お嬢様に虐められて虐めましょう。
作者/ 黒猫ミシェル

第七話
「どう言うモノなのかしら、玩具の気持ちって?…ねぇ、夢愛さん?」
「ふ、ぁ"…。あ"、なたがっ」
「何ですの、玩具さん?」
「あ"んだがッ!この気持ち味わえばい"い"のよーッ!!」
「嫌ですわ」ニコリ
悲痛の叫びを上げた夢愛様に対し、麗華さんは悪魔で優雅に答える。
でもその目には確かに嗜虐の色が見え隠れし、怒気のオーラを放っていた。
「彼方が対した家の出ではないから、こうなるのですわ」
「そんッなり"ゆうでッ!…っあ"ぅッ!!?」
「そんな理由?そんな理由で、現に彼方はこう言う目に有っているのですわよ?」
「い"ィたっぁ…」
夢愛さんの綺麗な亜麻色の髪の毛を無造作に掴み、自分に近づける。
私たちはただ静かに、何を麗華様がするのか見守っている。
今はもう皆、褒美の事しか考えていなかったーーーーーーーー。
第八話
「何をしてるんだ君たち!!?」
「…痛いん、です…。助けて…お願い、です…」
「画鋲じゃないかっ!!?こんな、どうして!!」
皆が興奮してきた頃、ドアが開いた。
入ってきたのは先週入ってきたばかりの熱血教師。
ーーーそれゆえ、ここの掟もしらず。
「何でもなくてよ、先生?画鋲が滑ってしまったのですわ」
「そんなはずないでしょう!!?好い加減にしなさいッ!!」
「あら、本当ですわ。ねぇー、皆さん?」
『はい。麗華様の仰る通りです』
「皆も、どおしたんだ!!」
この状況…。
どう考えても集団リンチ、イジメだ。
何故、この一人の子に味方するーーー?
「これだから…。田舎者の先生は嫌なのですわ!」
「先生に何だ、その口調は!!」
「聖花さん?」
「何ですか~?麗華さん~?」
「教頭をお呼びなさい!!」
新人の先生は分からない。
何故なら、普通の一般人だから。
たくさんの努力で先生になった、一般人だから。
何故、こんな子供が命令口調なのか?
ここでは当たり前のそんな事だって、左府は分からない。
だからーーーーー。
「きみ…。左府君、来なくて良いよ」
この一言で、左府幸宏は私立聖皇興院中学をクビになった。
次の日から、どんなに左府が学校の採用試験を受けても、採用してくれる所はなかったと言う。
そして、左府は自分が採用されないのは理由があると知った。
ーーー・・・月城麗華の父が、裏で圧力をかけている、と。
*+*
「あの先生、わたくしのお父様のせいで、仕事につけないのですって」
「…。そう仕向けたのは麗華さんじゃないの~」
「うふふ。だって、気に入らなかったんですもの」
無邪気な笑顔で答える麗華さん。
何故神様は、心優しい人に権力を与えなかったのだろうか?
何故神様は、心悪しき人にこの権力をあたえたのだろうか?
「でも夢愛さん、自殺しちゃいましたわよぉ?アレはどう片付けたんですの?」
「簡単な事ですわ。お父様のお力で、全て解決ですもの」
「…。ふふ。麗華さんには叶いませんわぁ~//」
私は、笑顔の仮面をつけた。
麗華さんの忠実なる腰巾着として、嘘の友として。

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