二次創作小説(映像)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

東方×カービィ 幻想郷のキカイ化
日時: 2017/12/01 18:59
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

皆様はじめまして、ハルトマン社新人秘書のピコパです。今回は東方とカービィの小説を書かせていただきます。理由はどっちも好きであることと意外に共通点が多いことですね。

あらすじはこちら

ハルトマン社のマザーコンピューター『星の夢』の時空間転移プログラムをリニューアルし幻想郷のデータを獲得。魔法や神といった科学とはかけ離れた常識や豊富な資源を手にいれる為にハルトマン社は幻想郷キカイ化プロジェクトに乗り出した。科学と魔法、相反する2つの戦いが今始まろうとしていた。


この小説を読むにあたって
・この小説には作者による独自解釈や設定が含まれています。基礎情報は確認済みですがご了承下さい。
・とにかく話が広がり中々先に進まない場合があります。
・この小説オリジナルの技やキャラクターが出てくる場合があります。
・作者はあまり文才がありません、完全に行き当たりばったりで書いています。なので不備が生じることがありますのでその時は指摘をお願いします。
・この小説への荒らしや誹謗中傷のコメントはご遠慮下さい。

次回更新予定
・霊夢編

フェイズ0・幻想郷の存在
>>01 >>04 >>05
フェイズ1・幻想大侵攻
>>06 >>07 >>08 >>09 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22
フェイズ2・幻想を越えた出会い
>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>32 >>33 >>34 >>35 >>36 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48 >>53 >>56
おまけ
>>31 >>37 >>49 >>50
レミリアの夏休み
>>38 >>39 >>40 >>41 >>42

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12



Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.8 )
日時: 2017/04/07 23:34
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




6・王位の陥落



デデデ城

ここは呆れるほど平和な星、ポップスターの中にあるプププランド。春風が吹き暖かな光が草原を撫でる昼下がり、雰囲気に似合わぬ荘厳な城の中庭では大王と従者がチェスをしていた。盤面を見る限り従者側が優勢である。

デデデ「うーむ…………うーむ…………」
バンワド「大王様、まだですか?」
デデデ「待て、待ってくれ!」
バンワド「そう言ってもう30分ですよ……」

この大王、考えることが至極苦手である。どうやら一日中対戦しており大王は一度も勝てたことはないようだ。腕組みをしつつ空を見上げながら考えていると、黒い点がひとつ見える……その点はどんどん大きくなり、足のようなアームをにょきにょきと出し、思いっきり地面に刺した。

デデデ「な、なんじゃありゃあ!?」
バンワド「え、エイリアンの襲来ですよ!」

その要塞はロボット兵、電球や木を放出しこの地を征服しようとする。大王は急いで指示を出し、要塞を撃ち落とさんと大砲を出した。

デデデ「撃て、撃てぇー!!」

しかし、遥か上空に浮いている要塞に当てることはできず、むしろ返り討ちのレーザーを食らってしまった。レーザーは城の壁を穿ち大王達を吹き飛ばす。

デデデ「おわー!?」
バンワド「大王様、一旦ここは逃げましょう!多勢に無勢すぎます!」
デデデ「な、何言ってるんだ!大王が自分の城ほっといて逃げられるか!」
バンワド「お前達、僕達が逃げきるまで持たせて下さい!うぉぉぉ!」

従者は部下に城を任せ長の証であるバンダナを強く締めた後、叫び声を上げて力をためデデデ大王を持ち上げた。自分より何倍も重い大王を持ち上げ、従者は地下道を走り回る。そして奥地まで来た時、限界を感じたのか大王を放り投げて従者は休んだ。

デデデ「ふぎゃ!」
バンワド「ここまでくれば……大丈夫でしょうか……………」
デデデ「このやろう……よくも………」
バンワド「あ……お許しください……大王様には生きていてほしくて………」
デデデ「……まぁいい、それよりこれからどうしたもんか………」
バンワド「このまま行けば洞窟の近くまで出られます……さ、行きましょう!」











『ひさしぶりだネェ、何してるのぉ?』



突如として現れたその魔術師は2人の前に佇んだ。星形の異空間の入り口がふよふよと誰かが入ってくるのを待っている。

デデデ「マホロア!?どうしてここに!?お前は俺達が倒したはずじゃあ………」
マホロア「いやぁ現代の科学ってスゴいんだネェ、もう一度ボクを復活させるなんて………」
デデデ「あの要塞もお前の仕業か!?」
マホロア「そうだよ、どっちかというとボクがそこで働いているんだヨォ。ここポップスターのキカイ化の為にネ。ほら、ここって資源が豊富な割には誰も使いこなせてないじゃん?だからボク達が有効活用してあげよっかなー、と思ってネェ。」

マホロアはケタケタと笑いながら2人の間をぐるぐる回っていた。動揺を隠せない2人は武器を手にして警戒する。

デデデ「ここはお前達が好き勝手していい場所じゃない!悪いがお引き取り願わせてもらうぜ。」
マホロア「ボクを甘く見ないでヨォ、今はもうあんな弱いボクじゃない、それを証明させてあげるヨォ!」

マホロアは無数の魔力球を放ち2人を襲う。前とは比べ物にならないほどの威力と量には敵わず、ぶっ飛ばされてしまった。

デデデ「ぐおっ!?」
バンワド「うわっ!?」
マホロア「さて……弱くなったキミ達にはもう興味はない。邪魔されると困るから飢えたローパー達のエサになってもらうヨォ。」

マホロアは軽々と2人をつかみ異空間へ投げ飛ばしてしまった。異空間の入り口は閉じ、完全に閉じこめてしまったようだ。

マホロア「さて、まだまだやることはあるヨォ。待っててね、僕と同じ能力を持つベストなトモダチ!」







異空間

デデデ「ここは……異空間か!」
バンワド「マホロアが復活してるってことは、またいろんなワルモノが復活しているかもしれませんね………」
デデデ「こうしちゃいられない……カービィだけじゃ心配だ、早く俺達も……!?」


『ウォォォン…………』


そこに現れたのは異空間に巣くう魔物、ローパーたった。スフィアエナジーがなくなった今、ローパー達はエサを探しもとめてさまよっていたようだ。無論、無茶苦茶腹ペコなのである。

デデデ「仕方ねぇ……とっとと出口探すぞ!」
バンワド「はい!」


Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.9 )
日時: 2017/04/09 21:55
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




7・闇の骸と十の庭師



白玉楼

ここは冥界に位置する白玉楼。裁きを待つ死者の魂が住まう所で基本的には静かであり、春には桜が舞い散り冬には雪が積もるという風情溢れる空間なのだ。冥界なので死なない限りここへは来られないが、星の夢の時空間転移プログラムの副作用により結界の境界が曖昧になってしまい、ひょんなことから迷いこむこともあるという。
ここの主である西行寺幽々子はゆらゆらと揺れる結界の境界を見据えていた。桜の花びらと共に桃色の髪が儚くそよぐ。

幽々子「結界が揺らいでいる……紫に何かあったのこそれとも現世に何かがあったのか………妖夢、調べていらっしゃい。」
妖夢「わかりました。………しかし幽々子様、そのような心配は無用かと。」

魂魄妖夢、彼女は白玉楼の庭師である。『半人半霊』と言われており人という存在でありながら霊と話したり切ったりできる。2本の刀の使い手であり立派な刀の使い手であった祖父を目指して修行中の身だ。彼女の目が鋭く空を見やると、黒い雲のようなものが辺りを包み、そこから異形の者が姿を現した。それは闇をまとったドクロの王、ネクロディアスだった。

ディアス「ここが冥界か………我らが住むには少し明るすぎるが………まあ良い、どうせ後で暗くすればよい話だ。」
妖夢「悪霊の類いの者の様ですね……ここに何の様ですか?」
ディアス「なに、大したことではない……計画の邪魔をされぬよう、未来の障害を消しておけとの話だ。」
幽々子「なるほど……あなたがここへ来たことと結界が揺らいだことは無関係じゃなさそうね。」
妖夢「今ならまだ猶予をあげます、お引き取りください。さもなければ、私はあなたを切らなければならなくなります故。」
ディアス「とんだご挨拶だな………いいだろう、切れるかどうか、試してみろ。」

ネクロディアスはそう言うと空から部下を呼び出した。ドクロをかぶった闇の塊が妖夢を狙う。

妖夢「それがあなたの答えだというのなら……私は使命を果たすまで、幽々子様はそこで見ていて下さい。」

妖夢は刀を抜き襲い来るドクロン達を切った。円を描くように舞い一線にて貫く、流れるような身のこなしによりドクロン達はあっという間に全滅した。しかしネクロディアスは顔色ひとつ変えない。きっとこのくらいは想定内なのだろう。

妖夢「さぁ、次はあなたの番ですよ。」
ディアス「ほう、なかなかやるな。どれ……お手並み拝見といこう。」

手を天にかかげそこから降ってきた杖を手にする。それを確認すると同時に妖夢は相手に向かって駆け出した。しかし降り下ろした刀は頑丈な手によって防がれる。

ディアス「甘い!その程度で私を切れると思うな!」
妖夢「ぐっ!?」

押し退けられ飛ばされる妖夢、しかし空中で体勢を整え再び刃を相手に向ける。そしてネクロディアスは杖に禍々しい力をため始めた。杖の先のオーブがバチバチと黒い電気を放っている。

ディアス「終わりにしてやろう……食らえ!」
妖夢「ぬぅっ……………」

放たれた魔力が妖夢にぶつかる。なんとか刀で防ごうとするも、勢いに耐えきれずもろに食らってしまった。そして煙が落ち着いた時、彼女は周りを見て絶句した。

妖夢1号「あれ……どうして私が……?」
妖夢2号「それに体も小さくなって……」
妖夢3号「私……もしかして分裂してる……?」

そこにいたのは10人の少し小さな妖夢だった。どうやらあの魔法は物を分ける魔法のようだ。刀を持つ手が震えており、どうやら力まで分裂されているらしい。

ディアス「フフフ……どうだ、今楽にしてやろう。」
妖夢1号「なんとか……なんとかしないと……」
幽々子「…………」

ネクロディアスがとどめをさそうとした瞬間、ひらひらと蝶がネクロディアスを包み込んだ。気を取られているとそれは光り輝き爆発した。

幽々子「逃げなさい妖夢、今のあなた達では敵わないわ。」
妖夢1号「しかしそれでは……」
幽々子「大丈夫、私を信じなさい。」
妖夢1号「………絶対、無事でいてくださいね!」

妖夢達は起き上がると同時に駆け出し白玉楼を後にした。ネクロディアスは光を払い幽々子に目をつけた。

ディアス「余計なことを………」
幽々子「次は私の番よ、あなたはもう死んでるみたいだから私の能力は通用しないだろうし、本気で相手しないとね………」

幽々子は背後に紫の扇のようなオーラを展開させた。そこから光る蝶が矢のように降り注ぎ、ネクロディアスも対抗して闇の雷をぶつけた。黒く輝く光が白玉楼を包み込む。幽々子が目の前の敵に集中していると背後から突然鋭い痛みが走った。胸には白いトゲが貫通し血が溢れており、幽々子はフラフラとよろめいた。幽々子を刺したそれはドクロン族の中でも特にエリートのドクロスのトゲだった。

幽々子「まさか……亡霊の体を貫くなんて………」
ディアス「我らも霊のようなもの……光を嫌い闇に消える一族だ。お前も我らと共に来てもらうぞ。」




幽々子「妖夢………ごめんね………私………」




言い切る間もなく幽々子は気絶した。ネクロディアスはぐったりとした幽々子を抱え、白玉楼の制圧を宣言した。

ディアス「………これで役割は果たしたぞ、ハルトマンよ。」






『白玉楼、制圧』





Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.10 )
日時: 2017/04/13 16:25
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




8・妖精大戦争



リップルスター

ここは妖精が住む星リップルスター。一年中花が咲き乱れ、晴れの日なのにいつも虹がかかり、シャボンのような泡がふよふよと漂う幻想的で平和な星であるが、宇宙船や花火があり妖精の星といえど文明はさほど遅れてはいない。大きく白い城にはここを統べる女王様が今日もわたわたと過ごしていた。サイズが合っていないのか王冠とメガネが動くごとにズレていってしまう。

女王「えーとえーと……これがここであれがここで……キャッ!」
リボン「だ、大丈夫ですか女王様……?いっぺんに全部やろうとするからですよ………」
女王「ごめんなさいねぇ、いつも手伝ってもらっちゃって。」
リボン「いえ、大丈夫です。大変そうだと思ったので。」

落とした書類を拾い集めているのは桃色の髪の妖精リボンだ。その名の通り赤いリボンを髪に飾っている。妖精の中でも割と行動派らしく自ら女王の手伝いを買って出たらしい。
全ての書類を集め終わると昼を告げる鐘が鳴った。

女王「あら、もうこんな時間?それじゃお昼にしましょうか。」
リボン「はーい。」

城の食堂には多くの妖精達が食事をしていた。女王は他の妖精よりも一回り背が高く誰にでも優しく接してくれるためひとたび外に出ればたちまち人が集まってしまうのだ。だから女王は皆に囲まれながら食事をすることになる。ここにいる妖精達は誰よりも平和を楽しんでいた。






しかし、その平和も終わりを迎えようとしていた。上空からマルクとフランが降り立ち、妖精達の前に姿を現す。

マルク「さて……お前のメンテナンスも終わったし新しい装備も追加された。ちょいとテストといこうじゃないか。」
フラン「ねえ、ここ本当に滅茶苦茶にしていいの?」
マルク「ああ、お嬢がクリスタルが欲しいっつってたしテストもできるし一石二鳥なのサ。それにどうせこんなとこまで助けに来るやつなんていないのサ!」
フラン「わかった………クランベリーミサイル発射!」

背中のポッドから放たれた赤いミサイルは大地を吹き飛ばし空を焼き、轟音と炎に包まれる中妖精達は逃げ惑う。後から慌てて女王が出てくるがその時にはすでにほとんどの建物が壊れ焼け野原となっていた。

女王「あなた達、どうしてこんなことを!」
マルク「ここにあるクリスタルを奪いに来たのサ。渡してっつっても素直にくれるはずないんでね。」
リボン「クリスタル……まさかゼロツーの手先?」
女王「いえ、ゼロツーはカービィが倒したはず……とりあえず妖精達を避難させましょう!」

女王とリボンは妖精達を避難させ城へと向かう。そこには非常用の大きな宇宙船がありいつでも脱出できる準備をしていた。着々と避難の準備が進む中リボンだけはクリスタルを持ち飛び出す準備をしていた。

女王「リボン!何をしているの!?」
リボン「クリスタルは大事な宝……渡すわけにはいきませんから。」

女王の返事を待つことなくリボンはクリスタルを抱き宇宙空間へと飛び出していった。マルク達もそれに気づき後を追う。それにより敵意が逸れ住人を乗せた宇宙船は無事脱出できた。



フラン「レーザーレーヴァテイン装備……吹き飛べ!」

赤く輝く剣で前方を凪ぎ払った。その軌跡は炎の渦となり逃げるリボンを執拗に追いかける。しかし前にも似たような経験があったのか苛烈な攻撃をものともせず全て避けきってみせた。

マルク「クソ、ちょこまかと………ええい、こうなったら2度とここへは戻れなくさせてやるのサ!ブラックホール!」

そう叫ぶとなんとマルクの体が真っ二つに割れた。真ん中の空間には黒く不気味な深淵が覗き光をも吸い込むほどの力でリボンを引き込む。

マルク「クリスタルもろともバラバラになるがいいサ!」
リボン「うぅ…吸い込まれる………キャッ!?」

バランスを崩し吸い込まれるリボン。しかし不必要かつ大きく空間を歪ませたため反動として大きな裂目が現れた。裂目のほうが力が強くリボンは裂目に吸い寄せられ消えてしまった。

フラン「いいの?」
マルク「ああ、もともとお前のテストが目的だったんだからな。それにポップスターのことに気づいてクリスタルの力で邪魔されたら面倒サ。」
フラン「………バラバラになってなければいいんだけど。」

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.11 )
日時: 2017/04/16 21:21
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)



9・スキマと異空間の邂逅



八雲神社

どこにあるのかハッキリしない空間にひっそりと佇む屋敷のような神社がある。そこは主以外は入ることすらできないように特殊な結界を施しており、偶然や奇跡をもってしても見ることはできない。
そこの中庭では八雲神社の主、紫が神妙な面持ちで空を眺めていた。そばには紫の式、藍がおり心配そうに紫の横顔を見ている。

紫「霊夢にはあらかじめ言っておいたけどまだ嫌な予感がするわ。」
藍「最近ずっとですよね……まさか戦争レベルの異変が起きる……とかではないですよね?」
紫「わからないわ……こんな感覚はじめてだもの、せめて私の勘違いであることを祈るしか無いわ…」

今まで感じたことのない胸のザワつきはいつまでたっても消えることはなかった。いつもだったら霊夢が解決してくれるのだが今回はやけに不安が残る。しかし自分は心配することしかできない、そんな自分に不甲斐なさを感じたまま眠りについた。

その翌日、紫の不安は的中していた。大量の機械が幻想郷の空を覆い尽くし、地面に刺さる時の地響きと轟音により紫達は外に駆け出した。

橙「藍しゃま、怖いです……」
藍「大丈夫だよ、私が守ってあげるからね。」

藍の式、橙は大きな音と見たことのない機械に怯えていた。しかし何より気にしていたのは紫本人であった。誰も入ることができない結界になぜ入ることができたのかわからない。紫は2人の前に立つと兵士の1人がリストを取りだし写真と実物を確認していた。

兵士「八雲紫だな?我々の悲願のため、同行してもらう。」
紫「ずかずかと大勢で乗り込むなんて、礼儀のなってない方々ね。」
藍「何が目的かは知らないが、お帰り願おうか。こっちは安眠を妨害されて不機嫌なんだ。」
橙「そ、そうです!」
兵士「ならば仕方ない……なるべく怪我はさせるなよ。」

ロボット兵は紫を捕まえようとするが、紫はスキマを作り取り込む。どこに繋がっているかはわからないが取り込まれた兵士達が戻ってくることはなかった。藍と橙も妖術で立ち向かい互角の戦いをしていた。

紫「こんなものなの………!?」






『やっと見つけたヨォ!ボクの友達!』

突然星形に空間が裂けそこから黒い船が現れた。禍々しいオーラに包まれた船のドアからマホロアが紫の前に降り立つ。

マホロア「会えて嬉しいヨォ、ユカリ。」
紫「あなたがこれの主犯ね……どうしてこんなことを……」
マホロア「遊びに来たんだヨォ、ユカリの能力はボクと同じだからネェ。頑丈な結界を張ってても、ボクには通用しないヨ。」
紫「ずいぶんなことね……とにかく、その兵士たちにはお帰り願うわ。あなたもね。」
マホロア「えー?そんなぁー」
紫「……これはお仕置きが必要ね。私をコケにしたこと後悔させてあげるわ。」

紫はいきなりマホロアに結界を展開しその中で弾幕を張るもそこにマホロアの姿はなかった。

マホロア「酷いなぁ、遊ぶんだったら言ってヨォ。」
藍「紫様、危ない!」

マホロアは紫の背後に現れ船のオールで背中を切り裂いた。しかし切り裂いた背中は紫ではなく藍のものだった。心配そうに駆け寄る橙を藍は優しく抱き止める。

藍「うぅ……橙……」
紫「しっかりしなさい!大丈夫よ!」
マホロア「あらぁ………庇ったんだネェ………」
紫「………いいわ、少し本気になってあげる!豪幕結界!」

紫は激流の如く威力の強い弾幕を放ち、マホロアも同威力の魔力球を放つ。しかしだんだんマホロアが押し負けくらいかけるも異空間に入り難を逃れた。その後も避けては放ちを繰り返し戦いは長引くもマホロアはピンピンしており、むしろ紫がスタミナを消耗していた。紫よりもマホロアのほうが少ない力で大量の魔力球が出せるからである。

マホロア「もうスキマ、出せる余裕も無いんじゃない?」
紫「そんなこと、やってみればわかることよ……」
マホロア「……ふーん、じゃあ………えいっ!」
紫「!?」

マホロアは魔力の密度を高めた魔力球を藍に向かって放った。しかしその豪速球は紫が受けとめ、戦いの疲れからか倒れこんでしまった。

紫「うぅ………あなた………なんて人なの………」
マホロア「サテ、ここまでくれば大丈夫かな?えいっ!」

マホロアは紫を異空間の中に引き込んだ。

兵士「あの2人はどうします?」
マホロア「んー………使えそうにないしテキトーにローパーのエサになってもらおうかナァ。」

藍と橙を紫とは別の異空間に送りこむ。

橙「藍しゃま……ずっと……そばに……」
藍「橙……ありがとね………」






『八雲神社、制圧』


Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.12 )
日時: 2017/04/21 21:11
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




10・鏡の帝王



鏡の国

プププランドの空の上には、自然豊かな大陸が広がっていた。とてつもなく広いので全部見て回るのは時間がかかる。そこで古代の民は空間と空間を繋ぐ鏡をそこかしこに設置した。そして映した人の願いを叶えるという『ディメンションミラー』を国宝として中心部に置いた、この地は『鏡の国』と呼ばれていた。
しかし、台座にディメンションミラーは無く代わりに紙切れが落ちていた。

『ディメンションミラーをお借りします。よければあなたも幻想郷にいらしてみては?心を映すにふさわしい人達がいらっしゃいますよ。美人秘書スージー』

その紙切れを手にしたのはここを統治する帝王、ダークマインドだ。銀の鎧に包まれた赤い肉体が脈打っている。彼は悪の心を操る力を持ちディメンションミラーを暴走させ力ずくで鏡の国を乗っ取ったのだ。

マインド「はぁ……おいウィズ、支度をしろ。行くぞ、幻想郷へ。」
ウィズ「はぁ………かしこまりました。」

ダークマインドの僕、マジシャンのウィズはせっせと支度をする。何しろこの帝王、怒ると誰よりも面倒なのだ。めったに怒ることは無いがディメンションミラーを勝手に持ち出されたことにより相当頭に来ているらしく脈打ちがどんどん速まっている。
近くに浮いていた異空間のそばにはハルトマンが作ったリストが置いてあり、ダークマインドはそれを手に取り流し見た。するとあるページに紙切れが挟まっており

『ディメンションミラーの一部はここにあります』

とだけ書かれていた。

マインド「……なんだこりゃ、迷いの竹林?」
ウィズ「本当にあるんですかねぇ?」
マインド「ほぅ………ここには不死身のやつらがいるのか、いい場所じゃねえか。いくら殴っても大丈夫ってことだろ?」
ウィズ「まぁそうみたいですね。月から来た一行で永遠の夜を手にいれたとかいれてないとか。」
マインド「……俺が行く前にナイトメアの野郎が行ってそうだな………」
ウィズ「悪夢にとって永遠の夜はまさにパラダイスですからね。」
マインド「んじゃ……とっとと行きますか。」

ダークマインドはひとまず先に永遠亭に向かうことにした。そしてその光景を見ていた人物がひとり……







アクシスアークス

スージー「ダークマインドは無事に幻想郷に行けたようです。……しかしなぜ採用しなかったのですか?ドロシアやセクトニアも採用しなかったようですが。」

幻想郷へ行くよう唆したスージーがハルトマンに報告していた。

ハルトマン「あいつは少々荒々しく傲慢すぎて輪を乱しかねん。ドロシアは所詮忘れられし絵画の怨霊、セクトニアに至っては興味なし……まったくもって下らんやつらである。」
スージー「お三方とも弱くはございませんのに……」
ハルトマン「まぁ、ひとまず幻想郷で暴れさせておけば落ち着くはずである。」
スージー「……だとよいのですが。」

『ようお二人さん、幻想郷ってなかなか面白いところなんだな。』

社長よりも偉そうに社長室に入ってきたのはフランボーグの強化メンテナンスを終えたマルクだった。他にも次々と報告が上がってくる。

スージー「……八雲紫を捕らえたのは大きいですね。」
ハルトマン「すべて計画通りである。ことが進めばいずれ君にも役割が巡ってくるはずである……のう、博霊の影よ。」
黒霊夢「………………」

そこにたたずんでいたのは霊夢の影、黒霊夢だった。この世界にはない不思議な力は影になってもわき出ているようだ。

スージー「……どうやら動きがあったようです。」
ハルトマン「よし……モニターに映せ。」

そこに映っていたのは死闘を繰り広げるダークマインドと永遠亭の住人の姿があった。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12



この掲示板は過去ログ化されています。