二次創作小説(新・総合)

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推しキャラの食卓
日時: 2021/04/19 17:06
名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: pRqGJiiJ)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

私の推しキャラが好物を食べまくる、ただ、それだけのお話です。
少しでも空腹になってくれましたら作者としてこれ以上嬉しいことはありません。

Re: 推しキャラの食卓 ( No.26 )
日時: 2021/09/07 14:45
名前: モンブラン博士 (ID: UB7mX/Qq)

この日が訪れるのをずっと待ち望んでいただけに、喜びは人一倍大きなものがありました。
鼻歌を歌いながらパジャマから制服に着替え、頭に「とさか」を作って学校の準備をします。
家ではこの髪型はしないのですけれど、外に行くときは必ずセットするように、ことりさんは心がけていました。
小さい時から「とさか」を作ると、自分の中に勇気が湧き出てくるのです。
ことりさんは胸に手を当ててから目を閉じて、幼い日のことを回想します。

Re: 推しキャラの食卓 ( No.27 )
日時: 2021/09/07 14:51
名前: モンブラン博士 (ID: UB7mX/Qq)

穂乃果ちゃんと海未ちゃんと出会ったあの日も、「とさか」を付けて幼稚園に行ったんだよね。
穂乃果ちゃんに「そのかみのけってどうなってるの?」って疑問を投げかけられて、友達になるきっかけにもなったのだから、ことりはこの髪型が大好きです。
深呼吸をして再び目を開けると、ことりさんは心が晴れ晴れとした気分になるのを感じるのでした。

「今日がことりにとって幸せな一日になりますように」

神様にお願いをして、1階の食卓に降りていきます。

「ことり、お誕生日おめでとう」
「ありがとう、お母さん」

いつもとは異なる朝の挨拶をしただけですが、ことりさんは目が潤んできました。
悲しいわけではないのに涙が溢れてくるのです。

「おかしいな。どうして涙が出るんだろう」
「きっと嬉し涙ね」
「うん。ことりもそう思う」

Re: 推しキャラの食卓 ( No.28 )
日時: 2021/09/07 14:58
名前: モンブラン博士 (ID: UB7mX/Qq)

涙を拭いて椅子に腰を下ろしてから朝食を摂ります。
南家は基本的に朝はパンと牛乳で軽く済ませるのが普通でしたが、この日はほんの少し違っていました。テーブルの上に置かれた白い皿にはバターをたっぷりと使った熱々でふわふわのパンケーキがあるのです。
最初に無二の親友と出会った頃を思い出さずにはいられない、母親からの粋な朝食にことりさんは感激しました。
フォークで突きさし、口に運んでぱくり。
ふわふわで柔らかな生地に口の中に入れると、牛乳の優しい甘さが溶け込んできます。
その美味しさはことりさんがこれまで食べたどのパンケーキよりもダントツでした。

「ご馳走様でした。ありがとう、お母さん」
「行ってらっしゃい」

母は優しく手を振っていつも通り娘を見送るのでした。
ことりさんのお母さんはオトノキの理事長を務めていますが、娘を送り出してから出勤することにしていました。あえて時間をズラすことで、娘に余計なプレッシャーをかけずに学校生活を謳歌して貰いたいという母親なりの配慮なのです。

Re: 推しキャラの食卓 ( No.29 )
日時: 2021/09/07 15:04
名前: モンブラン博士 (ID: UB7mX/Qq)

季節は秋の到来を報せるかのように、ほんの少しだけ肌寒くなってきました。
これから先はちょっとだけ厚着をしなくちゃとことりさんが思っていると、彼女の周りを囲むかのように、たくさんのスズメが集まってきました。
スズメたちはことりさんが時たま手作りお菓子を鞄の中に隠していることを覚えていたのです。

「ことり、今日は何も持ってないから~!」


やんやんと言いながら女の子走りでスズメの追っかけから逃げるようにして、校門をくぐりました。
走ってきたことで額には薄っすらと汗が滲んできました。ことりさんは汗かきなものですから、少し運動しただけで大量の汗をかいてしまうのです。もしそうなっても大丈夫なようにと、常に携帯しているハンカチで汗を拭ってから、気持ち的にゆっくりとした足取で教室へと向かいます。

Re: 推しキャラの食卓 ( No.30 )
日時: 2021/09/07 17:13
名前: モンブラン博士 (ID: UB7mX/Qq)

自分の席に腰かけてから、可愛いものをアレコレと想像する時間がことりさんは好きでした。
カラフルなマカロンや履くと気持ちのいい5本指ソックス。
それから大好きなチーズケーキ。
ことり、もちろんケーキはどんなものでも好きだけど、その中でも1番好きなのはチーズケーキです。
甘いマジパンの生地にチーズの独特の香りが相性抜群で、想像するだけでお腹が空いてきちゃいます。
心の中で語ってうっとりと妄想の世界に入り込みます。

「ことり、何をしているのですか?」
「はうっ」

不意に声をかけられたのでことりさんが我に返りますと、怪訝そうな顔をしている園田海未さんがいました。
あうあうと言葉に詰まっていますと、海未さんはにっこりと笑って。

「ことり、お誕生日おめでとうございます」
「ありがとう! 海未ちゃん!」

お礼を言った直後に教室の扉がバーンと開いて、高坂穂乃果さんが勢いよく入ってきました。

「海未ちゃんことりちゃんおっはよう! それから、ことりちゃんお誕生日おめでとう!
私ね、ことりちゃんのお誕生日に何あげようーって昨日からずっーと考えていたんだ。そして、決めたよ!」


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