二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【オリキャラ×KHFM】結末まで進む、光と闇と心の物語
- 日時: 2017/09/11 21:36
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: MW3WsllJ)
巡人は友達と一緒にディズニーランドに遊びに来たが、物思いにふけっていたせいで友達とはぐれ、ディクトと二人きりになってしまう。慌てて追いかけようとした矢先に目にしたのは、テレビとゲーム機とソファーと、その傍で立っているお兄さん。そして、台座に飾られた、見覚えのある大きな鍵だった……。
■
【アテンション!】
・この物語はフィクションですが、実在の場所や実在のゲームなどが出てきます。ディズニーランドと「キングダムハーツ」と言うゲームです。
・実質、こちらのオリキャラとキングダムハーツに出て来るキャラクターとのクロスオーバーですが、あくまでも「ゲーム越し」でのクロスオーバーです。オリキャラとキングダムハーツのキャラクターが直接絡む様な事は一切ありません。
・題材が題材なので、色んな意味で危ないかもしれません。いや、危ないです。消される可能性があります。
・キングダムハーツやディズニー好きな読者様達に不快感を与えてしまうかもしれません。
・この話では『キングダムハーツ FINAL MIX』のネタバレと作者流攻略が思いっきり存在します。最初から最後まで、ネタバレだらけです。この話の為に攻略サイトやRTA(リアルタイムアタック)動画を見たり、リアリティーを出す為に()努力をしました。
それでも大丈夫な方は、最後までお楽しみください。
ダメな方は、そのままブラウザバックでお願いします。
では、どうぞ。
■
【主な登場人物】
内村 巡人(うちむら じゅんと)
主人公。友達の和斗達と一緒にディズニーランドに行ったが、ひょんな事から『キングダムハーツ FINAL MIX(KHFM)』に挑戦する。
ディクト
巡人と一緒にいる半人半獣(人2:獣3)の黒猫。魔法使いに憧れていて、魔法使いの服装をしている。KHFMに挑戦する巡人に付き合う事になる。面白そうだから。
坂下 和斗(さがしも かずと)
巡人の友達。シューティングが得意。
小賀 匠(こが たくみ)
巡人の友達。落ち着いた性格をしている。
崎本 明(さきもと あきら)
巡人の友達。やや子供っぽく、ディズニーランドを一番楽しんでいる。
小田 蒼樹(このだ あおき)
巡人の友達で、紅菜の双子の兄。紅菜の事になると過剰になる所がある。要はシスコn(ry
小田 紅菜(このだ あかな)
巡人の友達で、蒼樹の双子の妹。明と同じくらい、ディズニーランドを楽しんでいる。
フレイ
炎のエレメント。とても幼い。ディズニーランドに行くのを楽しみにしていた。
コール
氷のエレメント。とても幼い。ディズニーランドに行くのを楽しみにしていた。
ネリア
風のエレメント。冷静で丁寧口調。フレイとコールにとって、お姉さんみたいな存在である。
■
【目次】
Prologue:>>1-3
1st World's:>>4-12
dive to heart:>>4
デスティニーアイランド:>>5-7
トラヴァースタウン:>>8-11
1st World's 後書き:>>12
2nd World's:>>13-27 >>30-33
ワンダーランド:>>13-18
ディープジャングル:>>19-27
Re:トラヴァースタウン:>>30-32
2nd World's 後書き:>>33
Interval:>>34-44
開園前:>>34
シンデレラ城:>>35
BTM(ビックサンダーマウンテン) ファストパス:>>36
エンカウント:>>37
イッツアスモールワールド:>>38
ビックサンダーマウンテン:>>39
ウエスタンリバー鉄道:>>40
トゥーンタウン:>>41
パレード:>>42
スペースマウンテン:>>43
Interval 後書き:>>44
3rd World's:>>47-67
アグラバー:>>47-54
モンストロ:>>55-60
ハロウィンタウン:>>61-66
3rd World's 後書き:>>67
4th World's:>>68-81
ネバーランド:>>68-75
Re:Re:トラヴァースタウン:>>77-80
4th World's 後書き:>>81
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- Interval Part.4 エンカウント ( No.37 )
- 日時: 2017/04/28 21:12
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
ビックサンダーマウンテンのファストパスの有効時間が来るまでに暇があったので、他の場所へ行って、時間を潰す事にした。その途中、ある物を見かける。
明「あっ!何かいる!!(・∀・)」
明が叫んだ。そこに向かって走って行く。フレイとコールも気付いて、
フレイ「ほんとだ!(゜д゜)」
コール「なんだろう!?(゜д゜)」
そう言って、明に続いていった。明が気付いた物。それは……
ネリア「これが、キャラクターグリーティングと言う物ですね。入口辺りでもありましたが、これは一体何なのですか?」
明を追いかけたネリアが、改めてグリーティングの様子を見て、紅菜に聞いた。キャラクターを取り囲む、大勢の人達がいる。明もその中に入っていた。
紅菜「簡単に言うと……」
紅菜が説明しようとすると、
明「こんにちは!一緒に写真撮ってくれても大丈夫かな?(・ω・)」
フレイ「こんにちは!(・ω・)」 コール「こんにちは!(・ω・)」
明がキャラクターに向かってそう言ったのが見えた。
ネリア「……」
ネリアはその様子を無言で見つめる。明もフレイもコールも、笑顔だった。
明「ありがとう!またね!(^ω^)ノシ」
フレイ「ばいばい!(^ω^)ノシ」 コール「ばいばい!(^ω^)ノシ」
明達がキャラクターにそう言って、こちらに戻って来た。
ネリア「……大体、把握しました」
紅菜「うん……(^_^;)」
明をじっ、と眺めるネリア。
和斗「良かったな、明」
明「うん!(^ω^)」
和斗の言葉に、笑顔で答える明。
匠「………」
その様子を、匠は笑みを浮かべて見ていた。それに気付いた蒼樹が、
蒼樹「……楽しそうだね。明君」
笑いながら話すと、
匠「そうだな」
匠は返事をした。
蒼樹は、嬉しそうな明達を見て、ここにいない、しかし、どこかにいるであろう二人の事を気にした。
その頃、蒼樹が気にしている二人は……
ディクト「これって何の意味があるの?」
巡人「主人公……ソラの初期ステータスを決めていたんだよ。『剣』を取れば攻撃力が上がって、『盾』を取れば防御力が上がる。『杖』を取ればAP……アビリティポイントが上がるんだ。逆に差し出せば、差し出した物のステータスが下がる」
ディクト「なるほど……アビリティポイントって?」
巡人「それはまた後で」
ディクト「どうして剣を取って、杖を差し出したの?」
巡人「剣を取ったのは火力を上げたかったから。要はゴリ押しで行くつもり。杖を差し出したのは防御力を下げたくなかったから。APが下がるけど、防御力を下げてすぐに死ぬよりはマシでしょ?」
ディクト「ほう……(・ω・)」
蒼樹がどんな思いで気にしているかを知る事もなく、ゲームを進めていた……。
next to Part.5
- Interval Part.5 イッツアスモールワールド ( No.38 )
- 日時: 2017/04/28 21:16
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
ビックサンダーマウンテンに乗れるまでまだ時間があるので、今度はイッツアスモールワールドに乗った。10分くらい並んだ。
フレイ「わあ……!(*゜▽゜*)」
コール「きれいだね……!(*゜▽゜*)」
ゆったりと流れる綺麗な景色に、フレイとコールは見とれる。
紅菜「そうだね(´ω`) フレイ君、コール君、楽しい?(・ω・)」
紅菜が笑顔で聞くと、
フレイ「うん!(^ω^)」
コール「たのしいよ!(^ω^)」
と、嬉しそうに答えた。明は2匹を撫でながら、
明「良かったね(´ω`) イッツアスモールワールドに乗れて。行く前から乗りたがっていたから……」
と、景色を眺めながら空間独特の雰囲気を満喫する。
和斗「まだビックサンダーマウンテンに乗るまで時間があるし、良い時間潰しになったんじゃないか?」
和斗がそう言うと、明達は頷いた。
その一方で、蒼樹は匠に小声で話しかけた。
蒼樹「……あのさ、匠君」
匠「なんだ?」
蒼樹は一度、明達を見る。こっちが離しているのを気付いていないのを確認して、ついに話した。
蒼樹「巡人君とディクト君はどうしたのかな?さっきからずっといないんだけれど……」
心配そうに、蒼樹は言う。匠は溜め息をつくと、
匠「そうだな。ここに入ってからあの2人を見ていない。何をしているんだか……」
と、まるで巡人とディクトがいない事を分かっていたかのように、呆れ混じりに話した。分かっていたんだね。匠君は。蒼樹が心の中でそう思っていると、匠と蒼樹の間にネリアが入ってきた。
ネリア「私も前から思っていましたが、どこにいるのでしょうか?気配を探ってみましょうか……」
ネリアも気付いていたようだ。既に何回か気配を探った事で、二人がいる場所は把握している。ただ、同時に気にかかる事もあった。蒼樹が「お願い」と言うと、ネリアは頷いて、気にかかる事を確かめながら、巡人とディクトの気配を探った。
一方、ネリアに気配を探られている二人は……
カイリ『それそれ!ソラ、ごくろうさま』
巡人「これで……」
カイリ『あと必要な食料は……』
巡人「ゑ?」
カイリ『木の実を1個』
巡人「」
ディクト「あっはっはっはっははは!!」
巡人「笑うな!」
巡人は素早く木に近づき、木の実を手に入れようとしていた。ディクトは笑い転げていた……。
next to Part.6
- Interval Part.6 ビックサンダーマウンテン ( No.39 )
- 日時: 2017/04/28 21:19
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
ファストパスの有効時間になったので、明達はビックサンダーマウンテンの乗り場まで戻り、ファストパス用の列に並んだ。スタンバイの列よりも早く進む。
明「ファストパスのおかげでスイスイ行けるよ(´ω`) ありがとう匠」
フレイ「ありがとう(´ω`)」
コール「ありがとう(´ω`)」
お礼を言うと、匠は、これくらい当然だ、みたいな顔をした。その隣で蒼樹は紅菜の様子を気にした。
蒼樹「紅菜大丈夫?疲れてない?」
紅菜「大丈夫だよお兄ちゃん。心配してくれてありがとう(´ω`)」
蒼樹「紅菜……///」
妹の「ありがとう」と言う言葉に照れる兄。和斗はそれを見て、少しだけ引きながら、
和斗「うわぁ……相変わらず蒼樹のシスコンぶりが」
出てる、と言いかけた所で、蒼樹が睨んできた。
蒼樹「和斗君。何か言った?('ω')」
和斗は言いかけた口を閉じて、
和斗「いや、何でもない。ビックサンダーマウンテン、楽しみだね、紅菜ちゃん(震え声)」
紅菜「そうだね(´ω`)」
話題をそらす為に、紅菜に話を振ったが、それがいけなかった。
蒼樹「か ず と く ん ?」
蒼樹が圧力を込めて、和斗に詰め寄った。
和斗「ヒイッ……!(´゜д゜`)」
和斗はひたすら、首を横に振った。その一方で……
ネリア「……」
匠「内村とディネクトの居場所は分かったのか?」
地図を広げながら、匠とネリアは巡人達の事を気配で捜していた。
ネリア「さっきから何度も探っていますが……同じです。まだエントランスにいます」
ネリアは地図上のエントランスを指しながら言った。ここに並んでから、何度も二人の気配を探っている。しかし、結果は同じ。エントランスの方から強く感じるままだった。
匠「まだエントランスに?あいつら、何をしているんだか……(-.-;)」
匠は溜め息をついた。ネリアも首をすくめて、
ネリア「分かりません」
と言い、続けて「それと……」と言った。
匠「?」
ネリアは地図から目を離した。そして、
ネリア「……確証が持てないのですが、巡人さんとディクトさんの周りの気配が不安定なのです。人間の気配なのは間違い無いのですが、強くなったり弱くなったりとして……」
それが何を意味しているのか、分からないのです。
二人の気配を探り始めてから気にかかる事を、匠に言った。
ネリアが気にかかる気配の正体……ゲームをしている様子を見ているギャラリーに囲まれている巡人とディクトは、
巡人「これでデスティニーアイランドは終わり。ソラは訳が分からないまま、望まぬ形で故郷から旅立つ事になりましたとさ」
ディクト「うわあ……可哀想に……(´'ω'`)」
巡人「ソラの冒険はここからだよ。ここからなんだから」
とある場所……トラヴァースタウンで、星が消えたのを目撃したドナルドとグーフィーを見ながら、巡人はニヤリとしていた。
next to Part.7
- Interval Part.7 ウエスタンリバー鉄道 ( No.40 )
- 日時: 2017/04/28 21:22
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
ビックサンダーマウンテンに乗った後、ウエスタンリバー鉄道に乗った。本当ならビックサンダーマウンテンの後に、巡人達の様子を見に行こうとしたのだが、アトラクションから出た瞬間に、明がキャラクターを見かけて飛び出し、それを止める為に追いかけ、何だかんだで……と言うより、成り行きで今に至る。
明達は景色に夢中になっている。匠とネリアは、今は、流れる景色に身を任せる事にした。
鉄道から降りた後、すぐに、
ネリア「巡人さんの様子を見に行きましょう」
ネリアがついに切り出した。
匠「ああ。俺も同じ事を考えていた。ずっとエントランスにいるんだろ?あいつらの事だ。同じ場所に居続ける理由が絶対にある」
確信したように、匠は答える。そこへ、蒼樹がやってきた。
蒼樹「匠君。何の話をしてるの?」
二人は蒼樹の方を向く。ちょうど良かった。匠はそう思いながら、
匠「蒼樹か。これから俺とネリアでいつまで経っても来ない二人の様子を見に行く。その間、崎本達の事を頼んだ。坂下達にも話しておいてくれ」
蒼樹にそう言った。蒼樹はキョトンとする。が、「いつまで経っても来ない二人」と聞いて、
蒼樹「え?二人って……巡人君とディクト君?」
ここにいない二人の名前を言うと、ネリアは頷いた。
ネリア「その通りです。私達がいない間の事、頼みます」
そして二人は、エントランスの方の道を走って行く。蒼樹は二人に何か言いかけるが、その時には声が届かないくらいに離れてしまっていた。
蒼樹「……分かった。気をつけてね」
行ってしまった二人に対して、届かない返事をする。その後ろで、
紅菜「お兄ちゃん!早く早く!」
紅菜が自分の事を呼んでいた。
蒼樹「紅菜!今行くよ!」
蒼樹は振り返り、紅菜達の方に向かう。
蒼樹(巡人君とディクト君、エントランスで何してるんだろう?匠君とネリアさんの事は後で紅菜と和斗君達にも話しておかないと……)
そう、頭の中で考えながら……。
ちなみにこの後、巡人とディクトがいない事と、匠とネリアが二人の様子を見に行った事を話したら、
和斗「あっ。言われて気付いた(´・ω・`) 巡人とディクト、いないじゃん(´・ω・`)」
明「いつからいなかったの?てっきりいるかと思ったのに……(´・ω・`)」
フレイ「じゅんと、どこにいるの?(´・ω・`)」
コール「でぃくともどこにいるんだろう?(´・ω・`)」
紅菜「どこに行っちゃったのかな……?」
みんな、二人がいない事にやっと気付き、それぞれ心配そうに言った。しかし、
明「でも、匠とネリアが捜しに行ってくれているから、大丈夫だよね(´ω`)」
と、匠とネリアの名前が出てくると、
和斗「それもそうだな」
フレイ「そうだね(´ω`)」
コール「どこにいく?」
紅菜「どこに行ってみたい?」
最初に心配していた声はどこへやら、コールと紅菜は次にどこに行こうかと言う話で盛り上がった。
蒼樹「……」
蒼樹は何も言わなかった。いや、何も言えなかった。
そして、ようやく気付いて貰えた二人はと言うと……
巡人「アビリティピアス……1マニー足りない……!!(´;ω;`)」
ディクト「くっそwwwwくっそwwwwww」
トラヴァースタウンクリア後、アビリティピアスを買おうとしたが、1マニー足りなかった。諦めて、すぐ近くのセーブポイントでセーブ。
巡人「これでトラヴァースタウンはおしまい……」
ディクト「まだアビリティピアスの事を引きずってるの?お金を貯めれば買えるんだから我慢しなよ……」
巡人「そうだけと……そうだけれど……!」
泣きそうな声で悔しさを惜しみなくだすが、こればかりはどうにもならないので、泣く泣くセーブポイントからグミシップに乗った。
そしてこの後、ワンダーランド攻略中に、この二人を捜しに行った二人が来る事になる。
だが、この時点での二人は、そんな事が起こるなど、微塵も思わなかった……。
next to Part.8
- Interval Part.8 トゥーンタウン ( No.41 )
- 日時: 2017/04/28 21:26
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: v2BiiJyf)
トゥーンタウンへ行きたいと、コールは言い出した。続いて、フレイも行きたいと言い出したので、じゃあ行こう、となった。
フレイ「たのしいね!」
コール「おもしろい!」
蒼樹「フレイ君、コール君!あんまり僕達から離れちゃダメだよ!」
蒼樹が注意する。2匹は蒼樹に飛び込んで、笑顔で蒼樹を引っ張って行った。和斗と明は苦笑いしながら、紅菜は楽しそうで良かったと思いながら、蒼樹達を追いかける。
そうして、しばらくこの辺りであちらこちらと時間を潰していると、匠とネリアがやって来た。ネリアの気配探知でここまで来たらしい。
明「あ!匠!巡人達はどうだったの?」
明が聞く。
匠「さっき話をした。最後までやると、本気で言っていた」
ネリア「ディクトさんも、最後まで巡人さんの傍にいると言いました」
二人はそれぞれ答えた。その後、巡人とディクトは何をしていたのか、淡々と説明する。全部聞き終えて、
和斗「そっか……。あの二人らしいな」
蒼樹「そうだね。巡人君とディクト君なら、きっと最後までやってくれるよ」
和斗と蒼樹は納得したように、そう言った。
匠「内村には、やるからには最後までやれと言ったからな」
匠は目を伏せながら言う。
ネリア「私もディクトさんに、最後まで巡人さんの事を見て上げて欲しいと言っておきました」
ネリアも、ディクトとのやり取りを思い出しながら、そう言った。明は何度も頷いていたが、何かを思い付いたように、全員に話した。
明「そうなんだ……ねえみんな」
紅菜「なに?」
フレイ「?(・ω・)」 コール「?(・ω・)」
明「巡人がどんな様子なのか、見に行ってもいい?」
匠は少し考える。そして、
匠「そろそろ何か食べないか?腹も空いているだろ。内村に会いに行くのはその後でも間に合う」
とだけ言い、食べ物を売っているお店へ向かって行った。ポカンとする明。明だけでは無い。和斗も蒼樹も、紅菜もフレイも、コールも、ネリアも、首をかしげた。
明は自分のお腹をさする。そう言えば、ここに来てからお昼ご飯を食べてない。
明「お腹空いた……」
匠が言った意味をやっと理解した明は、匠についていった。後から和斗達もお腹が空いた事に気付いて、明に続くように食べ物の店へと向かった。
ある程度お腹を落ち着かせた明。フレイとコールはご飯を食べ終わってすぐに蒼樹と紅菜を連れて遊びに行った。匠とネリアは明に500円ずつ渡す。
明「これは?」
匠「あの二人の事だ。どうせ飲まず食わずでやるつもりだろうから、何か食べ物でも買って、持って行ってやれ。お釣りはお前にやる」
ネリア「私達からの差し入れと言っておいてくださいね」
二人は笑顔を浮かべて、明にお使いを頼む。明は頷いて、
明「じゃあ、行ってくるね!」
と、椅子から立って、行こうとした。
匠「崎本」
匠は明の事を呼び止めた。明は止まり、こっちを向く。
匠「内村とディネクトに伝えてくれ」
ネリア「私からもお願いします」
明「……分かった。何て言えば良い?」
匠とネリアは目を閉じた。一呼吸して、目を開けて、
匠「金は後で俺に払え」
ネリア「タダで貰えるなんて思わないでください」
明「」
匠「頼んだ。行ってこい」
ネリア「行ってらっしゃい。お気をつけて」
明は複雑な表情を二人に見せ、トゥーンタウンの外へと向かって行った。途中で、屋台でチュロスを買う。先へ進むと、グリーティングしているキャラクターに遭遇する。明に近付いてくるが、「ごめんね。友達の所に行かなきゃいけないんだ。でも……」と言って、握手だけして、お礼を言って去った。
ワールドバザールに着き、数ある食べ物のお店の一軒に入り、ホットドッグを買った。ワールドバザールを抜け、エントランスに辿り着く。
同時に、これまたグリーティングしているキャラクター……悪そうな顔のオオカミと王様らしい服を着ているライオンとほぼゼロ距離で目が合い、明は驚いて声をあげた。何してるんだ?と仕草で聞かれるが、「この辺りにいる友達に会いに来たの」と言うと、何度も頷いた後に何故かそれぞれが片方ずつの手を掴まれて、ギャラリーがいる所まで一緒に歩く事になった。明は首をかしげたが、「まあいいか」と、成り行きに任せる事にした。
ぐるっと半周した辺りで、ここか?と仕草で聞かれる。ギャラリーが集まっている場所だった。その先に、あの二人がゲームをしているのが見える。明は頷いた。相手は、行って来い、とライオンは仕草をして、オオカミが明の背中を押した。
明「ありがとう。行ってくるよ!」
笑顔で手を振りながら、巡人のいる方へ向かった。相手も手を振ってくれた。明は前を向いて、ギャラリーの間に入る。少しもみくちゃにされたが、一番前まで着いた。買った食べ物を確認する。無事だった。深呼吸する。そして、
明「巡人!」
キャストの制止に気付かないまま振り切るように、巡人のもとへ駆け付けた。
ちなみに、差し入れしたホットドッグとチュロスは喜んでくれたが、匠とネリアの伝言を伝えると、巡人とディクトは固まった。後ろからドッと笑い声が聞こえる。二人が固まる気持ちは分かるが、どこに笑える要素があったのかまでは分からなかった……。
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