二次創作小説(新・総合)

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推しキャラの食卓
日時: 2021/04/19 17:06
名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: pRqGJiiJ)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

私の推しキャラが好物を食べまくる、ただ、それだけのお話です。
少しでも空腹になってくれましたら作者としてこれ以上嬉しいことはありません。

Re: 推しキャラの食卓 ( No.31 )
日時: 2021/09/07 17:29
名前: モンブラン博士 (ID: UB7mX/Qq)

得意気に穂乃果さんが差し出したのは1個のチーズ饅頭でした。
穂乃果さんの家は地元でも有名な和菓子屋さんで、
穂乃果さん自身も和菓子を作るのには慣れています。
けれど、普段は寝坊ばかりしている彼女が早起きして自分の為に手作りの饅頭を作ってくれたことが、ことりさんにとっては何よりも嬉しいものでした。
できることなら感謝の気持ちをそのままにお饅頭を保存しておきたいという考えも頭を掠めましたが、そうもいかないので、ことりさんはこんなことを切り出しました。

「穂乃果ちゃん、ありがとう。あのね、このお饅頭、3人で分けて食べてもいいかな?」
「ええーっ、これはことりちゃんの為だけに作ったんだからことりちゃんだけ食べてよぉ! せっかくのお誕生日なんだから!」
「穂乃果ちゃん、お願ぁい!」

目を潤ませて懇願する頼みを穂乃果ちゃんが断れるはずがありません。
少し肩を落として言いました。

「もう、ずるいよ。ことりちゃんは」
「ウフフフフッ」
「海未ちゃん、なんで笑ってるの?」
「いえ、なんでもありませんよ」

クスクスと笑いながら海未さんは心の中で言いました。
今のやりとり、まるで昔のことりと私の会話を思い出しますね。

「それじゃあ、分けるね」

ことりさんは細い指で崩さないように注意しながら、饅頭を3つに分けました。

「いただきます!」

もちっとした饅頭の皮を噛むと、中からとろりとした甘いチーズクリームが溢れ出てきます。
普段の粒餡とは異なる濃厚なチーズの味が楽しめる一品となっており、チーズが大好きなことりさんにとっては何よりも嬉しいプレゼントでした。小さなひとかけらではありますが、3人で分け合うことでその味わいが何倍にも広がっているのです。
大好きな友達と一緒に笑顔でお饅頭を食べる。
ささやかながらも、こんなお誕生日のお祝いがあってもいいかもしれないと、ことりさんは思うのでした。

Re: 推しキャラの食卓 ( No.32 )
日時: 2021/09/07 17:34
名前: モンブラン博士 (ID: UB7mX/Qq)

七里
「・・・・・・」
千砂都
「・・・・・・」
七里
「・・・・・・」
千砂都
「ご注文、何にしますか?」
七里
「・・・・・・」
千砂都
「えっと、答えてくれないと少し困るな~なんて思ったりして」
七里
「・・・・・・」
千砂都
「私のお店のたこ焼きは完璧なまん丸で味も美味しいって評判なんだよ!」
七里
「・・・・・・自画自賛」
千砂都
「見た目に似合わず結構毒舌だねえ」
七里
「・・・・・・たこ焼き」
千砂都
「おっ、食べる気になった? やっぱりお腹空いていたんだね」
七里
「・・・・・・」
千砂都
「どれぐらい食べたい?」
七里
「・・・・・・百個」
千砂都
「百個!? いくら何でも食べ過ぎじゃない!?」
七里
「・・・・・・」(札束を出す)
千砂都
「うっ、すごいお金持ち(汗)」
七里
「・・・・・・早く作れ」
千砂都
「はいはい、ちょっと待っててね」

~間~

千砂都
「はい、たこ焼きだよ。おまちどうさま!」
七里
「・・・・・・」
千砂都
「冷めないうちに召し上がれ!」
七里
「・・・・・・ご馳走様」
千砂都
「もう食べたの!? 早すぎない!?」
七里
「・・・・・・お代わり」
千砂都
「ちょっと、嘘でしょ!?」
七里
「・・・・・・客は神様」
千砂都
「それいっちゃうんだ。うわぁ(汗)」

結局この日は七里の為だけに五百個ものたこ焼きを作り、さすがの千砂都も疲労でダウンしてしまった。
無表情で淡々と食べ進め、平然とかえっていく七里の後ろ姿を眺め、千砂都はぼやいた。

千砂都
「なんだかちょっと怖い子だったなぁ」

Re: 推しキャラの食卓 ( No.33 )
日時: 2021/09/07 17:39
名前: モンブラン博士 (ID: UB7mX/Qq)

空が山吹色に染まった夕方のことでした。
空腹を覚えた七里由馬さんは薙刀部の練習の帰りにコンビニに寄って、空腹を満たそうと考えました。お金持ちのお嬢様ですから金銭面には問題はないのですけれど、七里さんは他人が驚愕するほどの底なしの胃袋を持っていますから、それを満足させるのはそれこそ大変なことなのです。他人に迷惑をかけてはいけないということを自覚しつつも大量に食べてしまう自分を恥じながら、それでも欲求は抑えきれず、足は自然とコンビニへと向かっていました。

Re: 推しキャラの食卓 ( No.34 )
日時: 2021/09/07 17:49
名前: モンブラン博士 (ID: UB7mX/Qq)

見慣れたコンビニの自動ドアが開くと、コンビニ独特の白く強い電灯の光が彼女を歓迎します。薄暗い道からの突然の光を浴びても七里さんは眉ひとつ動かさず平然としていました。買い物かごを手に取ると、特に考えもなしに次々と商品を詰め込んでいきます。おにぎりを十二個、ジャムパンやアンパン、焼きそばパンなどの総菜パンを十個、コンビニの定番のケーキ類を二十個に、お弁当を五個も詰め込み、会計に向かいます。無言で買い物かごを突き出す七里さんに定員は思わず息を飲みました。誰がどう見ても目の前の華奢な少女がひとりで食べる分には多すぎます。家でパーティーか何かをするのだろうと考え直し、多少動揺しつつも会計を進めていきます。
五千円札を渡してお釣りを受け取ってから、コンビニ袋ふたつ分の少量を両手に下げてコンビニを後にします。
その途中、幾度もお腹の虫が鳴りました。年頃の七里さんには誰かに腹の音を切られることはやはり耐え難いことでした。空腹を我慢して家に戻るには限界が近づいています。非常事態と受け止めた七里さんは近くのバス停のベンチに腰を下ろし、袋から食べ物を出してから、無我夢中で食べ始めました。
おにぎりをぱくぱく、パンをむしゃむしゃ。箸を使って弁当箱を空にして、今度はケーキにとりかかります。
運動をした後の糖分補給のありがたさは読者諸君にもよくご存じの方もいるのではないでしょうか。口元にクリームをつけながらケーキをぱくつき、気づいた時には全ての手持ちの食べ物を綺麗に完食していました。時間にして五分もかからぬ驚異的な早業です。
バスを待っていたおじさんが近づき、声をかけました。

「お前さん、凄い食べっぷりだなあ」
「・・・・・・」
「口にクリームが付いているぞ」
「・・・・・・ありがとう」

短く礼を言って口を桃色のハンカチで拭き取ってから、腰を上げました。
オレンジ色の夕焼け空はいつの間にか黒が混じり、夜に近づいていました。
早く帰らないとお父様やお母様に心配をかける。それはいけない。
空になった袋や箱を纏め、軽くなった荷物を手に帰路を急ぐのでした。
今夜の夕食は大好物の豚丼かな。それともカレーかラーメンか。
お嬢様でありながら庶民派な食べ物は想像しながら、足を進めます。
いつもより少しだけ早い間食の時間。このあとには夕食が待っています。
少しだけ背徳を感じながらも、空腹が癒えた達成感を抱えながら、七里さんは微笑するのでした。

Re: 推しキャラの食卓 ( No.35 )
日時: 2021/09/07 17:55
名前: モンブラン博士 (ID: UB7mX/Qq)


「あれぇ? しず子、ピーマン食べないんですかぁ?」
「しずくちゃん、好き嫌いはよくない」
「・・・・・・」

桜坂しずくさんは愛想笑いを浮かべて、目の前に置かれた皿を見つめます。
額には脂汗が出てきて明らかに動揺していることが見て取れました。
青椒肉絲の中には刻まれたピーマンがたっぷりと入っているのです。
桜坂さんはピーマンの苦みが嫌いでした。なので、これまで食べるのを避け、誰かに弱点がバレてはいけないと隠し続けてきたのですけれど、先日、上原歩夢さんと優木せつ菜さんと一緒にシチューと野菜サラダを作った時に知られてしまったのです。
そして現在、中須かすみさんと天王寺璃奈さんに詰め寄られています。
ふたりはスプーンで青椒肉絲を掬い、しずくさんに差し出してきます。
右を見ても左を見てもスプーンの中には大量のピーマンが!

「しず子、あーん」
「しずくちゃん、口開けて」
「あの、私、ピーマンは食べられないんです」
「問答無用! うりゃっ!」
「はむっ!」
「こっちも食べて」
「あむっ!」

半ば無理やり食べさせられた桜坂さんでしたが、ピーマンの柔らかさと肉の旨味にコーティングされて独特の苦みが薄まっていることに気づきました。

「あれ、苦くない・・・・・・」

少し驚いていますと、中須さんが腹黒く笑って言いました。

「ふっふっふ。このお店の青椒肉絲は絶品なんだよ」
「しずくちゃんも食べられる」
「というわけで――どんどんいってみよう!」
「ちょ、ちょっと、かすみさん、天王寺さん、うわあああああああっ!」

桜坂さんの制止は効果なく、そのまま青椒肉絲を全部食べさせられるのでした。


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