複雑・ファジー小説

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The guardian werewolf 
日時: 2022/12/27 00:22
名前: zetu (ID: b/ePXT6o)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=10617

The guardian werewolf prologue


俺は橋本真。春休み中の新高三だ。だといえど塾はある。そして今その帰り道を自転車で走ってる。そろそろアイツの家の前を通る。べっ別に何も無いぞ、確かに体が弱いのに夜に一人で自主トレをやってたから少し心配だが、決して……とかじゃ無い。断じて無い。アイツはただの幼馴染だ。そうただのだ。…多分。

そんなこんなでもうアイツの家の前だ、うぉっほん。ちがうぞ、ってあれっ?俺は自転車を停めた。アイツとアイツの妹が話している。俺に気付いていない。それはいい、その奥にいるあれは誰だ?デケェ男が右手を挙げてアイツらに近付いている。あれっ、今右手に持っているものが光っt 俺は自転車をこぎ出した。

「テメェ!何するつもりだゴラァ!」

男が一瞬止まった、今だ。ガシャーン俺は男に突っ込んだ。男はぶっ飛ぶ。

「早く家ん中に入れ。」

俺はアイツらに言った。無事に入った事を確認してから俺は気付いた。男にはナイフがある。だが、俺は武器が無い。どうしたものかと考えようとした瞬間男が着ていたジャケットから…。あれは拳銃!あれでは逃げ切れない。素手でやりあうしか…、

「これ、使って!」

そんなとき上からアイツの声とともに金属の棒が落ちてきた。これだ、棒を拾いに行く俺、男は銃を構えている。ダンダンッ 俺は部活で鍛えたフェイントで棒を拾うと見せ掛けてエルボーをこめかみに入れた。男はぐらつく、俺はバックステップで下がりながら棒を拾い、そのまま助走をつけ、頭に棒を降り下ろした。男が倒れるとともにアイツの家の方から

「大丈夫?」

という声が聞こえてきた。話しかけられて嬉し半分疲れ半分で聞いているとアイツの妹の「お姉ちゃん、危ない!」という声が聞こえた。俺は反射的にアイツを押し退けた。

「ゴハッ」

左胸に激しい痛みが生じるが、そこは気にならない。まだ彼女を傷つけようとする男への怒りで痛みは感じ無い、そして最後の力を振り絞り、今度こそ男の頭の脳天へ打撃を決めた、男の意識が無いのを確認し、パトカーの音が聞こえてくるとともに、俺は意識を手放した。




「真、まことっ!」

意識を取り戻した俺が最初に見たのは涙でぬれた彼女の顔だった。

「死なないで!」「何で私なんかのために。」

そういっていた彼女の頭を撫でた。そして頭を近付けさせ、

「俺がそうしたかったからだ、お前のせいじゃ無い。」「お前は 梨花はお…の……だから。」

そこで俺は意識を失った。そして橋本真は二度と目をさます事はなかった。



俺が目を覚ましたのは辺り一面何も無い真っ白な所だった。いや、なにかいる。人?だが、足が無い。「あぁ、俺は死んだのか。」声に出そうとしたがここでは声は出ないらしい。とりあえず、その死人の列についていった。列の先に門が見える。そこに獣が立っていた。だが、誰にも話しかける訳ではない。無視して通ろうとすると、狼が、

「少年、守りたいものはあるか?」

としかけてきた。俺は頷く。

「ならばこい、少年。お前を…。」

prologue : end

Re: The guardian werewolf  ( No.43 )
日時: 2018/08/17 22:18
名前: zetu (ID: SCMOcoS4)

??「梨花、」

……誰かの声がする。懐か……しい?

??「梨花、ごめんね。ごめん……お父さんと悠乃を宜しくね……。ごめんね……貴方達を置いていってしまうあたしを恨んでもいいからさ……あたしの子だから色んな苦労があるかもしれないけど……しっかり生きてね……大好きだよ……梨花」



「!?」ガバッ

真「うおっ!?」

零銘「きゃっ!?」

けん「あ、梨花様おきましたね〜。」

「ねぇ真!刃夜さんに会ったのは死後の世界だって言ったよね!?」

真「あ、ああ。そうだぞ?正確に言うと門の前だけどな?それがどうしたんだ?」

『刃夜さん!今お話良いですか!?』

真「ちょっ!?梨花?」

刃夜『どうかしたのかい?』

『死後の世界の門の向こうの人には月牙の人は会いに行けるんですか!?』

刃夜『まぁ会いに行けないことはないけど、転生してしまっていたらもう会うことは出来ないよ。それに会えるのは当主だけさ。後継者に向く人物を選ぶ為の推薦用だけどね。門をくぐればこちらに連れてくることも出来ない。』

『それは今の刃夜さんでも出来ますか!?』

刃夜『大分回復したからできるけど、どうしてそんなこと聞くんだい?』

『お願いがあるんです!悠乃を止められるかもしれない!』



これが成功すれば……上手くいく保証はないけど

真「お前さぁ……いきなり飛び起きたと思ったら急に刃夜さんに念話とか……またぶっ倒れるぞ?」

「真はそんなことより影刃君に勝つ方法を考えて!影刃君が元気なままじゃ何言っても止められないよ!」

真「あーもう人の話聞いてねぇな!?わーったよ!」

零銘「真さん拗ねちゃいましたよ?」

「大丈夫、ああいう反応はちゃんとやってくれる反応だから。それより、けんちゃんいる?」

けん「はい。なんでしょうか?」

「投げる練習付き合っ「是非!」よし、いこ!」

零銘「……私は?」グスン



真side

なんかいつにも増してやる気だな。いや悠乃の事があるからやる気なのは分かるんだが、空回りしないといいが……。ま、心配するより先に、

「上手くこいつをあつかえるようにならねぇとな。」

刃夜さんから受け取った刀。これを使わなかった理由は耐久性なんかじゃない……こともないが、それはこの刀の能力によるものだ。

「望むものを切り開く力って言われてもな、それってつまり下手に攻撃に使うとスパッといっちまうかもってことじゃねぇのか?使い方によるだろうけどこんな妖刀受け継がれてもな……。」

この刀は月牙の人間が普段使う自分の刀とは違い、持ち主の力のかけ具合で威力の変わるものでは無いらしく、ただ切ることに特化したものだという

零銘「真さん……なにか手伝うことないですか……」

「どうしてそんなに沈んでるんだお前は?」

零銘「梨花に置いていかれました……」グスン

「おおう、そうか……なら丁度いいや、手伝ってくれ。」

零銘「はい!なんですか!」

「……この刀の力を試すから、刀で斬りかかってみてくれ。」

零銘「それって私無事なやつですか?」

「受け太刀で相手にどんな影響が出るかっていう試しだ。」

零銘「嫌ですよ物騒な!私もうただの人間なんですけど!?」

「勿論刃の方向からやらせるわけないだろ?大事な娘だぞ?」

零銘「も、もうそれには引っかかりませんからね///」

しっかり赤くなってんだよなぁ

「それで、いいか?」

零銘「分かりました。……これ私の刀折れません?」

「……折れないといいな。」

零銘「ううっ……いきますよ!それ!」ブンッ

零銘が避けつつ振った刀は、見事に刃と刃でぶつかり、

バキン

真零「「え?」」

俺の持つ刀が折れた。

真零「「はぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」」

零銘「ちょっと!え!?これ私が悪いんですか!?」

「いや、お前が悪いってことはないんだが……お、お前……左の触角どうしたんだよ……?」

零銘「へ?どうにかなってます?」

「しろい」

零銘「はい?」

「白くなってんだよ!人狼の時みたいに!ほれ鏡!」ズイッ

零銘「……え?」

後ろに結わずに残している左の髪が白髪になっていた。

Re: The guardian werewolf  ( No.44 )
日時: 2018/08/24 22:41
名前: zetu (ID: SCMOcoS4)

零銘side

「な、なななんで髪が白く!?わ、若白髪!?」

真「いや、急にそんなふうにならんだろ……寧ろ力が戻ってきてるのか……?」

「でも人狼にはなれませんよ?」

真「よくわかんねぇが、もしかしたらまた力を取り戻せるのかもな。今刃夜さん忙しいし、夜久さんに聞いてみるか?」

「いえ、今はいいです。それより……」

真さんの左手にある、

真「こ、これなぁ……」

半ばで折れてしまった刀。

真「と、取り敢えず、鍛冶師の所に行ってみるしかないな……怖ぇんだよなあの婆さん……。」

「ええ……。」



東京のとある場所

??「あんだってぇえぇえ!?あのかたなをおったってぇえぇえぇえ!?」

真零「「す、すいません!」」

今絶賛怒っていられるのは、刃夜さんより前から月牙の専属鍛冶師でいらっしゃる刀柳斎天元様。本人から天婆と呼ぶように言われていますがとてもじゃないけど呼べません。そもそも何歳なんでしょうかね……

天元「ほんでぇえ?あんちゃんがおったんかいぃ?」

あんちゃんとは真さんの事です。

真「いえ、それが、零銘でして……」

天元「あれまじょうちゃんがぁ?……なぁらそういうことなんだろうねぇ。だいじょぶさね、そのかたなはみずからまっぷたつになったんさぁ。」

じょうちゃんとは嬢ちゃんで私の事です。

「み、自ら?」

天元「いくらじょうちゃんがいっちばんげんきなときでもこのかたなはおれんよぉ。おおかたこのかたながふたつあればいいとでもおもったんじゃないかぇ?」

え!?た、確かに1本じゃ2人を同時は出来ないなぁって考えてたけど!

天元「しようがないねぇ、みっかくれるかぃ?」

真「え?」

天元「みっかでにほんしあげてやるっていってんだよぉ。わかいんだからそれくらいりかいしなぁ!」

真「お、お願いします!天元さん!」

天元「てんばあとおよびよ!」

真零「「お願いします!天婆!」」

天元「あいよぉ、それじゃあさっさとでていきなぁ!じゃまだぁよ!」

真零「は、はいぃ!」



所戻って佐々木宅

いつ怒るかわからない上に声大きくて怖いんだよなぁ天元様……。

真「さてと、俺らのやること無くなっちまったな。零銘、道場に居てくれ。」

「え、あ、はい。」

なんだろう、稽古?



なかなか来ませんね真さん……

真「零銘、襖開けてくれ。」

「はーい、」スッ

真「そして避けろ!」ブンッ

「へ?うわぁ!?」

頭の上を何かが通り過ぎていった。

??「ぐぁっ!」ドサッ

あれ?今の声って

真「さて、それじゃあ落とし前つけてもらいますよ?竜神さん。」

え!?竜神さん!?

「ちょ!?どういうことですか真さん!」

真「どういうも何も、子供への管理不行き届きの落とし前を付けてもらうのさ。なんの事かは分かってるよなぁ!佐々木竜神!」

「……ああ。分かってるさ。」

真「ほんとに分かってんだろうなぁ!?こんなことになってんのはあんたのせいでもあるんだぞ!?」

「真さん落ち着いてください!」

竜神「いいんだ零銘ちゃん!」

静止される。でも……そうだ!

「ちょっと離れます!」



どこでやってるんだ2人とも……

『梨花!』

梨花『ん?どしたの?』

『今何処にいるんですか!?』

梨花『どこって』

梨花「さっきから後ろにいるよ?零銘、」

「え?」

確かに後ろに梨花がけんちゃんを連れて居た。

「大変です!真さんと竜神さんが!」

梨花「知ってるよ?私がやってって言ったんだもん。」

え?梨花が?

「ど、どうしてですか?」

梨花「だって、私がむしゃくしゃしてるから。別に真はお父さんに怒ってないし。」

ええ?

梨花「だって、なんにも教えてくれなかったんだよ?私達2人に。黙ってる癖に影刃君には言ったんだよ?イライラするじゃん。怒れるじゃん。私じゃ例え零銘の刀を借りたって当たらないし。だからだよ?」

何も言うことが出来ない。心からの感情だって分かってしまったから。

梨花「だから真に心の中全部垂れ流してる。私の怒り全部ぶつけてもらうために。」

ドゴンツ

何かが壁に突っ込む音。多分、竜神さん。

梨花「派手に1発決まったみたい。真、死なない程度にあと2発宜しくね!」

真『ああ、』

梨花「それじゃ、零銘ちょっと着いてきて?」

「はい……」



修練場

「ここで何を?」

梨花「いや、ただ私の腕を見て欲しくてね?」

ああ、練習してたんでしたね

梨花「見ててね、いくよ?それ!」スッ

梨花の投げた簪4本は全て壁に付けてあるダーツ板のど真ん中に刺さった。

「おー!凄いじゃないですか!」

けん「それだけじゃないんですよ?抜いてみてください。」

「抜けばいいの?はーい。」

あれ、抜けない?

梨花「そこのやつ1番深く刺したから抜きにくいかも。」

「全っ然ぬけるきがしないんですけど!?壁に貫通してませんこれ!」

けん「交代でーす! ……あれ?おかしいなぁ……ふんっ!」スポンッ

けんちゃんが手こずった……?しかも壁に傷一つない……?

梨花「他は抜きやすいはずだよ!隣は特に!」

隣の簪に手をかけると、指が触れた瞬間に抜け落ちた。……はい?

梨花「いやーなんかテニスの時みたいに加減を変えて投げてたら投げ分けができるようになったんだ!」

やっぱり梨花もちょっと人間辞めちゃってるんじゃ……

けん「す、凄いですよ……皮1枚に刺さったままいたなんて……」

梨花「いや、私の実力じゃないよ?この簪作ったてんばあ?って人が凄いんだよ。」

いや、幾ら天元様の作ったものでも、人間が使ったらただの鋭い刃物なんですが……寧ろ貫通しまくりだと思うんですが……

「梨花、もしかして人間辞めました?」

梨花「酷くない!?」

ドォォォォォォン

梨花「あ、終わったね、行こうか。」

わ、忘れてた……ごめんなさい竜神さん



梨花「真〜終わった〜?」

真「ああ、終わったぞ?」

竜神「」チーン

「……生きてますよね?」

真「殺しはしねぇって、木刀だしよ。」

粉々の木刀が3本分落ちている

真「4本もゴミにしちまったけどな。」

1本分完全に粉々に!?

真「重症かもしれねぇが急所は外した。お抱えの病院に搬送してもらうか。一般車で。」



竜神さんは無事搬送されました(一般車で)

真「ということで、天元様に刀打ってもらってる間は何も出来ねぇ。その事は善さんにも言ったし、一応影刃にも念話した。悠乃を止める気のないあいつに言ってもあんまり意味ないかもしれねぇがな。」

梨花「私的にも刃夜さんに頼んでることの結果が出るまではまた戦うだけになっちゃうと思うな。」

「それじゃあ、各自修練ってことですか?」

これ以上やったら梨花なんてどんな誰よりも投擲上手くなるんじゃ……

真「いや?その前に」

その前に?

真梨「「忘れてたかもしれないけど、お前の(零銘の)髪の原因を探らないとな(ね)」」

あ、

Re: The guardian werewolf  ( No.45 )
日時: 2018/09/28 23:44
名前: zetu (ID: USS/ivqg)

零銘side

「わ、私の事はいいんじゃないですかね?」

真「お前そのメッシュみたいな状態でどうするつもりだよ。そこだけ染めるつもりか?」

「え?このままじゃダメなんですか?」

梨花「あの学校そのあたり厳しいからなぁ……」

真「つーかそれこそ若白髪みたいだぞ?」

え、それは嫌……

真「取り敢えず、夜久さんに聞くか月牙の資料庫でも見に行ってみるか?過去に似たようなことがあったかもしれんし。」

梨花「どっちがいい?」

どっちがいいと言われましても、正直今じゃない感がしてどっちがいいとも思わないんですが……まあ夜久さんに迷惑かけるのもあれですし

「それじゃあ、資料庫で?」



まさか一日でここまで行き来する事になるとは……

真「梨花、このタイトルの資料探してくれ。」

梨花「はーい。これさっき言ってたやつね。」

真「おう。」

私の事なんですが、2人が息ピッタリな連携過ぎて手を出せません……

真「なあ梨花、これ見てくれ。」

梨花「なになに……え……」

真「後こっちも見てくれ。」

梨花「うん…………えぇ!?」

「ど、どうしたんですか?」

真「……梨花に見せた2つの資料に今の零銘と同じような状態の事が書いてあった。しかし、2つは対極の方向の結果だ。」

「た、対極?」

真「片方は、結論から言うと、お前は死ぬ。」

…………え、しぬ?死ぬ……?し

梨花「落ち着いて零銘!大丈夫!絶対何とかしてみせるから!ね?」

真「ああ。それにもう一方は、お前は人狼に戻れる。」

「……戻れるんですか?……違いは?」

梨花「違いは原因なんだ。先の方は、1から作った人間はクローンとかと同じで細胞の寿命が短い事があるってこと。後の方は、私と真の細胞で出来た零銘の体に、零銘の魂に残ってた力が馴染んできたからじゃないかってこと。」

真「前者であるならば、お前にその都度別の体を用意することも吝かでは無い。可愛い娘の為だからな、俺たちにできることならなんでもする。」

「いや、2人にそんなに負担をかける訳には」

梨花「もっと頼っていいんだよ?零銘。」

真「そうだ。お前は俺達がお前を失いたくなくて無理やり繋ぎとめたんだ。その為ならどんな事があろうと苦にならん。」

梨花「私は零銘の親友でもあり親でもある事を嫌だと思ったこと無いよ?むしろ零銘がどう思ってるか不安なぐらいにね?」

「私は2人の事を嫌だと思ったことはありません!梨花も真さんも私の大切な人です!2人からもらった命を嘆いたこともありません!だから、だからだから!私だって……もう死にたくなんて、ない……。」

ギュッ

2人に抱き寄せられる。2人に心配を掛けたくないのに震えが止まらない、涙も、止まらない

梨花「取り敢えず、どっちなのかを確かめようか。どうすればいい?真。」

真「医者に聞くのが一番だな。竜さんの入院してるとことは別の所に行こう。」



医者「テロメアに異常というか短いってことはないですね。むしろ満18歳には長いです。その意味で言えば異常に見えるのでほかの人間には見せてはダメですよ?」

真梨零「「「よ、良かったぁ。」」」

医者「それにしても、やはり人知を超えてますね。生きた人間が人狼になったのでしょう?とても科学では説明出来ないとはいえ、こうやって研究させて頂けてとても幸運です。妹様の方も事がすんだらお見せ頂けると嬉しいです。兄の方ではなく、私に。」



梨花「はぁ〜、やっと安心だよ〜。それじゃ夜久さんにも伝えておこうよ。」

「い、いえ。いいですよ!夜久さんも忙しいでしょうし。」

夜久『別に暇ですよ、それともそんなに私を遠ざけたいんですか?』

『いえ!そんなことは無いです!……え?夜久さん!?』

夜久『話は真さんから聞きました。零銘さんが私から話を聞く子を避けたのも聞きました。……そんなに頼りないですかね私……』

『え、ちょっ、夜久さん?』

夜久『私だって刃夜の代わりに話すぐらいできるの『すみませんでした!次からはまず夜久さんに相談します!』……本当ですか?約束ですよ?……さてと、それでは本題に入りましょうか。テロメアが正常なら、髪の変色は力の回帰の予兆でしょう。過去に無いことなら分かりませんが。なので零銘さんに問います。力を本当に取り戻したいですか?』

『え?』



『な、何を言っているんですか、夜久さん!当たり前じゃないですか!だって、その為に……』

夜久『私達は確かに元は犬です。そして主である刃夜さんや真さんの為にこのように人の姿となりました。それは普通の転生とは違うもの。月牙の人間は纏めて普通の人間とは違う生物と言えます。でも、それでも貴方は普通に生きてもいいんです。

貴方は既に1度真さんの代わりに命を終えかけている。私が言うのもおかしいですが、それだけで貴方は充分役目を果たしています。いちばん大切な主を死なせないという役目をね?

もう戦わなくていいんです。真さんも梨花さんも、刃夜さんも私も貴方に戦いを強要するようなことは絶対にありません。それでも、貴方は力を取り戻したいですか?』

私は、わたしは

梨花「零銘?零銘!れいな!」



雨の音で目が覚める。少し懐かしくも感じるような、雨が物に当たる音。

(ん、あれ?私は何をしていたんだっけ?ここは?)

周りは暗く、頭上に1本の鈍い光が見える。そこから水が落ちて来て、私の毛が濡れる。

(毛?毛……毛!?)

起き上がろうとするが、力が入らない。いや、そんな力は残ってない。

(そうか、ここは、これは、前の私だ。)



私は親の顔を見たこと無かった。確か、刃夜さんの話によると、生後2ヶ月そこらだったはずだ。親が野良なのか、飼い犬なのか、生きているのか、死んでいるのか、置いていかれたのか、捨てられたのか、

少なくとも最後を迎えたのはダンボールの箱の中だったというのは教えて貰った。自分で入ったのかどうかも定かでは無いけれど。

兎に角、仔犬の私では食べ物を得ることも出来ず、日に日に弱っていったのだろう。人間で無ければ、長く生きてもいない当時の私ではよく分からなかったが、もうすぐ死んでしまうということは何となくわかっていた。

連日雨だったので、余計に体力を奪われていたんだと、今なら理解出来る。そして、もうすぐ最後だという時に、あの人はやってきた。

『お前は……そうか。なあ、俺と一緒に来ないか?』

その人はまだ完全では無かったので、霊体で私の前にいた他には見えてないらしく、半透明で雨がすり抜けていた。私は不思議な感覚を受けて、ついて行こうと思った。でも、もう体は動かなかった。すると、

『そうか、来てくれるのか。なら行こう。』

そう言って、真さんは私の頭を撫でるように手を伸ばし、手が触れると目の前が白んだ。



真『おーい、起きれるか?』

そんな声が聞こえて目を開くと、真さんが座っていた。立ち上がろうとするが体のバランスが取れず倒れてしまう。

真『まぁまだ無理だよな、1回自分の体を見てみな?』

そう言われて見ると、犬のからだではなくなっていた。今の私、零銘の体になっていた。

『ひと?』

真『そう。何も言わずにやって申し訳ないが、お前には人間になって俺のかわりをして欲しいんだ。』

『かわり?』

仔犬だった私には意味が何一つわからなかった。

真『ああ、悪い悪い。まずは先に知識共有からだよな。でこ触るぞ?』

真さんと私のでこが触れると、色んなものが流れてきた。

(でも、今考えるとこの時記憶は流れてきても、梨花に対する思いは流れてこなかったなぁ)

『わたしが、まことのかわりになればいいの?』

真『やってくれるのか?』

『まこと、わたしをたすけてくれた。なら、わたしもまことをたすける。』

真『ならお願いしようかな。そういや、名前ないよな?』

『なまえ、……うん。ない。』

真『そうか、どうしようかな……』

『零銘、なんてどうだ?』

真『お前のネーミングセンスはなんでそう厨二っぽいんだ?影刃。でも確かに[れいな]自体はいいし、月牙の人間そんな名前の人多いし。どうだ?』

『あなたのなまえは、えいば?』

影刃『ああ、影刃だ。同居人ってことになるな。』

『まこと、えいば、ありがとう。わたしはれいな。これからよろしくおねがいします。』

そうして刃夜さんや夜久さんから月牙や私の役目、守式と反式。生活の仕方を聞いて、真さんが仕上がるまでの代役として私が学校に行ったんですよね。……それにしても

「敬語で喋ってないの恥ずかしい!」バッ

真「うおっ!?」梨花「きゃあ!?」

(へ?)

真「お前急にどうしたんだよ。倒れたかと思ったらいきなり驚かせやがって、梨花と同じで処理速度落ちてんじゃねぇか?」

梨花「ちょっと!?それどういう意味?処理速度落ちてないもん!」

真「ああ悪い、元からそのスペックだったな。ごめんな?」

梨花「可哀想なものを見る目でこっち見ないでよバカ!真のバーカ!」

真「そういうとこだぞ、バカしかレパートリーが無いとことか。」

「ふふっ、あはははははは!」

梨花「零銘にまで笑われた……」

「ごめんなさい、そうじゃないですよ?」

『夜久さん。私、力を取り戻したいです!私の大切な人を助けるために!』

夜久『そうですか。なら特訓しなければいけませんね。けんちゃん、よろしいですか?』

けん『はい!準備万端です!』

夜久『行きますよ。』

けんちゃんが目を閉じると、少し体が揺れ、目を開く。

けん「ふう、成功ですね。さて、やりますよ零銘さん。」

梨花「へ?けんちゃん?」

真「いや、夜久さんですね?」

夜久「ええ、夜久です。けんちゃんの体を借りているので、違和感があると思いますがちょっと我慢してくださいね?」

私も初めて見る。刃夜さんと夜久さんだけがけんちゃんでだけ出来る体の代用。……なんでできるんでしょうね?

夜久「一時的に体に入れてもらっている状態なので、けんちゃんはけんちゃんで起きてますよ?ね?けんちゃん。」

けん「はーい!」

声が違わないので(体が一緒なので当然)とても分かりにくい。話し方の違いのみだ。

梨花「へぇ〜、それはほかの人でもできるんですか?」

夜久「零銘さんが力を取り戻せば真さんが入ることも出来ると思いますよ?今の零銘さんは直系ですから。」

直系……え?じゃあ

「けんちゃんって、お二人の……、」

夜久「子供ですけど、あれ?言ってなかったでしたっけ?」

梨零「「ええ〜〜〜!?」」

真「あれ?言ってないっけ?……ああ、零銘が恐縮しそうだったからないしょにしたんでしたっけ?」

夜久「そうでしたね!側付きに畏まっていたりしたら見た目が悪いので隠すことにしたんでした。なので、今後もけんちゃんとはいつも通り接してくださいね?」

「え、あ、はい。え?」

梨花「もしかして、子供だからけんちゃんだけ『ちゃん』呼びなんですか?」

夜久「う〜ん。呼び始めたのは刃夜さんですからね、理由があって使い分けてるのかはわからないです。って、そこはいいんですよそこは!取り敢えず特訓です。訓練できる場所を貸して貰えますか?」

真「壊さなきゃ大丈夫ですよ。零銘、案内出来るよな?」

「はい。問題ないですよ?」

夜久「他の部屋も見せていただけると……」

夜久さんだけここに来たことないの気にしてたのかな……けんちゃんの目もあって、一段とキラキラしている気が……

Re: The guardian werewolf  ( No.46 )
日時: 2018/09/30 20:04
名前: zetuno62 (ID: USS/ivqg)

夜久「よし、お宅訪問も堪能しましたし、そろそろ始めますか?」

「はい。でも、どうするんですか?」

夜久「まずは今どのくらいなのかを確認します。心臓の辺りに触れますが自然体にしてください。」

「は、はい……届きます?」

夜久「そんな事もあろうかと台を持ってきました!いきますよ?目を瞑って?」

「はい。」ギュッ

夜久「そのまま変化する時のように力を込めてください。」

力を込める。前までならこうすれば白い毛の人狼になれていたのに……

夜久「よし、いいですよ。うーんと、確かに力を少し感じました。これは……はい。体を追いつかせましょうか。」

「体を、ですか?」

夜久「貴女の体は人間の体。獣人とは違い衰えがあります。獣人の時は何をしないでも体は常に出来上がってますが、今の貴女は鍛えないといけません。最近のトレーニングは?」

「前と同じようにやってますよ?足りないですかね?」

夜久「いえ、だとするならば……実践訓練をしましょうか。木刀あります?」

「あ、はい。2本だけなら。さっき4本程真さんが粉砕したので。」

夜久「一体何を……なら折れないようにしましょうか。私はけんちゃんの体ですが力を使うので頑張ってくださいね?」シュッ

「え?っ!?」ガッ

(咄嗟の受け太刀で防げはしたけど、押し切られる!)

夜久「ほらほらもっとですよ!私もけんちゃんも刀は普段使わないんですから!」シュッブンッ

「くっ。はぁ!」ブンッ

夜久「その速さじゃ当たりませんよ!」シャッ

「はぁ、はぁ……はぁあ!」ブンッ

夜久「もっともっと!それじゃ助けどころか足でまといですよ!」ガッ ブンッ

「うぁっ……うぉぉぉぉお!」シュッ

夜久「ふふ、次からは貴女の刀で来なさい!」ガッ ヒュッ

(無いと思ったら……)パシッ

「はぁぁぁぁぁぁあ!」シュッ メキ

夜久「まだ足りません!」

(まだだ!まだまだ足りない!もっともっともっともっと!)

「もっと、皆を助ける力を!」カッ

「はぁあ!」シュッ バキッ

夜久「くっ、お見事です。そこの姿見を見てください。」

「はぁ……姿見、ですか、あ」

そこには毛は白く、犬耳と尾のある私が立っていた。

「やった……やった!ってあれ?」スゥッ

喜んだ瞬間元に戻ってしまった。髪の毛も全部真っ黒に。

「や、やややや夜久さん!?」

夜久「ああ大丈夫ですよ零銘さん!落ち着いてください。大丈夫ですからね?貴女は力を取り戻しました。ですが、まだ維持は出来ません。正確に言うと一瞬人狼に戻れるほど力を取り戻しました。今のレベルでは一撃に全てを賭けるようなものですが、一撃の重さは前と変わりませんでした。なので、ここからは力を長く出せるようにするべきですね。本当はあの部屋で鍛錬するのが一番いいのですが、今はまだそちらに帰れませんし、部屋の力に耐えきれませんしね。影刃さんと悠乃さんのこともありますしね?」

「それは三日後なんで大丈夫ですが……どうしましょう。」

夜久「三日後?なんでですか?」

「え?それは……



夜久「なんですって!?受け継がれたあの刀を半分に!?」

「は、はい!すいません!」

夜久「あ、いや怒ってはいないので謝らなくていいですよ?あの刀にそんなことが出来るなんで……」

「え?夜久さん知らなかったんですか?天元様は御存知のようでしたからてっきり。」

夜久「天元様が……天元様は私の2代前から鍛冶を任されておられる御方。あの刀の事も私より知っていらっしゃっているでしょうが、刃夜さんは知ってるんでしょうか……まぁ、それは天元様に任せて、貴女はそこまでに1戦闘の間くらいは維持出来るようになりましょう。真さんのようにイメージトレーニングをするといいかも知れません。いっそ真さんに手合わせして貰いなさい。」

「え、それは……」

夜久「もう!零銘さん?貴女は遠慮のし過ぎです。貴女の主で貴女の父は貴女のお願いを聞いてくれない人なんですか?」

「いえ。……お願いしてみます。」

夜久「はい。そしてついでに攻式も習いなさい。守るのではなく助けるのなら攻めの技も必要になるでしょうから。」

「攻式……雷ですか。出来ますかね私?」

夜久「貴女は真さんに比べて丁寧ですから大丈夫ですよ。おっと、そろそろけんちゃんに負荷が掛かってしまうので私の体に戻ります。頑張りなさい?」

「はい!ありがとうございました!」

けん「ふぃ〜〜。お疲れ様です!零銘様!」

「うん!けんちゃんもお疲れ、ありがとね?」

けん「いえいえ!でも、ちょっと眠いですね……。」

「いいよ寝ても。私が運んであげるから。」

けん「それじゃあおねがいしまふ……」スヤ

「よいしょっと、さて行きますか。」



「戻りました……あれ?居ない?」

(2人がいない。流石に問題が起きたとかではないと思うけど)

梨花「あ、戻ってきてたの?お帰り、零銘。」

「ただいまです。真さんは?」

梨花「ま、真!?真はね〜どこだろ〜わかんないな〜」

(怪しい)

「怪しい。」

(あ、外に漏れた。)

梨花「うぐっ!」///

(いや、わかり易すぎでしょ。)

「なにかあったの?お母さん。」

梨花「おか……ううんっ!別に何も無いよ?うん!なに…も……」フラッ ギュッ

(お父さんに対しての耐性なさすぎじゃない?ま、気になるからお父さんのところ行ってみるか。)



「おとーさーん?どこー?」

真「どうかしたのか?わざわざ父親呼びなんて。」

「お母さんとなんかあった?また処理落ちしたけど。」

真「あー、無理だったか。」

「なになに?教えて教えて?」

真「まぁ、大した話じゃないさ。梨花がよろけて抱き寄せたらそのまま流れでキスしたって話。」

「え、今更それで落ちるのお母さん!……もしかして……」

真「あまりした事ないからな。」

「ふーん。それで?なんでわざわざこんな離れた所に居るの?嫌がられた訳じゃないんでしょ?」

真「ああ、そうじゃない。単純に俺の我慢がもたなそうだっただけだよ。」

「へぇ〜?襲いそうになったんだぁ〜?」

真「有り体に言えばそうだな。俺もまだまだ修行が足りん。」

「いっそ襲っちゃえばいいのに〜。」

真「まだ早えよ。せめて卒業してからだ。それに、お互いもう少し考えてからだ。特にあいつは直ぐに振り切れそうだしな。」

「ちなみに私は弟妹どっちも欲しいよ?」

真「聞けよ。まぁ善処してやる。それで?なんか進展はあったか?」

「うん!一瞬だけ力を出せるようになったよ!これからはその時間を延ばしていく鍛錬だって。だから、お父さんにも手伝って欲しいんだけど……いいかな?」

真「ああ、いいぞ。幾らでも相手になってやる。なんなら今からやるか?」

「いやもう寝ようよ!?けんちゃんもお母さんも寝てるしさ?」

お母さんはあの状態を寝てると言うのか分からないけど……

真「ああ、もうそんな時間か。よし、寝るか?」

「うん!」

Re: The guardian werewolf  ( No.47 )
日時: 2018/10/20 17:31
名前: zetu (ID: 51mnxWm4)

梨花side

「う〜ん……は!」バサッ

(あれ?私何してたっけ?朝……布団の上……あれ、私って確か……って真!?反対側に零銘!?)

「なんか、「「家族っぽい、だろ?(でしょ?)」」起きてるの!?」

真「俺の方がいつも起きるの早いだろ?」

零銘「私は……結局1度も目覚めないから……」

「あ〜〜、ありがとう零銘。で?なんで2人して私を挟んで寝てるの?」

真「零銘が 一緒に寝たいんです。ダメですか? って言ってきたから。」

零銘「わ〜!内緒にしてくれるって言ったじゃないですかぁ!」

「真、音源は?」

真「映像付きだ。」

零銘「え!?消して!おねがいだからけしてください!」

「グッジョブ真!」



零銘「う〜!」

「可愛い〜!何この自然な上目遣い!え、私の娘可愛すぎ?」

零銘「うう〜〜!」

真「そろそろ唸りすぎで零銘が犬に戻りそうだから終了な。」

「そうだね!朝から眼福だし、今日はいい日になりそうだよ。」

零銘「もう!……それより真さん。」

真「ああ。梨花、俺と零銘は今から手合わせするが、見に来るか?」

「う〜ん、2人とも何も食べてないでしょ?朝ご飯作ってるよ。いってらっしゃい。」

真零「「いってきます。」」



(そういえば私何も聞いてないけど、零銘が人狼になるトレーニングの一環なんだよね多分。私も今日もやろうかな〜、投げるの。)

(……あれ?けんちゃんいない?おなじへやにもいないし、いつも起きるの早いから寝てるんじゃないと思うんだけどな……)

『2人とも〜、けんちゃんは?』

零銘『けんちゃんならちょっとお仕事をお願いしてます。』

『お仕事?1人で?』

零銘『危険なものでは無いですし、今の私より強いですからね。』

『そっか、ごめんね邪魔して。』

真『まだ始めてないから大丈夫だ。梨花、』

『ん?何?』

真『朝飯、期待してるぞ。』

零銘『私も楽しみにしてますね!』

『はーい。』

普段はそんなこと言わないくせに……張り切って作るぞ!



真side

「それで?攻式の指導とイメトレの相手になるようにすればいいんだっけか?」

零銘「はい。夜久さんにそう言われたので。」

「と言ってもな、攻式の動き自体は普通だからな。雷は刺突と斬撃を組み合わせたものを力で早くやってるだけ。守式と反式は視力とか反射神経が良ければできるけどよ。」

零銘「何をしてるのか見たいので人間の状態でして貰っても?」

「わかった、見てろよ?」

攻式[雷]は半身から2歩以内で相手に接近し、突きを放った後に刃の向きを変えながら切り抜けるという動作を人外の速度で行う技だ。

零銘「なるほど、普通のスピードでやっても避けられるか先手を打たれるんですね。」

「ああ。そんな物を教えても守りが手薄になるだけだからな。でも、助けるのなら攻め手も必要だろ?」

零銘「はい!」

「よし、それじゃあ手合わせといくか、俺は鞘付きでやるから全力でこい。」

零銘「お願いします!」



零銘side

「くぅっ……はぁ!うぐっ……」

(はやい!人狼になってもいないのに手数も立ち回りも常人離れしてる。毎日どんな相手を予想して……)

真『どんな相手?悪邪とライオネルと刃夜さんだ。如何に全部弾いて避けて、どれだけ正確に切れるか。それだけを考えてる。もちろん俺1人でな?』

『厳しすぎません!?絶対防ぎきれてませんよね!?』

真『勿論毎日ズタボロさ。今度からは今の影刃も入れるからな。人の頃から影刃には手伝ってもらってたからな。ハンドも組手も。』

『私は誰を想定すればいいんでしょうか?』

真『俺と影刃じゃないか?二刀の俺と色々使う影刃なら十分いいトレーニングになるぞ?なんなら全部終わったら二人がかりで相手してやるよ。』

『リアルでですか!?無理ですよねそれ!影刃の武器どうするんですか?銃火器なんて使えませんよここじゃ!』

真『学校のしただな。よし、それじゃあペースを上げてくぜ?』

『え、うそ、人のまままだ上がるんですか!?いや〜!』



「うう……酷いですよ……」

真「はははは!いいじゃないか一瞬の一太刀に力は込められてたしさ。」

「それを力を使わずに防がれたら凹みますよ……」

真「そりゃ俺が作った隙だぞ?」

「む〜!そういえば、真さんつまて昔から剣を習ってたんですか?」

真「いや?素人だぞ?ハンドボールしかやって来てないからな。俺の知識に刀関連は無かっただろ?」

「そうですけど、刀を振るのに違和感無さすぎません?最初から。」

真「どうだろな、向いてたのかもしれないぜ?梨花みたいに。」

「あ〜、ないとは言いきれませんね。」

真「後は鍛錬あるのみだ。どうだ?これで俺といつでも戦えそうか?」

「う〜ん。ちょっとやってみますね?」

真「わかった。外にいるから終わったら朝飯食べに行くぞ。」

「はーい。」



梨花「そ〜れ〜で〜?楽しくなっちゃってずっとやってたの?真が声掛けたのにも反応せずに?」

「ごめんなさい……」

そう、集中してしまいずっとやっていたらエプロンにお玉を手に持つというベタな格好の梨花に怒られている。

(30分流行り過ぎたな)

梨花「もう!真に似たの?全然帰ってこないんだから。……折角張り切って作ったのに……」

「ご、ごめんなさい!お母さん!」

梨花「まあ、わかったならいいよ。この話はお終い!行こ?零銘。」

「うん、」



梨花「今日はどうするの?さっきみたいにずっとトレーニング?」

真「いや?それより今日は何日か知ってるか?」

(今日……あっ)

梨花「今日は……8月の22日でしょ?それがどうしたの?」

真「お前、課題は?」

梨花「かだい?かだい……課題……ああぁ!?」ガタッ

真「どうせやってないんだろ?という事で今日は梨花の為の特別勉強会だ。幸い、ここには同じ知識量が2人居るからな。それにそろそろ……」

けん「ただいま戻りました〜!」

咲詩「「おじゃましまーす。」」

「けんちゃん、咲希と詩夏のお迎えご苦労さま。」

けん「はい!」

咲希「けんちゃんいい子だよ〜。ずっと私達に気をつかってくれたんだよ〜。ね〜しーちゃん?」

詩夏「そうそう。全部やってくれて超助かった。」

真「よし揃ったな。ということで?人間の時に高校の範囲全部終わらせた俺と?」

「それを知識としてほぼフルコピーしてる私による?」

真零「「梨花の学力を上げよう会〜!!」」

咲詩「「with私達!」」

五人「「いえ〜い!」」

梨花「いえ〜いじゃないよ!?え、このタイミングですることそれ!明日終わってからで良くない!?って言うか今零銘聞き捨てならない事言ったよね!?フルコピーって何!?」

「だって私は生まれ変わるまでは真さんと一緒の身体だったんですよ?そりゃ共有してますよ色々と。あとコピーって言ってもちゃんと全部自分で復習しましたからね?ちなみに言うと梨花の今年のテストがピンチなのも私をとうして真さんも知ってますから。」

真「流石に引いたぞ?毎年俺が教えてたといえな?」

「という事で、月牙の当主の妻が留年とか割とマジでシャレにならないのでアシスタントとして咲希と詩夏もお迎えしましてやっていきます。」

梨花「待って待って、どうせ零銘は終わってるんだと思うけど。2人はどうなのさ!」

詩夏「終わってるに」咲希「決まってるでしょ?りっちゃん」

梨花「え゛」

詩夏「というか持っていってたから。イギリスでもやってたし。」

咲希「夜久さん。先生よりも分かりやすかったしね〜。」

梨花「裏切り者〜〜〜!」


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