二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化
- 日時: 2017/12/01 18:59
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
皆様はじめまして、ハルトマン社新人秘書のピコパです。今回は東方とカービィの小説を書かせていただきます。理由はどっちも好きであることと意外に共通点が多いことですね。
あらすじはこちら
ハルトマン社のマザーコンピューター『星の夢』の時空間転移プログラムをリニューアルし幻想郷のデータを獲得。魔法や神といった科学とはかけ離れた常識や豊富な資源を手にいれる為にハルトマン社は幻想郷キカイ化プロジェクトに乗り出した。科学と魔法、相反する2つの戦いが今始まろうとしていた。
この小説を読むにあたって
・この小説には作者による独自解釈や設定が含まれています。基礎情報は確認済みですがご了承下さい。
・とにかく話が広がり中々先に進まない場合があります。
・この小説オリジナルの技やキャラクターが出てくる場合があります。
・作者はあまり文才がありません、完全に行き当たりばったりで書いています。なので不備が生じることがありますのでその時は指摘をお願いします。
・この小説への荒らしや誹謗中傷のコメントはご遠慮下さい。
次回更新予定
・霊夢編
フェイズ0・幻想郷の存在
>>01 >>04 >>05
フェイズ1・幻想大侵攻
>>06 >>07 >>08 >>09 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22
フェイズ2・幻想を越えた出会い
>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>32 >>33 >>34 >>35 >>36 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48 >>53 >>56
おまけ
>>31 >>37 >>49 >>50
レミリアの夏休み
>>38 >>39 >>40 >>41 >>42
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- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.28 )
- 日時: 2017/06/18 10:05
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory >>08 >>11
26・異空間での邂逅
異空間
デデデ「うおりゃああああ!!」
バンワド「たああぁっ!!」
襲い来るスフィアローパーを倒し出口を探すデデデとバンワド。マホロアの復活に戸惑いながらもハンマーを持つ手に休みは無かった。迷路のような道を進んでいくとスフィアローパーに囲まれている少女がいた。少女は深い傷を負い倒れている女性を庇い必死に応戦していた。
デデデ「俺達の他にも異空間に飛ばされた奴がいるぞ!」
バンワド「すぐに助けましょう!」
ローパー『ウオォォォ……………ウオォォォ……………』
橙「ら、藍しゃまは私が守ります!」
藍「橙……ダメだよ………私を置いて………」
橙「嫌です!藍しゃまを置いてなんていけません!」
藍「橙……」
小さい体をひたすら動かしてスフィアローパーを撃退する橙。見たことのない敵に震える足を抑えながらも必死に応戦していた。しかし何度倒してもやってくるスフィアローパーに橙はだんだんと疲れを見せる。それでも藍の為なら命すら差し出す覚悟でいた。
それを止めたのは後ろからやってきた2人の戦士だった。2人はスフィアローパーを難なく退けた。
デデデ「何やってんだお前!ひとまずずらかるぞ!おいバンワド!このキツネっぽいの担げ!」
バンワド「はい!」
橙「ちょっと!何よあなた達!」
デデデ「話は後だ!行くぞ!」
なんとかスフィアローパーを撒いたデデデ。バンワドは藍の傷の手当てをするためにバンダナから救急セットを出した。手際よく手当てを施した結果なんとか藍は立てるようになるまで回復した。
藍「ありがとう………助けてくれて。私は八雲藍、こっちは橙。謎の青い魔術師に襲われて………」
デデデ「お前らもか………アイツ、何を考えてやがるんだ……」
バンワド「エナジースフィアが出すエネルギーとあなた達の使う魔力の波長が似てるのが増殖の原因ですね………」
デデデ「とりあえずここじゃあまた襲ってくるかもしれねえ、歩くか。」
4人はそれぞれ別の世界の住人であることを話した。デデデ達は正体不明の要塞に襲われマホロアに遭遇し、藍達もマホロアによってここに飛ばされた。いくらマホロアでも全く別の世界にまでやってくることは無いのかと思われていたが、どうやら時空の旅人には容易いこどったようだ。とりあえず協力してここを出ることにした。
デデデ「ラージローパーっつースフィアローパーの親玉を倒せばここを出られるはずだ。どこに出るかは知らんがな。」
藍「ここのことを知っているの?」
デデデ「マホロアとは何度か会ったことがあるからな、とらえどころがなくて何考えてんのかわからねえ雲みてえなやつだよ。」
マホロアのことについて話していると目の前にはスフィアローパーの大群があった。1匹のスフィアローパーがこちらに気づくと合体を始めた。数十匹のスフィアローパーは大きなラージローパーとなり大口を開けてデデデ達を威嚇した。デデデ達もここを出る為に武器を構える。
大きくなったラージローパーの攻撃の規模は桁違いだ。きりもみ突進、魔力球、爆発、どれも威力と範囲が大きすぎる。細かい攻撃を重ねるがダメージを食らっている感じはなく戦いは続いていく。
すると藍が詠唱の為の護衛を要求した。デデデ達はすぐに引き受け詠唱が完了するまで藍を守る。その間もラージローパーは手加減することもなく攻撃を繰り返す。
藍「詠唱完了!奥義………天からのナインテール!撃てーっ!」
藍は魔方陣から9つの光の玉を作り出した。そして号令と共に玉から9本のレーザーがラージローパーを撃つ。体が大きい分避けづらいのか全てのレーザーを食らったラージローパー、フラフラになりながらも藍を食わんと襲いかかる。そして隙をついたバンワドの一撃によりラージローパーは消え去った。デデデは藍の魔力は凄まじいものだと改めて実感した。しばらくすると星形の時空の裂け目が現れた。
デデデ「お、やっぱり出てきたか時空の裂け目。」
藍「ひとまず脱出しよう。幻想郷に出たら私達が詳しいし、あなたの世界に出たらあなた達の方が詳しいからね。」
デデデ「マジルテか?ここ。」
バンワド「いえ、そもそもここはプププランドではないみたいです。」
藍「私もこの穴は見たことないな…………」
時空の裂け目から抜け出したデデデ達。そこに見たのは薄暗い縦穴の入り口だった。底が見えないくらい深い穴はどこか恐ろしい雰囲気に満ちていた。すぐそこには鎖で編まれたはしごのようなものが下げられている。デデデ達は注意深くはしごを下りる。下に行けば行くほど暗闇が辺りを包みだんだん手元が見えなくなってくる。慎重に行けよと呼び掛けるデデデは内心とてもビクビクしていた。なにしろ『暗闇』にはいい思い出が無いのだ。
しばらく下りていると灯りが現れた。灯りの正体は壁についているランプであり下に行くほど増えていく。さらに降りてようやく底についたデデデ。底の世界にあったのは家が立ち並ぶ街だった。
橙「幻想郷の地下にこんなおっきな街があったんですねー!」
藍「ここが旧地獄……のはずなんだろうけど、やけに静かだ。」
デデデ「それになんだかこの街の色が変だ……絵の具をごちゃまぜにしてぶちまけたような………」
バンワド「あそこに屋敷がありますけど………」
バンワドが指差したのは旧地獄の中で一番大きな屋敷『地霊殿』だった。
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.29 )
- 日時: 2017/06/30 17:58
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory >>17 >>28
27・忘却の展覧会
旧地獄
家や店が多く立ち並ぶ商店街を歩くデデデ達。普段は賑やかなのだろうが、今では行き場を失った怨霊がふよふよと漂っているだけの不気味な空間と化している。濁った外観も相まってここは文字通り地獄と化していた。
次にデデデ達は大きな橋に差し掛かる。渡る者の途絶えた橋を渡ろうとすると、軋む音の他に助けを求める声がした。そこには裏返しになった額縁があった。デデデが恐る恐るひっくり返してみるとまるで『本物』のような絵画だった。
デデデ「おぉ、これはまた上手い絵だ………」
バンワド「大王様の肖像画も描いてもらいましょう!」
藍「瞳や肌の陰影もくっきりしてる……まるで本物みたいね。」
???「本物よ!!」
急に喋りだした絵画に驚いてデデデは手を離してしまった。慌てて絵画を立てると描かれた緑眼の女性は頭をさすっていた。よく見ると額縁には『Parsee』と彫られている。
パルスィ「よくも落っことしたわね……」
デデデ「す、すまん……まさか喋るとは思わなかった……」
バンワド「アドレーヌさんも来てるんですかね?」
藍「パルスィさん……と言いましたか、なぜ絵の中に?」
パルスィ「知らないわよ……地霊殿の方から不気味な煙が凄い勢いで下ってきて、気づいたらこうなってたわ。あのあと魔女みたいな人がやってきて絵画を取ってってたけど………私には見向きもしなかったわね………妬ましいわ!!」
デデデ「魔女……?おい、その魔女について詳しく聞かせてくれ!」
パルスィ「はぁ?んなこと言ったって………紫のローブを着込んでたことくらいしかわかんないわよ。」
デデデとバンワドは察した。全てを絵画にする力を持ち、紫のローブを着込み、自分を忘れた世界に復讐しようとする魔女、ドロシアを知っていたからだ。確かに元のドロシアの世界はかなり濁り不気味な色合いをしていた。今はまだ地底だけだが放っておくと幻想郷を絵画にしかねない。デデデ達は急いで地霊殿に向かった。
パルスィ「待って!せめてどこかに飾って!」
地霊殿
禍々しい空気を放つ大きな屋敷のエントランスにはここの住人であろう人々の絵画が飾ってあった。悲鳴、怒号、歓喜……展示場はある意味いつも通りの賑やかさだった。
ふとデデデは中央にある少女の像を見た。あどけない顔の下には第三の目とも言えるものがついている。像の表情は心なしか苦痛を訴えるように見えた。まるで抵抗する姿をそのまま固めたように……
像の近くには他とは違った絵画が飾ってあった。鬼や蜘蛛、桶や猫、烏と様々だ。デデデ達がそれを見ると、やはり絵画は動き出した。
お燐「あー!やっと人が来てくれたー!」
お空「うわーん!もうだめかと思ったよー!」
藍「と言うことは、あなた達も魔女に……」
勇儀「ああ、情けない話だよ。あたしがなんの抵抗も出来ずにやられちまうとはね………」
ヤマメ「動きづらいんだよこれー!早くなんとかしてー!」
キスメ「魔女を…………倒して…………そうすれば……さとり様もきっと…………!」
デデデ「さとりって………あの像のことか?フン、任せときな!」
お燐「ありがとう………魔女はあのおっきな額縁に入って行ったよ!」
大きな額縁の向こうはドロシアの世界だった。絵の具をゴシャゴシャにしたような色、無数に並ぶトゲの山、そしてケタケタと不気味に笑う絵画………ドロシアの世界は正に狂ったキャンパスそのものだった。橙はビクビクしながら藍の尻尾にくるまっている。
橙「こ、怖いよう…………藍しゃまぁ…………」
藍「大丈夫だよ橙。私がしっかり守ってあげるからね。」
デデデ「なぁバンワド………なんか前より酷くなってないか?」
バンワド「ですね………早くなんとかしないと………」
しばらく歩いているとどこからともなくキャンパスと筆が現れた。筆はキャンパスにトゲや爆弾を描くと煙のように消えてしまった。一瞬何が起きたかわからなかったデデデとバンワドだったがすぐに察知し藍と橙に叫んだ。
デデデ「マズい!おい皆、今すぐ走れ!トゲと爆弾が襲ってくるぞ!」
藍「何!?どういうこと!?」
バンワド「とにかく今は走って下さうわぁっ!?」
地面がボコボコと盛り上がったあと鋭く大きなトゲがデデデ達を突き刺そうとする。さらに空からパラシュートをつけた爆弾が落ちてくる。上と下、両方からの攻撃を避けながらデデデ達は逃げ続けた。
藍「な、なんでこんなことに………」
デデデ「バレたか……?でも近いはずだ、頑張れ!」
逃げた先に大きな扉がある。デデデはそれを思いっきり開けると広い空間に出た。そこは美術館の一室のようであり、様々な絵画が飾られていた。その部屋のまん中には絵の入っていない額縁があり、魔女はそこにたたずんでいた。
ドロシア「………本当は………私がこの額縁に入るはずだったのに………呪いだなんておかしな噂を信じこんで………しまわれて………忘れられて…………」
デデデ「やっぱりお前だったか………おい、気持ちはわかるが………」
ドロシア「いいえ、あなたにはわからないわ………だって、あなたを慕ってくれる人がいるんだもの………」
デデデ「………………」
ドロシア「あなたがなんと言おうと私の思いは変わらないわ。忘れられることがどんなに辛いことか、すぐにあなたもわかる日がくるわ。」
藍「どんな理由であれ、幻想郷に危機をもたらすのなら、倒さないわけにはいかないわね。」
橙「そ、そうです!怖い魔女さんは嫌いです!」
ドロシア「あなた達も参りましょう、忘却の果てに開かれる展覧会へ!」
デデデ「皆に愛されたかったらまず全部変えてこい!思いも服も、まとめて全部だ!」
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.30 )
- 日時: 2017/07/11 13:17
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: xMxTbxuA)
frontstory >>29
28・復讐の魔女
ザ・ワールド・オブ・ドロシア
復讐に囚われた魔女は全てを絵画にしようと襲ってきた。自分の存在を隠された世界を、不自然な現象を信じこんだ人々を、慕ってくれる人がいるデデデ達を、ドロシアは許せなかった。嫉妬と憎悪を持ったドロシアはただただデデデ達を絵画にすることに専念した。魔力球や僕であるパラ・ソーサレスの攻撃に加え、額縁を投げつけたり絵の具爆弾を撃ったりと格段にパワーアップしている。デデデ達は怒涛の攻撃の裏にあるドロシアの復讐の念を嫌でも感じざるを得なかった。
ドロシア「………憎い…………あなたも………世界も…………」
デデデ「この………いい加減目覚めやがれ!」
デデデは魔力球を当たる寸前で打ち返しドロシアに命中させた。するとドロシアを包んでいたバリアが消え、その隙に藍と橙、バンワドが攻撃を集中させる。耐えられなくなったドロシアは瞬間移動で消え去った。
藍「なるほど………ああやればバリアが消えるのね。」
橙「でも、忘れられるってなんだかかわいそうですよね………」
デデデ「復讐は何も生み出さないとはよく言ったもんだ。あいつはもう復讐心の塊だ、何を言ったって届かねえだろうよ。言ったってしょうがねえなら体を張ってわかってもらうしかねえだろ。」
ドロシアの奇襲に備えていると突然モクモクと煙がたった。煙が晴れると現れたのは100門を越える大砲の絵画だった。その砲口は全てこちらがわに向かれている。
藍「大砲の絵?すごい、本物みたい!」
デデデ「いや、気をつけろ。あいつは絵画を実体化できる。こいつぁ厄介だ!」
ペラペラの砲口からは凄まじい勢いで砲弾が発射される。即座に藍が結界で対処したが雨とも言えるほどの量の攻撃は藍に大きな衝撃を与えた。
藍「うぅっ!……完全に甘く見てた………」
橙「ら、藍しゃまに痛いことするなんて………橙は怒りました!」
橙「ちょっと、橙!?どこいくの!?」
バンワド「危ないですよ!」
制止を聞かず橙は大砲に向かって全力で駆け出した。猫ならではの俊敏かつしなやかな動きでスタイリッシュに砲弾の間を縫っていく。大砲にたどり着くと爪で額縁を切り裂き、額縁から額縁へと飛び移りまた爪で裂いていく。約半分の大砲を破壊した橙は魔法陣の書かれたいくつかの卵を投げた。
橙「いっけー!鳳凰卵!」
すると卵が割れ中から炎の塊が生まれた。花火のように広がった炎は大砲の絵画を全て焼きつくし、100門を越える大砲は全て破壊された。小さくても可愛くても橙は立派な妖怪であることをデデデとバンワドは改めて思い知らされた。
橙「やりました藍しゃま!」
藍「橙……いつの間にこんなに強くなったの?藍様感激!」
デデデ「やい、そろそろ姿を現しやがれ!」
『この憎しみを………絵画に込めてあなたにも送ってあげるわ………』
ドロシアがケタケタ絵画と共に現れた。不適笑うケタケタ絵画は早く標的を仕留めんとゴトゴトと動いている。号令と共に放たれたケタケタ絵画は噛みついてきたり絵の具を吐いたりと様々な動きをする。大砲と違い『動く』ので一筋縄ではいかないのだ。
しかし、ドロシアは元々こちらの世界の敵。それにこっちは何回も世界を救ってきたのだ。故に2人はいつものことをするかのように鮮やかにケタケタ絵画を倒していく。かたやハンマーでへし折り、かたや槍で突き破り。柔よく剛を制す2人の攻撃は見事に噛み合っていた。
デデデ「どおらあっ!!」
バンワド「せいやぁっ!!」
藍と橙のアシストもあり、とうとうドロシアだけになった。それでもドロシアは攻撃の手を緩めることなく追い詰める。バリアを壊すには魔力球を跳ね返すしか方法は無く、戦況は未だ五分五分となっている。
しばらくするとドロシアは巨大なキャンパスと蛇の目玉がついた筆を取りだし蛇の絵を描いた。これぞさとりを石像にさせた『メドゥーサの眼筆』の力である。
ドロシア「悠久の芸術になるがいいわ………!」
デデデ「うおっ………体が………動かねぇ………」
バンワド「だ、大王様!?」
不意をつかれた大王は蛇の目を見てしまった。体が硬直しだんだんと動かなくなり、数分経つと立派な石像となった。
バンワド「だ、大王様……………」
橙「い、石になっちゃいましたね………」
ドロシア「まずは…………1人………え?」
デデデの石像がプルプルと揺れる。すると今まで石になって動かなかった腕が動くようになった。続いて足、胴体と動く箇所はさらに増え、ハンマーで顔の石を叩き割るとそのままドロシアを殴りつけた。バリアはいつも張ってあるわけではなく時々無くなる時があるとわかったのはそのときだった。
デデデ「はぁ………はぁ………なんとかなったか…………おい、バンワド!……ああもう泣くな泣くな!俺が悪いみたいじゃねえか!泣くな!」
ドロシア「な、なんで………?」
デデデ「呪いなんかにやられるほど俺は弱くなんかねえんでな!」
ドロシア「呪い…………そう。」
藍「橙!今よ!」
橙「はい!鳳凰卵!」
適当に投げた卵から炎が出てくる。無作為に広がる炎は蛇の絵を焼きつくした。
ドロシア「でも……………そろそろ終わりよ………あなた達を絵画にして、この世界を修正する。」
ドロシアは最大まで大きくした魔力球を放った。ドロシアの身長の何倍も大きな魔力球をデデデは受け止める。しかし魔力球の威力は大きく徐々にデデデを押しのけていく。じっと踏ん張って耐えていると背中に暖かい感触があった。
デデデ「お前ら………」
バンワド「ここは僕達が支えます!」
藍「さあ!幻想郷の平和の為に!」
橙「思いっきりやっちゃって下さい!」
デデデ「へっ………うおぉぉぉぉ!!!」
バンワド達の支えを頼りにデデデは魔力球に打ち勝った。打ち返された魔力球はそのままドロシアを飲み込み爆発した。
『世界中の人が………あなたみたいな人だったら…………私……は…………』
そう言葉を残し、ドロシアは消えた。
デデデ「さ、帰ろうぜ。」
バンワド「はい!」
橙「疲れました………」
藍「ほら、あともうちょっとだよ。」
地霊殿
地霊殿はドロシアの呪いから解放された人々で溢れ帰っていた。騒がしいのは前と変わらず、思い思いの言葉を投げかけながら街へと戻っていった。
勇儀「へぇ………あんた魔女に打ち勝ったのかい?やるねえ!」
パルスィ「なかなかやるじゃないあなた達………妬ましいわ…………」
キスメ「ありがとう…………皆さん………!」
ヤマメ「ふぁー……一時はどうなることかと思ったよー!」
お燐「助かった………助かったんだねあたい達!」
お空「わーい!これで思いっきり遊べるねー!」
しばらくすると奥からさとりが現れた。
さとり「旅の方………地底を救っていただき、ありがとうございます。」
デデデ「おう、困ったときはお互い様だ!」
さとり「地上が征服されたと聞いてここの警備を強化させていたのですが……まさか絵画にやられるとは思いませんでした。」
デデデ「そうだよな……んで、その絵画はどうすんだ?」
デデデはドロシアが描かれた絵画を指す。ドロシアの目にはもう復讐の炎は灯っていなかった。
さとり「そのまま飾っておきます。呪いの絵画だとか言われていますが……ここの住人は呪いなんかには負けないので。」
(それに………魔女の方もそれを望んでいるようでしたし。)
デデデ「そうか………まぁ、何かあったらすぐ呼んでくれ!」
一通りの挨拶を交わした後デデデ達はまた旅に出た。しばらくすれば地霊殿もいつもの活気を取り戻すと信じて。
『地霊殿、奪還』
さとり「あれ?そういえばこいしは?」
お燐「え?見てませんよ?」
さとり「こいしー!どこなのー!こいしー!」
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.31 )
- 日時: 2017/07/14 23:02
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
ちょっとしたおまけ
今回からキャラ編の終わりごとに節目として載っけておきます。
shadowofrose
鏡の世界
???「まさか俺様達の他にここに来られるやつがいるとはな!」
???「………何用だ、貴様。返答次第ではここで討つ。」
???「うにゅぁ………静かにしてよ………」
ここは華々しい表の世界とは違う裏の世界。光も差さず薄暗く寂しい世界。ここに住まう者達は全員『鏡の世界』と呼んでいた。住まう者達と言っても乱暴気質な大王様と冷血な騎士、いつも眠そうにしている灰色の玉の3人だけである。
そんな3人でも突然の来客には驚いた。何しろ自分達とは全く違う、第三の目を持った少女なのである。その少女は自分の身に何が起きたのかわかっていないようだったが恐れもせずただじっと3人に囲まれていた。
こいし「私にもわかんない。なんか不思議な穴があるなーって思って入ってみたらここに着いてたの。」
ダークメタナイト「………迷い人か。ダークマインドめ、余計なことを……」
ブラックデデデ「見たところ俺達の世界の住人じゃあねえよなぁ……」
シャドーカービィ「…………まぁ、なんもないけど…………ゆっくりしてって。」
シャドーカービィはそう言うと寝てしまった。ブラックデデデは何かを思いついたのかフラッと出かけてしまい残ったのはダークメタナイトとこいしだけになった。見る者誰をもすくませるその目つきはたとえシャドーカービィ達にでさえも無くなることはない。
こいし「どうにかして出れないの?」
ダメタ「ああ、向こうから入ろうとしない限りはな。」
こいし「じゃあしばらくお友達だね!私はこいし、よろしく!」
ダメタ「…………俺に名は無い。ダークメタナイトと呼ばれているだけだ。」
こいし「ダークメタナイト………?じゃあメタナイトもいるの?」
ダメタ「ああ、私はメタナイトの『影』だ。アイツの不安であり、恐れであり、後悔であり、罪悪だ。」
こいし「影…………じゃあ私とおんなじね!」
こいしは心を読まれることで嫌われることを嫌い自らその能力を消し無意識を手にいれた。ダークメタナイトは負の感情の具現化であり自らの意志を消し影であることを受け入れた。波長が合うのか話は膨らんでいった。
ダメタ「影に話しかける者はいない。私は存在はするがずっと気にかけられずに生きてきた。それが影の定めだということを私は受け入れたのだ。」
こいし「私も……お姉ちゃんの影になってたのかなぁ。どうして……こうなっちゃったんだろ。」
ダメタ「悪ければ永遠にここで住むことになるかもしれない。他の2人とも話はしておいたほうがいいかもしれんな。」
こいし「……………」
光があれば影もある。影は喋らないし笑いもせず、ただ光の主の元についてくる。光が強ければ影も伸び、大きくなる。世界は違えど影は同じ、影達を繋ぐのは『虚無』であった。
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.32 )
- 日時: 2017/07/19 12:42
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: CqswN94u)
frontstory >>09
29・十人の庭師と幽霊楽団
霧の湖
ネクロディアスによって体を10人に分断されてしまった妖夢は幽々子に後を任せる感じで逃げてきた。あらゆる能力が10等分されており妖夢1人だけでは簡単にやられてしまう。何も考えずにここまで逃げてきたが、辺りはキカイ化され酷い有り様だった。紅魔館でさえも不気味な工場と化している。妖夢はなんとかロボット兵に気づかれずに辺りを探索していると寂れた洋館を見つけた。倉庫として使われているのか使用用途がわからない機械が無造作に置いてあった。
妖夢4号「お、おばけとか出そうですよね………」
妖夢7号「ちょっと!怖いこと言わないで下さいよ!」
妖夢9号「そもそも私達も幽霊なんですがね………」
妖夢1号「10人いれば怖いものなしです!では行きましょうか。」
廃洋館
10人で力を合わせて開けた扉の先は驚くほど静かだった。外装とは裏腹に内装は割と綺麗に仕上がっている。つい最近まで誰かがここに住んでいたのだろうか…………妖夢達は身をよせあいながら洋館の奥へと進んでいった。
次に訪れたのはずいぶんと開けた場所だった。照明も器具も揃っており大きなホールを思わせる。ここの主は楽器をやっていたのだろうか。ホールの脇には小さな引き戸があり段ボールが山のように積み重なっている。出ようとすると突然ガタガタと段ボールが揺れた。
妖夢4号「ひゃあ!?」
妖夢6号「もしかして………お化け!?」
『誰かー!そこにいるのー?』
『変な人達に閉じ込められちゃったのよー、助けてー。』
どうやら段ボールの奥に閉じ込められているらしい。妖夢達は怯えながらも手分けして段ボールを動かした。重くて持てないものは皆で、邪魔にならないように移動はスムーズに。たとえ10人に分断されようと持ち前の器用さと判断力は劣ってはいなかった。
なんとか段ボールをどかすとその中にドカドカとあばれる段ボールがある。なんとか押さえつけてテープを剥がすと中にあったのはキーボード、トランペット、バイオリンの3つだった。楽器達はふよふよと浮きあがり妖夢の周りを漂い、本当の姿を表した。
リリカ「ありがとー!ずっとこのまましまわれちゃうのかと思ったよー!」
ルナサ「空気がおいしい……ありがとう。」
メルラン「あらあらー、ずいぶんと小さいわねー。」
妖夢1号「プリズムリバーさん方………もしかしてここってあなた方のホームなのですか?」
プリズムリバーとは幻想郷では話題のグループである。キーボード担当のリリカ、トライアル担当のメルラン、バイオリン担当のルナサ。性格も楽器もまるでバラバラだが奏でる音色は揃っており一級品。有名人である3人を前に妖夢は緊張していた。
メルラン「そうよー。練習してたらなんか外で騒ぎが起きてて……気がついたら変な人達が押しかけてきて私達を閉じ込めたのよもう!やんなっちゃうわ!」
ルナサ「あやうく弦が切れるところだった………なんなのよあの人達。」
妖夢1号「やはりここにも被害が………どうやら今回の敵はとてつもなく強大のようですね………」
リリカ「宇宙人ってホントにいるんだねー!」
メルラン「そうねー、ビックリねー。」
ルナサ「………あなた達はもう少し危機感を持って頂戴。」
リリカ「大丈夫だよ!私達がいれば無敵!」
メルラン「そうよルナサ姉。怖がることは何もないわー!」
ルナサ「はぁ………ごめんなさいね、いつもこうなの。」
妖夢1号「いえ………でも仲がよさそうで何よりです。」
意外な一面を垣間見た途端、乱暴な足音が響き渡る。
兵士1「お前ホントに見たのか?」
兵士2「ああ、ホントさ。全く隊長も心配性だよなぁ。こんなとこなんか来るやつなんていないってのに。」
ルナサ「あの人達………戻ってきたんだわ。」
メルラン「よーし、あの人達を驚かしちゃうわよー!」
リリカ「ちょうどよかった!あなた達も手伝って!」
妖夢1号「は、はい!」
兵士1「はぁ…………ん…………お、おい………マジかよ………」
兵士が見回りをしていると突然食器が浮いた。浮いた食器は兵士を囲みグルグルと回る。驚いた兵士は食器をかき分け相棒を探した。その相棒も食器に追いかけられたらしく2人して青い顔をしていた。
兵士1「おいおい………ここは幽霊屋敷か………?」
兵士2「に、逃げよう………そして応援を呼ぼう…………!」
『ダメよー、せっかくあなた達だけに贈るコンサートを用意したのに聞かないなんてもったいないわー。』
兵士達は見えない力によってホールへと運ばれた。そのホールには誰もおらず兵士達は真ん中に座らされた。そして脇からプリズムリバーが現れ演奏を開始する。
プロから発せられる音色は感情さえも左右する。音色に魅せられた兵士達は笑ったり泣いたりを繰り返していた。演奏が終了すると妖夢の不意打ちにより兵士達は気絶した。
リリカ「あとはこうやって縛りつけて………よしOK!」
メルラン「よかったわよーあなたの不意打ち!」
ルナサ「スカッとしたわ、ありがとうね。」
妖夢1号「でも、あの兵士はどうするんですか?」
リリカ「適当なところに放っておくよ。何も覚えてないだろうしね。」
メルラン「ふぅー………で、あなたはこのあとどうするの?」
妖夢1号「今は私達にできることをするしかありません。ただそれだけです。」
メルラン「偉いわねー………こんなに小ちゃいのに。またいつでも来てね!思いっきり歓迎しちゃうんだから!」
メルランは私達のことを思い出してほしいと横笛を手渡した。そして軽く挨拶を交わしたあと妖夢達は出発していった。妖夢達の後ろ姿は小さいながらも立派な戦士そのものだった。
リリカ「いい子だったねー。」
メルラン「私達も何かやりましょっか!」
ルナサ「紅魔館の手伝い………とか?」
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