二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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東方×カービィ 幻想郷のキカイ化
日時: 2017/12/01 18:59
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

皆様はじめまして、ハルトマン社新人秘書のピコパです。今回は東方とカービィの小説を書かせていただきます。理由はどっちも好きであることと意外に共通点が多いことですね。

あらすじはこちら

ハルトマン社のマザーコンピューター『星の夢』の時空間転移プログラムをリニューアルし幻想郷のデータを獲得。魔法や神といった科学とはかけ離れた常識や豊富な資源を手にいれる為にハルトマン社は幻想郷キカイ化プロジェクトに乗り出した。科学と魔法、相反する2つの戦いが今始まろうとしていた。


この小説を読むにあたって
・この小説には作者による独自解釈や設定が含まれています。基礎情報は確認済みですがご了承下さい。
・とにかく話が広がり中々先に進まない場合があります。
・この小説オリジナルの技やキャラクターが出てくる場合があります。
・作者はあまり文才がありません、完全に行き当たりばったりで書いています。なので不備が生じることがありますのでその時は指摘をお願いします。
・この小説への荒らしや誹謗中傷のコメントはご遠慮下さい。

次回更新予定
・霊夢編

フェイズ0・幻想郷の存在
>>01 >>04 >>05
フェイズ1・幻想大侵攻
>>06 >>07 >>08 >>09 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22
フェイズ2・幻想を越えた出会い
>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>32 >>33 >>34 >>35 >>36 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48 >>53 >>56
おまけ
>>31 >>37 >>49 >>50
レミリアの夏休み
>>38 >>39 >>40 >>41 >>42

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Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.43 )
日時: 2017/09/06 21:24
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>10 >>15



35・妖精の星に奇跡を



守矢神社

突如現れたグリルの襲撃によって神奈子と諏訪子を失い、神社もボロボロにされてしまった。巫女である早苗は境内の真ん中に座り込んでいる。その顔は涙で溢れていた。静かな境内に響くのは変わり果てた妖怪の山の叫び、早苗は絶望していたのだ。

早苗「私が………未熟………だから………だから………」

声にならない悲しみの叫びを漏らしながら早苗はすすり泣く。自分には何もできなかった、侵略者を返り討ちにすることができなかった、神奈子様と諏訪子様を守ることができなかった………と何度も自分を責め続けた。それで何かが変わることもなく、ただただ自分を責めていた。自分が起こすことができる奇跡は起こせなかったのである。









その時、天から何かが落ちてきた。その内のひとつはカランと石畳の上に転がり、もうひとつはバサッと植え込みに落ちた。見に行くと石畳には見たこともない宝石が輝きながら落ちている。それもとても大きな宝石であり、早苗の顔が反射するほど。植え込みの方には宝石と同じくらいか少し小さめの妖精が突っ込んでいた。
気絶していた妖精は早苗の膝に寝かされていた。気がついた妖精は早苗の顔を見るやいなや飛び上がってしまい早苗の顎に直撃した。痛がる双方だったが最初に話しかけたのは早苗だった。

早苗「あの、大丈夫ですか?」
妖精「はい、なんとか……そ、それよりも助けて下さい!私の星が大変なんです!」
早苗「え……?」

リボンという妖精の話によると、マルクと赤い吸血鬼のロボットが故郷を殲滅したのだという。自分は秘宝であるクリスタルを持ち出し逃走に成功したが追っ手の攻撃による時空の歪みに巻き込まれここまできてしまったらしい。

リボン「今はあなたしか頼れる人がいないんです!お願いします!どうか……助けて下さい……」
早苗「そ、そんなこと言われても私には………」

私は誰も救えない、私は誰も守れない、そんな念が頭から離れない。しかしリボンは頼れる人がいないと泣いて早苗に頼んでいる。きっと故郷は友達がいて何気ない日常に包まれていたのだろう、しかし、早苗と境遇が同じでも彼女は『逃げる』という行動をやってのけたのだ。しかも早苗よりも小さくか弱い妖精の女の子が。だとすると今やるべきことはただひとつ、少なくともここでメソメソ泣いていることではない。

早苗「………わかりました、なんとかしましょう。」
リボン「ホントですか?……よかった…………」

しかし、そう簡単に時空の歪みは起こるわけでもなくリボンもわからない。しかし今の早苗には『自分にはできることがある』という証明が欲しかったのだ。幻想郷は今や無法地帯になりつつあり、リボンには戦う力はない。更にクリスタルには未知なる力が宿りエネルギー資源として狙われている。ハルトマン社の兵士が来るのも時間の問題だ。

早苗「ひとまずここは危ないです、どこか遠くに逃げましょう!」
リボン「は、はい!」

兵士1「エネルギー反応があった。おそらくリップルスターの宝だと思われる。」
兵士2「ホントか?フランボーグの攻撃でリップルスターは壊滅したと聞くが………」
兵士1「まだ生き残りがいたんだろう。ほら、徹底的に探すぞ。」

上空の遠くにロボットの小隊が見える。早苗達は下山しようと神社を離れた。






妖怪の山

舗装されており通りやすくはなったもののやはり違和感を感じる。それに動物といった類いが全く見られない。このまま下っていければよいのだが、クリスタルを持っているリボンをそう簡単には見逃してはもらえなかった。

椛「見つけましたよ!」

哨戒部隊の白狼天狗である椛に見つかり笛を吹かれた。ぞろぞろと敵が集まってくる。

リボン「あわわ…………」
早苗「大丈夫ですよ、絶対に助けてみせますから!」



大事なものを取り戻すために、早苗は自ら戦場に飛び込んだ。


Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.44 )
日時: 2017/09/11 21:53
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>43



36・歪みの彼方へ



妖怪の山

操られた椛によって包囲されてしまった早苗とリボン。屈強なインベードアーマー部隊に囲まれた2人に勝ち目はない。

兵士1「見つけたぞ!さぁそのクリスタルをよこせ!」
リボン「嫌です!これは大事な宝物なんです!」
兵士2「……やむをえん、むりやりでも!」

インベードアーマー部隊が取り押さえようとした途端、1機のインベードアーマーに異変が起きた。最初はプスプスと煙を立てたり動きにガタが来てたりしていたがだんだん煙が白から黒に変わってきた。

兵士1「な、なんだなんだ!?お前ちゃんとメンテナンスしたのか!?」
兵士2「したさ!でもおかしいんだ!」
兵士3「お、おい、お前燃料漏れてるぞ!?」
兵士4「爆発するぞ!退避、退避ー!!」

兵士がそう声を荒げ一斉に離れ、インベードアーマーが爆発した。そうして離れた隙を尽き、早苗とリボンはわき道に飛び込むが、爆発に巻き込まれ山を転げ落ちてしまう。なんとか木にしがみついて止まったが服が大分汚れてしまった。そこにやってきたのは赤い服をきた落ちついた佇まいの少女だった。










雛「あら、大丈夫?」
早苗「あなたは……雛さん?」
リボン「雛……なんだかお人形さんみたいですね。」
雛「ふふ、ありがとう妖精さん。あなたも綺麗なリボンね。」
リボン「え!?どうして私の名前を……?」
早苗「……さっきのも、あなたが?」
雛「私はそばにいただけなんだけどね。」

雛は厄をため込む程度の能力を持っている。雛を捕まえて飛んでいた運搬車が突如エンストを起こし爆発した。どうやら『めったに起きない』事故として認識されたらしい。その後なんとか抜け出してここまできたのだという。

早苗「お、お互い大変ですね………」
雛「そうなのよ、せっかくの一張羅が台無しよー。それで、どうしてあなた達まで追われてるの?」
リボン「それが………」

リボンはリップルスターに起こったことを話した。雛はじっくりとそれを聞いていた。そして何かを考えていたようだが、決意を固めたのかすくっと立ち上がった。

雛「よし!なら私も手伝わせてもらうわ。」
リボン「ええっ!?でもそんな………」
雛「今は人手が欲しいんでしょ?こんな私にもできることはあるわよ、きっとね。」
早苗「厄を撒き散らすことが仕事でも?」
雛「厄をためるのが仕事なの!」
リボン「でも、ここは違う世界みたいですし……リップルスターに戻る方法を考えないと……」

雛も加わった3人で別世界に行く方法を考える。あの時はマルクがブラックホールを作ったことで強制的に空間をねじまげ、それの副産物として時空の歪みが発生した。つまり空間そのものにダメージを与えれば歪みができるのである。
しかし3人ともそんなことはできない。途方に暮れていた時、早苗がリボンのクリスタルを見た。

早苗「それは……増幅系のクリスタルですか?」
リボン「はい、このクリスタルは与えられたエネルギーを大きくする力を持ってるんです。」
雛「ならそのクリスタルに魔力を注ぎこめば何か起きるんじゃない?やってみましょう!」
リボン「え!?ちょ、ちょっと!?」
早苗「それしかありませんね!」
リボン「え!?」

そう言うと早苗と雛はクリスタルに魔力を注ぎ始めた。溢れんばかりの魔力を注ぎ込まれたクリスタルは爆発寸前になっていた。そして魔力の注入をやめるとクリスタルの中で魔力が増幅、凝縮する。そして凝縮した魔力は出所を失いクリスタルにたまり続ける。

雛「今よリボンちゃん!魔力を放つのよ!」
リボン「は、はい!」

リボンは魔力を天空に向けて放った。大きな魔力は柱となりその衝撃は大気を押し揺るがし大地をえぐった。そして魔力は上空で霧散し、大きな渦を作った。それは大きな歪みとなって3人を彼方に吸い込んだ。









リップルスター

早苗「う………うーん………」
雛「どうやら……成功したようね……」
リボン「もう!無茶苦茶ですよ!壊れたらどうするんですか………え………」

なんと早苗達はリップルスターに到着していた。しかし花と虹に溢れた故郷はそこにはなかった。焦げた大地と瓦礫が広がる空間が広がっている、それを目の当たりにしたリボンはかつて早苗がしていた自責の念に包まれた目をしており、震えながらかつてあった王宮を見ていた。

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.45 )
日時: 2017/09/17 00:04
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>44



37・枯れた妖精の星



リップルスター

王宮を見るリボンの目は震えていた。今まで過ごしてきた王宮が今や瓦礫の山である。早苗と雛は声をかけることができずただそばにいることしかできなかった。肩を揺らしすすり泣くリボンの泣き声はだんだん大きくなってしまい、早苗はリボンの肩に手を乗せた。するとリボンは早苗に抱きつきまた泣いた。早苗は優しくリボンの頭を撫でるとしばらく経つうちに眠ってしまったようだ。

早苗「辛かったでしょうね……」
雛「見知らぬ世界で一人ぼっちで、大きな脅威に追われて……私達も同じくらいの経験をしたけど、この子には辛すぎることだものね……」



『あの………』



奥から大きな女性が現れた。メガネをかけており王冠を被っている。背中に羽が生えていることからこの星の女王なのだろう。

早苗「あ、あの、あなたは………?」
女王「私はリップルスターの女王です。あなた達はここでは見ない顔のようですが、どうして……」

早苗と雛はここまでの状況を説明した。

女王「なるほど…リボンは頑張って助けてくれる方を探してたのですね………来てくださり本当にありがとうございます。服がボロボロですね、よろしければ近くに湖がありますのでそこで水浴びをしてみてはいかがでしょう?代わりの着替えも用意させますね。」
早苗「女王様以外にも住人はいるんですか?」
女王「リボンが隙を作ってくれたおかげで被害は最小限に済みました。本当に、あの子には感謝しなくては……」







水浴びをした後、早苗と雛は代わりの妖精の服に着替えた。全身を優しく包み込むような肌触りの生地とほんのり香る花の香りがなんとも気持ちいい。王宮に戻ると女王は住人に復興の指揮をとっていた。その中には目を真っ赤にしたリボンもいる。

早苗「リボンちゃん……大丈夫ですか?」
リボン「はい、もう大丈夫です。……申し訳ありません、あなた方も辛い思いをされているのに……」
雛「気にすることはないわ、今はできることをやっちゃいましょ!」
女王「まずは一刻も早く王宮を建て直さなくては……活動の中心となる場所ですから。」
早苗「ふっふーん!それなら私にお任せを!この奇跡の力で、どーんと直してみせます!」

早苗は離れているよう指示し、呪文を唱える。すると瓦礫の山が持ち上がり、時間を遡るようにして王宮が再建、復興していく。そうして王宮が元通りの状態になると早苗は呪文をやめヘトヘトになって座り込んだ。

リボン「さ、早苗さん………すごいです………」
早苗「これが……奇跡の………力よ………」
雛「あなたもよくやるわねぇ……」
リボン「雛さんにも何か能力が?」
雛「私の能力?私は無力な方がいいのよ、いろいろとね。」
(ここには不運に抗い希望に満ちた人が大勢いる。希望の中での私はきっと無力だけれど、それが原動力となっている皆の邪魔はできないわ。)
リボン「?」

早苗と雛の協力もあり、リップルスターの復興は予想以上に進んだ。枯れ果て荒れ果てたリップルスターの平原には少しばかりの草木が宿り、建物も少しずつ元通りになってきている。その手伝いをしている早苗の目にはもう自責の念はすっかり無くなっていた。むしろやる気と自信に満ちた目をするようになった。おそらく『やりがい』というものを感じるようになったのだろう。それは雛にも同様であった。
リップルスターの植物は頼もしいもので、花の種は数日するうちに花になり荒野だった星に彩りが戻った。あと1週間ほどで植えた花の種は全て咲くらしい。

早苗「妖精の国の植物ってずいぶんと力強いんですね。」
雛「そこに最後まで諦めなかった不屈の精神を持つ妖精さんがいるじゃない。」
早苗「もっとか弱い存在だと思ってましたからね、ビックリです。」
女王「お二人のおかげで植物達も喜んでいますわ。さて……今日はもう遅いですし、休みましょうか。明日にもやることはありますから。」
早苗「何かありましたら遠慮せずに頼って下さいね!」
雛「そうね、早く元の生活に戻してあげられるようにしましょう。」

1日を通して行われた復興作業はこうして幕を閉じた。最後まで自分のやるべきことをやりとげたリボン、自責の念に耐えやりがいを見つけた早苗、2人は希望に満ち溢れていた。










そして、それを見ていた目玉がひとつ。

リムラ「リップルスター、着々と復興が進んでいるようです。」
リムル「ミラクルマター様、いかがいたしましょう?」
ミラクル「希望を絶望に染め上げてこそ我らは成り立つ………あいつが異世界の者を連れてきたことは計算外だったが、まあいい………準備ができ次第、襲撃を仕掛けろ。」
マホロア「そんなことしてまで女の子を泣かせたいだなんて、君ってよっぽどゲスいんだネェ。」
ミラクル「絶望こそ我らの糧………闇の軍勢である我らに希望など不要………そして鏡の前でもう一度同じ事を言ってみろ。」




Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.46 )
日時: 2017/10/03 19:39
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>45



38・奇跡と奇跡



王宮

リップルスターの復興作業を終えた日の翌日、外に出てみると早苗達は目の前の光景に絶句した。花壇は岩で押しつぶされ、木々は燃やされたり切られたりしている。氷柱や針が深々と突き刺さっており不発した爆弾も転がっていた。幸い犠牲者はいなかったが妖精達の平和はまた脅かされていた。

リボン「そんな……っ!そうだ!クリスタル!」

リボンは大急ぎで王宮に戻る。早苗と雛も慌ててついていく。クリスタルを祀る祭壇には煌々と輝く大きなクリスタルと倒れている女王がいた。クリスタルの周りには黒い霧が渦巻きリボンが女王に近づくとそれは突如爆発しリボンを吹き飛ばした。そして一点に集まり黒い霧は白い多面体をなした。リボンはその多面体を見て震えていた。
そう、その多面体こそ、かつてリップルスターを恐怖で覆い尽くした闇の軍勢ゼロツーの側近、7つの奇跡を起こす者『ミラクルマター』である。

リボン「ミラクルマター!?そんな、確かにあの時カービィさんが………」
ミラクル「……久しいな、妖精の子よ。確かにあの時我らは滅びた。しかしまた蘇ったのだ、再びこの世界を闇に閉ざすために。我らは闇を糧とする。不安、絶望、憤怒……全ての闇を。」
雛「まさか、外をめちゃくちゃにしたのもあなたが……」
早苗「でも、見たところそんなことができそうには見えないんですが………」
ミラクル「クク…………では見せてやろう。」

ミラクルマターは黒い霧を早苗達に纏わせた。すると気づいたら異空間に立っていた。目の前にはミラクルマターが佇んでいる。

ミラクル「我は7つの奇跡を起こす者ミラクルマター……クリスタルを奪い、貴様達を倒す。それこそが我が悲願。」
早苗「……同じ奇跡を起こす者同士、どちらが優れているか勝負といきましょうか。」
雛「厄も闇も、全部取り込んであげるわ!」
リボン「気をつけて下さい……相手はとても手強いです………」







ミラクルマターはグニグニと姿を変える。最初は大きな炎の塊となった。

ミラクル「奇跡変化……炎!」

2つの火柱が唸りをあげて早苗達に襲いかかる。火柱の勢いは衰えることなく執拗に追いかける。

早苗「これが、最初の奇跡……!」
雛「熱っ……あ、熱っ!」
リボン「強い……前と戦ったときはもっと弱かったような………」
早苗「ただ避けただけじゃダメ………ここで撃つっ!グレイソーマタージ!」

五芒星の弾幕がミラクルマターに向かって飛んでいく。動きが鈍く全弾命中はしたが特殊なバリアによってその攻撃はかき消されてしまった。

早苗「そんなっ………」
リボン「ミラクルマターは自分と同じ属性の攻撃以外は効かないんです!ああ……カービィさんがいれば戦えるのに………」
雛「と言うことはこれが効くわね!必殺、大鐘婆の火!」

雛はクルクルと回転しながら炎の弾を撒き散らした。炎の弾は波のように織り成し浴びせるようにミラクルマターに命中する。ダメージを受けたようだが何事も無かったかのように平然としていた。

ミラクル「ほう……なかなかの火力だ、しかしこれはどうかな?………奇跡変化、爆!」

今度は泡に包まれた黒い球体に姿を変え、自分にそっくりの爆弾を放った。爆弾は床や壁に跳ね返り黒い球体を残して消える。泡は当たると広範囲に爆発するようで、飛んで回避する3人にとっては厄介な技となっていた。

早苗「これ……転がってた不発弾?」
雛「ちょうどいいじゃない、あなたの爆弾と合わせて返り討ちよ!」
早苗「そうですね、おみくじ爆弾!」
雛「それっ、飛んでいきなさーい!」

早苗と雛は不発弾とおみくじ爆弾を投げた。くっついたおみくじには『大吉』という文字が浮かびあがり大きな爆発を起こした。そうとう大きな威力だったのかいくつかの目が潰れている。ここでも大吉を引くところが実に早苗らしい。

ミラクル「さすがは、奇跡を起こせるだけのことはある……ならば次はこれだ、奇跡変化、刃!」

今度はチェーンソーのような姿となり早苗達を追いかける。後続のパーツも分離して追い詰めていく。

リボン(やっぱり……ミラクルマターは確実に強くなってる。でもなんで……それに、ミラクルマターが復活してるってことは、たぶんゼロツーも……)

雛「ちょっと!ぼんやりしてると危ないわよ!」
リボン「キャッ!す、すみません…………」
早苗「さすがに、これには対処しようがありませんね……」
雛「でもあのパーツには刃が無かったからもしかしたら取っ捕まえて投げ返せないかしら?」
早苗「まためちゃくちゃなこと考えますね……」
リボン「いえ、カービィさんも前はそうやって倒してました。なのでいけるかもしれません!」
雛「……また変わるわよ、気をつけて!」



様々な奇跡変化を起こし早苗達を追い詰めるミラクルマター。そしてその猛攻を耐え凌ぎ反撃の隙を伺う3人。リップルスターの平和をもう一度取り戻すべく、3人はミラクルマターの変化に食らい続ける。


Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.47 )
日時: 2017/10/10 19:26
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>46



39・奇跡を超えた奇跡



異空間

ミラクルマターの変化とバリアに苦労しながらも攻撃を当てていく早苗達。リボンは攻撃技を持っておらず避けるので精一杯だった。

ミラクル「いつまでも逃げてばかりでは我には勝てん……奇跡変化、針!」

今度はオレンジのトゲトゲに変化し、四方八方にトゲを刺しまくる。早苗達の位置は認識しておらず闇雲にトゲを刺しているようだ。早苗達は隙間を縫うようにトゲを避ける。

早苗「おっと………よっと………このくらい、弾幕に比べたら全然平気です!」
雛「こんなことになるんだったらもっと動きやすい服に着替えるべきだったわー!」
リボン「前に戦ったときは規則性があったんですが……やはり強くなってますね。」
雛「何か、針!針………ええと、どこよー!」

早苗「臨、兵、闘、者…………」

早苗がトゲを避けながら呪文を唱え、指で空をなぞる。

早苗「列、在、前…………秘技、九字刺し!!」



するとどこから来たのか、針のような細いレーザーが格子状に重なりミラクルマターを突き刺した。体勢を崩しトゲを出さなくなったミラクルマターに更に小さな光が何個も突き刺さる。さすがにこれだけでは沈まないが、ミラクルマターに大きなダメージを与えた。

ミラクル「グ……ググ……まだだ、まだ消えはしない。奇跡変化、氷!」

氷の塊が三角の氷を纏って突進攻撃をしかける。相当な冷気を伴っているため通った後はとても肌寒い。その上早苗も雛も氷属性を持つ攻撃を持っておらず避けることしかできないのである。
そしてその状況を打破するのはまたしても雛の突拍子もないアイデアである。雛はいきなりミラクルマターの周りにある三角の氷に飛びついたのである。

早苗「ひ、雛さん!?何を……」
雛「ダイヤモンドを削るのはダイヤモンドって言うでしょっ!!そいやっ!!」

雛は持ち前のガッツで氷をミラクルマターにぶん投げた。本体に少しヒビが入りダメージとしてはまずまずだった。

ミラクル「フン、なんとも信じがたいパワーだ。しかし、これならどうかな………?奇跡変化、岩!」

今度は巨大な岩に変化したミラクルマターは呼び出した岩を隕石のごとく落下させる。岩は大きさに合う以上の重さでありなかなか持ち上げられそうにない。更に隕石を落とすだけでなく、本体も早苗達を押しつぶさんと襲いかかる。

早苗「大地の力とあらば私の出番!五穀豊穣、ライスシャワー!!」

早苗は手を掲げると無数の光の弾が雨のように降り注ぐ。それは大地の力の結晶であり神の力によってもたらされた奇跡の結果でもある。無数の弾を浴びたミラクルマターはかなりのダメージを受けてしまっていたにも関わらず、その口調は余裕さえ感じられた。

ミラクル「どうした?まだ我はここにいるぞ………奇跡変化、電!」

巨大な光る玉に変化したミラクルマターは大きなレーザーを照射する。レーザーは壁や本体に当たって跳ね返り乱反射しながら飛んでいくため常に全方位に向けて注意する必要がある。レーザーは避けなれている早苗だが、こうなってしまってはなかなかそうは行かない。

早苗「レーザーですか………フフッ、おもしろいですね……」
リボン「弾数も増えてますね……」
雛「それでも早苗はまだまだ余裕そうな顔をしてるわ……さすがは巫女、と言った所かしら。」
早苗「明るすぎる夜を見せてあげましょう!」

早苗の近くに2つの玉が現れた。2つの玉は強烈に光りだしレーザーを周りに放出する。その密度は非常に高く真昼と勘違いしてしまうほどである。しかし早苗の後ろにも飛んでいくので雛とリボンにも被弾の可能性が出てくるが、ミラクルマターのレーザーをかき消すほどの威力は凄まじいものだった。









ミラクル「さて、あらかた我の奇跡は出し尽くしてしまった、か………」

今の所ミラクルマターの起こした攻撃は早苗と雛の技で対抗ができる。その中で対処できない切と氷でもパーツや氷を投げてしまえば勝てないこともない。その上岩や電、針や爆で攻撃すれば倍以上のダメージとなって返ってくる。ミラクルマターの方が圧倒的に不利なのだが、まだまだ倒れる気配が無い。むしろ後から凄い技が来るのではと不安になってしまうほどである。

雛「手の内は全てさらしたし、私達はそれに対抗できる。あなたの負けよ!」
ミラクル「確かに……出し尽くした、とは言ったが……負ける、とは言ってはいない。むしろこれぐらいの方がちょうどよいぐらいだ。」
リボン「ど、どういうこと………?」

ミラクル「……ミックス能力が使えるのはカービィだけでは無くなった、ということだ。」

そう言うと突然ミラクルマターの体が光りだした。

ミラクル「見せてやろう、奇跡の真髄を……ダブル奇跡変化、炎切!!」





早苗達の前に現れたのは勢いよく燃え盛る大きな剛剣だった。炎と切、2つの奇跡を織り混ぜたその姿に早苗達は驚愕した。今までの単調な姿とは違い、明らかに攻撃は複雑化する。恐らく今までのように簡単に攻略させてはくれないだろう。

ミラクル「まだ、始まったばかりだ………」

剛剣と化したミラクルマターは空気を切り裂き炎の竜巻を生んだ。その威力は激しく早苗達は巻き込まれてしまう。

早苗「うぅ……まさか、こんなに強いなんて……」
リボン「あっちが2つなら、こっちも2つ、いや3つです!」
雛「ど、どゆこと?」



リボン「起こすんです、2つの奇跡を上回る奇跡を、私達で!!」



リボンの持つクリスタルが輝きはじめ、そして変形した。リボンの持つ願いのエネルギーにクリスタルが応えたようだ。

リボン「私だって、戦えるんです!」
ミラクル「ほう、かつてゼロツー様を打ち倒したというそのクリスタルで刃向かうとは……これも何かの因縁か。しかしカービィがいない中、そんな力に意味はない。」
早苗「それならば、私達が全力を以て代わりとなるだけです!」
雛「たった2つぽっちの奇跡なんてひっくり返してやるわ!!」
ミラクル「よかろう………ならば迎えるがいい、極上の奇跡によってもたらされる終焉をな。」




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