お嬢様に虐められて虐めましょう。
作者/ 黒猫ミシェル

第九話
今日の麗華様はいつになく機嫌が悪いみたい。
私たちは麗華様ともう一人、芽依さんを囲んでいた。
もちろん、好きでそうしてるんじゃない。
麗華様に、命令されたから。
麗華様は30人以上がいる前で、名のある社長の令嬢を。。。
「さぁ、早くわたくしの靴を舐めるのですわ!!」
「ぅ…。……はい、麗華様のお靴なら、喜んで…」
虐めていた。
理由は、良く分からない。
でも、麗華様が芽依さんを嫌っているというのは理解出来る。
「ねぇ…辞めて欲しいのではなくて?」
「え…っ……」
「どうなんですの、芽依?こんなに大勢の前で…恥ずかしいですわよね?」
「……恥ずかしいです、わ…ぅぐッ!!?」
芽依さんが呻き声をあげた。
横腹を抑えて、苦しそうに呼吸をしていた。
「お黙りなさい!!恥ずかしいで!?それはわたくしのセリフなのですわよ!!?」
「ぁ"…」
「わたくしの婚約者を誑かした女が、どこの口で言ってるんですの!!?」
言わせておいて怒りまくる麗華様。
でも、芽依さんを虐める理由は分かった。
「麗華ちゃんっ!!」
「洸大様…」
芽依さんが、麗華様の婚約者を誑かした…。
第十話
「洸大様…」
「麗華ちゃん、誤解だよ…」
「何が誤解だと言うのですの!?」
「ただ、話してただけだから…」
「話してた、"だけ"?」
ブルブルと、麗華様の華奢身体が震えた。
そのままキッと芽衣さんと洸大様を、その大きな目で睨み付ける。
「洸大様。いつわたくしが、この雌豚と話すのを許しまして?」
「え…っ?」
「洸大様は、わたくしの婚約者ですのよ?その方が、婚約者であるわたくしに断りなく異性とお喋りになるのですわ!!」
「…麗華ちゃ「大恥も良い所ですわ!!」
「………」
「どうしてくれますの!?メンツまる汚しですわよっ」
最後の一言に、洸大様のお顔の色が変わった。
今の洸大様のお気持ちを表すなら、
怒り。
その一言に尽きるだろう。
「良いですこと?今日の事は許して差し上げますわ。お父様にも言いませんわ。ただ…」
「……っ」
「次、このような事がありましたら…。赤月家を潰させて頂きますわ」
「なっ!?」
「良いですこと、洸大様?わたくしの家の力があれば…いく赤月家と云えど、簡単ですのよ?」
そう言い残して、麗華様は優雅に去って行った。
後に残った私たちは…。

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