お嬢様に虐められて虐めましょう。

作者/ 黒猫ミシェル

第十三話


「考え?」

「はい。麗華ちゃん、虐めちゃいましょ?」

「そ、そんな事できる訳ないだろうっ!!?」

「出来ますわぁ。塵も積もれば山となる、ですものぉ」

動揺する洸大を前に、聖花は相変わらず笑顔を保ったまま。
その聖花に少し恐怖を覚えた洸大。

「本当に…出来るの?」

「えぇ。麗華ちゃんを嫌いな子なんて、この学校には何人もいますでしょ?」

「………。どうやって?」

「それはお任せを♪じゃ、また明日ですぅ」

そう言うと、聖花は先程の麗華にも劣らない優雅さで去って行った。

*+*

「……。ごめんね、聖花…」


第十四話


「こ、これは…どう言う事ですのぉーッ?」

朝早く、塵一つ落ちていない教室に、聖花の声が響いた。

「どうもこうもありませんわ、聖花さん」

「い、嫌ですわぁー。私達、お友達ですわよねッ?」

若干引きつった嘘笑に、甲高い声。
冷や汗をダラダラと流しながら、聖花は麗華の前にいた。

「ええ。でも残念な事に、そうお思っていたのはわたくしだけでしたわ」

「なっ!!…い、今もお友達ですわよぉ!?」

「あら?では、あの方が嘘をお付きになったのかしら?」

あの方!?
そう目をキョロキョロ動かす聖花を、麗華は嘲り顔で見下した。

「出て来て下さって結構ですわ。…洸大様」

「洸大様ッ!!?」

目に見えて動揺した聖花の前に、困った顔をした洸大が現れた。
その洸大の腕に、まるで見せつけるように、麗華が腕を絡める。

「洸大様、お話してあげまして?」

「う、ん…。」

チラリと聖花の顔を一瞥してから、洸大は喋り始めたーー。