完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~ 170~
*41*
クラス発表を見終えたあたしは、早速自分の教室へと向かった。そして、”1-B”と書かれた表札が掲げられている教室の扉を開け、黒板の方へと目を向けた。そこには、座席表が寂しく貼ってあった。
「えーっと、枝下は…名簿番号18番だから…窓側寄りの真ん中の列の…一番前!?」
うー、最悪。
超先生に見られるポジションじゃん!
と思いながらも渋々その席に着く。そして、鞄を適当な場所に置いて、ぐるりと教室内を見回す。
あ、奈緒いるじゃん!美咲もいる〜!
結構いいクラス編成だ!
そんな感想を心の中で述べていると、とある男子の声が聞こえてきた。
「友達を強調すんな!」
この声は浅井だ!
なぜか口調が荒いわね。朝っぱらから元気な事だ。
「え?友達じゃないの?」
ん?この声は聞いたことがないなぁ。外部生かな?
あたしは気になって、声のした方を向く。
すると、この世の者とは思えないくらい顔が整った少年2人とその間に挟まれて困惑している、これもまたこの世の者とは思えないくらい顔が整った少女が居た。
普段のあたしならこの光景を喜んで見物するが、今回ばかりはそうもいかない。
だって…浅井が絡んでるんだもの。
「と、友達だが、そんな普通の友達じゃなくてだな…そう幼馴染だよ!友達以上の格だ!ただの友達では容易には慣れないクラスだぞ?」
「へ〜?幼馴染ね〜?ただ、一緒にいた時間が長かっただけじゃないの?」
なんだか外部生の方が、凄い剣幕で浅井を問い詰めている。
そして、浅井は浅井で外部生を睨んでいる。
というか、今気付いたけど、あのイケメン、絶対噂に聞く、逢坂徹くんだよね?
「うっせー。時間でもなんでもいいんだよ!とにかく共有してるものが友達より幼馴染の方が多いんだ。ほら、くっだらねー話してないで、会場に行こうぜ?黒板に”自主的に行け”って書いてあるしよー?」
「そうだね。今回はお相子ってことで。それじゃあ、綾川さん一緒に行こうか?」
「真奈、お前は俺と来るだろ?」
「え?えーっと…」
外部生に綾川さん、そして浅井に真奈と呼ばれた美少女は2人の顔を交互に見ながら困り果てているように見えた。
ここで、この美少女に浅井を選ばれては困る!
そう思った私は、助け船を出すふりをして、その美少女を浅井から遠ざけることにした。
「えーっと、綾川さんだっけ?綾川さんはあたしと一緒に行くの!」
「え…?」
あたしにそう言われて、さらに困惑したような顔になる彼女。
本当、美少女ってどんな顔をしても絵になるから羨ましいわ。
そんなことを思いながら、ニコニコと彼女に微笑むあたし。
そんなあたしを見て、”こいつ誰?”とでも言いたげな蔑んだ視線を送ってくる外部生。そして、”なんでお前がここにいるんだ?”的な顔であたしを見る浅井。
もう、何よ!皆して!やっぱ美少女じゃないと駄目なの!?
そうは思いつつも絶対口には出さないあたし。
私情を隠すのはあたしにとって日常茶飯事ですからね。まぁ、それが原因で一部の人たちに好かれていないのは事実なんだけど…。
と、色々考えていると、美少女は今の状況が頭の中で整理がついたようだ。
ようやく口を開いた。
そして、その第一声は…”拒否”だった。