二次創作小説(新・総合)
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- 北大路さくら劇場 終幕!!
- 日時: 2022/01/01 08:49
- 名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)
この作品は北大路さくらちゃんの魅力を少しでも多くの人に知って貰いたいと思い、執筆することにしました。カッコイイさくらちゃん、可愛いさくらちゃん。色々なさくらちゃんを堪能してほしいです!
それでは北大路さくら劇場、開幕です!!
- Re: 北大路さくら劇場 ( No.42 )
- 日時: 2021/12/17 20:55
- 名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)
リングの上ではふたりの女が静かに闘志を燃やしている。ひとりは桃色のショートヘアに澄んだ黄緑色の瞳が特徴の小柄な少女、北大路さくら。もうひとりは黒髪のストレートロングに白い忍者装束を纏った女性、闇野美琴。
両者は静かに構え、試合開始の鐘が鳴ると同時にパッと飛び出した。リング中央で激しく組合い、力比べ。
普段はあまり表情を崩すことがないふたりが珍しく歯を食いしばって必死の形相で組み合ったかと思うと、すぐさま力比べをやめて両者は互いにロープに跳び、その反動を活かしたフライングクロスチョップ。結果は相打ち。
さくらがロープに再び跳ね返ると美琴も同様にかえってきて、今度はドロップキックが空中で激突。両者は身を翻し着地。
互角の攻防に会場が歓声に包まれるが、ふたりは軽く息を吐き出す。
「中々・・・・・・やりますね」
「美琴様こそ」
じんわりと額に汗が浮かぶが、口角は上がったままだ。彼女達は実力が伯仲する相手に巡り合えて嬉しいのだ。
今度は美琴が突進。それを見越していたさくらは屈んでショルダースル―で跳ね飛ばす。
マットに落下する寸前に素早くさくらの身体を掴んで回転エビ固めに極める。
さくらがそれを返すと、腕を取って幾度もハンマー投げでマットに叩きつける。更にボディスラムで叩きつけると勢いの強さ故にさくらの身体はマットの上でバウンドしている。好機と見た美琴がフォールを奪おうとするや否や、さくらはその勢いを利用して巴投げで投げ捨てる。
しかし美琴は巧みに受け身を取ってダメージを軽減させ、すぐに立ち上がってくる。
さくらが掴もうとすると残像のみを残す速度で移動し背後を取ると、得意技のひとつである裏投げを極める。
体を反らし受け身もとれないほど完璧な裏投げ。
しかも美琴の標的は柔らかいマットではなくリングを支える強固な鉄柱にあったのだ。鉄柱に頭を打ち付けたさくらは流血するが、フラつきながらも立ち上がる。美琴は彼女の腕を巻き込み豪快な背負い投げでマットに叩きつける。
衝撃で口から唾を吐き出すさくらに美琴は追撃の肘を見舞う。
寸前で転んで回避したさくらは寝ころんだまま蹴りを放つが美琴はそれを見切り、足を掴んで逆エビ固め。
メリメリと背骨が軋む音を聞きながらもさくらは懸命に這いロープブレーク。
ここで試合序盤と同じく力比べに突入。
今度は攻め勝ったさくらが自分より長身の美琴の身体を抱え上げ、垂直落下式のプレーンバスター。
脳天を強打した美琴はゆっくりと倒れ、四肢をマットに投げ出した。
さくらは美琴に覆いかぶさり、フォール。
「1!2!」
しかし美琴はカウント2・9で返し、一気にコーナーポストの最上段に駆けあがり、起死回生のニ―ドロップ。
ジャドウとの戦いを経て身に着けた新たな技だ。鋭い膝がさくらに迫るが、さくらは紙一重で回避し、自爆させる。
先ほどのプレーンバスターと膝の自爆のダメージが祟り、美琴は悶絶した後にダウン。うつ伏せに倒れた美琴を反転させ、さくらは再びフォール。
「1!2!3!」
カウントが数え終わり、試合は北大路さくらの勝利に終わった。けれどさくらの表情に喜びの色は薄い。
美琴は立ち上がってさくらの勝利を称える。
「さくらさん、おめでとうございます。やはりさくらさんは強い人でした」
「いえ、やはり美琴様には敵いませんわ。これは真剣勝負ではなく練習試合。それに、美琴様は能力も、そして技の引き出しも全て解放してはいませんもの。私が勝てるのも当然ですわ」
「それでも、さくらさんがわたしに勝った事実は動かないでしょう」
本気で戦えばどのような結果になるか、さくらは痛感していた。だからこそ、さくらの力を最大限まで引き出し、彼女の力を見せつけ、会場を盛り上げる方向へと導いた美琴の手腕の凄さが身に染みてわかったのだ。
ふたりはそれ以上言葉は話さず堅い握手を交わした。互いの闘志を再確認し、両者の腕をレフリーが上げ、この日の試合は最高の盛り上がりを見せ幕を下ろすのだった。
おわり。
- Re: 北大路さくら劇場 ( No.43 )
- 日時: 2021/12/25 22:40
- 名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)
銀色の屈強な装甲の肉体、鎧兜に猛牛の如き巨大な2本の角を生やしたデルザー魔人の一角、鋼鉄参謀は威風堂々とした態度で目の前に立ちはだかった少女、北大路さくらを見据えた。感情の読めない鋼鉄参謀の冷たい瞳。彼は愛用の武器である巨大な鎖分銅を構え、武人として名乗りを上げた。
「俺はデルザー軍団の一員、鋼鉄参謀だ!!貴様が北大路さくらだな? アイドルを倒した者がデルザーの指揮権を与えられるというルールに則り、お前に決闘を申し込む!!」
「鋼鉄参謀様、この北大路さくら未熟者ではございますがご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」
「貴様は謙遜をしているつもりなのだが、俺には分かる。貴様がどれほどの強者かが、手に取るようにな。謙遜は不要。我々にはただ、力の競い合いがあるのみ!」
広大な鉱場をフィールドにアイドルと魔人の決闘が始まった。互いはゆっくりと円を描くように歩き、隙を伺う。
幾度も円を描き隙を突こうとするが、どちらも隙は見当たらず。灼熱の太陽光が降り注ぐ中、睨み合いが続く。
このまま睨むだけでは埒が明かないと参謀は考え、自慢の巨大鉄球が付いた鎖をハンマー投げのようにぐるぐると振り回し、猛然とさくらに襲いかかってきた。
「行くぞ、北大路さくらよーッ!」
鋼鉄参謀が手を離すとさくらの倍はあろうかと思われる鉄球が迫ってきた。逃げるか、受け止めるかの選択をさくらは頭の中で瞬時に判断しなければならない。
(これは避けるしかない)
そう考えたさくらだが、次の瞬間、自分の体が動かないことに気づく。どうしたことだろうか?
(まさか、金縛り?)
その通りだった。さくらは無意識の恐怖による金縛りに遭い身動きが取れなくなっていたのだ。
そんな彼女を嘲笑うかの如く、鉄球は勢いを増して迫ってくる。そしてついにさくらの体に接触したかと思うと凄まじい衝撃波とともにさくらの体は宙高く吹き飛ばされてしまった。
「きゃあああっ!?」
悲鳴を上げながら地面へと落下していくさくら。なんとか受け身を取ろうとするが衝撃を和らげるには至らずに背中から地面に叩きつけられてしまう。痛みに耐えつつ顔を上げると、すぐ目の前には鎖を振り回す鋼鉄参謀の姿があった。
再び放たれた鉄球が衝突し、さくらは全身がバラバラになるのではと思うほどの衝撃を受けた。乾いた音が体内から響き、今の衝撃で何本か肋骨が折れたことがわかる。
「か、かはっ・・・・・・」
さくらはあまりの激痛に目を見開き、口から涎を垂らす。起き上がるどころか指の一本さえ動かすことができないほどの衝撃。辛うじて息はしているが悠然と迫る鋼鉄参謀を待つことしかできない。
鋼鉄参謀は無機質な顔でさくらを見下ろし、蹴り飛ばす。ゴロゴロと地面を転がり倒れ伏すさくら。
わずかな攻防だが、さくらは参謀の強さを肌で感じた。彼は今まで戦ったどの相手よりも強い。
さくらの脳裏に浮かんだのはいつも自分を助けてくれる兄の存在だった。
「お兄様、助け・・・・・・て・・・くだ・・・・・・さい」
途切れ途切れになり涙を浮かべながら、救援を求めるさくら。普段は自立心が強く大抵のことはこなせるさくらだが、今回ばかりは話が違った。恥ずかしくても情けなくても、助けを待つしか彼女には残された方法がなかったのだ。
その様子を見た鋼鉄参謀が告げた。
「正々堂々の闘いに助けを求めるなど恥を知るが良い。これは俺と貴様の1VS1の闘いなのだぞ。決闘を汚すような振る舞いはやめておけ。最後の最後まで個人の力で戦って見せよ。それでも貴様はスターライトクイーンか!!」
彼の言葉を聞いた途端、さくらの目つきが変わった。そうだ、自分はアイドルとして多くのファンに支えられている。こんなところで負けるわけにはいかない。
さくらはまだ動けない体を必死になって動かし、立ち上がる。足取りはややふらつくが、先程よりは遥かにマシになったようだ。鋼鉄参謀はその姿を見ると、再び鎖分銅を手繰り寄せ、攻撃態勢に入った。
「まだ立てるか、ならば次は本気で行かせてもらう!!」
先ほどよりも勢いのついた鉄球が飛んできたのでさくらは咄嵯の判断で横に跳び、攻撃をかわした。しかし、それこそが罠であった。鋼鉄参謀は鎖を巻き戻し、手元に戻すとそのままさくらに向かって突進してきた。
「スティィィル!!」
鉄球ごと突進してきた鋼鉄参謀にさくらは避けきれないと判断し、両腕をクロスさせてガードする。
ドゴォンという轟音と共に凄まじい衝撃波が辺りに広がった。
さくらは耐えきれずに吹き飛ばされ、鉱場の壁に激突してしまう。壁が崩れ、瓦礫とともにさくらの体がめり込むように埋まった。鋼鉄参謀はそんな彼女に追い討ちをかけるべくゆっくりと歩み寄っていく。
さくらは全身の痛みを堪えて立ち上がる。
二度、三度、四度、五度。立ち上がる度に分銅をさくらに浴びせていく。
吐血し両腕の骨にヒビが入った状態でも、さくらは立ち上がり続ける。彼女を支えているのはスターライトクイーンという誇りだった。自分を応援してくれるファンや大好きな仲間の為にさくらは何度でも立ち上がり続けた。
身体はボロボロだが、そこには先ほどまでの弱気なさくらの姿は見られない。絶対に勝てない相手と分かっていても、ただひたすらに立ち上がり、戦いの構えを見せる。
「もう、攻撃は終わられたのですか。屑鉄参謀様」
礼儀正しい性格とは思えないほどの悪意に満ちた笑顔から放たれた挑発に、鋼鉄参謀は唸った。
これは単なる挑発ではない。文字通り、命がけの最後の足掻きだ。
全てを察した鋼鉄参謀が最後の一撃を振るわんと構えた瞬間。
さくらの全身から闘気が消え、俯いているではないか。
怪訝に思った鋼鉄参謀が近づいてみると、さくらは仁王立ちのまま戦闘不能となっていた。
「素晴らしい戦いであったぞ。北大路さくらよ」
鋼鉄参謀は動かなくなったさくらの健闘を称え、魔の国へと帰っていくのだった。
- Re: 北大路さくら劇場 ( No.44 )
- 日時: 2021/12/30 08:13
- 名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)
絵里「今日のチョコケーキも美味しいわぁ」モグモグ
エマ「絵里ちゃん、いっぱいあるから沢山食べてね♪」
絵里「うっ・・・・・・カロリーの高いスイーツはスタイルの維持の大敵なのだけれど、たまにはこういう日があってもいいわよね?」
エマ「勿論だよ! 大好きなものをいーっぱい食べて、日頃のストレスを吹き飛ばしちゃおー♪」
ことり「絵里ちゃん、ことりがチーズケーキを作ったよ~」
絵里「ことりのチーズケーキは絶品だものね。ひとり占めできるなんて贅沢ね」
ことり「ホールごと食べていいんだよ(・8・)」
絵里「いただきます。ああ、美味しいっ」
千砂都「絵里さん、出来立て熱々のたこ焼きだYO!」
絵里「甘いデザートの後にたこ焼きの旨辛さも意外とイケるわね」パクパク
すみれ「喉が渇いたでしょ。緑茶でもどうぞ」
さくら「お茶には和菓子が相性抜群ですわ。絵里様、宜しければお茶菓子もご賞味くださいませ」
絵里「お茶の苦みと甘いお饅頭のコラボレーション、日本の和って感じで止められなくなりそう」モグモグ
凛「絵里ちゃん、凛がラーメン作ったにゃ~♪ ラーメンは熱々が1番ニャ。冷めないうちに召し上がるニャ~」
絵里「さすが凛ね。ラーメンは早さが命・・・・・・ラーメンに関しては凛に頼るのがいいわね」ツルツル
花陽「絵里ちゃん、花陽の特製おにぎりいかがですか?」
絵里「炭水化物を食べた後に炭水化物なの!? でも、それもまた背徳の組み合わせね」モグモグ
ミア「ボクもハンバーガー作ったんだけど、絵里には必要ないかな」
絵里「待って! 食べる! 食べるわよ! だから持ち帰りしないで!」もしゃもしゃ。
~後日~
絵里「ハラショオオオオオオオオオオッ
なんでこんなに数字が増えているのよおおおおっ」
- Re: 北大路さくら劇場 ( No.45 )
- 日時: 2021/12/30 08:33
- 名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)
この日、さくらは絵里をオトノキの桜の木の下に呼び出した。
さくらが桜に呼び出すというのはちょっと面白いかもと思いつつ、絵里は行ってみることにした。強い風が絵里の金髪をさらりと靡かせる。
「今日はちょっと風が強いみたいね」
クスッと笑って指定された場所に行くと後ろに手を組んださくらが立っていた。
「さくら。急に改まってどうかしたの?」
優しい口調で問いかけると、さくらは赤く薄い小さな箱を差し出した。
「絵里様、さくらの想い、受け取ってくださいませ!」
目をぎゅっと瞑りプルプルと震える手で差し出された箱。
それを見た絵里はさくらが何を考えているか察して、優雅に受け取った。
「ありがたく頂いておくわ」
「絵里様!」
顔を上げたさくらの頬は紅潮し、大きな瞳にはじんわりと涙が浮かんでいる。嬉しさと感動が同居しているようだ。絵里は彼女を可愛いと思いながら、その笑顔を維持させる為にも箱の包みを解く。中から出てきたのはハート型のチョコレート。
「カカオから手作り致しましたわ。絵里様のお口に合うと良いのですけれど」
「凄い愛情ね。さくららしいわ」
絵里はハート型のチョコを掴むとガリッと噛む。
ビターの香りと優しい甘さが口の中に広がっていく。
ちょっぴり大人の味に仕上がっている。
「とっても美味しいわ。ありがと」
絵里は感謝の気持ちを込めてさくらの頬に友愛のkissをする。
本日は女の子にとって大切な一日、バレンタインだ。
- Re: 北大路さくら劇場 ( No.46 )
- 日時: 2022/01/01 08:48
- 名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)
これにて北大路さくら劇場は終幕となります!長きに渡り皆さまの温かい応援ありがとうございました!!

