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*54*
「それじゃあ、昼飯にすっか」
「賛成!」「お腹空いた〜」「うん、そうしよ」
「あたし、今までこんなに頑張ったこと、無いかも!?」
「道理でいつも20位台なわけだ」
「な、なんであたしの順位を!?」
「だって、一応桜田高校って進学校なんだぞ?順位の張り出し位あるだろうさ」
「そ、そうだった!すっかり忘れてた!」
「相当ボケてるな」
「う、煩い」
美樹はそう言いながらも顔は真っ赤だ。
暑いのかな?
でも、今日の最高気温は確か22度だったはず。
そんな訳ないよね…?
私は美紀の反応を不思議に思いながらもなぜか、そこは突っ込んではいけない気がして、敢えてスルーすることにした。
「それじゃあ、誰がコンビニへ飯を買いに行くか、じゃんけんで決めるぞ」
「はーい!やろやろ!」
「俺、結構じゃんけん強いんだよ」
「私、じゃんけん弱い…」
「えーっと、それじゃあ、じゃんけん勝った人が買いに行って、しかもその人の奢りってことで行こうぜ」
「おー!いつも負けた人からじゃつまんないってことね!いいわよ」
「俺も賛成だ」
「真奈は?」
凜がこちらを見ながら問う。
「私も意義なし」
「よし決定だ。それじゃあ、行くぞ。じゃんけんほい!」
じゃんけんの結果、凜と逢坂くんが買い出しに行くことになった。
「どうしてよりによってお前となんだ」
「それはこっちのセリフだよ!でも、女の子に奢ってもらうのは男としてどうかと思ってたところだからね〜。よかったと言えばよかったのかな?」
「まぁ、確かに」
「そう言うわけだから、お二人さん。俺たちが何かってくるか楽しみにしててね〜」
そう言って、凛の家を出て行った2人。
部屋に残って2人が帰って来るのを待つことになった私と美樹。
…会話が見つからない。
朝からずっと勉強してたからかな?
「ねぇ、真奈」
「な、何?」
「そんなに構えなくても大丈夫よ。実はね、あたし、好きな人いるんだ」
「え…?」
一瞬、何を言ってるのか分からなかった。
だが、すぐに理解した。
「え!?好きな人!?てか、情報屋って大抵は自分のことを話さないんじゃ…?」
「あたしは真奈を信用したから自分のこと話してるの。…真奈に好きな人は誰か?って聞いた時、真奈、教えてくれなかったでしょ?」
「ご、ごめん…」
「ううん、謝らなくていいのよ。あれが正常な対応だわ。話を戻すわ。…あの時から、どうしてあたしに教えてくれなかったんだろう?って考えてたの。初めは初対面だったからかなって思ってた。確かに、それもあったけど、それよりも先にもっと重要な事を見落としてた。あたしが真奈に自分自身のことについて話してなかったんだ。だから、当然だったんだよね、真奈が教えてくれなかったのは」
「…何が言いたいのか分からないよ」
「そうだよね。要点をまとめて言うと、あたしはもっと真奈に自分のことを知ってほしくなった、ってことかな」
「なるほど!私も美紀に自分のことをもっと知ってほしい!」
「ふふふ、ありがと。そんなわけで…聞かせて!」
「はい!?」
「真奈の好きな人」
「え!?だって、美樹はまだ好きな人の名前言ってないよ!?」
「真奈が言ったら教えるよ」
「本当に?」
「本当よ」
「もし嘘を吐いてたら、1000円の罰金だからね」
「妙にリアルな金額ね。まぁ、いいわ。嘘ついてないから」
「わかった。それじゃあ、耳貸して」
私はそう言って、美樹に私の好きな人を教えることになった。