二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化
- 日時: 2017/12/01 18:59
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
皆様はじめまして、ハルトマン社新人秘書のピコパです。今回は東方とカービィの小説を書かせていただきます。理由はどっちも好きであることと意外に共通点が多いことですね。
あらすじはこちら
ハルトマン社のマザーコンピューター『星の夢』の時空間転移プログラムをリニューアルし幻想郷のデータを獲得。魔法や神といった科学とはかけ離れた常識や豊富な資源を手にいれる為にハルトマン社は幻想郷キカイ化プロジェクトに乗り出した。科学と魔法、相反する2つの戦いが今始まろうとしていた。
この小説を読むにあたって
・この小説には作者による独自解釈や設定が含まれています。基礎情報は確認済みですがご了承下さい。
・とにかく話が広がり中々先に進まない場合があります。
・この小説オリジナルの技やキャラクターが出てくる場合があります。
・作者はあまり文才がありません、完全に行き当たりばったりで書いています。なので不備が生じることがありますのでその時は指摘をお願いします。
・この小説への荒らしや誹謗中傷のコメントはご遠慮下さい。
次回更新予定
・霊夢編
フェイズ0・幻想郷の存在
>>01 >>04 >>05
フェイズ1・幻想大侵攻
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フェイズ2・幻想を越えた出会い
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おまけ
>>31 >>37 >>49 >>50
レミリアの夏休み
>>38 >>39 >>40 >>41 >>42
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- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.23 )
- 日時: 2017/05/24 22:10
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory >>5 >>12
21・紅い月と青い稲妻
人里
レミリアが目を覚ました場所はハイテク化した家の一室だった。見たこともない機械がずらりと並べられており、人間味がない。起き上がろうとすると体が動かない。どうやらマルクの薔薇に大量の体力を吸いとられてしまったらしい。身体中にはおびただしいほどの傷があった。
???「おやおや、お目覚めかい?」
すぐそばには年老いた女性がいた。女性の側には切り取られた薔薇が山のように積まれていた。
レミリア「この薔薇………あなたが?」
老婆「ええ、何十年もガーデニングや生け花をしてたからねぇ。」
レミリア「あなた………私が怖くないの?吸血鬼なのよ?」
老婆「確かに見つけた時は驚いたのよ……でも酷い状態だったし、困ったときはお互い様なのよ。」
レミリア「…………ありがと。」
その後しばらくは老婆と一緒に過ごした。新しい機械の使い方に苦労しているらしいが問題は無いという。こうなった原因は侵略者のキカイ化にある。
人里に降り立った侵略者は住人を悪夢で支配させ強制的に労働させているようだ。連れていかれるのは若い人間だけで子供の一部やお年寄りの人は使い物にならないのかそのままらしい。
レミリア「ここにも侵略者がきたのね………」
老婆「ええ……簡単に火を起こせたりお洗濯する手間が省けるのはいいんだけど、やっぱり元の生活が恋しくなるわねぇ。」
レミリア「……そう。」
ふと紅魔館のことを心配した。あれだけのロボット兵を美鈴とパチュリーだけで倒せるとは思えないし、自分の館を制圧されたと思うと腹が立つ。それを確かめる為にも一刻も早く戻る必要があった。しかしまだ頭がフラフラする。老婆は心配そうに見つめていた。
老婆「だめよ寝てなきゃ……」
レミリア「私は吸血鬼なのよ………すぐによくなるわ………」
老婆「あなた紅魔館の主様ね?心配なのはわかるけど、元気な姿で会わなきゃ………」
レミリア「うぅ………」
半ば無理矢理寝かされたレミリア。しかしこのまま世話になるのも悪いと言ったら、同じような顔をした娘がさらわれてしまい寂しいと返された。せめて手伝いをさせてほしいと頼むと、老婆は笑いながらそれを承諾してくれた。今の自分にできることはこのぐらいしかない。そのぐらいしかない自分が情けなく思えてきた。
老婆「ほらほら、そんな顔しないの。元気になったらたっぷり教えてあげるからね。」
レミリア「うぅ………」
だいぶ調子がよくなってきた頃から料理や裁縫などいろいろなことを教わった。人でも吸血鬼でも関係なく教えてくれるのは長寿だからこそなのだろう。恐らくここを出るときには一人前のレディーになっているのかもしれない。これなら咲夜の負担を少しなら減らしてやれるのかしら。
レミリア「ありがとうお婆さん、もう私は大丈夫だわ。………本当にありがとう。」
老婆「寂しくなるねぇ………気をつけてね。」
レミリアが変わり果てた人里を歩く。高くそびえ立つビル、荷物を乗せながら走る乗り物、どこを見ても初めてのものばかりだった。紅魔館に向けて歩いていると空から何かが落ちてきた。それは奇怪な仮面を被った青いボールだった。そのボールは地面に落ち、レミリアに近づく。
レミリア「な、なにこれ………」
メタナイト「う……うぉ…………」
そのボールはフラフラと起き上がり、レミリアの方を見る。すると光の速さで剣を振り抜きレミリアに襲いかかった。
レミリア「いきなりの御挨拶ね。」
メタナイト「ハルバードの時の借りを変えさせてもらおう。」
レミリア「ハルバード?……それよりあなたは誰なの?」
メタナイト「メタナイト………冥土の土産に持っていくといい。」
その後もメタナイトとレミリアの戦いは続いた。メタナイトは小さな体と驚異的な速さを活かしてレミリアの懐に入ろうとする、対してレミリアはコウモリ型の弾幕とグングニルで距離を取った戦い方をする。そして何度かやりあったあとメタナイトは何かを感じたのか剣を鞘に納めた。レミリアもそれに気づきグングニルを消す。
レミリア「どうしたの?怖じ気づいた?」
メタナイト「……勘違いだったようだ、すまない。」
レミリア「そう、それならいいけど。あなたこの世界の住人じゃないわね、どこから来たの?」
メタナイト「プププランドという世界にいたのだが、貴女に似た敵が現れ時空の歪みを使い私を排除した………ようだ。」
レミリア「なるほどね………なら、こいつらの弱点とかも、当然知ってるってことよね?」
メタナイト「なるほど………知らないことはないが、ここでは貴女の戦い方の方が有利のようだ。」
レミリア「なら………手を貸してあげるわ。」
メタナイト「……任せてくれ。」
騒ぎを聞きつけロボット兵達がぞろぞろと現れた。しかしまた力と数で押されるかもしれない。幸いにもビルや店で複雑に入り組んでおり、2人は逃げながら戦うことを選んだ。
レミリア「あいつら……本当にしつこいわね!」
メタナイト「ハルトマン社のロボット兵の実力は折り紙つきだ。まともにやり合えば勝てない。」
レミリア「せめて1人になってくれればいいんだけどね。」
メタナイト「それしかないな、ひとまずは逃げながら紅魔館に向かおう。」
レミリア「待ってなさい美鈴、パチェ………」
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.24 )
- 日時: 2017/05/27 09:19
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: KG6j5ysh)
frontstory >>23
22・黄金の兵器
レミリア「バッドレディスクランブル!」
メタナイト「マッハトルネイド!」
ロボット兵を相手にしつつ人里を逃げる2人。ともに行動しているうちにお互いの目的を理解したようである。レミリアは妹と紅魔館の奪還、メタナイトは元の世界に戻りハルトマン社の破壊。どちらもハルトマン社が関係していた。
レミリア「あら、あなたハルバードのキャプテンなのね。私に楯突いただけのことはあるわ。その剣さばきは見事ね。」
メタナイト「貴女は紅魔館の主なのか。凄まじいパワーとカリスマには恐れ入った。」
レミリア「うまいこと言うじゃない。あなたが元の世界に帰るまで警備員として雇ってあげようかしら。」
メタナイト「それはいい考えだ。しかしここを切り抜けてから考えよう。」
レミリア「そうね、さっきから羽虫みたいにブンブン飛んでて………耳障りだわ。」
集団かつ闇の勢力がいて対抗することは難しかったが、相手が1人だと少し頑丈なだけで倒せない相手ではない。相手も手に終えるものではないとわかったのか一斉に引き上げていった。
レミリア「やっと懲りたみたいね………あら?」
メタナイト「どうされたのかな……あれは!?」
2人の前に現れたのは黄金の体を持つ兵器『ヘビーロブスター』だった。重機のごとく巨大なハサミと酸性のスライムで2人を襲う。大きな機体をビルにぶつけながら乱暴に進むヘビーロブスターの方向の先を見たレミリアが恐怖を感じたらしく、大きく空に飛び出した。それを見たメタナイトも慌てて飛び出す。
レミリア「あの先にはお婆さんの家があるの………絶対に潰させないわ!スピアザグングニル!」
赤いオーラを槍に変形させてヘビーロブスターを貫いた。そのまま壊れるのかと思いきや制御装置を破壊しただけでバチバチと火花を放ち暴走してしまった。移動速度を増して突っ込むヘビーロブスターは誰にも止められなくなってしまった。
レミリア「ちぃっ………こうなったら多少ビルを吹き飛ばしてでも………不夜城レ………」
メタナイト「いや、これ以上の犠牲はダメだろう!」
レミリア「じゃあどうすりゃいいのよ!」
メタナイト「ここまでできれば相当な威力だ。あとは私に任せてもらおう、ブレイカードリル!!」
破壊力を纏ったメタナイトが切りもみ回転でヘビーロブスターの機体を貫いた。大きなダメージを受けたヘビーロブスターは大きな音を出しながら爆発した。メタナイトは思うところがあるのか煙を上げる残骸をずっと見つめていた。
レミリア「助かったわ……あれもあなたの世界のものなの?」
メタナイト「あぁ………ヘビーロブスターの設計図は我々しかもっていないはずだ………恐らくメタナイツが破られたか。」
レミリア「ハルトマン社………何者なのかしら。まぁ、考えたって仕方ないわ。長居もしてられないし、紅魔館へ向かいましょう。」
メタナイト「…………そうだな。」
紅魔館周辺
舗装された道を歩いていると紅魔館が見えた。真っ赤なのは変わりないが武骨な印象になっており無造作に造られた煙突から黒い煙が吹き出ており、朝になっても夜になっても煙が止むことはない。
レミリア「ずいぶん好き勝手に改造してくれるじゃない………せっかくの外見が台無しだわ。」
メタナイト「キカイ化される前はどんな外見なんだ?」
レミリア「それはもう………私のカリスマ溢れる見事な外見よ……なんてったって私がデザインしたものなんだから。」
メタナイト(それはそれで気になるが………気が立っているみたいだしこれ以上聞くのはよそう。)
辺りはすっかり夜になってしまった。人里からだいぶ距離がありこのまま進むのは危ない、とメタナイトからの提案だ。かなりの数を相手にしたのでクタクタになったのかレミリアも反対はしなかった。吸血鬼は普通夜に行動するのではないかと聞くと、人間の生活リズムに合わせているから大丈夫だと答えた。2人は休むために使われていない空き家に入った。使い方がわからない機械がたくさんありすみづらそうだ。
レミリア「休むだけなら快適ね。」
メタナイト「そうだな、ここならまず見つかることはないだろう。」
レミリア「ふあぁ…………私はもう寝るわ、おやすみなさい。」
メタナイト「あぁ、ゆっくりと休むといい………」
メタナイト(こんな幼い顔をしながらもあんな力を持っているのか………幻想郷………侮れないな。)
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.25 )
- 日時: 2017/06/03 20:58
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory >>07 >>22
23・桃玉と銀のナイフ
紅魔館周辺の森
咲夜は紅魔館の近くの森で目覚めた。どれくらいたったかはわからないが紅魔館は工場と化していた。いつもは妖精達が遊んでいて賑わっていた森だが今日は別の意味で賑わっている。パチュリーが緊急で結んだ為に場所の指定はできなかったようだが、まずは一刻も早くここから逃げなくては………
咲夜「キャッ!」
咲夜の頭に何かがぶつかった。とても柔らかいボールのようなものは軽く地面にバウンドしながら停止した。気づいたのかボールのようなものは飛び起きた途端キョロキョロと辺りを見回している。咲夜は一瞬敵と見なしナイフを手にしたがそれを目にしたときにはナイフをしまっていた。あのボールを敵と認識するにはあまりにも無垢すぎたのである。
咲夜「あの………?」
カービィ「ぽよ?」
咲夜(喋った!?………でも喃語っぽくてまるで赤ん坊………)
咲夜「………あなたは、誰なの?」
カービィ「ぽよ?………カービィ、カービィぽよ!」咲夜「カービィ……ああ、名前ね。」
咲夜(これじゃあ話のしようがないわね………)
咲夜「私は咲夜よ。」
カービィ「さー……や……?サーヤ!サーヤ!」
咲夜「いや、サーヤじゃなくて………まぁいいか。」
カービィは新しい言葉を覚えたらしく飛び上がりながら名前を連呼した。咲夜はあまりの喜びように許容せざるをえなかった。
見回りをしていたロボット兵が見たのはピンクボールと楽しそうに遊ぶメイドという異色な光景だった。無論彼女らはお尋ね者なので無視することもなく捕縛体制に出た。
兵士「咲夜とカービィだな………見つけたぞ!」
咲夜「見つかった!?くっ………!」
兵士「たった数本のナイフで勝てると思ったか!」
咲夜「やはり能力が使えないとこうも不利なのね……」
咲夜はナイフを兵士に向かって投げつけるも簡単に防がれてしまう。そして落ちたナイフがカービィの目の前に落ちた。カービィは初めて見たのかかなり興味深くナイフを見つめており、口に含んだ。咲夜はビックリして兵士そっちのけでナイフを吐き出させようとする。
咲夜「待ちなさいカービィ!それは食べ物じゃないのよ!ぺっしなさい、ぺっ!」
しかしカービィはナイフを飲み込んでしまった。するとカービィの体が光り出し、緑の帽子をかぶり剣を手に持った。その風貌は無垢なる赤子ではなく立派な剣士だった。何が起こったかわからない咲夜を尻目にカービィはロボット兵と戦う。体が小さい分動きやすいのでロボットの攻撃を受けることなく兵士にダメージを与え続ける。そして最大の一撃を放った時、兵士は彼方に飛んでいった。
兵士「ぐわあぁぁぁ…………」
咲夜「あなた………戦えるのね……ビックリだわ。私もこのリストが無ければ………」
カービィ「ぽよ………?」
カービィは咲夜のリストを見るやいなや思いっきり腕にかぶりついた。空腹で仕方がないカービィはドーナツにでも見えたのだろうか、ものすごい吸着力で咲夜が振っても離れようとしない。キュポンと気持ちのいい音と共にカービィが放れるとそこにリストは無かった。やがてムグムグと味を確かめると不味かったのか思いっきり吐き出してしまった。
咲夜「食べられるかと思ったわ……でもありがとう。おかげで能力が使えるようになったわ。」
カービィ「むにゅ…………」
咲夜「あら、大丈夫!?」
空腹の限界がきたのか倒れるカービィ。食べ物を探そうにも果物がなりそうな『自然の』木はあまり存在しておらず工場廃液のせいで川が汚れており魚は食べられそうにない。兵士が乗っていたロボットの中を探していると偶然グミを見つけた。急いでカービィに食べさせると少し満足したようだ。
咲夜「とはいえグミだけだとさすがにお腹いっぱいにはならないか。紅魔館に入れば何か作ってあげられるんだけど………あんな工場みたいになってたらキッチンがあるかどうかすら怪しいわね。それにさっきからビュンビュン飛んでる機械も気になるし……お嬢様が見たらさぞ嘆き悲しむことでしょうねぇ。」
カービィ「ぽよ?」
咲夜「あらごめんなさい。今からあなたにとびきり美味しいご飯を作ってあげるわ。」
カービィ「ぽよ!」
咲夜「だからその為にももう一仕事、私と一緒に頑張りましょう。」
咲夜(とは言ったもののあんなにたくさんのロボットをヘッドスナイプするのは難しいか……)
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.26 )
- 日時: 2017/06/09 21:20
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory >>24 >>25
24・行け!ロボボアーマー!
紅魔館周辺
紅魔館を奪還するために紅魔館に向かおうとするカービィと咲夜、しかし丸腰で乗り込む訳にも行かず作戦を練っている。難しい顔をしながら考え込んでいる咲夜の横ではカービィは兵士が残したインベードアーマーに興味を示していた。そして搭乗し色々なボタンを押して遊んでいる。
咲夜「ちょ、ちょっとあなた何やってるの?危ないから離れなさ………キャッ!」
カービィが赤いボタンを押すと突然インベードアーマーが光り出した。そして立ち上がったと思いきや銀色のボディがピンク色に染まっていき、今までの兵器としての武骨さは無くなった。
咲夜「あなた………どうやったの?」
カービィ「ぽよ?」
咲夜「わからないの?………取り敢えず操縦できる?」
カービィ「ぽよ!」
カービィは取り敢えずでたらめに操作した。最初はぎこちない動きしかしなかったがやり方を覚えたのか徐々にちゃんとした動きができるようになった。溢れ出す無限大のパワーを秘めたロボボアーマーを味方につければ紅魔館を奪還できる、咲夜はそう考えた。
咲夜「今、私達は敵と同質の戦力を持ったわ。さあとっとと終わらせてご飯にしましょうか。」
カービィ「ぽよ!」
紅魔館
大きな門の向こうには真っ赤な工業地帯が広がっていた。飛び交う輸送マシン、中庭を埋め尽くすほどのベルトコンベア、せわしなく動くクレーン、今まで暮らしていた紅魔館とは比べ物にならないぐらいに変貌していた。
咲夜「ここが、紅魔館……?まるで工場みたいだけど……それになぜ妖精メイドが働いているのかしら。」
カービィ「ぽよ!ぽよ!」
咲夜「ああ、ごめんなさい。行きましょう……と言いたいところだけど、まずはご挨拶したい人がいるのよ。美鈴っていう門番さんにね。」
工業地帯を進んでいくと部品を運んでいるメイドの中に美鈴が混ざっているのを見た。他のメイドよりも何倍も大きい部品を担ぐ美鈴の顔に辛さは無いようであり、咲夜を見つけた時もいつも通りの対応だった。
美鈴「咲夜さん!無事だったんですね、よかった………」
咲夜「ねぇ、あのあとどうなったの?」
美鈴「結局数に負けて捕まってしまいました……今では労働者として働かされてます。逆らうと電流が流れる細工もされてしまったそうで。」
咲夜「それは大変!早くなんとかしないと………」
美鈴「いえ、私よりもパチュリーさんを助けて下さい!魔力を根こそぎ吸いとられてマシンの原動力にされてるんです………24時間休み無しでですよ!いくら魔法使いだと言っても心配です………」
咲夜「そう………わかったわ。」
美鈴「気をつけて下さいね………中はもっと警備が厳重です。」
紅魔館の内部に侵入した咲夜とカービィ。見渡す限り機械ばかりでとにかく広い。取り敢えずパチュリーのいそうな図書館を目指してとにかく破壊して突っ走る。カービィの操縦さばきも手慣れたものになっており細かい動きもこなせるようになっていた。
兵士1「な、なんだこいつら!」
兵士2「侵入者だ!直ちに排除しろ!」
咲夜「能力が使えばこっちのものですわ……カービィはとにかく道を作って!私は援護するわ!」
カービィ「ぽよ!」
強引に道を作り先に進むカービィ、取りこぼした雑魚を時間を止めてからの奇襲で一掃する咲夜、2人の息はピッタリ合い怒濤の速度で進撃していた。
更にロボボアーマーはコピーができる。咲夜から渡されたナイフをスキャンするとアーマーが緑色に変わり、腕が大きなビームソードになった。高出力の電気の剣から放たれる一撃はどんな物でも真っ二つ。図書館への道は近づきつつあった。
レミリア「これはどういうことかしら?」
メタナイト「………………」
紅魔館にたどり着いたレミリアとメタナイト。完全な変貌を遂げた紅魔館を見てレミリアは絶句していた。メタナイトはレミリアをなんとかなだめて工業地帯を進む。
美鈴「あ、お嬢様…………よくぞご無事で………」
レミリア「美鈴………」
美鈴「申し訳ありません!紅魔館を………守りきることができませんでした…………」
レミリア「いいのよ。相手は未知の軍団、それにこれから取り戻せばいいんだから……」
美鈴「そうですか………咲夜さんも戻ってきたし、やっと希望が持てそうです!」
レミリア「咲夜もきてるの?」
美鈴「はい、パチュリーさんを助けに図書館へ向かって行きましたよ。中で相当暴れてるみたいですから今なら警備の目は薄いかもしれません!」
レミリア「まったく………何考えてんのよ………」
紅魔館の中は荒れ果てていた。機械はバラバラ、『綺麗に』真っ二つになっている壁、倒れている兵士の頭にはナイフが刺さっているものもあった。
レミリア「これ、全部咲夜がやったのかしら……いくら咲夜でもロボットを壊せるようなパワーは無かったと思うんだけど。」
メタナイト「恐らく他に協力者が見つかったのだろう。しかし恐ろしいほどのパワーだ……」
レミリア「図書館の方に向かってるみたい………待ってて咲夜、パチェ、今行くわ!」
図書館前
工場には似合わない木でできた扉の前に咲夜とカービィはいた。そして今まさにむりやり扉を破壊しようとした時
『あんたどこまで私の紅魔館を壊す気?』
背後から声が聞こえた。
咲夜「お嬢様!よくぞご無事で!」
レミリア「まったく……そっちはピンピンしてるわね、心配して損した。」
メタナイト「カービィ………まさかお前がロボットを乗りこなすとはな………」
カービィ「ぽよ!」
メタナイト「さて………パチュリーとやらがいるのはこの先か。」
咲夜「お嬢様……この方は?」
レミリア「メタナイトよ、別世界からきた私のガードマン。」
メタナイト「………あなたが咲夜殿か。レミリア殿から名前は聞いた。よろしく頼む。」
咲夜「よほど信頼されているのね、わかったわ。」
レミリア「さて、それじゃ行くわよ。」
レミリアが扉を開けると、そこにあったのは近未来的な設備を備えた図書館と拘束され魔力を搾取されているパチュリーだった。
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.27 )
- 日時: 2017/06/14 12:23
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: FpNTyiBw)
frontstory >>26
25・知識と日陰の魔女
魔法図書館・メインエリア
レミリア達は機械に繋がれ魔力を搾取されているパチュリーと出会った。既にかなりの量を搾取されているようでかなり痩せこけていたがまだ意識はあるようだ。
レミリア「パチェ!大丈夫!?」
パチュリー「レミィ……咲夜……どうして……」
レミリア「ここは私の家よ、だから取り返すのは当然でしょう。」
メタナイト「この規模………恐らくここで動いている機械はほぼ彼女の魔力が使われているのだろう。」
咲夜「なんて酷い………」
レミリア「待ってて、今すぐ助けて……」
パチュリー「だめ!それ以上は………キャッ!」
機械がパチュリーを取り込み格納してしまった。無数の警報音が鳴ると本棚の奥からセキュリティサービスが現れた。完全に囲まれたレミリア達は武器を構えて臨戦態勢を取る。
レミリア「なんなのよこいつら……邪魔するなら容赦しないわよ!」
咲夜「武装も強力な物が増えていますね………」
メタナイト「心配はいらん。3人で攪乱しつつカービィのロボボアーマーで吹き飛ばせばいい。」
カービィ「ぽよ!」
素早い動きでセキュリティサービスのセンサーを掻い潜る3人。誘導地雷やプラズマソードの猛攻を耐えつつロボボアーマーの拳がセキュリティサービスの胴体をえぐり吹き飛ばす。自爆なんてさせるものかと怒濤の勢いで殴るカービィに3人も続いていく。
レミリア「これで……とどめよ!」
咲夜「はぁっ!」
メタナイト「見るがいい……」
カービィ「ぽよ!」
全てのセキュリティサービスを倒すと今度はパチュリーを取り込んだリアクターが動き出した。魔力を無理矢理コントロールし武装する。
パチュリー「うっ……うぅ…………はぁ………」
リアクター『防衛システム作動、アグニシャインプログラム起動。』
両脇についたオプションからものすごい勢いの炎が吹き出した。逃げる侵入者達を執拗に追いかけやきつくす。ちなみに本は燃えない。追いかけるのをやめたリアクターは今度はグルグルと回転し炎の渦を作り出した。熱い空気が図書館を包み込む。
レミリア「あ、熱い!日焼けしてしまうわ!」
咲夜「気にする所はそこですかお嬢様……」
メタナイト「ぐっ………なんて威力だ………オプションさえ止められれば………」
カービィ「ぽよ……ぽよ!」
カービィはセキュリティサービスの残骸をリアクターに向かって投げつけた。するとリアクターを損傷し回転が停止した。メタナイトはこの隙を見逃さず見えないくらいの速さでオプションを破壊した。
リアクター『損傷カクニン………次ノプログラムニ移行シマス。シルバードラゴンプログラム起動。』
リアクターはドラゴンと戦闘機を混ぜたような姿に変形し襲いかかる。ツメや牙、ブレスや尻尾など大きな攻撃をかわしつつ攻撃のチャンスをうかがう。
レミリア「あの尻尾、あなたのロボでつかんで投げる!みたいなことできないの?」
メタナイト「試してみる価値はあるかもしれないな、行けるか?」
カービィ「ぽよ!」
カービィは尻尾攻撃を受け止めガッチリと掴んだ。そしてグルグルと振り回し壁に激突させる。本棚が揺れ並んでいた本が落ち埋もれたリアクターは再度復帰した。
リアクター『損傷カクニン………次ノプログラムニ移行シマス。ロイヤルフレアプログラム、起動。』
今度は大砲のような姿に変形したリアクター。眩しい光が爆発を伴って炸裂する。
レミリア「眩しーい!これじゃ灰になっちゃうわ。」
咲夜「しかしこれでは迂闊に近づけませんね………」
メタナイト「しかし後ろに回り込めば攻撃は当たらない。本体も光で我々が見えないだろうからな。」
4人は1度バラバラに散った。標的を失ったリアクターは1人を執拗に追いかけることしかできない。そしてその隙に後ろにまわりこみ、重い一撃を叩き込む。
メタナイト「シャトルループ!」
レミリア「デーモンキングクレイドル!」
咲夜「殺人ドール!」
いっぺんに大きな攻撃を受けたリアクターは火花と煙を立てながらゆっくりと落っこちていく。そこから放り出されるようにしてパチュリーが飛び出してきた。
パチュリー「うっ……うぅ………」
レミリア「大丈夫、パチェ?」
パチュリー「えぇ………頭がクラクラするわ………まったく酷いことするわねぇ。」
メタナイト「動力源が無くなった今、ハルトマン社の者は撤退したようだ。私達を追い出そうとしない辺りここを放棄しても問題はないということか。」
レミリア「さんざん改造しておいて最後は放棄……とことん私を怒らせるのが得意な連中ね。」
咲夜「しかし紅魔館を奪還できたのは大きいですよお嬢様。恐らく美鈴や他の妖精メイドも拘束を解かれて自由になっていることでしょうし。」
レミリア「そうね………」
パチュリーの無事を確認し安堵しているとカービィの腹の音が聞こえた。あれからずっとまともな物を食べていないカービィはもう腹ペコのようだった。
咲夜「さて、それでは晩餐にしましょう。メタナイト様もご一緒に。」
メタナイト「それはありがたい。」
レミリア「とことん食べて力をつけて、いつか必ず借りを返してやるわ!」
その日の晩餐会は遅くまで続いていたという。レミリア曰く「こんなに賑やかな晩餐会を開いたのは久しぶり」らしい。
翌朝、レミリアはカービィ達と共に行くことを告げた。
レミリア「美鈴やパチェもいるから大丈夫よ。用がないならもう襲ってくることもないだろうし。」
美鈴「頑張って下さいね!」
パチュリー「足手まといになるだろうから今回はパス。なんとかやっとくわ。」
メタナイト「それはちょうどいい。この世界の住人がいれば安心だ。」
こうして4人は気持ちを新たにキカイ化された幻想郷を救う旅に出た。
『紅魔館、奪還』
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