二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【完結】ハピネスチャージプリキュア!〜最悪バッドな始まりを〜
- 日時: 2017/02/04 21:50
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
初めましてか何度目まして!ひのりです!
新年ですね!
今日からは、ハピネスチャージプリキュアの小説を書きたいと思います!
以前一度書いたことがありますが……あれは少し……黒歴史です←
今回のはそうならないようにしたいですねw
それでは、よろしくお願いします。
- Re: ハピネスチャージプリキュア!〜最悪バッドな始まりを〜 ( No.4 )
- 日時: 2017/01/04 16:40
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
<シャドウ視点>
プリキュアという存在は、変な奴等の集まりのようだ。
昼休憩。人目を避けて、校舎裏に向かいながら、僕はそう思った。
まだ四人中二人しか関わってないけれど、恐らく、僕の結論は正しいだろう。
特に、紫の女……キュアフォーチュン、だったか?アイツといると、調子が狂う。
他の奴等は、なぜか妙に僕と仲良くしようとしたりしてくるが、アイツだけは何かが違う。
僕が他の奴等の相手をするのに少し億劫になっていると、横からしゃしゃり出てきて、そいつ等を追い払ったりする。
ピンクの……キュアラブリー?アイツなんかは、特に目立つくらいに話しかけたりしてくるし、最初は、僕の存在に気付いていて、逆に仲良くなって、情報収集でもしたいのかと思った。
だが、キュアフォーチュンの場合は、他の輩を追い払うと、特に気にしない様子でまた自分の席につき、授業の準備をしたりしている。
……わけが分からない。
「……難しいことは、嫌いだ」
そう呟きながら立ち止まると、僕は、ゆっくりと変身を解いた。
サイアークを出すには、こうして、一度変身を解いてやらなければならない。
「難しいことなんか……分からない。ただ、強い奴と戦うだけ……」
そう呟きながら、僕は校舎裏を出て、校庭に向かう。
さて……誰をサイアークにしようか……。
「あれ?君!」
その時、どこからか声がした。
見ると、明らかに真面目そうな、七三分けに眼鏡の男がこちらに向かってくるのが分かった。
僕は立ち止まり、彼に向き直る。
「君、この学校の生徒じゃないよね?」
「……だったら、何」
「いやいや。普通に考えて、いたらダメでしょ。とりあえず、教務室まで来てもらおうか?」
……色々面倒なことになってきたな。このまま大事にされたら、さらに面倒だ。
そこで、僕は良いことに気付き、彼から離れる。
「ちょっ、どこに……」
「鏡に映る未来を……」
少し離れてから立ち止まり、ゆっくりと振り返る。
そして、手を出すと、親指と人差し指を合わせ……———「最悪にしろ」———……パチンッ、と、音を出した。
すると、彼の体は鏡に吸い込まれ、赤いテープのようなもので、固定される。
「来い、サイアーク!」
そう声を掛けると、鏡が光り、やがて、巨大な怪物へと変わった。
実際の性格なんて、実力には関係ない。
さぁ、お前らの本当の強さを見せてみろ。ハピネスチャージプリキュア!
- Re: ハピネスチャージプリキュア!〜最悪バッドな始まりを〜 ( No.5 )
- 日時: 2017/01/04 18:14
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
<いおな視点>
「んーッ!」
リスの頬袋のように口一杯に食べ物を含んだめぐみが、突然、口を押さえながら立ち上がった。
現在、私とめぐみは、隣の、ゆうことひめのクラスで、四人で昼食を食べていた……のだが……。
「めぐみ、ご飯を食べながら立ち上がるのは、行儀が悪いわよ」
「んぐんぐ……ゴクッ!あれ、見て!」
めぐみは、そう言って窓の外を指さした。
私が座っている席だと、ちょうど私の真後ろにあるため、よく見えない。
食事中にふざけるような子でもないし、何かが起こっているのだろう。そう思って、私は体を捻って窓の外を見た。
「……何これ」
外は、まるで、夜のように真っ暗になっていた。
今日は、雲どころか、一日中快晴のハズ。仮に曇りだとしても、この暗さは異常だ。
「もぐもーぐごごごがもがい」
「それは本当!?ゆうゆう!」
「ゆうこ。一度飲み込んでから話しましょうか。あとめぐみ。なんで理解ができるの」
しばらくして、ゴクッと喉を鳴らしてご飯を飲み込んだゆうこは、「サイアークの仕業じゃないかしら」と冷静な言い方で言った。
「サイアークって、もう幻影帝国もレッドもいないのに?」
「分からないけど……でも、それ以外にこんなことできる人はいないでしょう?」
「まぁ、確かに……」
「何でも良いけど、とにかく、倒しに行かないといけないんじゃないの!?」
焦った様子のひめの言葉に、私たちは頷いた。
そして、動揺する生徒を宥め、後のことは相楽君に任せ、私たちは階段を駆け下りた。
校舎を飛び出すと、外は本当に真っ暗で、何も見えない。
「サイアークはどこ!」
「……うるさい」
どこからか、そんな声が聴こえた。
直後、どこからか、ヒュッと風を切るような音がした。
「皆、伏せて!」
咄嗟に叫び、私は、すぐ隣にいためぐみを押し倒して、その勢いのまま地面に伏せる。
校舎の微かな光で、ゆうことひめも無事に伏せているのが分かった。
それを確認した直後、頭上を何かが横切る音がして、すぐに、どこからか何かが崩れる音がした。
「危ない……三人とも、平気!?」
「私たちは怪我ないよぉ〜」
「いおなちゃぁん……顔痛いよぉ……」
めぐみの言葉に、私は慌てて立ち上がり、彼女を起こした。
押し倒す時に、少し強くしすぎたか……。
「大丈夫?」
「へ、平気平気……これくらい」
そう言ってフラフラと立ち上がると、自分の頬を強く叩き、まっすぐ前を睨む。
「へぇ……さっきのをかわすんだ……」
「とにかく、変身するよ!皆!」
めぐみの言葉に、三人はプリチェンミラーを、私はフォーチュンピアノを取り出した。
必要ないとはいえ、いつも持ち歩いていて良かった。
そう思いつつも変身し、私たちは闇と対峙する。
- Re: ハピネスチャージプリキュア!〜最悪バッドな始まりを〜 ( No.6 )
- 日時: 2017/01/04 22:08
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
「……あっ!決めゼリフとかやってないよ!」
今から戦闘、というところで、キュアプリンセスが唐突にそう言った。
それに、気張っていた私たちは、つい、ガクッとずっこけそうになる。
「今は非常事態でしょ!そんなこと言ってる場合じゃ……」
そこまで言いつつ顔を上げた時、プリンセスの背後に、サイアークの足が迫ってきているのが見えた。
「プリンセス!危ない!」
私は咄嗟にプリンセスを自分の背後まで持って行き、その足をなんとか受け止めた。
つま先に体重をかけ、しっかりと、止める。
「あ、ありがとう……」
「……クッ……はぁ!」
声を荒げながら、私は、サイアークの体を投げ飛ばす。
暗い闇に、黒い体のサイアークは相性が悪い。
少し遠くに投げ飛ばしただけで、もう、どこにいるのか分からなくなってしまった。
「サイアークの場所が分からないわ……これじゃあ、どうやって戦えば良いのか……」
そう呟いて、顎に手を当てた時だった。
「フォーチュン!後ろ!」
ラブリーの言葉に、私は振り返る。
そこには、微かに、遠くから何か黒い物体がこちらに向かっているのが見えた。
私は、これを機にとフォーチュンピアノを取り出し、あんみつこまちにフォームチェンジをした。
「プリキュア!桜吹雪の舞!」
フォーチュンタンバリンを片手に舞を踊り、私は、桜吹雪の風を巻き起こした。
手ごたえはない。でも、これで多少は距離を取らせたハズ。
そう思いながら、私は地面に着地し、周りを見渡した。そこで、とあることに気付いた。
私たちの体だけ、微かに、発光してる!
「皆!私たちだけ、微かに光っているから、敵に丸見えよ!」
「えぇ!それじゃあ、相手の方がすごごご〜く有利じゃん!」
「えぇ……どうにかしないと……」
そう呟きながら、俯いた時だった。
「じゃあさ、敵も光らせちゃえば良いじゃん」
あっけらかんとした様子で、ラブリーが言う。
それに、私たちはしばらく呆然とした。
「えっと……」
「私に任せて〜!」
そう言って、ラブプリブレスを回し始めるラブリー。
どうするのか分からないので、私たちは、ひとまずその様子を眺める。
「ラブリー!ピンキーサーチライト!」
ラブプリブレスを付けた手を、空に突きあげる。
すると、ラブプリブレスが桃色に光り輝き、辺りを真っピンクに染め上げる。
やがて視界が晴れると、相変わらずの暗闇の中、サイアークの体だけが、淡い桃色に光っていた。
「おぉ〜!これでサイアークの姿が見えるね!」
「うんっ!」
ラブリーは頷くと、指で丸をつくり、サイアークを見る。
「ラブリー・ビーム!」
そう叫ぶと同時に、目から光線が発射される。
それは、見事にサイアークに命中し、よろめかせる。
「後は任せて!」
そこにハニーが出てきて、「命の光を聖なる光へ!ハニーバトン!」と、ハニーバトンを取り出す。
そして、器用にバトンを回し、「イエイ!」と空中に突き出すと同時に、かなり上空から、クローバーのようなものが降ってくるのが見えた。
やがて、それは一気に落下してきて、サイアークを浄化させた。
「命よ!天に帰れ!」
掛け声と共に、サイアークは浄化され、消えていった。
同時に、暗闇が晴れていき、空が明るくなっていく。
「……意外と強いな」
その時、頭上から声がした。
見ると、電柱の上に立っている、一人の少年がいた。
黒く、逆立った髪に、鋭い目。同じく黒いシャツに、灰色のGパンを履き、腰には、二つのベルトが交差する形で巻かれていた。
「貴方は……」
「ハピネスチャージプリキュア……レッドすらも跳ね除けた貴様らの強さ。見させてもらう」
余裕そうな表情で笑いながら、彼は言った。
- Re: ハピネスチャージプリキュア!〜最悪バッドな始まりを〜 ( No.7 )
- 日時: 2017/01/05 22:31
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
「ハピネスチャージプリキュア……レッドすらも跳ね除けた貴様らの強さ。見させてもらう」
そう言って、少年は電柱から下り、こちらに向かって歩いて来ようとした。
直後、私たちと彼の間の空間が裂け、中から一人の男が出てきた。
少年と同じ黒い髪に、季節外れのロングコート。優しい顔立ちで、口元には微笑を浮かべていた。
「観察してたけど、流石に、調子に乗りすぎだ。シャドウ」
「また変な奴が出てきたぁ!」
本音を吐露するプリンセスの頭を、私は思い切り叩いた。
ていうか……シャドウ……?
それが、あの少年の名前?
「どういうつもりだ……ブラック」
「言葉のままの意味だ。まだ、プリキュアの情報も、準備も何も不十分。プリキュアとの戦いを楽しむのは勝手だが、ここでお前の力を見せるのは、まだ早い。ここは一度退くべきだ」
「でもっ……」
男———いや、話の流れ的に、ブラックとやらか?———の言葉に、シャドウは反論しようとしつつも、すぐに黙り、目を逸らした。
どういう状況かは分からないので、私たちは、ひとまず様子をうかがう。
「おっと、申し遅れました。私はブラックと言います。こちらは……部下の、シャドウです」
そう言って、にこやかに微笑むブラック、とやらに、私たちは面食らう。
シャドウは、しばらく俯いていた後で、唐突にその場から消えた。
すぐ近くに立っていたブラックは「やれやれ」と呆れたように笑う。
「あ、貴方たちは何なの!何が目的!?」
なんとか声を振り絞り、私は叫んだ。
それに、ブラックはクスッと笑って、私の問いに答える。
「私たちが何なのか、は……いずれ分かることでしょう。ただ、目的だけは言っておきます」
そう言うと同時に、彼の足元に、黒い穴が出来た。
穴はゆっくりと彼の体を、足から飲み込んでいく。
「待っ……」
「世界征服。それが、私の目的」
そう言って、彼の体は完全に消えていった。
−−−
「だぁーッ!一体アレは何だったのよ〜!」
そう言って、ひめは頭をガシガシと掻いた。
それをゆうこが「まぁまぁ」と宥めた。
サイアークが現れたことと、サイアークとの戦いで玄関の一部が破壊されたことにより、ひとまず、今日は急遽下校となった。
人間なんてものは単純で、午前帰りというだけで大多数がかなり浮かれている。
明日は普通に学校あるよ〜……。
「とりあえず神様に聞ければ良いんだけど、今惑星レッドの復興で忙しいからねぇ。ぐらさんは何か分からないの?」
「おいおい、無茶言うなよいおな。俺達妖精は、何でも分かるお助けキャラじゃないんだからよぉ」
「そう……無理言ってごめんね」
「良いさ」
ぐらさんがそう返事した時、ひめのキュアラインが着信音を鳴らした。
ひめは周りの人が見ていないのを確認し、キュアラインを取り出し、誰からの電話なのかを確認する。
そして、「嘘ッ!」と声をあげ、私たちに画面を見せてきたので、見ると、私たちは声を揃えて叫んだ。
「神様ッ!?」
- Re: ハピネスチャージプリキュア!〜最悪バッドな始まりを〜 ( No.8 )
- 日時: 2017/01/06 20:24
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
「神様ッ!?」
『やぁ。久しぶりだね。ところで、話したいあるんだが……学校は?』
「い、一応もう終わったけど……」
『良かった。じゃあ、今すぐ大使館に来てくれないか?緊急事態なんだ』
「緊急事態?」
私たちは顔を上げ、皆で顔を見合わせた。
『あぁ。それじゃあ、大使館で待っているから』
そう言うと、神様はキュアラインを切ってしまった。
ひめはキュアラインをしまい、「だってさ」と言う。
「緊急事態って……高確率であのブラックとか言う奴等のことだよね?」
「逆に、それ以外に何があるっていうの……。とにかく、早く大使館に向かいましょうか」
私が言った時、めぐみが少し考えて、「そうだっ」と明るい声で言った。
「だったらさ、誠司も呼んだ方が良いよね?プリキュアの正体知ってるわけだしっ」
「えっ?まぁ……確かに?」
「だよねっ!だったら、私、誠司呼んでくる!」
そう言うと、めぐみはキュアラインを取り出し、少し離れて、相楽君に電話し始めた。
彼女の話し声は終始上機嫌で、なんだか、声も普段より少し高い気がする……。
「めぐみさぁ……絶対誠司のこと好きだよね」
ひめの言葉に、私は、ビクッと肩を震わせた。
「いやぁ、あの二人は昔から両想いですよ……まぁ、最近になって、めぐみちゃんも自分の想いに気付いたんじゃないかな?」
ゆうこは、そう言って感慨深げに頷いた。
何様だアンタは!
それにしても、恋かぁ……。
「二人は、好きな人とかいないの?」
「なっ!」
私の言葉に、ひめは耳まで顔を赤くして固まった。
しばらくして、「なななっ……」と少しずつ口から声が絞り出る。
「ななっ、なっ、何言ってるのよ!いおなは!」
「えっ、聞いたらダメだった?」
「当たり前じゃん!すっ、好きな人とかそういうの……普通は聞かないし!」
ただの好奇心からだったのに……。
まぁ、後から思えば、確かに普通聞かないかもしれない。反省。
「まぁまぁ、ひめちゃん。私は特にはいないかなぁ。いおなちゃんは?」
「私?いないわよ?」
ひめを宥めたゆうこが聞いてきたので、私はすぐに即答した。
好きな人なんて、元々考えたこともないし。
「えぇー!嘘だぁ!」
「本当よ。初恋とかも……特にないわね」
「じゃあじゃあ!海藤君は?」
「うーん……良い人だとは思うわよ?優しいし。でも、恋愛感情とかは特にないかな」
私の解答に、ひめは「えぇ〜」と不満げに言って、頬を膨らませた。
その時、めぐみが「お待たせ〜!」とこちらに戻って来る。
「誠司、大使館に向かうって!」
「そう。じゃあ、私たちも早く向かいましょうか」
先ほどの会話の内容に勘付かれない様に気を付けながら、私は言った。
それに、めぐみは「うんっ♪」と言い、スキップで進んでいく。
……それにしても、好き、か……。
私は、そもそも恋をしたことがない。
相楽君は、昔から道場仲間としか見ていないし、海藤君も、友達程度だ。
あと身近な異性と言うと……。
そこで、私の頭の中には、影野君の顔が浮かんだ。
彼とは今日会ったばかりだし、絶対違うよね!……でも……。
「……なんで、消えないんだろう……?」
未だに脳裏に掠める影野君の顔に、私は首を傾げた。
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