複雑・ファジー小説
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- 攻撃反射の平和主義者です!【完結!】
- 日時: 2019/09/12 17:43
- 名前: モンブラン博士 (ID: EUHPG/g9)
1年ぶりの新作です。
生まれつき超人的な力を持つ美女、美琴は規格外の力で周囲の人々に迷惑をかけまいと、高校卒業後は山奥で生活していた。ところがある日、大好物であるおにぎりの味が恋しくなり、都会へと戻ってくる。そこで出会った不思議な紳士スター=アーナツメルツによりスター流なる武闘派集団に入門させられることに。美琴の運命は如何に!?
※本作は基本的に美琴の一人称で進みますが、戦闘シーンでは三人称で執筆しています。
出会い編
>>1>>2>>3>>4>>5>>6
修行編
>>7>>8>>9>>10
李編
>>11>>12>>13>>14
ムース編
>>15>>16>>17>>18>>19>>20>>21>>22
カイザー登場編
>>23>>24>>25>>26>>27>>28>>29>>30>>31
>>35>>37>>38>>39>>40>>41
ヨハネスとの修行編
>>42>>43>>44>>45>>46>>47
メープル編
>>48>>49>>50>>51
最終決戦編
>>52>>53
- Re: 攻撃反射の平和主義者です! ( No.29 )
- 日時: 2018/09/09 20:42
- 名前: モンブラン博士 (ID: mrjOiZFR)
超人キャンディーを食べると不老長寿になる。ムースさんが告げた一言は、わたしにとってあまりにも衝撃の大きなものでした。
キャンディーを食べたときは李さんの捜索に夢中で副作用があるなど考える余裕なんてなかったのも事実ですし、そもそもキャンディーに副作用があるなど、想像さえしていませんでした。ですから、ムースさんからの告白に対し真っ先に浮かんだ感情は後悔でした。不老長寿になると知っていたならば、あのとき食べるのを躊躇したかもしれません。それに仮に食べてしまった後でもスターさんと話をする機会は何度もあったのですから、彼に訊くこともできたかもしれません。もっと早くに訊いていれば、これほど驚くことはなかったと思いますし、制作者本人なら不老長寿の副作用を無くす術を知っているかもしれません。後悔先に立たずとはまさにこのことです。
ですが過去は変えられなくても未来なら変えることができるかもしれません。
そうです、今からだって遅くはないのです。この任務が終わったらすぐにスターさんに副作用を打ち消す方法をきけばいいだけのことではありませんか。先ほどは落ち込んで自分を責めていなのに、次の瞬間には前向きに思考を切り替える。そんなわたしの考えを変わり身が激しすぎると批判するかもしれません。
ですが、いつまでも悪い考えにばかり囚われていては何も始まらないのです。行動を起こさなくてはなりません。
と、ここで掌が軽いことに気づいて我に返りました。
すると、考えに集中し過ぎていたからでしょうか。スプーンがわたしの掌から消えていました。
似たような光景がつい先日もあったような気がします。
あの時は確か……
「上ですね!」
自信満々に視線を上に向けますが、スプーンは影も形もありません。
一体どこへいったというのでしょう?
「下ですわよ」
にっこりと笑うムースさん。
彼女の指摘通りテーブルの下を覗いてみますと、スプーンが床を滑って移動しているのがわかります。
このままだと誰かに拾われてしまいますので、迷惑をかけるまでに行動をしなければなりません。
決意を胸に椅子から立ち上がり、一歩踏み出したそのとき。
申し訳ないことに、スプーンは白い手袋をはめた手に拾われてしまいました。
斜め前に座るその人の席に走っていきます。
「ありがとうございます」
「会話に夢中になってスプーンを落とすなんて、集中力が欠けている証拠だねえ」
「本当にありがとうございました!」
お礼を言ってスプーンを受け取ろうとしたとき、相手の顔を見たわたしは思わず口から「あっ」という声を出してしまいました。
どうしてそんな声を発してしまったのか、理由は簡単です。
その人の顔立ちがあまりにも綺麗だったからです。
お尻まで届きそうなほど長く伸ばした銀髪に緑色の大きな瞳が特徴の美少女です。
鹿撃ち帽子にインバネスコートという探偵風の恰好をしているのが気になりますが、所謂コスプレというものでしょうか。
彼女はわたしにスプーンを渡すと優しく微笑み。
「初めまして、美琴さん。こうして僕らが会うことは、ずっと前にわかっていたよ」
「どうしてわたしの名前を……」
「僕に知らないものは何もないからね。僕はヨハネス=シュークリーム。スターさん五番目の弟子だよ。よろしくね」
スターさん五番目の弟子?
それにしても女の子にしてはハスキーな声です。
一人称も「僕」ですし。
もしかすると男の子の可能性も……
しかしこの外見で男の子というにはいくらなんでも無理があります。
李さんも僕っ娘でしたから、彼女もそうなのでしょう。
握手を求める彼女の白手袋をはめた手を握り返します。
「ここで会えたのも何かの縁ですから、もし良かったらわたし達と少しお話しませんか」
「断る理由は何もないからね。いいよ」
こうしてわたし達はスターさんの弟子というヨハネスさんから色々話を聞くことにしました。
ですが、わたしの隣に彼女を座らせたのがムースさんにとっては面白くないのでしょうか。背後からドス黒いオーラを放出しているのが感じ取れます。口元にこそいつもの笑顔がありますが、手にしたスプーンにギリギリと力を込めていることから察するに、相当に怒っているようです。このままだと腕力だけでスプーン曲げを成功させそうな勢いでしたので、彼女の怒りを鎮めるためにも、ヨハネスさんにはムースさんの隣に座ってもらうことになりました。
横目でギロリと冷たく睨むムースさんに対し、彼女は涼しい顔で答えます。
「そんなに怖い顔をしなくても、僕は君のライバルになる気はないよ」
「あなた、信用できませんわね。
その外見でどれだけの玩具達を口説いてきたんですの」
「ウフフフ……僕は口説いたりする趣味はないからね。ただ、周りの人が僕にお付き合いを申し込んでくることは頻繁にある」
「ますます気に入りませんこと。あなたの顔の皮を剥ぎ取って剥製にして差し上げたいくらいですわ」
「僕はお腹が空いたから、とりあえず何かを食べることにしよう。どれにしようかな……」
ムースさんの挑発を完全スルーし、メニューを眺めるヨハネスさん。
マイペースといいますか、ある意味で大物です。
このまま何もなければいいのですが。
- Re: 攻撃反射の平和主義者です! ( No.30 )
- 日時: 2018/09/11 22:07
- 名前: モンブラン博士 (ID: mrjOiZFR)
目の前に積み重ねられた皿の山。
現在合計五つの山が出来上がっているのですが、数えてみたところ一つの山につき、二〇枚もの皿が積み重なっています。一体誰がこれほどの量を食べたのでしょうか。
わたし?
それともムースさん?
いいえ、どのどちらでもありません。
何とその皿は全てヨハネスさんが完食したものなのです。
遡ること一時間前。メニュー表を眺め暫し考えこんでいたヨハネスさんは、不意にテーブルに設置されてあるブザーを押して。
「このページのメニュー、全てください」
一ページ分とはいえ、それを全て注文するとなるとかなりの量があります。それにお金も相当にかかるはずです。なぜ、彼女はそのようなことをするのでしょうか。
思い切って訊ねてみますと、爽やかな笑顔で答えが返ってきました。
「悩む時間が勿体ないからね。それなら全メニューを注文した方が早いと思わないかい。大丈夫、お金はちゃんとあるよ」
ヨハネスさんがコートの懐から取り出したのは革製の長財布でした。
中を見せてもらうと大量の紙幣が入っています。
どうやらヨハネスさんはお金持ちのようです。
ここでムースさんがニヤッと笑って。
「ヨハネス様でしたっけ?あなたは調子に乗ってつまらないことをしましたわね」
「何のことかな」
「金銭面の問題は大丈夫としましても、あれほど大量のお料理を注文して食べきれるわけがありませんわ。せいぜい無理に食べて豚のように肥えるがいいですわ。そしてあなたの風船のように膨らんだお腹をわたくしが針で刺して破裂させてあげますわよ」
ムースさんの言い分はわたしも最もだと思っていました。細身で小柄な体に大量の食べ物が収まるはずがないと考えていたのです。
ですが、そんなわたしたちの予想は見事に裏切られてしまいました。
ワッフル 二三枚
パフェ 一二杯
ケーキ 三五皿
ドリンク 多数
それらを僅か一五分で完食してしまったのです。
ですが、それでも食べ足りないらしく、彼女はその後一時間も次々にメニューを注文しては食べるを繰り返し、結果的に冒頭の皿の山を作り上げることになりました。
積み重ねられた皿の多さで、ムースさんの姿は完全に向こう側に隠れてしまっています。
しかも驚くべきごとに彼女のお腹は食事前も食事後も細いままで全く変わっていません。
一体、どんな体の構造をしているのでしょうか。
そもそも、この人はわたし達と同じ人間なのかと疑問に思うようにまでなってきました。大量の皿で視界を遮られたムースさんを無視して、ヨハネスさんは口をナプキンで拭いて切り出しました。
「食事も終わったし、話に入ろう。君達が知りたいのは隊長——つまりはカイザーさんの居場所だよね?」
「はい。でもどうしてそれを——」
「僕に知らないことはない。彼はフランスはパリでレストランを経営している。そしてお店が休みの時は人気のない山奥の家で一人暮らしをしているよ」
「教えていただき、ありがとうございます」
お礼を言いますと、彼はコートの懐から小さな薬瓶を取り出し、私に差し出しました。中には緑色の液体が入っています。
「……これは?」
「超人キャンディーの副作用を消す薬だよ。長生きが嫌になったら飲むといい。但し」
ここで彼女は真剣な顔で。
「飲むか否かは慎重に考えてから決断するべきだと僕は思う。何故ならこの薬は猛毒なんだ」
「猛毒……ですか!?」
周りのお客さんを驚かせないように、出来るだけ小さい声で訊ねます。
すると彼女は頷いて。
「効果が強すぎて不老長寿だけでなく獲得した能力も、最悪の場合は命さえも落としてしまう危険なものなんだ。あまりにもリスクが高い道ではあるけど、選択肢の一つとして、持っておく分には損はない」
「そのような危険なものを美琴様に飲ませる訳にはいきませんわ!」
突如として会話に割って入ってきたのはムースさんです。彼女は先ほどまで大量の皿の前で呆気に取られて動きを見せていませんでしたが、わたし達の会話を聞いていたのでしょうか、いきなりわたしの手から薬瓶を奪ってしまいました。
するとヨハネスさんがくすりと笑って。
「念のために言っておくと、君がそれを全部飲んでも何の問題もないよ。副作用を消す薬は食べたキャンディーの能力によって別々のものが作られるからね」
「それでしたら、わたくしが飲み干した方が良さそうですわね」
ムースさんはあっさりとそう言って瓶の栓を抜こうとします。ですが、あまりにも堅く詰められているのか、どれだけ力を込めても抜ける気配は見えません。力尽きて薬をテーブルに置いたところを素早くヨハネスさんが奪い取り、自分のコートに戻します。
「今はまだ君にコレを渡すのは早かったみたいだね。欲しくなったらいつでも連絡をしていいよ。すぐに送ってあげるから」
彼はわたしに名前と電話番号の書かれた名刺を差し出すと、椅子から立ち上がります。
「待ってください! もう行くのですか?」
「用事は終わったからね。そうだ、最後に二つだけ忠告しておくよ。
一つ 自分の能力を過信しないこと。二つ 今すぐこの建物から逃げること」
「……えッ?」
「それでは僕はこれで失礼するよ」
言葉の真意を確かめる前に、彼は指を鳴らして消えてしまいました。
スターさんもそうでしたが、もしかするとスター流のトップクラスの人たちは全員瞬間移動ができるのかもしれません。
「美琴様、危ないですわッ!」
不意にムースさんが大声を出し、いきなりわたしの頭をテーブルの上に押し付けました。
その時わたしの耳に聞こえたのは
大きな爆発音でした。
- Re: 攻撃反射の平和主義者です! ( No.31 )
- 日時: 2020/08/10 06:52
- 名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)
一瞬、何が起きたのか把握できませんでした。
爆発音がして、その直後にムースさんに顔をテーブルに叩き付けられたことは確かです。
なぜ、ムースさんはそんなことをしたのでしょう。
直前の言葉から察するにわたしの身に危険が迫っていたことだけは間違いないようです。彼女が手を頭から離しましたので、顔を起こして見店内を見渡して状況を確かめます。すると、わたし達を除いてお店には誰一人としておらず、カウンターには大穴が空き無残にも破壊されていることがわかりました。
きっとカウンターの被害は先ほどの爆発によるものなのでしょうが、一体誰がこのようなことをしたのでしょう。何の予告もなく攻撃を仕掛けるというのは卑怯ですし、罪もない一般人を巻き込む可能性だってあるのですから、決して許しておけない行為です。
砕け散った窓の外を見てみますと、道路に誰か立っています。
道の真ん中に堂々と立っていては車の邪魔ですから、どういう意図かは知りませんが、どいてもらわなければなりません。いくら破壊されているからとはいえ、窓から出るのはあまり良くないので、扉から外へ飛び出しました。もちろんムースさんも一緒です。近づいて道路にいる人物をよく見たわたしは、驚きのあまり小さく息を飲みました。何と、人間ではないのです。スポーツカーのようなド派手な赤い細身のボディを輝かせ、目と鼻のないつるりとした顔の中心には緑色の光を放つ一つ目があります。相手は特撮番組にでも登場しそうな近未来風のロボットだったのです。機械ですし言葉が通じるかわかりませんが、わたしは彼(?)に近づき口を開きました。
「あなたがお店を爆発させたのですか」
「そうだ。お前達二人の始末を依頼されたからな。だが、こうして生き伸びるとは手間がかかる。先ほどの一撃で消えていれば良かったものを。面倒臭ぇ」
感情の無い機械合成音のような声で、謎のロボットは告げました。目的はわたしたちを殺めることにあることはわかりました。
被害を顧みることなく淡々と任務を遂行しそうな言動からは機械特有の冷徹さを覚えます。
「冥土の土産に教えてやろう。俺はハント=ニュートライザー=オメガ。略称はHNΩだ」
「HNΩ……あなたが!?」
ロボットの名前を聞いた途端、ムースさんの顔が一気に青ざめました。
わたしの手を握る力が強くなり、微かに震えているのがわかります。
「ムースさん、知っているのですか」
「ええ。嘗てスター流のメンバーを次々に殺害し、壊滅状態に追い込んだ殺し屋機械人形がいるという話は、地獄監獄で散々耳にしましたわ。
まさか、彼がHNΩとは、初めてその姿を見ましたわ」
ムースさんの反応にHNΩさんは目玉を不気味に点滅させて。
「せめてロボットと言ってほしいところだが、お前達と会話するのも面倒臭ぇ。さっさとこの世から消えてくれ」
彼が右腕を上空に掲げますと、瞬時に彼の右手には銀色のバズーカ砲が握られていました。
「カッコいいだろ?
俺の愛用武器、シグマ=ミキサー=ドライブ=キャノン。通称ΣMDC。
これでお前達を塵にしてやる!」
彼は標準をわたしたちに合わせ、無慈悲に引き金を引きました。
銃口から放たれる深緑色のエネルギー弾は、ボウリングの玉ほどの大きさを誇っています。弾くことは可能でしょうが、弾く方向によっては街に被害を及ぼすこともありますし、何より隣にいるムースさんに危険が及ぶでしょう。
ここで取るべき策は一つしかありません。
わたしはムースさんを掌底で後方に吹き飛ばし、手と足を精一杯延ばしてエネルギー弾を待ち構えます。
わたしは攻撃を反射できるのですから、人を守れるはずです!
美琴は身体を張ってエネルギー弾を食らい、ムースと街を守った。
だがその代償として全身は緑色の光線に包まれ、激痛のあまり悲鳴を発する。光線が消えた後、彼女は服を黒焦げにし、両膝から崩れ落ちるようにして倒れた。
「美琴様!」
慌てて駆け寄るムースに彼女は弱々しく笑みを浮かべる。
「ムースさん……」
「大丈夫ですの!?」
「心配しないでください。これくらい何でもありません……」
苦痛に顔を歪めながらも立ち上がる美琴に、HNΩは電子音を発して嘲笑した。
「よく耐えたと言いたいところだが、その様子では止めを刺されるために立ち上がったとしか思えんな」
「違いますわよ」
美琴の代わりに口を開いたのはムースだ。彼女はHNΩを指差し。
「ポンコツの機械人形であるあなたはご存じでないのも当たり前でしょうが、美琴様はあらゆる攻撃を何倍にもして跳ね返す能力を持っていますの」
「あらゆる攻撃を何倍にもして跳ね返す……だと!?」
「あなたの攻撃もすぐに反射してご覧に入れるでしょう。そうですわよね、美琴様」
美琴に返事はない。だが、彼女の肉体や肌からダメージが癒えてきていることからムースは彼女が何をしようとしているのかを察した。
嘗て自分と闘った時も同じような現象が起きたことを思い出しながら、ムースは得意気に告げた。
「あなたのご自慢の光線銃がアダとなりましたわね。激痛を味わうのはあなたの方ですわ。さあ、わたくしに存分にアルトの断末魔を聴かせてくださいな」
表情こそ変わらないものの、一、二歩後退し頭を抱える様子にムースは勝利を確信した。
彼女の無敵の能力の前では光線銃など玩具以下の武器でしかない。
相手が悪かったと後悔しながら、破壊していく姿を見せてほしい。
期待に満ち溢れた歓喜の笑みを顔に貼りつけるムース。
「オーッホッホッホッホ!
無様ですわね。そのままスクラップになって焼却炉で燃え尽きるのが、あなたにはお似合いですわよ。
お馬鹿な機械人形さん」
勝ち誇ったムースが彼を煽ったその時である。身体の治癒が完了したはずの美琴が再び倒れ、地面を七転八倒し悶絶し始めたのである。
突然の異変にムースは困惑する。
「何が起きたのです!?」
「どうした、俺に光線を跳ね返す算段ではなかったのかな」
「あなた、何をしましたの!」
掴みかからんばかりの勢いで睨むムースにHNΩは地面に突き刺していた愛銃を拾い上げ。
「俺の銃は対能力者用に作られている。まともに食らったら能力を一日封じられる効果があるんだよ」
敵から放たれた衝撃の事実に、ムースは言葉を失った。
一見治癒しているように見える美琴だが、よく見ると定期的に身体に緑色のスパークが現れる。
これは先ほどの光線を受けた影響と見て間違いない。彼女は光線の力に蝕まれているのだ。
今の美琴は能力が使用できない。
それ以前に激しいダメージで闘うことも困難な状態だ。
もしもこの状況下でもう一度光線を受けたら、彼女は間違いなく力尽きる。
そこまで考えた時、ムースは全身に寒気を覚えた。実際の寒さではなく、相手の能力に恐怖を感じたからである。
だが、ムースは逃げるという選択肢を取らなかった。
それどころか倒れている美琴を背にして、HNΩにコルセットの裾を持ち上げ、礼をする。これは彼女が戦闘態勢に入ることを意味している。
「ムース……さん……」
蚊の鳴くような小さな声で相棒の名を呼ぶ美琴。その声を聞いたムースは頷き。
「今日は趣向を変えて機械油と音声合成音の悲鳴が聴きたくなりましたの。この勝負、わたくしに譲ってくださいな」
- Re: 攻撃反射の平和主義者です! ( No.32 )
- 日時: 2019/06/17 19:16
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: U7ARsfaj)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1a/index.cgi?mode=view&no=10985
ここでははじめまして。雑談掲示板でお世話になっております、友桃(ともも)です。
作品>>10まで読ませていただきました。
人物の描写も出来事の描写もとても丁寧で、物語の中に入り込んだみたいな感覚で読めました!
迫力があって面白かったです。
登場人物の個性もはっきり書き分けられていたので、すぐに覚えられました。
登場人物みんな好きですが、今のところスターが一番好きです笑 あのつかみどころがない感じとか口調が面白くて好きです。
あと>>10の時点だとまだ詳しくはわからないのですが、ジャドウが好きになりそうな気がちょっとしてます笑
ほかの美琴ちゃんとか不動とか李さんみたいな純真なキャラクターがいるなかで、スターとジャドウの2人が好きって、我ながらちょっとやばいのかなと思いながら書いてます笑(←失礼)
あと余談ですが、私が書いている小説と似ている要素があって、もしかしたら小説の好み似てるのかも!と思っちゃいました( *´艸`)
能力者を集めた結社が警察と組んでることとか、キャンディー(私の方は薬)で能力が発現することとか(あっ、こちらの作品は生まれつきもありますよね!)。
ただ、こちらのほうがず〜〜っと闘いのシーンが本格的で、迫力があって、かっこいいなと思いました!!
続きまた読みに来ます^^
更新頑張ってください。
- 閲覧500突破おめでとうございます!! ( No.33 )
- 日時: 2019/06/17 19:17
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: U7ARsfaj)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1a/index.cgi?mode=view&no=10985
連投すみません。
コメント書いた後に見たら閲覧500ぴったりでした!!
おめでとうございます(*´▽`*)!
更新頑張ってください。