二次創作小説(新・総合)
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- スマブラ戦記 〜Past・SEVEN〜(完結)
- 日時: 2021/09/25 10:50
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
【スマブラ戦記始まりの物語】
どうもメタルメイドウィンです。
全ての始まりであるスマブラ戦記のスピンオフ作品をまたもう1つ書かせていただきます
【注意】
基本的に暗いです
スマブラ、任天堂要素はありますけど薄め
当時まだ参戦してなかった【ファイナルファンタジー】が出てきます
たくっちスノーは出ません
- Re: スマブラ戦記 〜Past・SEVEN〜 ( No.27 )
- 日時: 2021/09/20 11:04
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
【第6話】
「滅びは終わらない」
ジョンソン
「………あ、あ、裏切り者………裏切り者です!!」
七夜
「は………はあ!!?裏切り!!?」
ジョンソン
「はい!ちょうど七夜さん達が義羅さんを止めに行った時に………」
四柳
「…………ちっ、ビジョンもそこまで万能じゃない、他に居ることを想定しておくべきだった、俺たちのミスだ」
七夜
「……………………おい、俺たちいつまで気絶してた?皆は?」
ジョンソン
「た………た、沢山死にました!!」
ジョンソン
「梨亜さんも死にました!!」
七夜
「…………え、な、な、なんで…………何でだよ!!?」
ジョンソン
「訳は後で話します!なんとか生き残りは避難させましたので貴方達も急いで!」
七夜
「………………なんで、なんでそんなことに、俺が………俺が手がかりがあるかもってここに行こうとしたら……?」
四柳
「自分を責めるな七夜、お前一人の責任じゃない………今は逃げるぞ」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
七夜
「………………………」
璃音
「失礼するであります」
七夜
「……………璃音」
七夜
「俺は………お前の…………」
璃音
「いえ………その、祖父江さんも言っていたようでありますが、貴方だけが悪い訳では無いのであります」
璃音
「騙された上に、近くにいたのに梨亜を守れなかった私も悪いのであります」
璃音
「むしろ………七夜さんは義羅さんを止めてくれた、七夜さんが居なかったら余計に被害が出ていた事も有り得たのであります」
璃音
「だから………そんなに落ち込まないで」
七夜
「……………俺は、皆を、守るために………なんで、俺よりずっと幸せになれるはずなのに」
七夜
「…………どうして」
璃音
「………祖父江さんから伝言であります」
璃音
「俺達はもうひとつ、人間のパターンを見落としていたと」
七夜
「人間の?………最初に言ってたヤツか」
七夜
「確か、ここに来て狂っちまったやつ、タガが外れた犯罪者、それに巻き込まれた被害者、俺たちみたいに帰りたいと目指してるもの…………」
七夜
「あと、1つ?」
- Re: スマブラ戦記 〜Past・SEVEN〜 ( No.28 )
- 日時: 2021/09/20 11:52
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
璃音
「…………言うならば、その逆」
七夜
「逆?」
璃音
「……………おかしくなったわけじゃない、犯罪をしたい訳じゃない」
璃音
「ただ………ここにずっといたい」
璃音
「言わば……日本に帰りたくない人間、それが七夜さん達の想定していない可能性であります」
七夜
「………帰りたくない人間?」
璃音
「まぁ、キモチだけは分かるのであります」
璃音
「ここはご飯に困らないであります、遊び放題だし……何もしなくてもいい、嫌な親もいないであります」
七夜
「でも犯罪者がのさばってるだろうが!!」
璃音
「それは現実も同じであります」
七夜
「…………」
璃音
「私も理解できないであります……こんな腑抜けた考えでは生きていけない」
璃音
「………でも、これが答えであります」
璃音
「裏切り者というのは………一人や二人では無いのであります」
七夜
「…………考えが変わったのか、内心揺らいでいたのか………それはいい、人それぞれだからな」
七夜
「でも、現実では帰りを待ってる奴もいるんだ、親や友達に会いたがった奴も山ほどいたんだ………俺は全部覚えてる」
七夜
「そいつらの命を奪ってまで好き勝手生きようとするのは許せねぇ!!!!」ドゴォ!!
璃音
「……………」
七夜
「だが!!!」
七夜
「何があっても復讐なんて考えるな!!!」
七夜
「俺達はゲームキャラじゃない、紛れもない人間!やり返したところで!!それで帰ったところで!!」
七夜
「残るのは………人を殺したという感覚だけだ」
七夜
「それに、向こうは………関係者は『帰りたくなかった』なんて知らないからな」
璃音
「………………肝に銘ずる、であります」
璃音
「失礼するであります」
璃音は………去っていった
七夜
「…………なんてな」
七夜
「義羅を殺したのは紛れもなく俺なのに、何言ってんだろ」
七夜
「…………俺がもっと強ければ、俺が………もっと賢かったら、こんなことにはならなかったろうにな」
ガチャッ
四柳
「………七夜」
七夜
「祖父江」
四柳
「…………ビジョンは、封印することにした」
七夜
「え?」
- Re: スマブラ戦記 〜Past・SEVEN〜 ( No.29 )
- 日時: 2021/09/20 15:21
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
四柳
「…………今回の件で、俺にも傲りがあることが分かった」
四柳
「俺が見えていた未来というのは、単なる結果のひとつに過ぎなかった」
七夜
「で、でもよ!!お前のおかげで義羅を止められたんだぜ!?」
四柳
「…………俺がやった事は未来を見た事、はっきんだまを壊したぐらいだ」
四柳
「俺がこんなことをしなくても、直前で気付いて追い出すことが出来たはずだ」
四柳
「そうすれば………」
七夜
「…………………」
四柳
「それに………薄情かもしれないが」
四柳
「ここで死んだ奴の事が………どうにも思い出せないんだ」
四柳
「顔まで潰れてるせいで死体を見ても誰だか思い出せない………結局の所、俺から見れば他人でしかない」
四柳
「大して変わらないように見えてしまう自分が嫌だと俺も思うよ 」
七夜
「………………なぁ祖父江、お前にこんなこと聞きたくねえけどさ」
四柳
「……四柳でいい」
七夜
「……四柳、お前は……日本に帰りたいか?」
四柳
「……………ああ、この間の話のことか」
四柳
「親が嫌だからってこんな所に引きこもるほど俺も馬鹿じゃない」
四柳
「それに………」
七夜
「それに?」
四柳
「……………いや、いい、俺はお前と同じでちゃんと帰ろうという意思はあることは覚えておいてくれ」
七夜
「………………」
七夜
「四柳……………お前さ」
七夜
「遺体をどこに片付けた」
四柳
「…………」
四柳
「なんで、そんなことを聞く」
七夜
「分かってんだろ、璃音は俺に気を使って言わなかったけど、分かるんだよ」
七夜
「………お前だって俺たちとはそれなりに長い付き合いだったろ」
四柳
「………やめろ、聞くな」
七夜
「いいから、答えてくれよ、なぁ」
七夜
「…………………なぁ、頼むよ」
七夜
「俺………まだ、まだ見てねぇんだよ!!!」
七夜
「あれから逃げて!!生き残りの顔を見た!!」
七夜
「でも………でもよ!!!博多の姿を見ていないんだ!!」
七夜
「どこにあるんだ!!博多は…………死んだのか!!?」
四柳
「……………」
- Re: スマブラ戦記 〜Past・SEVEN〜 ( No.30 )
- 日時: 2021/09/20 17:21
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
四柳
「博多は…………」
四柳
「…………」
四柳
「もう、覚えてないよ………名前が分かんないから、埋葬はしたが名前は書いてないんだ」
四柳
「……………だから、自分で確認を」
七夜
「………ポジティブに考えるな、か」
七夜
「嫌な事ばかりあると、本当に悪いように考えちまうな」
四柳
「…………七夜、知り過ぎるな」
七夜
「やっぱそうか、気を使わなくていいんだよ」
七夜
「………結局俺はなーーんにも、分かっていなかった」
七夜
「……居るんだろ、博多」
七夜
「『あっち側』に」
四柳
「……………………」
七夜
「いいんだ、博多も………多分、なんかあったんだろう」
七夜
「博多にとって、俺はそんな事も伝えないくらいには………」
七夜
「つーか、同じ大学で、サークル仲間みたいなもんって、多分俺が思うほど信用とかなかったのかもな」
四柳
「………………七夜、お前は」
四柳
「どうしてお前はそこまで自分を下に見るんだ?」
七夜
「なんか、漫画で見たんだけどよ……あんな言葉あったよな、2人の囚人が檻から外を見た」
四柳
「………1人は星を見た、1人は泥を見た、フレデリック・ラングブリッジの言葉か」
四柳
「同じ景色でも人生観によって真っ先に目に映るものが違うという意味だが………」
七夜
「俺はまー、俗に言う真っ先に泥を見た人間なんだ」
七夜
「でもよ、泥団子って作ったことあるか?磨くとすげーピカピカになるって聞いて、ガキの頃は夢中で磨いた」
七夜
「俺は泥団子になりたいんだ、星みたいにキラキラしてるけど……結局は泥だから星の引き立て役」
七夜
「人生ドン底の俺は幸せな奴と並べるだけで幸せなんだ、他に何もいらない」
四柳
「…………星空に、ぽつんと転がった泥団子がお前か」
七夜
「そんな星空も、まるで流星群みたいに消えちまったけどな………」
七夜
「マリオやカービィみたいにハッピーエンドとはいかねぇもんだな………」
四柳
「…………」
七夜
「四柳………これから、どうしような」
四柳
「…………分からない」
- Re: スマブラ戦記 〜Past・SEVEN〜 ( No.31 )
- 日時: 2021/09/20 20:56
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
四柳
「……………七夜、俺では………俺では博多の代わりにはなれないかもしれない」
七夜
「いいよ、無理しなくて」
四柳
「……………七夜」
七夜
「なんだ」
四柳
「死なないでくれ」
四柳
「その………自分で言うのもなんだが、俺は…………」
四柳
「………その、あれだ」
四柳
「改めて、人が死ぬっていうことが凄く怖くなった」
四柳
「俺が死ぬのも怖いが………ずっと居たやつが突然ばらばらになったり、会えなくなるのが………こんなに辛いとは思わなかった」
七夜
「だよな………この世界は現実よりよっぽどそんな事が起きやすい、俺には……そんなに快適とは思わない場所だ」
七夜
「最初こそ楽しかったが………ここ5ヶ月過ごしてわかったのは、ゲームのような理不尽が俺たち凡人に襲い掛かる事だ」
七夜
「………おまけに、マリオやリンクは何も助けてくれない」
四柳
「俺たちの知る……こんな言い方は変だが『本物』のマリオではないんだろうな」
七夜
「…………ああ、これからどうしようか?」
四柳
「……さあな、本当にアテもなくなった 」
四柳
「これから新しい敵もふえた、逃げるのも大変になってくる」
四柳
「だが今は………休もう」
七夜
「ああ………四柳、先に寝ててくれ」
四柳
「………まだ、やることがあるんだな、分かった」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
その夜
七夜
「……こいつは、ああ…………こいつは………よし」
ジョンソン
「………七夜君?」
七夜
「ああ、ジョンソンさんまだ起きてたのか?」
ジョンソン
「そ、そちらこそ……もう3時になりますよ」
七夜
「平気です、俺いつも4時くらいまで起きてるんで」
ジョンソン
「わ、若いからって程々にね………何、してるの?」
七夜
「四柳が誰か分からないから名前も書かず埋葬したって言うからな………改めて墓を作ってるんだ」
ジョンソン
「…………これ、全部七夜くんが?」
七夜
「ああ………博多に言われた通りだ、ちょっと特徴を記憶すれば………全部わかる」
七夜
「誰が死んじまったのか、これが誰なのか……簡単に分かっちまうんだ」
ジョンソン
「七夜君………」
END
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