二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【オリキャラ×KHFM】結末まで進む、光と闇と心の物語
- 日時: 2017/09/11 21:36
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: MW3WsllJ)
巡人は友達と一緒にディズニーランドに遊びに来たが、物思いにふけっていたせいで友達とはぐれ、ディクトと二人きりになってしまう。慌てて追いかけようとした矢先に目にしたのは、テレビとゲーム機とソファーと、その傍で立っているお兄さん。そして、台座に飾られた、見覚えのある大きな鍵だった……。
■
【アテンション!】
・この物語はフィクションですが、実在の場所や実在のゲームなどが出てきます。ディズニーランドと「キングダムハーツ」と言うゲームです。
・実質、こちらのオリキャラとキングダムハーツに出て来るキャラクターとのクロスオーバーですが、あくまでも「ゲーム越し」でのクロスオーバーです。オリキャラとキングダムハーツのキャラクターが直接絡む様な事は一切ありません。
・題材が題材なので、色んな意味で危ないかもしれません。いや、危ないです。消される可能性があります。
・キングダムハーツやディズニー好きな読者様達に不快感を与えてしまうかもしれません。
・この話では『キングダムハーツ FINAL MIX』のネタバレと作者流攻略が思いっきり存在します。最初から最後まで、ネタバレだらけです。この話の為に攻略サイトやRTA(リアルタイムアタック)動画を見たり、リアリティーを出す為に()努力をしました。
それでも大丈夫な方は、最後までお楽しみください。
ダメな方は、そのままブラウザバックでお願いします。
では、どうぞ。
■
【主な登場人物】
内村 巡人(うちむら じゅんと)
主人公。友達の和斗達と一緒にディズニーランドに行ったが、ひょんな事から『キングダムハーツ FINAL MIX(KHFM)』に挑戦する。
ディクト
巡人と一緒にいる半人半獣(人2:獣3)の黒猫。魔法使いに憧れていて、魔法使いの服装をしている。KHFMに挑戦する巡人に付き合う事になる。面白そうだから。
坂下 和斗(さがしも かずと)
巡人の友達。シューティングが得意。
小賀 匠(こが たくみ)
巡人の友達。落ち着いた性格をしている。
崎本 明(さきもと あきら)
巡人の友達。やや子供っぽく、ディズニーランドを一番楽しんでいる。
小田 蒼樹(このだ あおき)
巡人の友達で、紅菜の双子の兄。紅菜の事になると過剰になる所がある。要はシスコn(ry
小田 紅菜(このだ あかな)
巡人の友達で、蒼樹の双子の妹。明と同じくらい、ディズニーランドを楽しんでいる。
フレイ
炎のエレメント。とても幼い。ディズニーランドに行くのを楽しみにしていた。
コール
氷のエレメント。とても幼い。ディズニーランドに行くのを楽しみにしていた。
ネリア
風のエレメント。冷静で丁寧口調。フレイとコールにとって、お姉さんみたいな存在である。
■
【目次】
Prologue:>>1-3
1st World's:>>4-12
dive to heart:>>4
デスティニーアイランド:>>5-7
トラヴァースタウン:>>8-11
1st World's 後書き:>>12
2nd World's:>>13-27 >>30-33
ワンダーランド:>>13-18
ディープジャングル:>>19-27
Re:トラヴァースタウン:>>30-32
2nd World's 後書き:>>33
Interval:>>34-44
開園前:>>34
シンデレラ城:>>35
BTM(ビックサンダーマウンテン) ファストパス:>>36
エンカウント:>>37
イッツアスモールワールド:>>38
ビックサンダーマウンテン:>>39
ウエスタンリバー鉄道:>>40
トゥーンタウン:>>41
パレード:>>42
スペースマウンテン:>>43
Interval 後書き:>>44
3rd World's:>>47-67
アグラバー:>>47-54
モンストロ:>>55-60
ハロウィンタウン:>>61-66
3rd World's 後書き:>>67
4th World's:>>68-81
ネバーランド:>>68-75
Re:Re:トラヴァースタウン:>>77-80
4th World's 後書き:>>81
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- ワンダーランド Part.4 ( No.17 )
- 日時: 2017/04/20 13:07
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: EM5V5iBd)
巡人「匠……!」
ディクト「ネリアも……!?」
匠とネリアがこっちに近付く。キャストが慌てて匠の後を追う辺り、強行突破してこっちに来たのだろう。匠らしいと思ったが、今は思った事を置いておくとした。
匠「こんな所で何してる?」
巡人「……」
ネリア「途中であなた達の姿が見えない事に気付いて、気配で探りました。これは何でしょうか?なぜあなた達はずっとここにいるのですか?」
ディクト「……」
キャスト「お兄さんすいません。こちらには……」
キャストが追いついて、匠を連れ出そうとするが、
匠「友達を見かけたので、話をしようと思っただけです。」
巡人「この人は自分の友達です。勝手に入って来た事については自分が謝ります。今は話をさせて下さい。」
キャスト「……分かりました。大変失礼しました」
何とか事情を話して、キャストの人は理解してくれた。
ゲームは未だポーズ画面のままだ。巡人は匠に、ディクトはネリアにこれまでの事を話した。
後を追おうとしたらこれが目に入った事。
話を聞いたら、特別企画で「エンディング到達チャレンジ」をしていると言う事。
成功したら豪華景品としてキングダムチェーンのレプリカを貰えると聞いて、二つ返事で引き受けた事。
チャレンジしてからある程度進んだ事。
もういなくなってしまったが、さっきはハートの女王を攻撃して白ウサギに詰め寄られていた事。
そして……
巡人「ディクトにも言われたんだ。本当に大丈夫なのかって。でも、やっぱり駄目だった。匠の事だから引っ張り出すつもりだろうけれど、そうするならそうしたって構わない。俺達の後をやってくれる人に託すよ。それと……」
ディクト「巡人が遊んでいる様子を見てて面白くなっちゃって……今さらだけど、僕は他の人には見えないから、ササッと和斗達の方に行って、この事を言っておけば良かったね。君の事だから、吹き飛ばしてでも僕達の事を連れ戻すかもしれない。でも、分かった。君の言う事は素直に聞く。和斗達の所へ戻ろう。あと……」
巡人「ごめん」 ディクト「ごめんなさい」
匠「……」 ネリア「……」
二人は頭を下げた。二人は何も言わず、ため息をついた。ゲームはポーズ画面のままだ。時間が流れていく。
やがて、匠から口を開いた。
匠「内村とディネクトの事だから、どうせそんな所だろうとは思っていた。言っておくが、俺は怒ってない。むしろ呆れている」
巡人「……」
ネリア「あなた達は何か面白そうだと思って突っ込めば、それにはまり込んでいますよね。匠さんと同じです。呆れて怒る気もありません」
ディクト「……」
何も言い返せなかった。実際、その通りなのだから。ここで諦めて、匠達と一緒に戻って、和斗達に謝ろう。そう思い始めた。
だが、その後に続いた言葉は意外な物だった。
匠「それで?どうするんだ?」
巡人「え……?」
匠「これを続けるか、やめるか、だ」
ディクト「え?えっと……」
ネリア「ディクトさん。あなたは『私の言う事は素直に聞く』と言いましたね?」
ディクト「う、うん……」
匠「やるなら最後までやれ。やり通せ。やめるならここできっぱりとやめろ。ただ、後悔はするな」
ネリア「やり続けるのなら、最後まで巡人さんの事を見届けてあげてください。やめるのなら、やめる。後悔したくない選択をしてください」
巡人「……」
ディクト「……」
匠「どうする?」
ネリア「早く決めないと、時間が無くなってしまいますよ?」
巡人とディクトは、お互いに顔を見合わせた。見合わせて、頷いた。
巡人「やるよ。何が何でも、最後までやり抜く」
ディクト「僕は最後まで巡人の事を見届ける。巡人の事を応援するよ」
真っ直ぐな目で、最後までやり抜くと、最後まで巡人の活躍を見届けると、宣言した。
匠「……そう言うと思った」
ネリア「私の思った通りです。あなたならそう答えると信じていました」
匠とネリアの表情が少しだけ穏やかになった。
匠「なら、早く戻れ。坂下達には俺から言っておく」
ネリア「巡人さん。頑張ってください。ディクトさん。巡人さんの傍に、最後まで付いてあげてくださいね。『私の言う事を素直に聞く』と言ったからには……」
巡人とディクトの目から、涙が出てきた。後ろから拍手の音が聞こえる。最初から傍にいるお兄さんも、拍手してくれていた。
巡人はソファーに座り、コントローラーを握り直した。ディクトは巡人の隣に座る。
巡人「最後まで、やり抜こう」
ディクト「言われなくとも」
ポーズ画面を解除し、装置に向かって攻撃する。同時に、装置は完全に破壊され、レベルが上がり、新たなアビリティ「ライブラ」を覚えた。檻が下げられ、女王とソラはそれに注目する。
カーテンが開いた檻に、アリスの姿はどこにも無かった……。
next to Part.5
- ワンダーランド Part.5 ( No.18 )
- 日時: 2017/04/24 20:42
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: KG6j5ysh)
裁判は中断。セーブポイントでセーブする事にした。2時間24分。前にセーブしたのが1時間25分だったので、約1時間分もロスしてしまった事になる。机の上に置いてある時計を見てみたら、もう11時4分……。あれこれ考えても仕方が無い。このワールドだけは、一気に集中する事にした。
その後は、無言でティーパーティー会場を抜け、不思議の部屋に行き、ランプに火を付け、ドアノブがある不思議の部屋まで戻り、このワールドのボス……トリックマスターと戦い、ひたすらキーブレードで叩いて勝利。レベルアップで最大HPが上がった。フレアスタンプを手に入れた。
ドアノブが騒々しいと言い、アクビをする。その時、鍵穴が現れ、ソラの持つキーブレードが反応した。鍵が閉まる音がした。
そして、ドアノブの前に何かが転がり落ちた。グーフィー曰く、普通のグミでは無いらしい。ドナルドが預かる事にした。「ナビグミのかけら」と言うアイテムらしい。
その後、チシャ猫が現れ、戦いに勝った事を褒めてくれたが、「君には足りない物がある」と言ってきた。ソラは足りない物?と聞いたが、教えない辺りはチシャ猫らしい。だが、氷の力……ブリザドをくれた。
最後に、アリスの居場所について意味深な事を言った後、姿を消した……。
場所は変わり、セーブポイント。巡人は早速「フレアスタンプ」を装備。プロテスネックレスと入れ替えた。
巡人「フレアスタンプ。ファイア系ダメージを80%カット。最大APと防御力が少しアップ。APが少ないから、こう言う装備は非常にありがたい(´ω`)」
ディクト「APが1から2に上がったけれど、アビリティは何を付けるの?」
巡人「1つ付けておいてあるのは【ライブラ】だから、【ドッジロール】を付ける」
ディクト「なるほど。【ライブラ】はあれかな?敵のHPが分かるやつ」
巡人「それ。じゃあ、次のワールドに行くよ!」
そう言って、セーブしてから、グミシップに乗った。2時間37分だった。
巡人「……必ず、クリアしよう」
ディクト「……そうだね」
ワールドマップで言葉を交わすと、巡人はワンダーランドより先にあるワールドに向けて、ワールド移動時のシューティングへと臨んだのであった。
11:24
閉園まで、あと10時間36分。
思わぬ、だけれども決意のタイムロスをしながらも、二人は前へ進んだ……。
その頃……
明「あ!匠!巡人達はどうだったの?」
匠「さっき話をした。最後までやると、本気で言っていた」
ネリア「ディクトさんも、最後まで巡人さんの傍にいると言いました」
和斗「そっか……。あの二人らしいな」
蒼樹「そうだね。巡人君とディクト君なら、きっと最後までやってくれるよ」
匠「内村には、やるからには最後までやれと言ったからな」
ネリア「私もディクトさんに、最後まで巡人さんの事を見て上げて欲しいと言っておきました」
明「そうなんだ……ねえみんな」
紅菜「なに?」
フレイ「?(・ω・)」 コール「?(・ω・)」
明「巡人がどんな様子なのか、見に行ってもいい?」
to be continued...
今回、匠とネリアのシーンを書いている時に涙目になったのは秘密です。
それでは(^∀^)ノ 感想をどうぞ!
※2017年4月24日追記
現実時間の描写を修正しました。
- ディープジャングル Part.1 ( No.19 )
- 日時: 2017/04/22 22:10
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: KG6j5ysh)
グミシップは前に進む。新しいワールドへ向かいに、ひたすら進む。
巡人「……」
ディクト「……」
二人は黙ったままだった。匠とネリアと話をしてからだ。「やるなら最後まで」と言う匠の言葉と、「最後まで巡人の事を見届ける」と言うネリアの約束が、二人の気を引き締めていたのだ。お兄さんはその様子をただ見ていた。匠とネリアが来た時もだ。
巡人「……」
ディクト「……」
お兄さん「……お兄さん」
巡人「……?」
ずっと黙ったままなので、見かねたお兄さんは巡人に話しかけた。
お兄さん「そんな恐い顔は駄目ですよ。グミシップは笑顔をエネルギーにして動かしているんですから」
巡人はハッとした。ディクトもだ。お兄さんは小さく笑った。つられて、二人も笑った。
巡人「ありがとうございます。そうですよね。ゲームは楽しまなくちゃ、意味が無いですよね」
ディクト「匠とネリアの約束も大事だけど、それ以上に大切な事があったね。忘れてた」
ディクトの言葉はお兄さんには届かない。ディクトの事が見えたり、会話できたり出来るのは巡人達だけなのだ。普通の人には見えないし、話す事もできない。でも、それでも良かった。
同時に、新しいワールドに着いた。会話イベントが流れる。グーフィーがここに王様がいるかと聞いた。ドナルドは、こんな何も無さそうな所に王様はどんな用があるのかと答えた。
その様子を、巡人とディクトはさっきの無表情ではなく、楽しそうに眺める。お兄さんのお陰だ。
探すだけ無駄だと断言したドナルドに、ソラが待ったをかけた。リクやカイリがここにいるかもしれないと言い出したのだ。二人を捜すから、ここに降ろしてくれとドナルドに頼む。しかしドナルドは王様捜しを優先にしたいからと断った。
ディクト「巡人……」
巡人「何?」
ソラ『俺は降りる!』
ドナルド『僕は降りない!』
ソラ『降りる!』
ドナルド『降りない!』
ソラ『降りるったら降りる!』
ディクト「トラヴァースタウンで、僕が言っていた事、覚えてる?」
巡人「覚えてる。『お互いの目的が一致しているだけ』、『こんなんで「仲間」なんて言っていたらボロが出る』って……」
ディクト「そう。それってね、今みたいな、ソラとドナルドの事を言うんだよ。自分で言っといてアレだけど、本当にこうなるなんて思わなかった……(´・ω・`)」
ソラが勝手に動かし、ドナルドが「やめろー!」と叫びながら、おぼつかない様子でワールドに突っ込んで行くグミシップを見ながら、ポツリと呟いた……。
ディープジャングル。ターザンをモチーフとした世界の冒険の始まりである……。
next to Part.2
- ディープジャングル Part.2 ( No.20 )
- 日時: 2017/04/22 22:07
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: KG6j5ysh)
樹の上に立つ建物。そこに、ソラだけが落ちて来た。屋根を貫き、床にぶつかる。
ソラ『いてててて……』
頭を手で押さえて痛がるだけのソラに「痛いで済んで良かったね。キミが普通の人だったら間違いなく大ダメージだった」と現実的なツッコミを入れるディクトの声が聞こえたが、スルーした。
その後、ソラはドナルドとグーフィーの名前を呼んだが、二匹の返事は無い。代わりに、動物の前足が見えた。
ディクト「あっ」
ディクトが何かを察したような声をあげる。その通りの展開が起きた。トラなのか、ヒョウなのか分からない動物が襲いかかってきたのだ。ソラはとっさにキーブレードを構え、後ろに下がった。しかし、相手の引っ掻きをまともに喰らってしまい、壁に叩きつけられる。相手が一鳴きし、ソラが体勢を立て直した所で戦闘が始まった。
ディクト「これもレオンみたいなイベント戦なの?」
ディクトは聞いた。「そうだよ」と、短く答えた。
ディクト「どうする?」
巡人「そんなの決まってる。勝つさ」
ディクト「レオンの時みたいに(巡人「勝つよ!負けてたまるか!」
ディクトの言葉を巡人は遮り、動物に攻撃を仕掛ける。一撃を当てた所でダメージを受けたものの、ドッジロールで距離を取り、一瞬ジャンプからの空中コンボで3発とも決めた。動物は吹っ飛んだ。
ディクト「やるねぇ(・∀・)」
巡人「どうも」
その後、動物は飛びかかり、攻撃したが、ソラには当たらなかった。その隙を突いて一瞬ジャンプの空中コンボを決めようとしたが、ニ撃目で弾かれて、カウンター攻撃を受けてしまった。
ディクト「うおお……」
巡人「大丈夫。まだ大丈夫」
巡人はそれでも、動物に突っ込んで攻撃。そしてダメージを喰らう。また攻撃。ダメージを喰らう。また攻撃。ドッジロールで回避。
ディクト「……」
巡人「……」
動物の攻撃。相殺からの、空中コンボ3発。上手に決まった。
巡人「……」
ディクト「……」
一気に近づき、一撃を与える。その直後、動物が攻撃して来たが、間一髪、ソラのドッジロールで回避した。敵の体力は残り僅か。
巡人「勝てる!」
確信したように言う。その証明に、空中コンボ3発でトドメを刺そうとしたが、3発目を当て損ねてしまった。
巡人「(´・ω・`)」
ディクト「フッ……w」
ディクトが少し吹き出す。今度こそと、空中コンボでトドメを刺そうとするが、1発目を外し、ダメージを喰らった。
巡人「……(´;ω;`)」
ディクト「泣かないの巡人。決まらないからって泣いちゃダメ。勝てればいいんだよ勝てれば(^_^;)」
ディクトのフォローに、さらに泣きそうな顔をしながら、動物に突っ込んだ。それがいけなかった。ニ撃、ダメージを喰らったのだ。喰らってしまった。
負けイベントに入った……。
巡人「……っ。…………ぅっ」
ディクト「あーあ……」
レオンだけでなく、こんな動物にまで負けるなんて。
勝てると確信していた。確信、していたのに、負けた。
後ろを見ると、ギャラリーが「あーあ……」と言う落胆したような雰囲気と、「あとちょっとだったのに」と、惜しかったと言う雰囲気を感じた。巡人のゲームプレイの様子を、良い意味で見てくれているようで、ディクトは内心、安心した。
だが、振り返った理由はそこでは無い。
気配を探っていたからとっくに気付いていたのだが、巡人の後ろにキャラクターがいたのだ。正確には、ソラと動物が戦い始めた辺りから後ろにいた。王様のような姿をしたライオンだった。隣には悪そうな顔をした、悪人が着てそうな服を着たオオカミもいる。
ディクト「……」
巡人はまだ泣いている。よほど悔しかったのだろう。本気で泣いていた。お兄さんが後ろの二人に「慰めてあげて」とそっと声をかけた。肩を叩かれて、ようやく巡人も後ろの存在に気付いたが、特に驚くような声をあげず、二匹の優しさを、拒否する事なく受け入れた……。
ちなみにだが、巡人もディクトも、この時流れたイベントを見逃してしまった事を、ここに言っておこう。だが、1つイベントを見逃したくらい、どうって事は無い。
next to Part.3
- ディープジャングル Part.3 ( No.21 )
- 日時: 2017/04/24 20:47
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: KG6j5ysh)
ライオンとオオカミが慰めてくれたお陰か、イベントが終わった時には巡人はすっかり泣き止み、落ち着いた。
巡人「ありがとうございました。それと、ごめんなさい。泣くならもっと別の所で泣きたかったです」
そうお礼を言うと、二匹は呆れていながらも、頭と肩を軽く叩いて、去って行った。
ディクト「良かったね、巡人。で、あの2匹は一体誰だったの?('ω')」
巡人「知らない('ω') でも、頭と肩をトントンされた時に『頑張れ』って言ってくれたような気がした。ここにおいては悪役がいても悪い事はしないし、話してみてもそこまで悪い感じは無いよ」
ディクト「そうだね。僕もそう思う」
巡人はコントローラーを握り、ゲームの続きをした。パーティー画面になっている。さしずめ、行動するキャラクターを入れ替える所だろう程度に、ディクトは察した。実際、その通りである。
「決定」ボタンを押した。ソラが行動出来るようになった所で、巡人はキャンプメニューを開く。「アイテム」を開き、ターザンにカーソルを合わせた。
ディクト「何してるの?」
ターザンのカーソルで○ボタンを押すと、ポーションを3つ持っていた。巡人は一番上のポーションを選び「バックヤードへ」を選んだ。この時点で、巡人が何をしているのか察した。
ディクト「……」
その後も、残り2つのポーションもバックヤードに入れて、アイテムメニューを閉じる。今度は装備メニューを開き、ターザンにカーソルを合わせたが、槍以外何も持っていなかったので、そのまま閉じた。アクセサリーも持って行くつもりだったのかこいつは、と思った。
ディクト「……」
巡人「そんな顔しないでよ。あくまでもアイテムをバックヤードへ入れてるだけだよ」
ディクト「バックヤードに入れたアイテムは、その後どうするの?」
巡人「(・ω・)」
何も言わず、とぼけた顔をしてソラを動かした。私物化するつもりだ。ディクトは確信した。
その後、巡人は落ちる事なくジャングルの奥地へフィールド移動。別の場所へフィールド移動し、さらに別の場所へフィールド移動。目の前に宝箱があったので開いたら、メガエーテルを手に入れた。
巡人「メガエーテル。パーティー全員分のMPゲージを三つ分回復する貴重アイテム」
ディクト「いい物拾ったね(´ω`)」
その後、目の前の穴には落ちず、側にあった段差を降りて、見えにくい場所にあったセーブポイントでセーブした。2時間46分だった。机の上の時計を見ると、11時36分だった。
その後、穴に落ちた。スライダーみたいな事をした。途中、障害物に1回だけ当たって、フィールド移動した。キャンプ場らしき場所に落ちた。巡人は素早くキャンプ場を探索する。スライドを5枚手に入れて、テントに入った。
巡人「本当は6枚あるはずなんだけどなぁ……(´・ω・`)」
ディクト「何かに使うの?」
巡人「使う。しかも全部揃わないと物語が進まない」
ディクト「外はパパッと探索したから、まだ見てない所もあるかもしれないよ」
巡人「残り1枚がテントの中にある可能性だってある」
イベントを見ながら、淡々と話し合い続けた。ジェーン、とターザンは呼ぶ。ジェーンと呼ばれた女性はターザンに気づき、返事をした。ソラに気づき、誰かと聞かれる。ソラは自己紹介しようとするが、ジェーンは『言葉が分かるのね』と言い始め、『ターザンの「家族」じゃないし……』と考え始めた。その末……
ジェーン『あなたもゴリラの調査に?』
と、嬉しそうに聞かれたので、
ディクト「No( 'ω')」
と1人は答え、
『それも違うようだ』
と、男の声が答えた。ドナルドとグーフィーを連れて。ソラ、ドナルド、グーフィーは再会を喜ぶが、ソラとドナルドが喜びながら顔を見合わせた瞬間、お互いにそっぽを向いてしまった。
ディクト「ああ、そう言えばこの二人はケンカ中だったね」
ディクトはあははと笑う。「おかしな奴らだ。ゴリラの捕獲に役立ちそうも無い」と言い残し、テントを出て行った男に、捕獲じゃなくて調査でしょ、とジェーンは叱った。同時に、この男はクレイトンと言う名前だと判明した。ゆっくりしていってとソラ達を歓迎するが、ソラとドナルドはそっぽを向いたままだった。
ソラは言う。
ソラ『言っておくけど、』
ソラ『俺は残るぞ』ドナルド『僕は残るぞ』
ソラ『え?』
ディクト「え?なんで?」
巡人が泣いていた時に流れていたイベントでドナルドも残ると言った理由が分かるのだが、巡人は泣いていたし、ディクトはそんな巡人を見ていたままだったので、その辺りのイベントは見ていない。当然、ディクトは疑問を声に出した。
しかし、グーフィーが疑問に答えてくれた。王様の手がかりとして、グミブロックと言う物をこの世界で手に入れたのだ。グミシップに使う素材らしい。それがあると言う事は、王様もここにいるかもしれない。それがハッキリするまではここに残ると、ドナルドは言った。
ディクト「なるほどね。ここでも『目的の一致』か……」
巡人「ディクトがそこまで言うって事は、『目的の一致』だけで一緒に行動するのは厄介って事なんだね」
ディクト「どちらかの目的を果たした時点で、どっちかがお荷物状態になるからね。用済みでサヨナラされる事だって考えられる」
巡人「ディクト……」
ドナルド『とりあえず、ね』
ソラ『ふーん。じゃ、それまでは一緒に行こう』
ソラ『とりあえず、ね!』
巡人「……」
プロテスグミを手に入れた。
パーティー画面になる。ソラ、ターザン、ドナルドとなっていたが、ドナルドを入れ替えてグーフィーにした。ソラ、ターザン、グーフィーのパーティーで攻略するつもりだ。
行動できるようになり、すぐ近くにあった宝箱を開けた。ミスリルのかけらがはいっていた。その後、テントの中でスライドを探すが、無い。ジェーンに話しかけたが、スライドは持っていないようだ。テントの外に行って探す事にした。クレイトンに話しかけるが、スライドを持っていない。もう少し探したら、黒板のすぐ横に、スライドを見つけた。
巡人「これで全部揃った。テントに戻ろう」
ディクト「青のトリニティはどうするの?」
巡人「放置で」
ディクト「ふーん……('ω')」
テントに戻り、映写機にスライドをセットする。1枚目に、お城みたいな写真が映った。ここで、ソラが黙り込む。グーフィーがどうしたと聞いた。何でも無いと言った。しかし、心の中では、何でか分からないが、この場所を知っているような気がすると言っていた。懐かしいとも。だが、島から出た事は無いのでそんな訳が無いかと判断した。
ディクト「心当たりがあるって事かな?でも、ソラもリクもカイリも、今まで島に暮らしていたからこのお城に行った思い出は無いだろうし……」
ディクトがブツブツと考え事を始めた所で2枚目。男性が女性にプロポーズをしている写真だった。3枚目。大人と子供が寄り添うような感じの写真だった。4枚目。ゴリラ。5枚目。船。6枚目。2人の男性が剣を持って戦っている様子の写真。以上。
イベントが入った。今のスライドを見てどうだったかと、ジェーンはターザンに聞いた。リクとカイリはどこにいると、ソラも聞く。ターザンはクビを横に振った。参ったな、とソラ。そうなると、残りは1ヶ所と声が聞こえた。クレイトンだ。彼はリクとカイリの姿は一度も見ていないと言う。ソラが来る前の時点でも。つまり、考えられるのはターザンが隠しているゴリラの巣しか無いと断言した。
ディクト「もしかして、このクレイトンって人、ゴリラの巣を見つけたいだけじゃないの?('ω') 色々言っているけれど、結局はゴリラの巣を見つけたいだけでしょ?('ω')」
いつの間にか考え事をやめたディクトがイベントを見て、呆れるように呟いた。
ジェーンはクレイトンに文句を言うが、彼はターザンに詰め寄り、ターザンの家……ゴリラの巣に案内するように言う。ターザンはソラを見る。そして、首を縦に振った。いいの?と、ジェーンは聞く。ターザンはカーチャックに会うと言った。クレイトン曰く、群れのボスの事だろうと考える。同行する事になった。
ディクト「いいのかなあ……?」
巡人「さあ?」
ジャングルは危険だからと、クレイトンは付け足した。不敵な笑みを浮かべて。
ディクト「あっ。これダメだ。絶対にダメなやつだ」
ディクトはクレイトンの笑みを見て、即答した。
これで行動できるようになる。巡人はテントから出た。その瞬間、戦闘になる。すかさずロックオンすると、この世界に来た時に戦った、あの動物がいた。
巡人「」
巡人は迷う事なく、そいつに突っ込み、ひたすら攻撃する。ダメージを喰らっても攻撃する。ファイアも使う。倒した。ターザンのレベルが上がった。
巡人「(´ω`)」
結構体力を削られてしまったので、テントに戻り、セーブポイントで回復した。パーティーをターザンからドナルドに変更して、テントを出る。青のトリニティマークに近づき、トリニティを発動した。宝箱が出て来た。中身は子犬だった。
ディクト「放置するんじゃなかったの?」
巡人「気が変わった。だけど放置しときゃ良かった(´・ω・`)」
次に、カバの沼と言う場所に移動する。沼にカバがいた。それを足場にして、沼を越えて行く。途中、浮かんだカバに乗り損ねて沼に落ちてしまうが、焦らずにすぐ近くの岸から上がり、木の足場に登った。宝箱があったので開ける。メガポーションを手に入れた。
巡人「メガポーション。パーティー全員の体力をポーションと同じ位分に回復する貴重アイテム」
ディクト「ボス戦に使えそうだね」
巡人「基本的にこう言うアイテムはソラに持たせて使った方がいい。まあ、宝箱を徹底的に開けるんだったら数がそこそこ集まるアイテムなんだけれど……」
そう言いながら、向こう岸へジャンプする。失敗して、沼に落ちてしまった。また木に上って飛ぶ。失敗。今度は木に登った後、カバの上に飛び、向こう岸に飛ぶ。失敗。また木に上り、向こう岸へジャンプ。失敗。今度こそと木に上り、カバへ飛び移り、向こう岸へ。成功。宝箱も回収。子犬だった。
巡人「アイテムが欲しいな……(´・ω・`)」
目の前の棒に掴まり、昇った。イベントに入った。大きなゴリラが2匹、ターザン達と向かい合っている。どちらかがカーチャックだろう。ターザンはカーチャックに話しかけた。ソラ達に家を見せたい。「あの場所」へ連れて行きたいと頼んだ。
ディクト「あの場所……?」
ターザンは、ソラ達は自分と同じだから、自分は彼らの力になりたい、と後押しするが、この会話はドナルドとグーフィーには分からないみたいだ。
ディクト「もしかして……ターザンは今、ゴリラ語で話しているの?('ω')」
巡人「そうだね('ω') ゴリラ語。確か、ターザンは小さい時からゴリラに育てられたらはずだから……」
ディクト「そうなの!?」
ディクトは驚いた。そもそも「ターザン」と言う作品を知らないのだ。当然と言える反応だった。
巡人「俺もよく知らないけれどね('ω')」
イベントは進む。結局、頼みは聞いて貰えなかったようだ。しかし、去り際に、上の方を見ていた。グーフィーが、何か気にしていたみたいだったと言う。ドナルドが、樹の上にある家を見ていたみたいだったと言った。
ディクト「そこに向かうんだね」
巡人「そう言う事」
ソラが行動できるようになり、チュートリアルで「ツタに飛びつく事ができる」と教えてくれた。しかし巡人はツタに飛びつかず、左にあったツルに飛びつき、上に向かった。
ディクト「ツタに飛びつかないの?」
巡人「飛びつかない。むしろ飛びついちゃいけない」
ディクト「どうして?('ω')」
巡人「えっと……最初に沼の方に行った時にさ、俺は沼の向こう側の方に行ったでしょ?」
ディクト「うん」
巡人「本当は沼のエリアに入った所の左側にツルがあって、そこに昇ってツタ沿いに飛び移ってイベントが起こる場所に行くのが普通なんだよ。でも俺はそうしなかった。ショートカットする為に向こう岸から行ったんだ」
ディクト「そう言う事か!じゃあ、あのままツタで飛び移っていたら……」
巡人「タイムロス。実質、沼の向こう岸から沼のエリア入り口まで戻る事になる」
ディクト「oh……」
そんな会話をしていたら、樹上の家に着いた。
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※2017年4月24日追記
時間の描写を修正しました。それに伴い、現実時間を見る描写を追加しました。
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