吊るされた公爵の足下に水たまりのようなものが出てきた。
「なにをす…!?」
公爵が抵抗する暇を与えず、鎖で拘束したまま公爵を水たまりに落とした。
甘い匂いがさらに濃くなる。
「あぁ、ァ、だずげで、あがっ…」
水たまりに入った瞬間、公爵は苦しみ始めた。
「!?ルスト、あれ何なの!?」
「何って、媚薬ですよ」
にこり、とこの場にふさわしくない笑みを浮かべる。
「媚薬って、何言って…!?」
「ぎゃあぁぁぁ!!」
公爵の悲痛な悲鳴が響き渡る。
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