二次創作小説(新・総合)
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- 【ウマ娘】皇帝と女帝と怪物と俺達【完結】
- 日時: 2023/04/09 16:57
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
【俺、まだまだ全然知らないんだ、トレセン学園のトレーナーのこと】
原作【ウマ娘 〜プリティーダービー〜】
中央トレセン学園、波乱万丈個性豊かなウマ娘達をまとめる大きな存在があった。
中央トレセン学園生徒会、生徒ながら理事長達に次ぐ実力と権力を持つ特別なウマ娘達。
【皇帝】シンボリルドルフ
【女帝】エアグルーヴ
【怪物】ナリタブライアン
それを導く事を許された選ばれしトレーナー達。
そして、シンボリルドルフのトレーナー、たくっちスノーがある使命のため、トレセン学園のトレーナーを知っていく物語。
【注意】
後々、結構特殊なウマ娘が登場します。
ここに出てくるトレーナーは原作キャラを除きほぼオリジナルです。
この作品はMMオールスターの実質的続編です、その為『あの人達がトレーナー』の為サイレンススズカとハルウララのトレーナーのメイン回はありません。
また、作者が持ってないウマ娘は出る確率が低いです、ご了承ください。
- Re: 【ウマ娘】皇帝と女帝と怪物と俺達 ( No.6 )
- 日時: 2023/03/04 09:26
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
二人の間で軽く沈黙が続いた。そういえば、と思い出したように西園寺が口を開く。
……ポケットも開く、中に入ってるのは小銭だけ。
「資格って……この学園内の、です?」
「そもそも私は護衛任務で来ているわけで、トレーナー業をする為に居る訳では無いので何故そんなものが……」
「え、」
何言ってるのか全然分からなかった、なんならすぐ後ろにいたエアグルーヴも唖然としていた。そしてそのまま西園寺はスマホを取り出して、誰かに連絡を取り始めた。
どうやら電話の相手はSP仲間らしい。
しばらく会話した後、西園寺はスマホの通話を切る。
「すみません、ちょっと秋川理事長が遠出するらしいので失礼します」
そう言うと、瞬く間に西園寺は消えて……生徒会室にはたくっちスノー、シンボリルドルフ、エアグルーヴのみが残された。
「エアグルーヴ、これは……」
「いえ……これは私も流石に、あんなに堂々と学園内を行き来して資格が無いなんてこと想像だに……」
「おい、もし事実だったらやばいぞ……聞いてみるか」
生徒会室に居ても仕方ない。とりあえず三人は理事長室へ向かうことにした。
昔はコネで入ったたくっちスノーでさえトレーナー権の資格は持っていた、それすらないということは…
SPを騙る犯罪者の可能性も十二分にある、その為即座にたづなさんに調べを取ってもらうことにした。
「……確かに、西園寺大乱さんのトレーナーとしての資料等はここにはありませんね」
「……ただし、彼が言うようにコネのみでここに来たなら、まだちゃんとした情報が作られていないだけということもあります」
「まぁコネなら試験受けてないもんな……ちなみに、たづなさんは理事長を護衛している者って話は?」
「そういう話が来たことはありますが、いつからというのは……」
「この生徒会達のトレーナーがこんなんでいいのか………」
- Re: 【ウマ娘】皇帝と女帝と怪物と俺達 ( No.7 )
- 日時: 2023/03/04 09:26
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
「ひとまずは結果次第……というよりは、トレーナー君もあまり彼の事は言えないと思うが」
「……どういうことです、会長?」
「彼も元々ある会社からのコネでここに来た」
「……ある人が、秋川理事長とどういう縁かは知らないが知り合いでな、ちゃんとその時点で資格も持っていたぞ」
少し嫌そうな顔をして言う。
何せその人はあの理事長、やよいの友人でもあるからだ。
だが、たくっちスノーは首を傾げる。
確かに自分はコネ付きでここに来て、それでも尚シンボリルドルフに選ばれた。
だが……
「……俺だって何も思わなかったわけじゃない、エグゼ杯の時……まだ秋川理事長が出張してて樫本さんが理事長代理してた時か」
「スケジュールを組んでルドルフさんとトレーニングを始めた時、余った深夜の時間で色々やったよ」
「で、時空レース系が無い時に樫本さんに頼んで、改めて中央トレセンのトレーナー試験用紙を用意してもらったんだ」
その言葉を聞いて、エアグルーヴは思い出した。
そういえば、あの時はたまたま中央トレセン学園の職員室にいたから渡されているのを見た。
つまり彼は、改めて正式な手順を踏んでいたということになる。
「ただ受けただけじゃない、中央以外のトレセン学園の試験用紙も受け取り、それらに満点で合格した」
「全てを受けているのを見て、改めて私は彼をトレーナーとして受け入れたよ」
「……さて、改めて西園寺の事だが」
「少なくとも、単純に終わらせていい話ではないだろう」
「ああ、こればかりは君に同感だ、エアグルーヴ」
全員の気持ちは同じだった、そして……たづなも何かを察したようだ。
「……たづなさん、理事長どこ行ったか分かります?」
「ええっと……確か今日は、地方のトレセン学園の方へ視察に行くと聞きましたが……」
「……よし分かった、俺が探してくる!」
「待て、私も行くぞ」
「当然よ!ルドルフさんは悪いけどナリタブライアンやそのトレーナーと合流してプロジェクトの方を優先してくれ」
「ああ、エアグルーヴを頼む」
たくっちスノーは指を鳴らして自家用車を呼び出し、エアグルーヴを助手席に乗せて発進する。
- Re: 【ウマ娘】皇帝と女帝と怪物と俺達 ( No.8 )
- 日時: 2023/03/04 09:29
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
「……あのたわけめ」
「西園寺についてだが……俺としては、トレーナー試験は絶対に受けさせる、そして改めてウマ娘を選ばせる」
「こんな事君には言いたくないけど、西園寺はどうして君を担当にしたと思う?」
「……職員達の次に強い権限を持つ生徒会なら、活動が容易になるからだろう」
「だが生徒会長であるルドルフさんのトレーナーは俺、だからその次の副会長であるエアグルーヴ、君にしたんだろうな。」
エアグルーヴは呆れたような表情を浮かべる。
確かにエアグルーヴの言う通り、西園寺がエアグルーヴを選んだ理由はそれしか有り得ない。
しかし、今となってはそれはもう通用しない。
そして……
「君はさっき何を考えた?」
「……私のトレーナー、あのたわけ、西園寺大乱という男は…」
「恐らく理事長も把握していない」
「……それを俺が言うまでトレーナー資格の事バレないって、ちょっとザル過ぎる気もするが……」
「あまりにも堂々としすぎて逆に怪しくなかった……私の落ち度だな……」
エアグルーヴとたくっちスノーは車を走らせる。
地方トレセンへ向かった二人だったが、途中で見失った。
そこから二人は、車での移動は目立つと思い徒歩で移動することにした。
そして話の続きをする。
「たくっちスノートレーナー、あのたわけは一体……」
「……君っていいニュースとわるいニュースだったらどっちから先に聞く派?」
「なら、悪い方から……」
「西園寺は……国家とか公安の奴じゃない、バリバリ怪しい」
「そんなことは分かっている、ならいいニュースは……」
「西園寺がSPというのは嘘じゃない……ってことかな」
「どういうことだ?」
「全時空特殊警察連盟……略して特盟、あらゆる世界の警察組織が合併して生まれた物、それが今の公安みたいなものなんだけど……」
「たわけはそれに当てはまらないということか」
「そう、でもSPではあるんだろう」
「つまり、私のトレーナーはSPということは事実だが、合法な組織では無い可能性があると」
「どう考えても危ないではないか!!」
- Re: 【ウマ娘】皇帝と女帝と怪物と俺達 ( No.9 )
- 日時: 2023/03/04 09:32
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
エアグルーヴは思わず声を上げる。
だが、たくっちスノーは冷静だった。
犯罪者じゃないだけマシ……という考えである。
これはもう急いで西園寺を探すしかない、理事長を護衛しているというのならすぐ近くで隠れているのかもしれないが……
「あっ、奴め、あんなところに居たぞ!」
「えっ、どこだよ!?」
エアグルーヴは西園寺を見つけたと言うが、たくっちスノーはどこを探しても見当たらない。まさか、と思って後ろを振り返ると……
なんと、割と堂々と背後に西園寺が立っていた。
エアグルーヴは飛び出していき、足を掴んで拘束した。
ウマ娘の腕力で捕らえられたら常人では脱出出来ない。
「見つけたぞたわけ!」
「なんでここに!?というか仕事中で……」
「理事長!!ちょっといいっすか!!」
「む!たくっちスノートレーナー!西園寺トレーナーとエアグルーヴもいるとは奇遇だな!」
………
改めて、たくっちスノーは理事長室に戻りこれまでの事を説明する。
「理解ッ!つまり私はここずっと、彼にストーキングをされていたということだな!」
「怖すぎるぞっ!!」
「ここは罪を償った時空犯罪者もトレーナーをしているので問題は無い……とは言い切れませんが、何故こんなことを?」
「そ、その……トレセン学園の子供理事長を守ったと実績が広まれば、私の事務所も話題になると……」
「で、ですが私はしっかり秋川理事長を守り抜きましたよ!エグゼ杯の時も1年間彼女を護衛して……」
「エグゼ杯の件なら月村氏の方から用意してくれたのでな……」
「もう無理だよ西園寺、もうトレーナーとして一からやり直そうぜ」
「そ、それはともかくとして!私、ちゃんと護衛は出来るんですよ!嘘じゃありませんよ!この学園だって守れます!」
「とは言ってもな………別にここ、そんな治安悪くないぞ」
「そうですか?私にかかれば……」
「『あんし〜ん♡』と言いながら笹針を握って突如保健室に現れる謎の金髪不審者を一瞬で無力化出来ますよ」
「この人このまま護衛やらせましょう」
「うむ」
「即答で決まった!?」
- Re: 【ウマ娘】皇帝と女帝と怪物と俺達 ( No.10 )
- 日時: 2023/03/04 09:35
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
こうして、西園寺は正式にトレセン学園のSP兼トレーナーとなった。
ちなみに改めてトレーナーライセンスを貰ったので
なので、トレーナーとしても活動することが出来る。
SP兼トレーナー……なかなかのパワーワードである。
そして………
「………あの、貰ったのはいいですけどどうして私座らされているんですか?」
「そりゃもう、ライセンス得るからには試験に合格してもらわないと」
「順序逆じゃありません?なんでライセンス貰った後に試験受けてるんですか私?」
「言っておくが君の状況が悪くもあるからね、ではエアグルーヴ…合格するまでずっと見張っててくれ」
「はい」
「えっ、ちょっと?ずっとって私出来るまでこのままなんですか?」
「じゃあ一発で合格出来る事は祈っとく、頑張ってなー」
「あの!?せめてどこから出題されるかだけでも……」
………………
数時間後
トレーナー室の扉が開く。
入ってきたのはシンボリルドルフだった。
「トレーナー君、どうだったかな」
「西園寺トレーナーの件は……丸く収まったと言っていいのか分かんないけど、まぁなんとかなった。」
「それはよかった……と言いたいところだが、こっちも問題が出来てね」
「え?ナリタブライアンと……そのトレーナーに会ってきたんじゃ?」
「そうなんだが……」
……
シンボリルドルフが言うには、プロジェクト・シンギュラーの情報をもっと受け取れないかと、さっき理事長に呼ばれたが……そこでとんでもない光景を見てしまったらしい。
「ナリタブライアンのトレーナーがいた」
「トレーナーが?……別にそれが何か?」
「…こればかりは君も実際に見に行った方がいいな」
「1つ言えるのは、今回もまた時空絡みだ、君の助けが必要になる。」
改めてたくっちスノーは思う。
なんで生徒会のトレーナーなんて恐れ多い物なのに面倒事ばかりなんだろうか。
………そして
「おい、トレーナー」
「………」
「次は何と走らせてくれる?」
「………なんでもいい、だろう?時空は広い、龍でも、獣でも、相手になりたいやつはいくらでもいる」
「怪物……ナリタブライアン、お前の相手はいくらでもいる」
「それはいい ……飽きさせるなよ」