二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】ハピネスチャージプリキュア!〜最悪バッドな始まりを〜
日時: 2017/02/04 21:50
名前: ひのり (ID: uLF5snsy)

初めましてか何度目まして!ひのりです!
新年ですね!
今日からは、ハピネスチャージプリキュアの小説を書きたいと思います!
以前一度書いたことがありますが……あれは少し……黒歴史です←
今回のはそうならないようにしたいですねw
それでは、よろしくお願いします。

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Re: ハピネスチャージプリキュア!〜最悪バッドな始まりを〜 ( No.1 )
日時: 2017/01/01 22:44
名前: ひのり (ID: uLF5snsy)

プロローグ

 幻影帝国、そして、レッドとの戦いは終わり、世界には平和は訪れた。
 ブルー、ミラージュ、レッドの三人は、惑星レッドに残り、復興を始め、ハピネスチャージプリキュアと、リボン、ぐらさん、ファンファンは、地球にて、平穏な生活を手に入れた。
 全ての戦いは収束し、物語は、キュアラブリー風に言えば、幸せハピネスな終わりを迎える……ハズだった。

 時は丑三つ時。
 人々の大半は寝静まり、暗闇の中、街のネオンが光り、映える。
 そんな中、突如、空間が切り裂け、そこから二人の人影が現れる。

「……ここが、ハピネスチャージプリキュア、とやらがいる街……ぴかりが丘か」

 背の高い、引き締まった体の男が、そう言って街を見渡した。
 その男よりも背の低い少年が、それを聞いて、ゆっくりと辺りを見渡す。

「レッドは、神の中ではかなり高い戦闘力を誇っていた。しかし、ハピネスチャージプリキュア……とやらに負けたらしい。お前はどう思う?シャドウ」
「……別に」

 シャドウ、と呼ばれた少年は、曖昧に答えながら、目を逸らした。
 その反応に、男は忌々しそうに舌打ちをし、ゆっくりと両手を開く。

「ブルーが管理し、レッドが破壊しようとした、地球。それを救った最強の戦士、ハピネスチャージプリキュア。地球を支配するのに、これほどまでに熱くなれる展開は、中々巡り合えないと思わないか?」
「……さぁね」

 あくまでクールに返すシャドウに、男は「はぁ……」とため息をついた。
 その反応を見たシャドウは、少し間を置いた後で、「……でも」と続ける。

「面白いと思うよ。僕も、強い敵と戦うのは、好きだし」
「そうかい。それじゃあ、お前には明日、その、プリキュアが通う、ぴかりが丘学園に行ってもらう。情報収集という奴だ。……やってくれるな?」

 男の言葉に、シャドウは小さく頷いた。
 今宵、ハピネスチャージプリキュアに、第二の試練が訪れる。

Re: ハピネスチャージプリキュア!〜最悪バッドな始まりを〜 ( No.2 )
日時: 2017/01/02 21:03
名前: ひのり (ID: uLF5snsy)

<いおな視点>

「んふふ〜♪」

 朝。五月にもなると、涼しいよりも、暑い、という感想がすぐに出てくるくらいの気温の中、やけに上機嫌な様子でめぐみはスキップしていた。

「めぐみ、どうしたの?やけに機嫌良いね」

 めぐみより少し後ろの辺りを歩いていたひめは、めぐみにそう聞いた。
 それに、彼女はピタッと足を止め、「よくぞ聞いてくれましたっ!」と、すごい速さでこちらに振り返りながら言った。
 ……何か変なものでも食べたんじゃないかしら。

「ふっふっふ……実は、情報通のお友達のまゆちゃんに聞いたところ、なんと!今日!転校生が来るらしいの!」
「それだけでそんなにテンションが高いの?」

 つい、口から本音がポロリと零れてしまった。しかも、かなり冷たい言い方で。
 それに、隣を歩いていたゆうこが「まぁまぁ」と宥めるように言う。
 いや、怒ってないから。

「めぐみちゃんは、昔から友達が増えることが大好きだからねぇ。小学校の時も、転校生が増えるってだけで、大喜びしてたっけ」
「だって、友達が増えることって、すごく幸せハピネスなことだよ!楽しみだなぁ。どんな子なのかなぁ」

 そう言って、クルクルと回りながら歩いて行くめぐみ。
 3年生になってクラス替えがあり、私とめぐみは同じクラスになった……否、なってしまった。
 しかも、なぜか私がクラス委員長になってしまったので、仮にめぐみのハイテンションで問題が起きたら私が対処しなければならない。
 ひめとゆうこ、相楽君は全員隣のクラスで固まっている。

「めぐみ。いきなり大きな声で話しかけたり、強引に仲良くなろうとしないでよ。人というものは様々な性格の人で溢れかえっていて、めぐみみたいに話しかけられることに慣れている人もいれば、昔のひめみたいに人見知りが激しい人だっているんだから」

 念のため、しっかりと言い聞かせておく。
 しかし、めぐみは「でもひめとはすぐに仲良くなれたよ?」と、不満げな様子で言う。
 しまった。ひめを例えに使ったのは失策だったか。

「ひめの場合は例外。そうだなぁ……えっと……」

 めぐみが仲良くなるのに失敗した人を例えにしようとしたが、全くと言って良いほどに出てこない。
 あぁ……なんだかんだで、めぐみは出会った人全員と仲良くはなっているのか……。
 でも、念には念を入れなくちゃ!

「と、とにかく!中には、強引に来られるのが苦手な人もいるから、ちゃんと考えて、仲良くなりなさいってこと!」
「言い方がお母さんみたい〜」

 からかうような言い方のひめに、私は冷静に拳骨を下した。

「いっっっったぁぁぁぁぁいッ!」

 頭を押さえるひめに、少し強くし過ぎたかと後悔する。
 しかし、すぐに「痛いじゃん〜」と頬を膨らませながら反論してきたので、平気そうで何よりだ。

「それにしても転校生かぁ。案外、いおなちゃんの方が、その転校生のこと、困らせたりしてね」

 その時、ゆうこが、いつものように優しい笑顔を浮かべながら、とんでもないことを言い出した。

「ちょっとゆうこ……冗談なら笑えないわよ?」
「フフッ。さぁ、どうでしょう」
「全く……」

 にこやかに微笑むゆうこに、私は嘆息した。

Re: ハピネスチャージプリキュア!〜最悪バッドな始まりを〜 ( No.3 )
日時: 2017/01/03 17:46
名前: ひのり (ID: uLF5snsy)

「今日は転校生が来てくれています」

 朝のHRを終えた、担任の和泉先生は、そう言って笑った。
 それを聞いた他の生徒も、ざわざわと騒ぎ始める。
 一番後ろの列の私は、なんとなく視線を、私の席から二列前、右に一個ずれた位置に座るめぐみに向けた。
 ……うわぁ……すごいワクワクしてる。鼻息荒いし、目キラキラしてる。後で要注意だな……。

「それじゃあ入ってきてください」

 その言葉に、教室の前の扉が、ガララッと音を立てて開いた。
 入ってきた生徒の姿に、私たちの視線は釘付けになる。
 黒い髪に、同色の、鋭い目。
 端正な顔立ちで、何人かの女子生徒は、それを見て顔を赤くしていた。

「今日から同じクラスになる、影野 愁君です」
「……よろしく」

 不愛想な言い方で、彼は小さく会釈をした。
 それに、教室は大きな拍手に包まれる。
 私も、皆と同じように拍手をしながら、なんとなくめぐみに目を向けた。
 ……獲物を狩る目って、きっと、今めぐみがしている目のことを言うんだろうなぁ……。

「それじゃあ影野君は……そうですねぇ……」

 和泉先生は、教室を見渡し、私の近くで首の動きを止めた。

「じゃあ、氷川さんの隣の席にしましょうか」

 ビクッと、肩が震えた。
 えっ?私の隣……?
 確かに私の隣の、一番後ろ窓際という、俗に言う主人公席は、現在空席だ。そこに影野君が座るということは、何ら不思議ではない。
 とはいえ、今まで、自分が直接彼と関わることになるなんて想像もしていなかったので、少し驚いてしまった。
 そして、そんな風に少し驚いている間にも、彼は私の近くまで来て、静かに着席をした。

「は、初めまして。私は氷川いおな。よろしくね、影野君」

 とりあえず、挨拶と自己紹介をしておく。
 初対面だし、一応ね。

「……あぁ」

 それに対し、彼は、あくまでぶっきらぼうな言い方で応える。
 あまりにも無愛想な態度にムッとしつつも、めぐみに言った、世の中には色々な人がいる、という言葉を思い出し、慌てて怒りを抑え込んだ。
 その時、チャイムが鳴った。

「それじゃあ朝のHRを終わります」

 和泉先生の言葉に、クラス委員長である私は立ち上がり、「起立、礼、ありがとうございました」と、号令をかけた。
 それが終わるのと同時に、影野君の元に、ほとんどのクラスメイトが集い始めた。

「どこから来たの?」
「前の学校はどこ?」
「部活とかって」

 質問攻めすらも気にせず、あくまでクールに、影野君はボーッとした様子で机を眺めているだけ。
 特に気にしている様子でもないし、私は何もしなくてもいいかしら?
 そういえば、次の数学の予習で、少し不安な所があったし、そこの確認をもう一度しておこう。えぇっと、確か数学のノートは引き出しの……———。

「影野君っ♪」

 能天気な声に、引き出しの中を漁る私の手は止まった。
 顔を上げると、めぐみが満面の笑みで、影野君の机の前に立っていた。
 まぁ、影野君は、大人しいとか引っ込み思案って感じには見えない。クールというか、人と関わるのが面倒というか。
 個人のことだし、私としては、別にそれはそれで構わないと思うけれど……。

「……なに」

 ほらやっぱり面倒くさそう〜……。
 私は数学の教科書とノートを机の上に出しながら、様子を見る。

「私!愛乃めぐみ!好きな言葉は、愛とラブ!よろしくね!」
「……そう」

 スルーされためぐみは、『ガーンッ!』という効果音が似合いそうなくらいに落ち込んだ。
 しかし、すぐに立ち直ると、影野君の手を掴んだ。

「影野君っ!私、貴方とお友達になりたいの!だから、一緒に話そ……」
「ちょっとめぐみ!」

 咄嗟に、私は立ち上がり、声を荒げた。
 その瞬間、影野君の周りに集まっていた全員の視線が私に向けられ、少しだけ、冷や汗が伝った。

「あ……そういえば、今日の数学って、小テストのハズよね?」
「……あっ!」
「めぐみ。確か前のテストで、かなり悲惨的な点数取ってたわよねぇ?」
「うわわわ、いおなちゃんそればらさないでよ!」
「ばらされて困る点数を取るめぐみが悪い。ホラ、さっさと勉強しなさいっ。他の皆も」
「うへぇ……氷川マジこえぇ……」
「オカンかよ……」

 男子からそんな文句が聴こえてきたが、ひとまず聴こえないふりをして、皆を勉強するように促す。
 ふぅ……咄嗟に小テストのことを思い出せて良かった……。
 クラスメイトを追い払って席につくと、「……何、今の」という声が聴こえた。
 見ると、相変わらず無表情で、机を見ている影野君の姿があった。

「何って……何が?」
「さっきの行動全てだよ。別に、アイツ等を追い払ってほしいって、頼んだわけじゃないし」

 確かに、彼の言っていることは正しい。
 なぜあんなことをしたのか、か……。

「……私の、自己満足」
「……は?」

 人間関係が面倒くさそうな影野君を気遣う。
 それだけの行為で、自分だけを満足させる。
 ただ、それだけのこと。

「お前……変な奴だな」
「フフッ、そうかしら?」

 訝しむ影野君に、私は、笑って見せた。


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