二次創作小説(新・総合)

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推しキャラの食卓
日時: 2021/04/19 17:06
名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: pRqGJiiJ)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

私の推しキャラが好物を食べまくる、ただ、それだけのお話です。
少しでも空腹になってくれましたら作者としてこれ以上嬉しいことはありません。

Re: 推しキャラの食卓 ( No.36 )
日時: 2021/09/07 18:00
名前: モンブラン博士 (ID: UB7mX/Qq)


メトロン
「ようこそ優木せつ菜。なんなら中須かすみも呼んだらどうだい」
せつ菜
「あなたはメトロン星人!? どうして地球に」
メトロン
「ハッハッハ。君に会う為にやって来たのさ。私は君のファンだからね」
せつ菜
「ありがとうございます! 嬉しいです!」
メトロン
「君の笑顔が見れて私も嬉しいが、ファンとしてひとつ苦言を呈したい」
せつ菜
「な、なんですか!?」
メトロン
「君は歌も上手い、ダンスもキレがある。容姿も可憐だ。しかし、料理がマズいというのは頂けない」
せつ菜
「私の料理が・・・・・・ですか?」
メトロン
「君は料理を作る際に味見をしたことは」
せつ菜
「いえ、ありません」
メトロン
「成程。それで合点がいったよ。同好会の仲間は優しいから誰も指摘しないのだろうが、私ははっきりと告げさせてもらう。君の料理は食えたものじゃない」
せつ菜
「!?」
メトロン
「この前、私は君が作ったスープを飲んだことがある。
気味の悪い紫色のスープだ。見た目が悪くとも味が良ければ問題ないと思ったが、あの味は人間が食べたら卒倒するほど不味い」
せつ菜
「・・・・・・」
メトロン
「おそらく君は調理の際に無茶苦茶に調味料を投入するのだろう。
相性も考えず隠し味を入れれば旨くなるという単純な発想をしているね」
せつ菜
「申し訳ありません! 私の料理のせいであなたに不快な思いをさせてしまって!」
メトロン
「口で謝ったとしても、君が真に理解しているかどうかは私には分からない。
だから君の舌で体験してもらうことにする」
せつ菜
「これは!?」
メトロン
「君の料理を私なりに完全再現した。特製スープだ。食べてみたまえ」
せつ菜
「い、いただきます。ゴクッ」
メトロン
「どうだね、味の方は」
せつ菜
「・・・・・・(パタリ)」
メトロン
「気絶してしまったか。そうだろうねえ。これに懲りたら料理の腕を磨くことだ。
ハッハッハッハッハッハ!」

Re: 推しキャラの食卓 ( No.37 )
日時: 2021/09/07 18:04
名前: モンブラン博士 (ID: UB7mX/Qq)


可可
「ぱくっ!」

「あっ・・・・・・」
可可
「どうかしたデスか。恋々?」

「苺は最後に食べようと残していましたのに・・・・・・(ガーン)」
可可
「それは失礼しまシタ。恋々が中々ショートケーキの苺を食べようとしないものですから、もしかして嫌いなのかなと思いまして・・・・・・」
すみれ
「よくあるパターンよ、それ」
可可
「恋々、ごめんなさいです」

「いえ、もういいのです。可可さんもわざとやったわけではありませんし。
それに元を辿れば勘違いされるような食べた方をした私が悪いのですから」
かのん
「恋ちゃん・・・・・・」
千砂都
「ういっす! みんな、これ見て!」

「苺のホールケーキ、ですか」
千砂都
「そう! 完璧にまん丸なケーキをさっき理事長から貰ったんだ。
部活頑張っているからご褒美にって」
すみれ
「美味しそうったら美味しそうじゃない」
千砂都
「でしょー?」
かのん
「じゃあ、私が切り分けるね」

~間~


「あの、私だけこんなにたくさん、いいのでしょうか?」
かのん
「もちろんだよ、恋ちゃん」
可可
「あ、可可の苺あげますね」
すみれ
「私のもあげるわ。ダイエット中なのよ」
千砂都
「私のもどうぞ!」

「みなさん、ありがとうございます!(ウルウル)
はむっ! とっても美味しいです!」

Re: 推しキャラの食卓 ( No.38 )
日時: 2021/09/07 18:08
名前: モンブラン博士 (ID: UB7mX/Qq)


平安名すみれはクレープが好きだった。
学校が終わってから、このところ毎日のようにクレープ屋に足を運んでいる。
店のクレープは殆ど食したこともあり、自分の味の好みがわかってきた。

「苺クレープをひとつ頂きます」

凛とした口調で注文し、お金を払って店を出る。
家に帰ってから食べる選択もあるが、すみれは我慢ができなかった。
一目も気にすることなく、あむっとクレープに噛みつく。
ふんわりとホイップしたクリームに苺の甘酸っぱい香り。そして薄くて柔らかな生地。様々なクレープを食べ比べてたどり着いた自分好みの味。

「そうよ。これよ、これが食べたかったのよ!」

自分の感情を声に出し、無我夢中で食べ進める。
好きなものを好きなだけ食べられる。それがいかに幸せなことであるか。
すみれは改めて思った。
代々木公園を歩いてスカウトを待つのも良いとは思う。
けれど、たまには打算抜きで純粋に好物を食べたいではないか。
それが青春というものであり、すみれも青春真っ盛りのひとりの少女なのだ。
常に高飛車で高圧的な言動もあるかもしれない。けれど内面はごく普通なのだ。
ご満悦でクレープを食べていると、横からにゅっと手が伸びてきた。

「きゃああっ!」

突然に目に飛び込んできた腕に飛びのいたので、その人物の全体像が見えた。
白い髪を両端でシニヨンで纏めた少女、嵐千砂都だった。
入学式の時に音楽科の列に並んでいたのをすみれは覚えていた。
千砂都は目の前にハンカチを突き出し、笑顔で言った。

「鼻にクリーム付いてるよ?」
「こ、これは偶然! 偶然ったら偶然よ!」

乱暴にハンカチを取って鼻を拭く。
そしてぶっきらぼうに突き返すと踵を返して歩き出した。
すみれは穴があったら入りたいほどに恥ずかしかった。
同じ学校の生徒に自分の素を見られたのだから、一刻も早くこの場を去りたかったのだ。ところが、千砂都は「おーい」と声をかけて自分に向かって走ってくるではないか。

「私に何か用なの!?」
「んー、別に用ってわけじゃないけど・・・・・・同じ結ヶ丘に通う生徒として仲良くしたいなあって思って。私は嵐千砂都!」

屈託のない笑顔を浮かべる千砂都にすみれは対抗意識を剥き出しにした悪意のある笑みで、差し出された手を握り返す。

「平安名すみれです。よろしく」
「こちらこそ、よろしくね!」

かなり強く握り返したはずなのに千砂都の表情は微塵の変化も見られない。
まさか、稀に見る痛覚のない人間なのか。そうでなければ痛みを感じないはずがない。それに、これだけ強く握れば並の人間ならば嫌悪感を抱き、去っていくはず。なのになぜ、千砂都はさっきからニコニコ笑っているのよ。
予想外の千砂都の反応に動揺し、様々な思考を巡らせていると、千砂都はすみれの腕を掴まえ、いきなり走り出した。

「ちょ、ちょっとどこへ行くのよ!」
「ついてからのお楽しみ!」



くるくると丸められていく生地を、すみれはジト目で眺め続ける。
千砂都が連れてきたのはワゴン形式のたこ焼き屋で、千砂都はそこでバイトをしているとのことだった。

「なんで私がこんなところに・・・・・・」
「お待ちどおさま!」

千砂都が満面の笑みで差し出したのはボート形のパックに入れられた六個入りのたこ焼きであった。

「美味しいから、食べて食べて!」

すみれはあまり気は進まなかったが、無料で食べても良いと言われたことと、青海苔と鰹節の香りに若干食欲を刺激され、何気なく爪楊枝で刺して、口に運ぼうとする。完璧な丸を描いた炭水化物。食指はそこまでわかないが、一個くらいなら食べてみなくもなくないか。
軽い気持ちで口に放り込んだ瞬間。

「美味しい~!!」

それはすみれが今まで食べたたこ焼きの中では一線を画していた。
フワフワでトロットロの生地にキャベツの甘味にタコの歯ごたえ。全てが完璧なバランスで調和されており、絶妙なハーモニーを奏でている。
すみれは千砂都の腕を取り、一気にまくし立てた。

「アンタ、天才よ! こんなに美味しいたこ焼き食べたことないわよ!
まさにギャラクシーな味と言っても過言ではないわね! この平安名すみれが保証したんだから間違いないわよ!」
「アハハハ。ありがとうね」

すみれのあまりの勢いに少しだけ脂汗を浮かべて愛想笑いを浮かべていた千砂都だが、褒められたことは素直に嬉しかった。
綺麗に完食したすみれは長い髪を靡かせ、颯爽とした足取りでその場を去ろうとする。その後ろ姿は夕陽の光に照らされ、一種の神々しさを発していた。
彼女の体の奥底から流れるオーラを第六感が察知した千砂都は去り行くすみれの背に声をかけた。

「すみれちゃん、スクールアイドルやってみない?」

すみれの返事はない。その代わりフッと微笑んで見せたのだった。

おわり。

Re: 推しキャラの食卓 ( No.39 )
日時: 2021/09/07 18:12
名前: モンブラン博士 (ID: UB7mX/Qq)

「おはようデス! かのん、遊びに来たのデス!」
「おはよう、可可ちゃん。今日も元気だねえ」
「アイスココアください。ストローは2つつけてほしいデス!」

かのんの家に遊びに来た可可は4人用の席に腰かけると、ココアを注文しました。どうしてストローを2つ頼んだのかとかのんが疑問に思いながらも、言われた通りに冷たいココアを運びました。すると、可可は笑顔で手招きをして。

「かのんも一緒に座りましょう」
「わかったよ、可可ちゃん」

席は4人用なのでかのんは隣の席に座ることができます。
2人並んで座りますと、可可は言いました。

「かのんも飲むのデス!」

笑顔で語る彼女にかのんは赤面してしまいました。
1つのココアを2人で飲むなんて、まるで恋人みたいではありませんか。
少し気恥ずかしさを覚えながらも、可可なりの遊び心だと解釈して一緒に飲み始めます。冷たいココアの甘くて少しビターな味と香りが口の中に広がり、暑い夏ということも手伝ってさながらオアシスのように感じられました。
チュルチュルと同時に飲み始めたココアはあっという間になくなってしまいました。

「うーん、旨い! もう一杯デス!」
「古い言葉を知っているんだね、可可ちゃん」

おわり。

Re: 推しキャラの食卓 ( No.40 )
日時: 2021/09/07 20:10
名前: モンブラン博士 (ID: UB7mX/Qq)


今日は休日。
かのんは可可のマンションで一緒に餃子を作って食べることにしました。
豚の挽肉に醤油や塩、砂糖などで味を整え、みじん切りにしたニラや白菜などと一緒に混ぜて練っていきます。

「楽しいデス!」
「そうだね。ところで可可ちゃん、ちょっと気になっていたんだけど、にんにくはいれないの?」
「具には使わないデス」

かのんは餃子と言えばにんにくは必ず入れるものだと思っていました。
けれど今回はどうやら違うようです。いつもとは異なる餃子になるであろうことを予測して、かのんは内心ワクワクしていました。
具だくさんの餡と薄くて白い餃子の皮が完成し、ふたりは具が皮からはみ出ないように注意しながら、美味しくなるようにと願いを込めて丁寧に包んでいきます。
そして油をしいたフライパインに餃子を入れて蒸し焼きにします。
しばらくすると香ばしい香りが部屋一面に漂ってきました。
蓋を取りますと、白い湯気と共にパリパリに焼けた餃子が現れました。
かのんは汗を拭きながら、小さな皿を用意しました。

「これにラー油を入れるんだよね」
「違いますよ、かのん」

チッチッチと指を振る可可にかのんは不思議そうに首を傾げました。
すると、可可が冷蔵庫から取り出したのはニンニクです。

「今からコレでタレを作りマス!」
「え!?」

見たことも聞いたこともない発想にかのんが仰天していますと、可可は特大のにんにくをすりおろし器で皮をむいてから擦りおろし、ラーメン屋さんのトッピングでもよく見かける擦りニンニクを作ってしまったのです。
小皿に盛りつけられた擦りニンニクの山は匂い的にもインパクトがあります。
向かい合ってテーブルに腰を下ろし、いざ、実食です。
かのんは汗が流れ、唇は緊張で震えています。
ニンニクのタレなど聞いたこともない代物です。
本当に美味しいのだろうかと怖さ半分面白さ半分の心境です。
上目遣いで可可を見ると、彼女は美味しそうにパクパクと食べています。
かのんもつられて、勇気を振り絞って食べてみました。
にんにくの強烈な味と匂いが真っ先に襲い掛かってきますが、その後には餃子のパリパリ感、具のニラの香ばしさ、肉汁の旨味などがハーモニーを展開してきます。少し癖は強いかもと思いましたが、これまでに体験したことのない新鮮な味わいなのです。

「美味しいよ、可可ちゃん! こんな食べ方もあるんだね!」
「喜んでもらえて嬉しいデス」
「私、こんなにたっぷりニンニクを食べたの初めてかも」
「ニンニクには栄養がたっぷり詰まっているのデス。食べれば食べるほど、元気がモリモリ沸いてくるのデス!」
「でも、これを食べた後にステージは立てないね」
「だからこそステージがない日に食べる背徳の一品なのデスよ」

自慢気に語る可可をかのんは微笑ましく見つめました。
とある休日のふたりだけの餃子パーティ。この日もまた、かのんにとって忘れられない青春の一ページとなることでしょう。

おわり。


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