二次創作小説(新・総合)
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- 【ウマ娘】皇帝と女帝と怪物と俺達【完結】
- 日時: 2023/04/09 16:57
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
【俺、まだまだ全然知らないんだ、トレセン学園のトレーナーのこと】
原作【ウマ娘 〜プリティーダービー〜】
中央トレセン学園、波乱万丈個性豊かなウマ娘達をまとめる大きな存在があった。
中央トレセン学園生徒会、生徒ながら理事長達に次ぐ実力と権力を持つ特別なウマ娘達。
【皇帝】シンボリルドルフ
【女帝】エアグルーヴ
【怪物】ナリタブライアン
それを導く事を許された選ばれしトレーナー達。
そして、シンボリルドルフのトレーナー、たくっちスノーがある使命のため、トレセン学園のトレーナーを知っていく物語。
【注意】
後々、結構特殊なウマ娘が登場します。
ここに出てくるトレーナーは原作キャラを除きほぼオリジナルです。
この作品はMMオールスターの実質的続編です、その為『あの人達がトレーナー』の為サイレンススズカとハルウララのトレーナーのメイン回はありません。
また、作者が持ってないウマ娘は出る確率が低いです、ご了承ください。
- Re: 【ウマ娘】皇帝と女帝と怪物と俺達 ( No.1 )
- 日時: 2023/02/27 23:02
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
【プロローグ】
中央トレセン学園……それは
国内屈指のウマ娘が集うトレーニング施設であり、その設備は他と一線を引く程に充実している。
芝コースだけでも数種類あり、坂路やらなんやらも完備されている。
それに加え、プールなどの運動後のリラックスできる設備もあるのだ。
そして、中央トレセン学園に入ってくるウマ娘達は皆個性が強く、その性格も多種多様である。
そんな波乱万丈個性豊かな彼女達をまとめる大きな存在があった。
『トレセン学園生徒会』……生徒ながら理事長達に次ぐ権力と類稀なる実力を持つ特別なウマ娘達。
2人の副会長……【女帝】エアグルーヴと【怪物】ナリタブライアン。
そして会長【八冠皇帝】シンボリルドルフ。
彼女達によって学園の均衡は保たれている。
これは、トレセン学園生徒会の3人のウマ娘…
……と、そんな彼女達のトレーナーに選ばれた者たちの物語である。
- Re: 【ウマ娘】皇帝と女帝と怪物と俺達 ( No.2 )
- 日時: 2023/02/27 23:06
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
___
「……っべぇ」
「そういえば、俺一応まだトレセン学園の資格持ってて、トレーナーで、指導対象が居たんだった……」
この男、たくっちスノー。
前日まで大事なある1件により、名を変え立場を変え世界を旅していたのだが、トレセン学園のことを思い出し急遽、ウマ娘の世界へと飛び出してきたのだ。
しかし、彼は重大な事を忘れていた。
彼の担当ウマ娘……シンボリルドルフの事……
「そういやルドルフさんってまだ卒業してないし……俺のトレーナーとしての責任感問われたら何も言えなくなる状況じゃねえか……」
(あーー怖っ……ルドルフさんはもう土下座するとして、たづなさんとか樫本さんに会いにいくのが辛え)
「トレーナー君」
「がっ!!……な、なんだルドルフさんか、びっくりした」
「いや良くないんだけどな!全然!状況的には!てか、どうして俺が帰ってくること知って……」
「……?私は君の国に滞在していた が」
「あっそういえばそうだった」
ルドルフは、彼が海外へ行っている間に彼が作ってるマガイモノ王国にいた。
ちなみに、彼女はたくっちスノーがいない間にURAファイナルズ優勝を含め、GIを7勝し無敗という偉業を成し遂げた。
「これもう……俺いるのかな……」
「そうも言ってられないんだ」
「え?」
「実は、君はちょうどいいタイミングで帰ってきているんだ、来てくれ」
- Re: 【ウマ娘】皇帝と女帝と怪物と俺達 ( No.3 )
- 日時: 2023/02/27 23:11
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
……
たくっちスノーはシンボリルドルフに案内されながら、久しぶりのトレセン学園の中を歩く。
「……シンギュラー?なんかの装置の名前?」
「いや、理事長が考案した新たなプロジェクトらしい、まだ生徒会にも話は行き渡ってないから私もまだ詳細は分からないが……」
「ウマ娘もトレーナーも、それも深く結ばれている物が必要ということだけは分かっている」
『プロジェクト・シンギュラー』…それは、ウマ娘とトレーナーの深い絆による奇跡を起こすというもの。
今まで、ウマ娘とトレーナーの間には深い信頼関係が必要だった。
だが、このプロジェクトではその垣根を超え、ウマ娘とトレーナーの間に強い繋がりを持たせることで、ウマ娘の可能性を引き出すものである……理事長はそう言ったらしい。
「その言い方だと……俺の事そういう風に思ってたんだなー、ちょっと嬉しいかも」
「そういうことじゃない」
「ちょっと……」
「トレーナー君、聞くが君はこのトレセン学園のトレーナーをどこまで把握している?」
「えーーと、まず……サイレンススズカとハルウララのトレーナーはそれぞれ俺の知り合いです、ライスシャワーのは兄貴で、タキオンのは……思い出したくない」
「君の言うそれらは皆、過去に君が居た時に開催された『エグゼ杯』の時の面々だ……」
「しかし指で数えられるそれらはこの学園のほんの一割に過ぎない」
「……ッ!」
たくっちスノーは驚愕する。
ルドルフの言っていることが真実ならば、自分はとんでもない勘違いをしていたことになるからだ。
トレセン学園には様々な才能を持ったウマ娘とトレーナーがいる。
しかし、その殆どをたくっちスノーは知らない。
この新プロジェクトは『ウマ娘』も『そのトレーナー』も殆ど把握しなければ成り立たない。
「つまりルドルフさん、俺が帰ってきてよかったというのは……」
「温故知新、君は改めてこのトレセン学園で……」
「生徒会ウマ娘の、私のトレーナー君として、それらを記憶に留めなくてはならない。」
- Re: 【ウマ娘】皇帝と女帝と怪物と俺達 ( No.4 )
- 日時: 2023/02/27 23:16
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
「なっ!?」
気がつくと、たくっちスノーの首筋にリボンの紐が巻き付いていた。
たくっちスノーは反射的にルドルフの腕を離し、背後の人間の脚を両手で掴む。
たくっちスノーは振り向き、その顔を見つめた。
その表情は、まさに……氷の如し。
「おや、流石に歴戦練磨、最強無敵と謳われるだけはありますね」
「どうやらお前が、エアグルーヴのトレーナーらしいな」
「いかにも、私の名前は西園寺大乱……訳あってエグゼ杯開催時は留守にしていたので、これがお互い初の顔見せとなります」
「なるほど、じゃあ俺が君の事を知らないのも当然ってことか」
「開き直って言うことでは無いだろう!」
「えぇ、私はトレーナーとしての貴方のことは何も知りません」
「さて、本題に移りますけど……私もエアグルーヴから聞きましたよ、トレーナー達の情報があるプロジェクトにいるとか」
「そういったことは得意ではありませんが上司命令というものは逆らえませんからね」
「……てか、ナリタブライアンは?そのトレーナーもどこ?」
「ナリタブライアンは…奴のことだ、またどこかでサボっているのだろう」
呆れたようにため息をつくエアグルーヴ。
しかし、彼女はすぐに表情を切り替えると、鋭い視線をたくっちスノーに向ける。
まるで獲物を狙う獣の如く。
そして、リボンがたくっちスノーを襲う。
「おい西園寺なんなのそれ」
「すみません職業病です、と真面目に答えますとナリタブライアンとそのトレーナーさんはもう既に行動に移しています」
「ということなので、我々も指導対象と深く結ばれたトレーナーの情報集めといきましょう。」
こうして…
皇帝シンボリルドルフとそのトレーナー、たくっちスノー。
女帝エアグルーヴとそのトレーナー、西園寺。
そして怪物ナリタブライアンと、まだ見ぬトレーナー達の情報を集めていく。
トレセン学園には様々な才能を持ったウマ娘とトレーナーがいる。
この新プロジェクトは、 たくっちスノーが今まで経験したことのない、様々な出来事を巻き起こす。
しかし、彼はそれをまだ知らない。
- Re: 【ウマ娘】皇帝と女帝と怪物と俺達 ( No.5 )
- 日時: 2023/03/04 09:20
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
『第1話』
かくして、プロジェクト・シンギュラーの為にトレーナーの情報を集める計画が始まった。
何よりたくっちスノー自身が学園内のトレーナー達のことをほぼ分かっていない。
ということで、まず……
「それで……まず私なんですか……」
最初のターゲットに選んだのはちょうど会ったばかりのエアグルーヴのトレーナー、西園寺だった。
「調べる前に聞いておきたいが、お前は俺が前に居た頃何をしていた」
「留守って言うが、その時はトレセン学園の方針が決まりかねない大事な時期な上に、時空最速を決める大会をしていたんだぞ」
「エグゼ杯については私もご存知ですよ、ですがね……」
と、西園寺は少し考えた後で言った。
それはもう本当に嫌そうな顔をしながら。
その表情を見てたくっちスノーは思う、この人は相当何かあるな……と
「……まぁ、分かりましたよ、どの道貴方やシンボリルドルフは協力者なので、黙っておく理由もありませんよね」
「実を言うと、元々トレーナーとしてトレセン学園に来たわけではありません」
「私の本職はSPですから」
「SP?それ……あの有名人とか守るSP?」
「そのSPです、この学園における対象は言わなくても分かりますね?」
「………秋川理事長か」
こくりと西園寺はうなずく。
つまり彼はSPであり、同時にトレーナーでもあるということだ。
以前、エグゼ杯の時に姿を見なかったのも秋川理事長共々出張に出ていたという事だろう。
しかし、それにしてはこの男、どこか抜けている気がする。
「中央トレセン学園理事長、秋川やよい……」
「トレセン学園としては最高峰の中央、そのトップを護衛するのはいいですが……まさか本当に子供とは思いませんでした」
「それは分かる、俺も初めて見た時は背が小さいだけと思っていたからな」
「まぁそんな事もあり、今時は物騒でいつ命を脅かされるかも分からないのでSPが張り込んでいるわけですよ」
「確かに……何の武装もセキュリティも無かったらいつ死んでもおかしくないとは思っていたが……」
と、そこでたくっちスノーはあることに気付いた。
「しかしよく資格取れたな、やっぱSPとならと教養もバッチリなんだな」
「……?」
「……」
「あの?」