複雑・ファジー小説

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The guardian werewolf 
日時: 2022/12/27 00:22
名前: zetu (ID: b/ePXT6o)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=10617

The guardian werewolf prologue


俺は橋本真。春休み中の新高三だ。だといえど塾はある。そして今その帰り道を自転車で走ってる。そろそろアイツの家の前を通る。べっ別に何も無いぞ、確かに体が弱いのに夜に一人で自主トレをやってたから少し心配だが、決して……とかじゃ無い。断じて無い。アイツはただの幼馴染だ。そうただのだ。…多分。

そんなこんなでもうアイツの家の前だ、うぉっほん。ちがうぞ、ってあれっ?俺は自転車を停めた。アイツとアイツの妹が話している。俺に気付いていない。それはいい、その奥にいるあれは誰だ?デケェ男が右手を挙げてアイツらに近付いている。あれっ、今右手に持っているものが光っt 俺は自転車をこぎ出した。

「テメェ!何するつもりだゴラァ!」

男が一瞬止まった、今だ。ガシャーン俺は男に突っ込んだ。男はぶっ飛ぶ。

「早く家ん中に入れ。」

俺はアイツらに言った。無事に入った事を確認してから俺は気付いた。男にはナイフがある。だが、俺は武器が無い。どうしたものかと考えようとした瞬間男が着ていたジャケットから…。あれは拳銃!あれでは逃げ切れない。素手でやりあうしか…、

「これ、使って!」

そんなとき上からアイツの声とともに金属の棒が落ちてきた。これだ、棒を拾いに行く俺、男は銃を構えている。ダンダンッ 俺は部活で鍛えたフェイントで棒を拾うと見せ掛けてエルボーをこめかみに入れた。男はぐらつく、俺はバックステップで下がりながら棒を拾い、そのまま助走をつけ、頭に棒を降り下ろした。男が倒れるとともにアイツの家の方から

「大丈夫?」

という声が聞こえてきた。話しかけられて嬉し半分疲れ半分で聞いているとアイツの妹の「お姉ちゃん、危ない!」という声が聞こえた。俺は反射的にアイツを押し退けた。

「ゴハッ」

左胸に激しい痛みが生じるが、そこは気にならない。まだ彼女を傷つけようとする男への怒りで痛みは感じ無い、そして最後の力を振り絞り、今度こそ男の頭の脳天へ打撃を決めた、男の意識が無いのを確認し、パトカーの音が聞こえてくるとともに、俺は意識を手放した。




「真、まことっ!」

意識を取り戻した俺が最初に見たのは涙でぬれた彼女の顔だった。

「死なないで!」「何で私なんかのために。」

そういっていた彼女の頭を撫でた。そして頭を近付けさせ、

「俺がそうしたかったからだ、お前のせいじゃ無い。」「お前は 梨花はお…の……だから。」

そこで俺は意識を失った。そして橋本真は二度と目をさます事はなかった。



俺が目を覚ましたのは辺り一面何も無い真っ白な所だった。いや、なにかいる。人?だが、足が無い。「あぁ、俺は死んだのか。」声に出そうとしたがここでは声は出ないらしい。とりあえず、その死人の列についていった。列の先に門が見える。そこに獣が立っていた。だが、誰にも話しかける訳ではない。無視して通ろうとすると、狼が、

「少年、守りたいものはあるか?」

としかけてきた。俺は頷く。

「ならばこい、少年。お前を…。」

prologue : end

Re: The guardian werewolf  ( No.3 )
日時: 2017/06/25 01:46
名前: zetu (ID: .mrUqyHH)

The guardian werewolf incident

梨花side
悠乃が剣道部に入り、レイナとの稽古も始まってイキイキとしているなか、私は悶々としていた。なぜなら、

「レイナ〜〜、私のやることは〜〜?」

レイ「梨花はテニスか勉強でもしてください。」

「私のも考えてくれるっていったじゃんか〜。」

レイ「考えているのでもう少し待ってください。」

「えぇ〜〜。」

因みに言うと、レイナは悠乃の稽古を付けながらしゃべっている。このままでは独りだけ勉強するはめに……そうだ!

「ねぇ二人とも、コンビニ行かない?」

悠乃side
お姉ちゃんの一言でコンビニにいくことになった。夜遅いんだけど、ウチは父さんがあんな感じだし、今見回り中なのでなんの問題もない…筈だ。にしても、レイナちゃんはお姉ちゃんにとても甘い。お姉ちゃんは分かってないと思うけど、はたから見ると、とても分かりやすい。

レイ「梨花、悠乃、危ないので気をつけて歩いて下さいよ。」

梨花「はーい!ってうわっ!」

レイナちゃんが言ったそばから転びかけてるし。

レイ「大丈夫ですか?言ってすぐ転ばないでください。」

レイナちゃんはいつの間にかお姉ちゃんをキャッチしていた。あの動き…何処かで…

梨花「あっ、ありがと。ところでさぁ、レイナってどういう感じ書くの?」

ところでと言いながら関係ない話に持っていくのはお姉ちゃんの常套手段だ。でも、

「それ、僕も気になる!」

レイ「あれ?言ってませんか?とりあえず、コンビニに寄ってからにしましょう」

梨悠「「はーい。」」

ということで、今コンビニで飲み物や食べ物を見ている。僕はたまたま切れていたアクエを買いに来たんだけど、お姉ちゃんはひたすらお菓子を見てる。そんなんだから太るんじゃ…

梨花「悠乃、なんか言った?」

「イイエ、ナンデモアリマセン。」

お姉ちゃんは、勘とか予想とかがとにかく強い。僕も当たる方だけど、お姉ちゃんは外した方が少ない。そして一応気にしているらしく、特に太るとかは禁句である。

梨花「何食べよっかな〜〜♪」

ハァ、あれは置いといて、そういえばレイナちゃんをみてないな、
「レイナちゃん〜?」

レイ「はい、どうしました?悠乃?」

う、後ろから!?

「何時からそこに…」

レイ「ふふふ、内緒です。」

えぇ…、そうそう。

「んで、レイナちゃんの名前の漢字は?」

梨花side

お菓子に気をとられてすっかり忘れていた。そうだった、レイナの漢字を聞いたんだった。

「教えて教えて?」
レイ「いいですよ、私の字は……伏せて!!!」

レイナが急に叫んだので、私は悠乃を守りながら床に伏せる。すると、コンビニの窓ガラスが全て飛び散った。車が突っ込んで来たようだただし、ワンボックスカーで、中から男が降りてきていた。

??「自警団団長の娘はいるか?」

レイナが目で「返事したらいけない!」と訴えてきたので、悠乃を抑えて、声を出さないようにする。

??「名乗り出る気が無いのなら、全員連れてくだけだ、いけ!お前ら!」

男の号令と共に何人もの男達が降りてきた。体格のいい人ばかりのようで、抵抗できそうにもない。しかも、店員や他のお客を見ても、女性しかいない。いったいどうしたら…

レイ「待ちなさい。」

急にレイナが立ち上がり、声を上げる。

レイ「あなたたちに好きにさせません。」

??「なんだ?俺らとやろうってのか?いいぜ、かかってきな。ただし、こっちは全員でいかして貰うぜぇ!いけ!」
いくらレイナでも、あそこまで体格差がある相手を何人もはさすがに…と思ったとき、不意にあたまに文字が浮かんだ。

レイ「梨花!私の名を詠んで下さい!」

もしかして、これが…よし!

「零銘!」

そういったのと同時に目前が白く染まり、再び目を開くと、目の前には白い髪と、犬の様な耳と尾をはやした人が立っていた。

「零……銘?」

零銘「はい、そうですよ。零銘です。」

話しかけて、答えも返ってきたのに、目の前の人が零銘だと理解するのに私は少し時間がかかった。零銘の姿はまるで狼人間のようだからだ。

零銘「さて、準備は出来てるんでしょうね?月牙の私に戦いを挑んだんですから、死ぬ覚悟が!」

そう言って、零銘は腰に付けていた木刀を握る。鞘から刀を抜くように。すると、キン という音と共に、中から刀身が現れた。そして、零銘は男達の方へ駆け出す。

??「怯むな!所詮女だ、やっちまえ!」

リーダーの男がそう言った時にはもう半分程が倒れていた。どんどん零銘が斬り伏せているからだ。

??「なっ、なにをグズグズしてやがる!さっさと捕まえろ!」

だがもう遅かった。もう男ひとりになっていたからだ。

零銘「どうしたの?かかってきなさいよ。」

??「くっそぉお!これでもくらいやがれ!」

手に持っていたのは金属バットだった。男は零銘に向かって振り下ろす。

零銘「月牙流剣術反式初伝、ほむら

振り下ろされたバットを刀でそらしながら、突進し、そのままの形で斬りあげた。

??「ぐあぁぁ!!」

その瞬間、私と悠乃は呆然としていた。なぜなら、斬りあげで重量のありそうな男が後ろに飛ばされたからである。

零銘「ふうっ。」

零銘は刀を鞘にしまった。すると、零銘の姿が光と共に元に戻った。

「零銘……。」

零銘「はい、なんですか?」

「今のは、なに?」

零銘「目の前でなっていたからには説明しなきゃだし、元々説明するつもりだったけど、とりあえず家に帰りましょう?」

incident:end

Re: The guardian werewolf  ( No.4 )
日時: 2017/06/25 01:51
名前: zetu (ID: .mrUqyHH)

The guardian werewolf description

梨花side
あの後、駆けつけた警察の人に話を聞かれると思っていたら、同じくパトロールしていた自警団の人達に解放してもらった。事情聴取は後日になったらしい。ということで、家に帰ってからお風呂に入り、寝る準備をすませてから。みんなで私の部屋に集まった。もちろん、みんなと言っても私と悠乃と零銘だけど

「さてと、それじゃ零銘。説明して?」

零銘「はい。でもその前にまず月牙家の成り立ちから説明します。」

悠乃「ちょっとまって、え、なんで零銘ちゃんのお家の話?」

零銘「まあまあ、そのつながりはあとからわかりますよ。月牙家は、とある狼の末裔なんです。」

梨悠「「……は?」」

なにをふざけたことを、と私は思った。悠乃も同じようだったが、零銘は真面目な顔をしていた。

零銘「正確に言うと、狼の神様です。ここから話すのは御伽話のような話ですが実際に起きた史実です。」

最初から御伽話の様な内容だけど、私達はつっこむことができずにただ聞いていた。

零銘「江戸時代の話です。とある姫様は自然が好き、そして動物が好きでよく山に入っていきました。もちろん従者や領主である父親に止められていましたが、それでも、隠れて山に入っていくのでした。」

零銘「そして、ある時一匹の狼に出会いました。その狼は山の主でした。狼は人をも寄せ付けない力で山の平和を守っていました。当然姫を警戒しましたが、姫に擦り寄っていく他の動物たちを見て、姫が山の動物たちに愛されていることを知り、次第に心を開いて行きました。でも、城の人間は狼と姫が一緒にいることをよしとしませんでした。そして、姫に隠れて狼を亡きものにしようとしました。そして、剣の腕があるものを討伐隊として山へ向かわせた時、姫も気付いて隠れて会っていた場所に行きました。狼と会えた姫は事情を話し、逃げるように伝えましたが、間違いがありました。狙われていたのは、狼と姫でした。領主の従者のひとりが、領地を我がものにするために画策していたのです。姫に刃が向けられた時、狼は激昂して全員噛み殺しました。でも最後の1人に腹を切られ、死にかけでした。姫は自分を守ってくれた狼に涙を流しました。すると、狼に涙が落ちた時、狼の体が光に包まれて人の姿になりました。そして、従者を倒して姫と狼は結ばれたのでした。」

零銘「種の違う狼との間に子供が生まれることはありませんでしたが、孤児を拾い家族として育て、平和を守るために鍛えていました。姫が寿命を迎え、亡くなったあと。狼は神となりました。そして、姫の生前のように死にかけている命を拾い、自分と同じ狼人間として生まれ変わらせ、この世を守らせたんです。」

「それが……月牙家の由来なの?てことは、零銘も生まれ変わったってこと?」

零銘「はい、私は元々親とはぐれた子犬でした。そこを先代に拾って頂いて、こうやって人の姿を得ることができました。」

「つまり零銘は狼人間ってこと?」

零銘「はい、そうです。それで先程のコンビニで見せた……この姿が私の真の姿です。力をセーブしないといけないので普段はいつもの姿ですけどね。」

零銘は一瞬で白髪の狼人間姿になった。

零銘「平和を守るということで、警察や自衛隊、政治面では国防総省なんかと協力しあっています。」

悠乃「協力してるじゃなくて、しあってるの?」

零銘「ええ、私達は代々2,3人ぐらいなので、幾ら何でも情報力に欠けるので、力のある月牙家と情報が手に入る警察で手を組んでいます。だから、暴力団の殲滅とかはよくやったりしますよ。」

正直、スケールが大きくてあまりついていけてないが、とりあえず零銘は凄い人だということがわかった。

零銘「2人には話しましたが、この事は学校の人には内緒でお願いしますね?先生もダメですよ?」

悠乃「了解!だけど父さんは?」

竜神「知ってるよ〜。」

急にお父さんが部屋に入ってきた。

「勝手に入ってこないでよ〜。」

竜神「悪い悪い。さっ、とりあえず今日は寝ろ。今度の休みだが、ちょっと大切な話がある。いいな?」

悠零「「「はーい。」」」

大切な話ってなんだろう?そんな疑問を持ちながら、私達は眠りについた。

description:end

Re: The guardian werewolf  ( No.5 )
日時: 2017/06/25 01:56
名前: zetu (ID: .mrUqyHH)

The guardian werewolf squire

梨花side
数日後の朝、私達は武道場に集まった。もちろんこの前の話をするために。

竜神「さてっと、話を始める前に零銘ちゃん。お客さんだ。」

お父さんがそういった瞬間、

??「零銘様〜〜!!」

と、どう見ても幼稚園児か小学校の低学年くらいの歳の子が零銘に飛びついた。

零銘「あ〜!けんちゃん来たの!?元気にしてた?」

けん「はい!」

悠乃「零銘ちゃん、その子だぁれ?」

零銘「この子はけんちゃん。ぱっと見ただの子供だけど、私の従者兼忍者だから。」

なんかもう驚かなくなってきた。慣れって怖い。

けん「零銘様!このお二人かお話頂いた梨花様と悠乃様ですね!?」

「ちょっ!様呼びは勘弁して?恥ずかしいよ!」

小さい子に様呼びされてるのなんて見られたら恥ずかし過ぎる。

零銘「けんちゃん。2人の事は公の場ではお姉ちゃんと呼ぶように。」

けん「はい零銘様!」

零銘は「あっ、私もね?」と付け足した。

零銘「けんちゃん、あれ持ってきてくれた?」

けん「はい、持ってきました!なので、先輩に合わせて頂けませんか?」

先輩?先輩とは誰だろう。

零銘「いいけど、今寝てるから後でね?」

「ねぇ零銘。その先輩って誰のことなの?」

すると、お父さんが「まあ待て、」といった。

竜神「その話も今からまとめてしてやるよ。ってことで零銘ちゃん。いいよな?」

零銘「はい。」

竜神「よし、んじゃ始めるか。二人とも、月牙家の仕事は知ってるよな?」

悠乃「うん、簡単に言うと、平和を守ってるんでしょ?」

竜神「そうだ。そして零銘ちゃんはその仕事の為にここに来たんだ。」

零銘「はい。コンビニを襲撃してきた奴らを覚えてますか?」

「あの、私達を探してた人達?」

零銘「ええ、あいつらはこのあたりに潜んでいる暴力団のしたっぱです。どうやら梨花か悠乃、または2人を誘拐して人質にしようとしたみたいです。」

えっ、誘拐?なんで私達?

竜神「ごめんな、どうやら俺と何かしらの交渉をするつもりで、お前達を捕まえようとしたみたいなんだ。本当にゴメン。」

「お父さんのせいじゃないよ。」

悠乃「そうだよ、父さんが悪い訳じゃないんだから。」

零銘「でも、たまたま私が一緒にいたのでなんの問題もありませんでしたが、もし私がいない時、2人だけの時に襲われたらどうにもやりません。最悪、学校の人達も狙われるかもです。」

「そんな!」

零銘「それをさせないように、私が来ました。潜伏してる暴力団を壊滅させるために来ました。この子もね。」

すると、正座している零銘の膝に座っていたけんちゃんがはーいと手を挙げた。

零銘「私は2人の護衛。けんちゃんは忍者として情報収集。そして、さっきの先輩がアジトを潰すの。」

悠乃「それで、その先輩は?」

零銘「あ〜……起きたみたいなので変わりますね?けんちゃん、服持ってきたよね?」

けん「はい!一式持ってまいりました!」

零銘「んじゃ変わります。いきます、」

すると、零銘が白くなる時と同じ様な感覚がした。ただし、目の前は黒い。目を開くと目の前には黒髪短髪で黒い着物を着た人が立っていた。
「ま……こと……」

急に口から発していた言葉に反応するようにこちらを向く。そして、

??「あんたが……あぁ?ごちゃごちゃうるせぇなぁ、言わなきゃいいんだろぉ?言わなきゃよ。わかったよ……ったく。」

すると「せ〜んぱ〜〜い!」と、けんちゃんが飛び込んでいった。

??「うるせぇ!邪魔だぁ!飛びつくんじゃねぇ!」

飛びつこうとしたけんちゃんを背負い投げた。

??「毎回毎回うるせぇんだよぉ!何回も言わすなぁ!」

けん「はーい。」

??「クソ後輩のせいで挨拶が遅れたなぁ。月牙暗殺部門最高責任者。月牙影刃えいばだぁ。要は殺し担当だなぁ。よろしくなぁ。」

squire:end

Re: The guardian werewolf  ( No.6 )
日時: 2017/06/25 02:14
名前: zetu (ID: .mrUqyHH)

The guardian werewolf fenrir

悠乃side
零銘ちゃんが代わると言った時にもしやとは思ったけど、まさかほんとに零銘ちゃんが変身するとは……というか、どう見ても影刃君男性だよね。体どうなってんの?

影刃「さっき零銘の奴が言ったろぉ?オレらは人間じゃねぇからお前らの常識とはちげぇぞ?……悠乃だったなぁ?」

「へっ!?なんでわかったの!??」

影刃「名前はあらかじめ零銘にきいといたんだよぉ。話できねぇと面倒だからなぁ。」

「いやいや!そこじゃなくて!なんで僕が思ってたことわかったの!」

影刃「あ〜〜、わりぃな、思考読むのは一番得意なんだぁ。」

うわぁ

影刃「んなに引かなくてもいいだろぉ?」

「ちょっと!読まないでよ!」

影刃「わかったわかった、うるせぇから怒鳴るな怒鳴るな。」

バーカ!と頭の中で言ってみたけど、何の反応もないので多分読むのを止めてくれたようだ。

影刃「にしても、アイツちゃんと誓いを守ってるみてぇだな。」

「誓いって?」

梨花side
悠乃「誓いって?」

なんかめっちゃ食いついてるな。確かに気になるけど。

影刃「月牙の人間はそれぞれ誓いをたてるんだ。零銘は『不殺』俺は『抹殺』とかな。」

「だからその刀なんだ。」

影刃「あぁ、お前らも目の前で見ただろぉが、この刀は刃がねぇ。ようは鍛えられただけの金属の塊なんだよぉ。しかも零銘は化けねぇと抜けねぇしな。」

悠乃「なんで?」

影刃「そんぐらい固くしてあんだよ。まぁ、オレは関係なく抜けるがなぁ。」

そう言うと影刃は零銘の刀を抜いた。

影刃「流石に綺麗にしてあるなぁ。アイツは手入れが丁寧だなぁ。そうだ、おい後輩。」

するとけんちゃんが、「はい!先輩!」と元気に答えた。

影刃「俺の服と装備持ってきたんだよなぁ。貸せ。」

けん「はい!どうぞ!あっ、梨花様悠乃様!早くこの部屋出ないと先輩脱ぎ始めまちゃいますよ?」

梨悠「「えっ!?」」

影刃はもう上に何も着ておらず、下に手をかけていた。

「わーっ!」

fenrir:end

Re: The guardian werewolf  ( No.7 )
日時: 2017/06/25 02:21
名前: zetu (ID: .mrUqyHH)

The guardian werewolf fenrir2

悠乃side
「もー!いきなり脱ぎ出さないでよ!」

僕は非常に怒っている。影刃になのはもちろんだけど、自分にもなのだ。なぜなら、影刃の方を向いた時。彼から目を離せなかったからだ。今まで男性を見続けた事なんて無かった。真くんにも無かったのに……なんでだろう。答えが出ないからイライラするため、その怒りも影刃に向けている。

影刃「オレがどこで着替えようが勝手だろぉ?見たくねぇならさっきみたいに部屋から出ていけばいいじゃねぇか。」

けんちゃんが「先輩のお着替え終わりました〜。」と言ってくれたので部屋に入ると、先程までの和服ではなく、ジーパンに黒Tシャツ。黒の革ジャンを着ていた。フードにファーがついているもので、フードを被ったら顔が分かりにくそうだ。と、その時もじっと見てしまい、恥ずかしくなったので冒頭に至る。

「影刃が別の所で着替えればいいでしょ!なんで僕が出てかなくちゃいけないのさ!」

影刃「あーあーうるせぇなぁ。なら見なければいいだろ?」

「無理!」 影刃「なんで?」 「無理ったら無理!」

さっきの光景が頭から離れないため、見ない事は 難しい と思う。

影刃「何が難しいんだ?」

「心を読むな〜!!」

梨花side
あ〜あ、走っていっちゃった。

「影刃君。あんまり悠乃で遊んじゃダメだよ?」

影刃「あ〜…わかったよ。行ってくる。零銘がうるさいからなぁ。」

「ところで、もしかして零銘と話せるの?」

影刃「ああ、意識の中でなぁ。」

やっぱ人間じゃないんだなぁ

「悠乃の居るところは多分……。」

影刃「いい。見つけてこそだろ?こういう場合。」

「ならいってらっしゃ〜い。」

悠乃side
あーもー!なんなのアイツ!というかなんで僕はこんなにイライラしてるの!?いつもはこんなにイライラしないのに……アイツのせいだ!!

飛び出して来たので僕は家の蔵の中に居る。鍵を拾ったのは偶然だったけど、こうやって何度も使っているのだ。お姉ちゃんは知ってるけど、ここには入ってこようとしないので、安心して落ち着ける場所だった。今は落ち着いてないけど。それにしても、なんでこんなにイライラしちゃうんだろう。確かに影刃があんな事するから怒ってるんだけど、そこまで嫌じゃn…!辺りには影刃の姿はなかった。良かった〜。良くない!!待って!さっきのなに!?自分の中によく分からないのがあるよ!?なにこれ!お姉ちゃんに相談……やめよう。いじられて終わりな気がする。

影刃「悠乃。」

「うひゃあ!」

扉は開いてないのにいつの間にか目の前に影刃が立っていた。

「まって!?どっから入ってきたの!?」

影刃「零銘の奴言ってなかったのか。あのバカ犬。オレはな…化けれるんだよ。」

影刃の姿が一瞬にして黒い狼になった。そして喋った。

「わぁっ!狼になれるの!?しかも喋れるの!?」

影刃「ただの狼じゃないからな。さてと。」

また人の姿に戻った。

影刃「あの姿でそこの窓から入った。」

三階ぐらいにある窓を指差されても……

影刃「それより、さっきは悪かったな。着替えの場所は気をつけるわ。」

「あっ、うん。お願いします…。」

影刃「……オレはな、」

「へっ?」

影刃「オレは人との接し方がわからないんだ。」

「えっ、どういうこと?」

影刃「オレらは生まれ変わった時に全てを知識として教えれるんだ。例えば、零銘は家流剣術守式と反式。けんだったら家流忍術。そして二人ともコミュニケーション術を教えて貰ったそうだ。だが、オレは殺人術と読心術しか教わってない。人とどう接したらいいかわからないんだよ。」

「なら、」影刃「ん?」

「…なら、僕が教えてあげる。僕と一緒に学んでいこうよ。」

影刃「悠乃、ありがとう。」

「頑張ろうね?」

影刃「ああ。それとだな、さっきの難しいの話だかな、あれは俺読んでないぞ。」

「えっ?」

影刃「口に出てたからな。難しいって。」

「え〜ー!!!」

fenrir2:end


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