二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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東方×カービィ 幻想郷のキカイ化
日時: 2017/12/01 18:59
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

皆様はじめまして、ハルトマン社新人秘書のピコパです。今回は東方とカービィの小説を書かせていただきます。理由はどっちも好きであることと意外に共通点が多いことですね。

あらすじはこちら

ハルトマン社のマザーコンピューター『星の夢』の時空間転移プログラムをリニューアルし幻想郷のデータを獲得。魔法や神といった科学とはかけ離れた常識や豊富な資源を手にいれる為にハルトマン社は幻想郷キカイ化プロジェクトに乗り出した。科学と魔法、相反する2つの戦いが今始まろうとしていた。


この小説を読むにあたって
・この小説には作者による独自解釈や設定が含まれています。基礎情報は確認済みですがご了承下さい。
・とにかく話が広がり中々先に進まない場合があります。
・この小説オリジナルの技やキャラクターが出てくる場合があります。
・作者はあまり文才がありません、完全に行き当たりばったりで書いています。なので不備が生じることがありますのでその時は指摘をお願いします。
・この小説への荒らしや誹謗中傷のコメントはご遠慮下さい。

次回更新予定
・霊夢編

フェイズ0・幻想郷の存在
>>01 >>04 >>05
フェイズ1・幻想大侵攻
>>06 >>07 >>08 >>09 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22
フェイズ2・幻想を越えた出会い
>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>32 >>33 >>34 >>35 >>36 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48 >>53 >>56
おまけ
>>31 >>37 >>49 >>50
レミリアの夏休み
>>38 >>39 >>40 >>41 >>42

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Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.18 )
日時: 2017/05/18 10:24
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: v2BiiJyf)


16・封じられた者同士



命蓮寺

人里の近くにあるお寺、命蓮寺の境内では早くも戦闘が行われていた。寺の主、白蓮が相手にしているのは白い翼を宿した一頭身のナイトだった。しかし一頭身であれどもその立ち回りは白蓮とも互角、盾で攻撃を凌ぎ、槍で貫く。時折空を飛び空中戦に持ち込むがそれでも互角、お互い距離を置いて相手の出方を伺っている。
そばにはすでに倒れている住人がいた。山彦も船霊も入道使いも毘沙門天の部下も銀河最強の戦士には敵わなかったようである。

白蓮「いきなり現れて奇襲を仕掛けるとは……戦士の信念に背くのではありませんか?」
ギャラクティックナイト「お前には人間にはあるまじき気迫がある。それに今の私は戦士ではなく侵略者だ、正々堂々と戦う気は無い。………この程度で全力ではないだろう?封印が解けて間が経っていないかそれとも……平和ボケしたこの世界にどっぷり浸かって腕が鈍ったのか………」
白蓮「そちらこそ、銀河最強と言う割にはあまり体が動いていないように見えますが?あなたも長い間封印されていた……のかもしれませんね。」
ギャラク「フン………ではお互いまだやれるということだな。ウォーミングアップはここまでとしようか。」
白蓮「ええ………侵略者が相手なら手加減する必要も無いでしょうし。」

すると2人のパワーが急激に増大する。白蓮の体からは黄金のオーラが増し、ギャラクティックナイトの体からは白のオーラが増していた。強大な力がぶつかり合い空気を押し揺るがす戦いは熾烈を極めた。その迫力に倒れていた住人達は意識を取り戻した。

水蜜「うぅ……ひ、ひじり……?」
一輪「まだ………私達もやれます………!」
響子「不意打ちだったけど……今なら!」

住人達は力を振り絞りギャラクティックナイトに攻撃する。思わぬ所から攻撃を受けたギャラクティックナイトは一瞬怯んだがすぐに体勢を建て直し反撃を行った。力をため放った切り上げは空気を巻き込み大きな竜巻となって住人を巻き込む。

白蓮「皆さん!」
ギャラク「力の無いやつらが集まろうと同じことだ。そしてよそ見をする暇など無いぞ!」

白蓮が一瞬気を緩ませた瞬間、懐に潜り込み切りつける。魔力を集中させる暇もなく普通の人間並みになっていた体にはキツい一撃をくらってしまった。それでも住人を助けんと立ち上がる。

ギャラク「ほう………あの一撃をくらってもなお立ち上がるとはな……さすがは『人間をやめた大魔法使い』、こうでなくては面白くない。」
白蓮「『銀河最強の戦士』様にそう言っていただけるとは思いませんでした………しかし、これ以上境内を荒らされては困ります、次で終わりにしましょう………!!」
ギャラク「そうだな………この一撃を手向けとしよう。」

お互い力を最大まで高め一転に集中させて放つ。今まででいちばん大きなぶつかり合いはついに大地をえぐるレベルにまで達した。

白蓮「はあぁ………仁王爆掌!!」
ギャラク「うおぉ………時界大斬閃!!」

黄金の右手から放たれる気砲と時空を歪めた時の流れが衝突する。互角に見えた戦いだったが負傷もあってか徐々に白蓮が押されている。そして力が尽きた時、白蓮は時間の流れに巻き込まれた。世界の始まりから流れる時間が力となって襲いかかり、白蓮を圧倒した。

白蓮「がはっ…………」
ギャラク「私にこの技を使わせるとはな………待たせたなお前達、自由に占拠するがいい。」
兵士「はっ!」

邪魔者を排除し命蓮寺を改造するロボット兵達。住人を捕らえた後、1人の兵士があることに気づいた。

兵士「おい、あと1人いたはずだぞ?」
兵士「ネズミがいない………逃げたか。」
兵士「探せ!まだどこかにいるはずだ!」

ロボット兵はあと1人を捕まえる為にバラバラに捜索しにいった。そしてそれを影からこっそりと覗いている影があった。

小傘「うわ………なんか大変なことになってる……でもこんなに人がいれば驚いてくれるよね………」
ギャラク「………おい。」
小傘「異世界の人っぽいけど………驚いてくれるかなぁ………」
ギャラク「おい。」
小傘「よし…………張り切って…………」
ギャラク「おい!」
小傘「ひゃあっ!?………わ、わちきが驚かされた…………」
ギャラク「それで隠れていたつもりか、傘が出ていたぞ。」
小傘「え………あれ?そうだった?」
ギャラク「………いろいろと調子の狂うやつだ、こいつも連れていけ。」
小傘「え、いや、ちょっと、待ってよー!」






『命蓮寺、制圧』





Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.19 )
日時: 2017/05/12 12:36
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: MgUgGnIS)




17・楽園が墜ちた日



天界

幻想郷の遥か彼方の上空、天人しか入ることが許されない楽園があった。毎日のように歌い、踊り、食べて暮らせるこの楽園の片隅では退屈そうに空を眺める天人がいた。その天人の周りに人はおらずそこだけ嫌に静かである。毛嫌いしているのか腫れ物を見るような目で見られているにも関わらずその天人は同じなかった。
ひとつ伸びをすると雲の隙間から赤い何かが近づいてくる。それは派手な衣を身にまとった竜宮の遣い、衣玖だった。

衣玖「総領娘様、お話がございます。」
天子「あら衣玖、どうしたの?」
衣玖「下界で起きていることについてです。」

衣玖は下界での侵略騒ぎのことを話した。それを聞いていた天子の目は輝いて見えた、おそらく自分もその中に入りたいと考えているのだろう。しかし相手は異世界の技術と闇の軍勢、規模が計り知れない上に紫やレミリア、妹紅など幻想郷でも屈指の力を持つ人々を打ち負かすことができる。そのことを話してもなお天子は考えを改めることはなかった。むしろ燃えているようにも思えた。

天子「異世界からの侵略者………ふふ、戦いがいがあるわ!」
衣玖「まったく………振り回される私の身にもなってくださいよ。すこし身勝手すぎますって。」
天子「だってここ毎日毎日飲んで踊っての繰り返しなんだもん、飽きてきちゃった。周りからの視線もなんか痛いしストレス発散よ!」
衣玖「はぁ………」
天子「それに………ちょうどいい相手も見つかったことだしね。」

天子の指差した先にはロボット兵を引き連れた黒い影が現れた。強大な霊力を放つその影と圧倒的な数のロボット兵を見た天人達は大慌て。我先にと逃げ惑う中天子はやっと退屈しのぎができると喜んだ。

天子「あら?あなたはいつぞやの巫女様じゃない。いったいなんでそんな所に?」
黒霊夢「ここを我らの領土とするためよ。太陽の光をたくさん受けられるここでなら太陽光発電が捗るらしいから。」
天人「へぇ………太陽の光で発電できるなんて世の中も変わってくわねぇ。なら当然、私を倒さなきゃいけないわけでしょ?」
黒霊夢「そうね、邪魔するなら容赦はしないわ。なぜそんなに嬉しそうなのかは知らないけど。」
天子「せっかく退屈しのぎができるんだもの、全力で抵抗してみせるわ!」
黒霊夢「まあいいわ………殲滅開始よ。」

霊夢の影の号令と共にロボット兵達は天人を捕らえる。空を埋め尽くすほどの大群にもはや死角など存在せず贅沢の限りを尽くしてきた天人達はなすすべもなく捕らえられてしまう。
そんな中天子と衣玖だけは最後まで抵抗し続けた。要石を投げ、雷を起こし、数は圧倒的に少ないが侮れない実力を持つ2人にロボット兵は戦いた。

天子「何よ、こんなんじゃ全然満足できないわ!」
衣玖「とっととお帰りいただきたいのですが。」
黒霊夢「さすが、腐っても天人ってことね。でもこれはどうかしら?」

黒霊夢は禍々しい霊力を弾幕に変えて放つ。雨のように降り注ぐ弾幕だが天子は緋想の剣を用いてそれを弾いた。しかしたくさんの弾幕をいっぺんにうけ天子は徐々に疲弊していった。

黒霊夢「どうしたの?まだまだこんなもんじゃないでしょ?ま、1度私に負けたあなたが影である私に勝てるわけがないわよねぇ。」
天子「まだ、よ………まだ、満足してないわ……」



天子が耐えていると突然黒い歪みが現れた。そこからはなにやら多面体に目がついたようなものがゴロゴロと漂いながら現れた。その多面体はさっさととどめをささずモタモタしている黒霊夢を見かねて出てきたようだ。ミラクルマターと呼ばれるその多面体はゆっくり浮遊しながら天子に近づく。その声はなんだか低く薄暗くところどころノイズがかかっていた。

ミラクル「遅い…………いつまでやっているつもりだ………」
黒霊夢「あらごめんなさい、満足させることに集中しすぎてたわ。」
ミラクル「………まぁいい………おい………ここからは俺が相手だ…………すぐに終わるさ………」
天子「ま、まだ敵がいるの?いいわ、やってあげる!」

ミラクルマターは体を岩石に変化させた。岩を作ってぶつけたり体当たりを仕掛ける中、重い一撃は確実に天子にダメージを与えていた。

天子「ぐっ………」
ミラクル「これでとどめだ………」

強大な岩石となったミラクルマターは天子めがけて突進してきた。しかし吹っ飛ばされたのは天子ではなく盾となった衣玖だった。衝撃が強かったのかかなり遠くまで吹っ飛び天界を支える雲を突き抜け落ちてしまった。

天子「衣玖!どうして………ぐあっ!?」
ミラクル「よそ見をするとは………なめられたものだ………連れていけ。…………まったく、高いのは気位だけか………天人どもよ。」

ミラクルマターの一撃を受けて気絶してしまった天子。他の天人は全員捕らえられてしまい、唯一の楽園だったこの天界もとうとう墜ちてしまったようだ。

黒霊夢「さすがは闇の中の奇跡………とらえどころがない相手なんて不気味でしかないわね。」
ミラクル「お前のその霊力は…………オリジナルのなせる技か。」
黒霊夢「こうして生まれたんだもの、オリジナルなんて軽く超えてやろうじゃないの。」
ミラクル「ならば…………もっと腕を磨き、心を黒く染めることだな………」





『天界、制圧』




Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.20 )
日時: 2017/05/15 21:01
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




18・悪夢に包まれた里



人里

幻想郷の中にある人里、そこにはまだ侵略者の手は伸びていなかった。しかし周りから響く震動や悲鳴は住人の不安は募っていくばかりだった。
そこで人里の自警団は対策を考えようと慧音が教師をやっている寺子屋に集まった。

男性A「ただでさえ妖怪達が蔓延っていて大変なのに……どうすれば………」
男性B「俺も確認しにいったけど……明らかに人間じゃなかった。それに見たこともない機械を使ってた……このままじゃここも………」
慧音「皆、落ち着いてくれ。子供の手本となる我々がこれじゃどうしようもない。ひとまず生徒達は自宅待機ということにしているが………」
女性A「小鈴さんや阿求さんのお店にも行きましたが、関する資料がぜんぜん無かったんです。」
慧音「そうか………それでは対処のしようがないな……」

自警団の人々は未知の驚異になすすべが無かった。人里の子供達は恐怖の日の連続で悪夢を見るようになってしまったという。そういう子供達は慧音の訪問により不安を解消させようとしているが、それでも体調を崩してしまうらしい。子供だけでなく自警団以外の大人も悪夢を見るようになってしまったという報告も受けている。

慧音「悪夢、か…………」
女性A「はい……見たこともない化け物が襲ってくるんだって………朝ご飯も食べてなくて………」
男性B「俺んとこもそうだった。あれから部屋にこもりっきりでよ………」
慧音「皆一斉に悪夢を見る………というのは、なんだか妙だな。」
女性A「やはり………どうすることも………」



『大丈夫だ。すぐにお前達も………』



どこからともなく聞こえてくる声に慧音達は辺りを見回した。すると教室の電気が突然切れ、空が黒い雲で覆われてしまった。完全に暗くなってしまった教室に突然大きな化け物が現れた。それは子供達が言っていた夢の中に出てくる化け物の特徴と一致していたのだ。

慧音「な、なんだお前は!?………さてはお前が悪夢を………」
ナイトメア「悪夢を見せたのは私だ。しかし恐怖を募らせたのは私ではない。ここに手を出さなかったのは恐怖心を植えつけ悪夢を見せて衰弱化させるのが目的だったのだが………どうやらお前達は心が強いようだな…………」
男性B「このやろう……悪夢から開放しろ!」

男性が近くにあったホウキでナイトメアを殴る。しかし実体が無いのかいくら殴ってもまるで手応えを感じなかった。

ナイトメア「無駄だ、悪夢に恐れている者が私に勝てるはずが無い。」
男性B「なんだと………?」
ナイトメア「それに、お前達は私に屈することになる。見ろ。」

ナイトメアは異次元から子供達を呼び出した。子供達は苦痛の表情でうなされている。

慧音「なっ………!?」
ナイトメア「子供だけではない、お前達を除く全ての住人が既に私の手の中だ。このまま悪夢を更に強くして精神を壊すこともできるのだぞ。」
女性A「………何が目的なんですか?」
ナイトメア「我々の力となってもらおう……」
慧音「力?」
ナイトメア「『奴隷として働かせるようにしろ』としか言われていないのでな………いずれわかることだ。」
男性A「奴隷!?そんな………」
慧音「………………わかった。」

慧音がそう言った瞬間、その場にいた全員が振り向いた。いつもなら抵抗しそうな慧音が真っ先に折れたのだ。慧音は手を固く握り、うつむきながら震えていた。それを見ていた自警団員は慧音に声をかけるのをやめた。

慧音「だから………子供達にはこれ以上悪夢を見せるのをやめてくれ………」
ナイトメア「………いいだろう。では……この門へ。」
男性B「お、おい慧音先生!」
慧音「………子供達のためだ……………わかってくれ………頼む………」

威勢のいいいつもの慧音の姿はそこにはなく、声は絞り出したかのようにか細かった。全員が従う意思を見せたのを知ったナイトメアは暗い歪みを作り出した。そこを通ってしまってはもう後には戻れない、しかし慧音達に拒否権は無かった。子供達に苦しい思いをさせるわけにはいかない。慧音はずっと口ずさみながら団員を引き連れ門の中部屋に入っていった。

ナイトメア「私が悪夢を見せるのをやめようと、子供達は悪夢を見続けるだろう。恐怖に打ち克つ心をまだ持たない子供はずっと恐怖を背負い続ける。それが大人だろうと度重なる恐怖が続けば自ずと心は砕け散る。さぁ、どこまで耐えていられるかな………フハハハハ…………」

その日から人里は悪夢と轟音に包まれた。






『人里、制圧』


Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.21 )
日時: 2017/05/18 18:57
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




19・幻想の終局



博麗神社

霊夢はぼんやりと紫の警告を思い出していた。しかし思い出してもやることは変わらない。黒幕を倒してやめさせる、ただそれだけのこと、極めていつも通り。いつも通りのことなのにこうも胸がざわつくのは何でだろう。相手が異世界からの侵略者だから?紫すらわからない相手だから?……紫の言うことがわかる気がするわ、これは確かに嫌な予感がする。勘の類いでしかないのだが、巫女の勘は信じられないぐらいによく当たる。なるべく外れることを願って霊夢は境内を掃除した。

霊夢「はぁ………わからないことをいつまでも心配するのもよくないわね。いつも通りやればいいだけのことよ、そうよ、心配することはないわ。」

自分に暗示をかけ続ける霊夢。こうでもしないと不安に押し潰されそうなのだ。………不安でたまらないなんてガラにもないこと、魔理沙に見られたら笑われるかしら。



そして来客は突然やってきた。ピンク色の機械に乗り込んだ謎の女性がロボット兵を引き連れて飛んできたのだ。霊夢はめんどくさいことになりそう、と呆れた顔をしながらも境内を掃き続ける。

スージー「あら、案外寂しい場所ですのねここ。」
霊夢「遠いところからわざわざ喧嘩売りにきたのかお前は。」
スージー「はじめまして霊夢様、私ハルトマンワークスカンパニー美人秘書のスージーと申します。以後お見知りおきを。」

スージーはロボット兵を後退させ、取引しようと応じた。霊夢は受諾する気はまったく無いがロボットから降りようとしない限り相手も同じだろうと思い一応話を伺うことにした。
どうやら相手はここを潰してホールを作るらしい。その見返りにハルトマン社の技術を教えるというのだが…………

霊夢「お断りよそんなの。」
スージー「あら、我が技術がほしくはないと?」
霊夢「そもそも私に取引するまでもなく勝手にやってるでしょ。なんか騒がしいと思ったらあんた達だったのね、まったく………」
スージー「魔法と科学の融合………面白い話だと思うのですが。」
霊夢「私達は今の生活に満足してるの。それを改造してまで文明をよくしようなんて思わないわよ。…話は終わりよ、帰ってちょうだい。」
スージー「交渉決裂………ですわね………では。」
兵士「……はっ。」

兵士は博麗神社を壊しホールの建設に取りかかった。霊夢はとうとう頭にきたのか弾幕でロボット達を吹き飛ばす。

兵士「うわーっ!?」
霊夢「ったく………黙って引き返せば見逃してあげたのに、よっぽど怪我をしたいようね!」
スージー「さすがは博麗の巫女………データ通りですわ。ですが………我が技術の前では無力ですわよ!」

スージーの愛機、リレインバーが霊夢に襲いかかる。無駄がなく洗練された動きと豊富な重火器は霊夢の力に引けをとらない威力となっていた。攻撃範囲は霊夢の方が上だが火力は圧倒的にスージーに軍配が上がる。周りのロボット兵の補助もあってか非常に戦い辛い。

霊夢「はぁ……はぁ……いったいどこにそんないっぱいの弾が入るのよ………」
スージー「我が技術に不可能はありませんから。」
霊夢(周りもこうなってるとしたら、私1人じゃどうにもならないわ………魔理沙や咲夜も今頃……)

圧倒的なパワーに押し負けそうになる霊夢。それでも最後まで抵抗をやめずロボット兵を凪ぎ払う。無尽蔵にわき出てくるロボット兵は時として壁となり、時として剣となり追い詰める。フラフラになったその時、時空の歪みが現れた。

霊夢「な、なに!?なんなの!?」
スージー「あなたと遊んでいる暇はありませんの。別世界のド田舎へご案内いたしまーす。」
霊夢「うっ………ぐぅ………吸い込まれる…………!!」

必死に抵抗するも耐えられず飲み込まれた霊夢。スージーは服についた汚れを払いつつ兵士達に指示を仰ぐ。幻想郷のほぼ全てがキカイ化しつつあること、霊夢という大きな障害を取り除くことに成功したスージーは上機嫌だった。ハルトマンは霊夢を特に気にかけていたはず、この報告をすればきっと喜ぶだろう。そして…………

スージー「………あら、もうこんな時間。後は任せましたわよ。障害は消えましたがここは幻想郷、油断はしませんように。」
兵士達「「はっ!!」」






『博麗神社、制圧』





Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.22 )
日時: 2017/05/20 19:05
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




20・はいきガスとともに



プププランド

ここは呆れるほど平和な国、プププランド。ポカポカの空の下、お昼寝をしているピンクボールがひとつあった。名前はカービィ。
このカービィ、見た目はピンクのボールだがなかなかの強さを誇る。故に何度もポップスターの危機を何度も救っている他、コピー能力を使えば料理人にも大工にも医者にも剣士にもなれる生粋のヒーローでもある。そのヒーローは寝返りをうった途端、突然の轟音と地震により飛び起きた。空を見ると木々や電球が降りてきて地面に突き刺さり『キカイ化』されていく。そしてロボット兵が現れカービィをリストごしに見ながら話をしていた。

兵士「………こいつか。なんだか弱そうだな……」
兵士「これでも危険度はすごく高い、用心しろ。」

ロボット兵はカービィを捕らえようと迫ってくる。カービィもそれを避けんと必死に逃げる。標的が小さくちょこまかと動くのでなかなか捕まえにくい。いらいらしているとそこにタイヤのウィリーが通りかかった。カービィは迷わずそれを吸い込むと自分もタイヤとなってロボット兵を引き離す。あまりの速さにロボット兵は見失ってしまった。

兵士「なんて速さだ………」
兵士「ひとまず侵略を優先しよう。これだけ見張りがいるんだ、簡単には逃げられないさ。」

兵士はそう言うとカービィの追跡を諦め自分の持ち場に戻っていった。その様子を見ていたマホロアは呆れたように呟いた。

マホロア「甘い甘い………カービィはそう簡単には捕まらないヨォ………もっと頭を使わないとネ!」



少し離れた草原、カービィがそこで目にしたものは墜落しそうになっているハルバード、崩壊したデデデ城、そしてメカメカしくなったプププランドだった。いったいどうしたものか………そう考えていると突然お腹の音がなった。食いしん坊のカービィは食べ物を探すが、リンゴ畑も野菜畑もキカイ化されてしまい無くなってしまっている。カービィはとぼとぼと食べ物を探しにいった。
だいぶ歩いているとその先にぽつんと赤いものが落ちていた。それはカービィの一番の大好物、マキシムトマトだった。迷わず追いかけるのだが、どういうことか距離が一向に縮まらない。カービィが歩けばマキシムトマトもゆっくりになり、ダッシュすれば同じく速く離れる。痺れを切らしたカービィがジャンプでトマトを取ろうとすると、ふとそこに時空の歪みが現れた。カービィはトマトもろとも時空の歪みに吸い込まれて消えてしまった。その張本人は物影でクスクスと笑っていた。

マホロア「ホラ、こうすれば簡単に排除できるんだヨォ。これでカービィも気づいたかなぁ……ボクのこと。」

いたずらっ子のように微笑むマホロアはキカイ化されるプププランドを一瞥していた。ここを支配しようだなんて、社長さんの考えてることはわからないネェ、と呟いた。どうやらここは資源が豊富らしく新たな産業を興すにはピッタリだという。マホロアにとってはひどくどうでもよかったがまたカービィと会えることができることを考えると手伝わざるを得なかったのである。

マホロア「にしてももう少し頭使ったやり方は出来なかったのかネェ………カービィを捕まえるのにあんなに苦労したんだし………絶対ボクの方が社長にピッタリなんだよネェ。………狙ってみるのもアリかな……フフフ…………」

闇を潜んだ笑みを浮かべるとマホロアは消えていった。






『ポップスター、制圧』






プププランドを守る存在がいなくなった今、キカイ化はどんどん進行している。それは幻想郷においてもほぼ同じだった。次元を超えた侵略は運命の糸を引きちぎり奇跡の出逢いを生み出す。



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